ブランディング広告とは?効果のある施策や導入事例について解説
最終更新日:2022年12月07日
ブランディング広告は、自社のファンやリピーターが集まる「ブランディング効果」を狙った広告です。この記事では、ブランディング広告の概要とメリット、さらには広告の種類を紹介いたします。「ブランド力があがり県外からも顧客を獲得できるようになった」や「見たユーザーの30%ぐらいが契約をしている」という成果を上げた施策も紹介していますので、自社のブランドを強化したい方はぜひ検討してみてください。
なお、ブランディング広告はあくまでも企業全体としての取り組みである「ブランド戦略」の施策の1つです。ブランド戦略の各部分に一貫性をもたらし、複数の施策を同時に打ち出すことで、ブランディング効果がさらに高められます。
下記のページにはブランド戦略やブランディングの基本的な情報をまとめている資料も用意しております。ブランドの価値構造やブランディングの各ステップを解説していますので、ぜひこの記事と合わせてお役立てください。
まずブランディング広告とは何か?
ブランディング広告とは、企業イメージや商品・サービスにまつわるブランド価値の向上を目的とした広告のことを指します。ブランディング広告を導入する目的としては、ユーザーに対して自社ブランドにともなう情報・コンテンツをわかりやすく伝えたうえで、幅広いユーザー層への認知や好感度の定着を目指すことにあります。
またブランディング広告の大きな特徴のひとつが、他の広告よりも自社ブランドとターゲットユーザーとの関係性を深めることに特化している点です。
たとえばレスポンス広告の場合、短期的および直接的な売り上げ(お問合せ件数やサイトクリック数の増加)がメインのゴールとして掲げられているケースが多い傾向にあります。
対してブランディング広告は、「ユーザーに向けたメッセージの想起」や「自社の存在を知ってもらう」「ユーザーの購買意欲を促進させる」などのポイントをクリアすることがゴールとなります。
また従来のブランディング広告では、テレビCM・雑誌・新聞などのマスメディアが主な発信媒体となっていました。しかし近年では、インターネットの急速普及の影響から、各種Web媒体を活用したブランディング広告の取り入れが浸透しつつあります。
なおブランディング広告を打ち出すうえで、まずは自社ブランドの方向性や認知度の調査、ターゲットユーザーの絞り込みなどに対して積極的に取り組むことが重要です。
たとえばすでに自社ブランドが多くの人に認知されている企業の場合、自社商品・サービスの特徴や過去の実績などを打ち出す必要性が少ないといえます。そのため認知度の高い企業は、ブランディング広告にて自社ブランドのイメージを訴求するほうが、直接的な売り上げ向上につながりやすい傾向にあります。
対してまだまだ自社ブランドが世間的に浸透していない企業の場合は、自社商品・サービスの具体的な内容や競合他社との優位性などを説明することから始める必要があるといえるでしょう。
そのため認知度の低い企業がブランディング広告を打ち出す際は、Webのバナー枠などを利用するのではなく、動画広告などをはじめとしたリッチメディアでの広告・宣伝を積極的に進めることが重要です。
ブランディングがもたらすメリット
ブランディングを打ち出すことは、数多くのメリットを獲得することにつながります。ここではブランディングがもたらすメリットについて詳しく解説していきます。
価格や機能などの他社との競争に巻き込まれにくい
同ジャンルの商品やサービスがたくさん販売・利用されている昨今、競合他社との価格競争や機能面での差別化などが激化している傾向にあります。このような背景のなか、競合他社との競争を緩和する目的から自社ブランディングの構築を積極的に進めている企業も増えてきています。
ブランディングの取り組みにてターゲットユーザーに支持されるブランドの構築を実現させることで、競合他社および類似商品・サービスと比較されにくい状況下をつくり出すことが可能です。すなわち他社商品・サービスとの機能面および価格面にまつわる競争に巻き込まれにくくなることを意味しているのです。
また自社ブランドの構築に成功することは、自社市場での価格相場にとらわれることなく、自由な値段設定を打ち出せることにつながります。その結果、売り上げの大幅向上を促すことが期待できます。
マーケティングのコストを安価に抑えられる
自社ブランドの構築までには、広告出稿などの宣伝コストを負担することが求められます。しかし自社ブランドが世間一般的に定着した後、自社商品・サービスのリピーターが徐々に増えることで、「最小限の宣伝コストにて顧客ユーザーが自社商品・サービスを購入してくれる」といった状況を生み出すことが可能です。
