ジオターゲティング広告とは?費用は?検索しないユーザーにアプローチできる可能性
最終更新日:2020年12月13日
ジオターゲティング広告とは?
広告には様々な種類があります。代表的なものとして自身のWeb上の閲覧履歴に即して広告が表示される「リマーケティング」や、これまでの購入履歴などを参考に商品がレコメンドされる「インタレストマッチ」があります。
これらの広告はWeb上の行動履歴を用いているため、あくまでもオンライン上の興味や関心に即して広告が表示されます。
しかしジオターゲティング広告の場合、オフライン情報であるGPS情報を元に広告表示ができるのです。こちらではジオターゲティング広告を詳しくご紹介します。
どのようなターゲティングを行うのか
ジオターゲティング広告はGPSによる位置情報が基盤となり広告が配信されます。オンラインで収集している情報が「なんとなく」の興味・関心だとしたら、GPS情報は実際にユーザーが足を運んでいることから、興味・関心の度合いが高いと言えるでしょう。
エリアを指定してターゲティングしていく
ジオターゲティング広告を配信する際には予め広告配信主が広告配信エリアを設定します。最も狭い範囲では半径数十メートル単位で設定することができますが、広い範囲では市区町村などで設定することが可能です。「東京都新宿区」のように区全体で指定することはもちろん、店舗や住所を起点に徒歩圏内のみを設定することも可能です。
広告はユーザーの行動履歴からターゲティングされ、ユーザー自身が実際に足を運んだことがあるエリアのものが配信されます。実際にスマートフォンなどでWeb検索をしている際に、バナー広告が「ここ、行ったことある」というものだった経験はないでしょうか?その広告はもしかすると、ジオターゲティング広告かもしれません。
ユーザーから見るといたって自然に広告配信がされており、リマーケティングやインタレストマッチほど自分の行動に直結しているとは判別しにくい点が特徴です。
どうやってGPS情報を獲得するのか?
「位置情報を元にマーケティングするなんて問題にならないの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。
GPS情報の取得はスマートフォンの場合は位置情報、PCの場合にはIPアドレスと呼ばれるPCの住所のような番号と、データマネジメントプラットフォーム、通称DMPと呼ばれるオンライン上のあらゆるビックデータを扱うプラットフォームの情報を掛け合わせて特定します。
スマートフォンを操作する場合、初めて操作するアプリなどで「位置情報をONにするか?」と聞かれることはないでしょうか。「常にON」「アプリを使用中のみON」など、個人の希望によって選択することができるはずです。
ジオターゲティング広告の場合、アプリ上などで許可された位置情報を用いてユーザーを特定しています。「アプリの使用中のみ位置情報ON」という設定は約6割が許可していることから、マーケティングを実施するために十分なデータを収集できると言えます。
ジオターゲティング広告でできること
Web検索しないユーザーニーズをキャッチアップできる
リマーケティングやインタレストマッチの場合、ユーザーがWebで検索しているということが必要最低条件となります。しかしオンラインで「検索をする」という行為は、興味・関心は高いものの現在時点では実行していなかったり、手に入れていない可能性が考えられるのではないでしょうか。
ルーティン化するほど日常の行動へアプローチできる
ジオターゲティング広告の場合、既に行動がルーティン化するほど日常に馴染んでいるニーズを捉えることができる可能性があります。
料理を毎日している人をターゲットに考えてみましょう。ターゲットへ向けて調理器具の広告配信をしたいと考えた時に、どのような配信方法が適切だと考えるでしょうか?
ターゲットが日々「調理器具 オススメ」といったキーワードで検索していれば商品をレコメンドしやすいですが、行動がルーティン化している人ほど「オススメ」などのキーワードで検索する可能性は低いと言えるでしょう。もちろん検索するユーザーは一定数いるでしょうか、既に気に入った商品やブランドがある場合にはわざわざ検索しない場合も想定できます。
そんなユーザーを対象にする際に有効なのがジオターゲティング広告です。スーパーや食器販売店などをエリアとして設定することで、普段足を運んでいる身近な場所で商品を購入してくれそうなターゲットに広告配信ができるのです。
商品を全く知らない人へアプローチできる
エリアを軸にターゲットを設定できることから、商品を全く知らない人へ直接的なアプローチが可能です。自社商品が無名の場合、リマーケティングやインタレストマッチには登場させにくいと考えられます。しかしエリアでターゲットを選定できれば、ユーザーがエリアに足を踏み入れるだけで認知が成功できるのです。
しかしあくまで認知の効果が大きいことから、成約数などを指標に広告配信することは難しいと言えます。目に見えにくい成果ではあるものの、広告の表示回数などを指標に置くことで広告として評価していく必要があるでしょう。
広告配信後の行動を見ることができる
リマーケティングやインタレストマッチは商品が購入されて、初めてユーザーが行動を起こしたことが分かります。しかし実際のところ、商品は見たものの購入に至らない層も一定数いるでしょう。マーケティングにおいて、購入前に離脱してしまったユーザーの数を把握することはとても重要です。