また「この会社が販売している商品・サービスだから購入したい」といったユーザーが増えれば増えるほど、広告・宣伝コストの削減につながってくるのです。
さらにブランディングの構築は、仕入れにともなうコストの削減を図ることにもつながります。ブランディングの成功により自社商品の販売数が増えれば、必然的に各種仕入先への発注数も増加していきます。その結果、仕入先への価格交渉(原材料や製造料などの価格)を進めやすくなります。
顧客定着率がアップする
自社市場において唯一無二のポジションを確立させることにより、ターゲットユーザーとの長期的な関係性を築き上げることが可能です。またターゲットユーザーとの関係性構築は、ユーザーが抱える自社商品・サービスへの生涯価値を向上させることにつながります。その結果、顧客定着率の大幅アップを期待することができるのです。
たとえば顧客定着率が低い企業は、新規ユーザー獲得のために投資した資金を回収できなくなり、最終的に経営状況を傾かせてしまう危険性があります。
対して顧客定着率の向上に成功した場合、新規ユーザー獲得に費やした資金の回収が容易になり、かつターゲットユーザーに好まれる商品・サービスの開発に着手できるため、結果的に企業全体の売り上げ向上にもつながるといえます。
つまり「既存ユーザーが抱える自社や商品・サービスへの愛着度数を引き上げることにより、競合他社と比較することなく自社商品・サービスを購入してもらえる」といった状況をつくり出すためにも、明確なブランディングの構築が重要になってくるのです。
ブランディング広告の種類と特徴
ブランディング施策の取り入れを進めるにあたり、まずはブランディング広告の種類やそれぞれの特徴について理解を深めておくことが重要です。ここではブランディング広告の種類と特徴について解説します。
マス広告
マス広告とは、「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」といった4つの媒体にて掲載される広告のことを指します。またマス広告には、「不特定多数のユーザーに対して効率的に情報発信できる」といったメリットが含まれています。
以下ではそれぞれ(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の概要や特徴についてまとめました。
テレビ
テレビCMには、大きく分けて2種類の広告形態があります。2種類の詳細については以下のとおりです。
タイム広告
1本/30秒
スポット広告
1本/15秒
テレビCMは、基本的に1クールでの出稿となります。また各テレビ番組のエンドロールにてスポンサーの提供クレジットが掲載されるため、比較的高い露出効果を期待することが可能です。
さらにはテレビ番組の合間に自社のCMが流れることから、テレビ番組のジャンルや時間帯などを考慮したうえで、自社が求めるターゲット層に合わせて広告を打ち出すことができます。
ラジオ
ラジオCMは、テレビCMと同じく番組の中盤にて広告が流れるほか、タイム広告とスポット広告の2種類が用意されています。またラジオ局は日本全国のエリアごとに地方局が設けられているため、各エリアに合わせたCM・広告を打ち出すことが可能です。
さらにスポンサーを務めるラジオ番組によっては、スポンサーを巻き込んだ企画を番組内に組み込むケースも多い傾向にあります。そのためスポンサー絡みの企画が多い番組に投資することで、リスナーに対して自社ブランドのイメージをよりわかりやすく伝えることが期待できるといえます。
新聞
新聞広告には、全面広告から記事下部に掲載する広告まで、多種多様なバリエーションの掲載スタイルが用意されています。また全国紙や地方紙、専門紙など、新聞の種類に関しても多岐にわたります。
新聞広告では、文字と写真・イラストを活用したうえで効果的な訴求が可能となるため、読者に対してより大きなインパクトを与えることが期待できるといえるでしょう。
雑誌
雑誌広告には、純広告とタイアップ広告の2種類があります。それぞれの概要や特徴については以下のとおりです。
純広告
新聞広告と同じく、各ページに設けられている広告枠に対して自社広告を掲載する。
タイアップ広告
雑誌内に掲載する有益コンテンツとして、自社商品・サービスの紹介をしてもらう。
各種雑誌は、関心や趣味ごとに購読者が分かれていることから、該当するターゲットユーザー層向けの記事内容が掲載される特徴があります。そのため雑誌広告は、他のマスメディア(テレビ・ラジオ・新聞)と比べて、「よりターゲット層を絞った広告を打ちたい」などの考えを持っている企業に向いている広告媒体だといえるでしょう。
デジタルメディアを使ったブランディング
次に、デジタルメディアを活用したブランディング施策について見ていきましょう。デジタルメディアのブランディング施策にまつわる具体的な種類やそれぞれの特徴については以下のとおりです。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングメディアとは、競合との差別化と市場における自社の位置づけ(ポジショニング)に焦点を当てているWebサイトです。
インターネットで情報収集を行っているユーザーはポータルサイトや比較サイト、またはECサイトを使っていることが多いです。自社商品の情報をポータルサイトなどに掲載すると認知度の向上は見込めるのですが、ブランディング効果をもたらすにはあまり向いていないと言えます。
なぜかというと、ポータルサイト・比較サイトなどでは、自社の商品がどのように比較されているのかコントロールできない点が多いからです。自社商品の魅力をしっかりアピールしても、最終的には価格などで比べられがちです。
ポジショニングメディアのポイントは、比較の切口やサイトのデザインなどが自由に決められることです。そうすることで、「〇〇といえば自社」というブランディング効果が実現可能となります。その戦略が、
- 導入後にテレビ取材を受け、営業していない県外からでも集客できるようになった
- 「冷やかし客」は減り、30%ぐらいの確率で毎月10件以上の契約が成立することに
- 問い合わせをする顧客は検討が終わっているため話が早く、売上に繋がりやすい
といった成果に繋がっています。詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、FacebookやTwitterなどをはじめとした各種SNSツールにて拡散および支持されるコンテンツを発信することで、ユーザーにとってより親しみやすいブランドの確立を目指す施策のことを指します。
ただしSNSを活用するユーザーのコメント・口コミが付加されたうえで、自社商品・サービスの情報が拡散されていくため、ブランドイメージの制御が困難な側面もあります。そのためSNSマーケティングは、各ユーザーとの密接なコミュニケーションや綿密かつ正確なマーケティング戦略が求められる施策だといえます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ターゲットユーザーにとって有益なコンテンツを発信したうえで、「ユーザーの育成」や「ファンとしての定着」「自社商品・サービスの販売促進」などを狙うマーケティング施策のことを指します。
またコンテンツマーケティングにて熱烈なファンになってもらうためには、発信する情報・コンテンツ内に自社の価値や魅力などを組み込んだうえで、自社ブランドの確立を図らなければなりません。つまりコンテンツマーケティングを成功へと導くためには、必然的にブランディング施策を取り入れることが求められるのです。
またコンテンツマーケティングを進めるうえで、「目先の数字にとらわれない」といったポイントに注意を払うことが重要になってきます。たとえばセッション数または再訪問率などの数値を優先することは、ブランディングの成果獲得を妨げる要因になりかねないといえるでしょう。
YouTubeチャンネル
近年インターネットの急速普及が進むなか、動画サイト内(YouTube)での広告打ち出しを検討している企業も増えてきています。YouTubeは、企業のブランディングを構築するうえで、欠かせない広告媒体のひとつです。
たとえばYouTube内にて投稿されている動画コンテンツに自社の広告を掲載してもらうことで、不特定多数のユーザーに自社の存在をアピールすることが可能となります。また動画コンテンツのジャンルによって掲載広告が分類されているため、求めるターゲットユーザー層にピンポイントで訴求することができます。
なお他者がアップロードした動画コンテンツへの広告掲載以外にも、公式YouTubeチャンネルを開設・運用したうえで、定期的に動画を更新している企業も多く見受けられます。
公式YouTubeチャンネルを運用することにより、「自社の強みや魅力」または「自社商品・サービスの概要や特徴」などをわかりやすく訴求することが可能だといえます。
タイアップ(メディアタイアップ・著名人タイアップ)
タイアップとは、各種メディアが持つ世界観に沿った形で読者とのコミュニケーションを積極的に進める施策のことを指します。またタイアップは、「別名:記事広告」とも呼ばれています。
近年、広告の表示を好まないユーザーが増えてきている影響から、各種広告の表示を控えるサービス(アドブロック機能)などが高い人気を集めています。
このような背景のなか、ユーザーに好まれる広告を目指すためにも、自社広告を各種メディアのコンテンツ内容に上手く溶け込ませる手法「ネイティブ広告」の取り入れが求められている傾向にあります。
なおタイアップ広告や記事広告は、ネイティブ広告の一種に分類される手法です。タイアップ広告は、各種メディアの編集力およびアイデンティティを借りるスタイルにてブランディングの構築を進められます。そのため、タイアップ広告にて自社ブランドとの相乗効果を上手く発揮することにより、高い効果を望むことが期待できます。
ブランディングサイトの立ち上げ
ブランディングサイトとは、自社ブランドまたはアイデンティティ(ブランドの世界観・コンセプト・ビジョンなど)をわかりやすくユーザーに伝えることを目的としたWebサイトのことを指します。
ターゲットユーザーに対して「自社ブランドの商品・サービスを購入することで、どのような利益/メリットを獲得することができるのか」を明確に伝えることで、自社ブランドにまつわる価値を感じてもらい、最終的に購買行動の促進を促します。
またブランディングサイトを立ち上げるにあたり、まずは明確な目的を定めておくことが重要です。ブランディングサイトの立ち上げにまつわる目的の具体例については以下のとおりです。
- 自社ブランドの認知度をアップさせる
- ユーザーに自社ブランドへの愛着を持ってもらう
- ECサイトへの誘導
ブランディングの事例
他社企業のブランディング構築事例について理解を深めておくことは、自社ブランディングを成功へと導く鍵になります。ここでは、ブランディングの事例について解説していきます。
ニベアのブランディング事例
スキンケアクリームのリーディングブランドとして有名なニベアは、ビジュアルアイデンティティとブランドアイデンティティから生まれるブランド連想を上手く取り入れた企業となります。
ニベアが取り入れたブランディング事例の詳細については以下のとおりです。
ビジュアルアイデンティティ
ロゴマークにミッドナイトブルーを取り入れることで、ビジュアルインパクトを与えることが可能。
ブランドアイデンティティ
「地肌のふれあいにより、深い愛情を感じ取れる」というイメージビジョン。
ブランド連想
「数多くのユーザーが、子ども時代、母親の愛情とともに出会うことになるブランド」としての確立。
星野リゾートのブランディング事例
日本屈指の宿泊施設運営企業として知られている星野リゾートは、宿泊施設としてのホスピタリティを大切にしている企業となります。
星野リゾートでは、「自分たちが抱いているこだわりを自社サービスに上手く組み込んでいく。それが、日本式のホスピタリティである。」といったテーマの基、満足度の高いおもてなしの提供に努めています。
また星野リゾートが運営する宿泊施設では、「駐車場にてポニーが迎えに来る」や「8割のスタッフが方言を使用したうえで接客を行う」など、他のホテルや旅館にはないユニーク性を積極的に取り入れている点も、星野リゾートが選ばれる理由のひとつだといえるでしょう。
Starbucks(スターバックス)のブランディング事例
日本国内においても人気の高いコーヒーチェーン店「Starbucks(スターバックス)」は、各店舗スタッフのサービス品質に重点を置いた施策を取り入れている企業です。スターバックスでは、アルバイトを含めた新人スタッフに対して約1ヶ月間の研修期間を設けています。
その結果、「スターバックスは、すべてにおいてサービスの品質が高い」といったイメージを構築することに成功しています。
またスターバックスの企業理念でもある「自宅でも仕事場でもない快適空間」を体現することで、「落ち着いて作業したいときはスターバックスへ!」というブランドイメージの構築にも成功している特徴があります。
ブランディング広告の取り入れならZenkenへ
ブランディング広告には、マス広告やデジタルメディアを活用した広告など、バリエーション豊かな種類が含まれているうえ、それぞれの種類によって概要や特性が大きく異なります。
そのためブランディング広告の取り入れを検討する際は、あらかじめブランディング広告の概要や種類、それぞれの特性について理解を深めておきましょう。
Zenkenではお客様の事業内容やブランディング目標などを踏まえたうえで、お客様一人ひとりにとってもっとも最適なブランディング広告媒体をご提案させていただきます。
なかでもポジショニングメディア、ブランディングメディアで貢献ができますので、ぜひお気軽にご相談ください。