その観点に立つと、ジオターゲティング広告配信は非常に有効です。広告配信が実施されたタイミングでユーザーが目標エリアや店舗などに実際に足を運んだかを計測することができます。広告配信のタイミングが重要にはなるものの、他の広告配信とは異なる指標を持つことができるでしょう。
実際に広告非接触ユーザーと来店率を比較し、ジオターゲティング広告をクリックしたユーザーが来店率が増加したといった事例もあり、分かりやすく効果を比較できると言えます。
ジオターゲティング広告配信の事例
レストラン
事前に店舗を予約していない限り、待ち合わせしたエリア内で「どのお店に行こう?」と悩むことがあるのではないでしょうか。エリア内でジオターゲティング広告を配信していけば、どこに行こうか迷った時の候補地として名前が挙がることがあるかもしれません。
飲食の場合エリアマーケティングとの親和性が高いことから、ジオターゲティング広告を配信することは非常に有効な施策と言えるでしょう。
塾
塾は日々通学することを踏まえ、エリアとの親和性が非常に重要となる形態です。
日頃活動しているエリア内にあることが望ましいからこそ、ジオターゲティング広告配信が有効だと言えるでしょう。
富裕層向け高額商品
富裕層をターゲットにする際、富裕層の行動範囲に対してジオターゲティング広告を配信することで、富裕層向けの高額商品の購入確率を高めることができる可能性があります。
富裕層の居住地などで限定しようとするとターゲティングが難しいものの、行動範囲は周辺環境や店舗などから推察しやすく、ジオターゲティング広告配信が適していると言えるでしょう。
不動産
引越しや住み替えを検討する際、これまで足を運んだことがあるエリアで検討される方がほとんどではないでしょうか。もちろん遠方からの引越しとなると難しいですが、同じ県内、同じ区内の移動であれば既に足を踏み入れたことがあるエリアを検討される方がほとんどでしょう。
だからこそ、ジオターゲティング広告配信は非常に有効です。知っている場所の物件であれば、認知を高めやすくなるため、不動産はジオターゲティング広告に適した商材といえます。
ジオターゲティングの費用・コスト、配信までのスケジュール
最低金額は10万円から
会社やプランによって実際の費用は異なるものの、最低出稿金額は10万円からという設定が多いようです。その後の課金額は事前に設定した課金方法によって異なるのが一般的です。
広告出稿で10万円からという金額を高く感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、他のWeb広告とはターゲットへのアプローチ方法が異なるからこそ、興味があれば1度試してみるのも良いでしょう。
課金方法は?
表示回数によって課金額が変わるインプレッション課金の場合、1,000回表示させるために500円ほど、ユーザーが広告をクリックするごとに課金されるクリック課金の場合、1クリック200円ほどが相場のようです。
自社の効果測定の指標に則り、適した方法を選択しましょう。
広告配信までの期間は?
問い合わせから配信まで、最短で1週間程度のようです。しかしあくまでもこれは材料が揃っている場合の指標です。
通常広告配信にはターゲットとなるエリアのリストアップや、実際にユーザーに表示される広告のクリエイティブ制作などの作業が生じます。通常のWeb広告の場合、最も時間が掛かる作業がクリエイティブ制作だとしたら、ジオターゲティング広告の場合負荷がかかる点が多いことは想定しておく必要があります。
また、広告配信主側が必要物を制作する上でのスケジュールのため、実際にはもっと時間が掛かると思っておくことが必要でしょう。
個人情報取得には課題が残る
個人はもちろん、企業が情報を提供する必要がある
GoogleやLINEといった日本国内でユーザー数が多く、位置情報を認識できるサービスやアプリがジオターゲティング広告配信のために情報提供をしない限り、精度向上に欠ける側面が大きいかもしれません。
実際に使用頻度が低いアプリは位置情報を開示しないユーザーも多く、個人情報取得という観点ではまだまだ課題がありそうです。
また、自分の位置情報がマーケティングに活用されることを望まない人も多く、今後どのような情報開示を行っていくかがジオターゲティング広告発展のカギになりそうです。
ジオターゲティング広告に有効なアプリとは
一方で、前提として位置情報をアプリ側に提供することでサービスが成り立っているものもあり、そのようなアプリ情報はジオターゲティング広告配信に有効だといえます。幾つか例をご紹介しましょう。
モバイルちらし
通常自宅のポストに届くちらしを携帯で受け取ることができるサービスです。ユーザーはエリア内で位置情報をONにすることで有益な情報を手に入れることができるため、基本的に位置情報はONになっていると考えることができるでしょう。
ちらしを配信する側は、テンプレートの中からデザインを選択し、最低1,000円程度から出稿できます。金額的なハードルが低く、便利なアプリだと言えるでしょう。
TRAVEL JAPAN WiFi
訪日観光客向けに各所にあるフリーWiFiスポットを自動で探し出し、接続するサービスです。WiFiスポットへ接続する必要があるため、必然的に位置情報はONになります。
使用する時点である程度ターゲットがセグメントできていることから、ジオターゲティング広告配信を実施しやすいアプリと言えるでしょう。
Adgram
乗り換えアプリである「駅すぱぁと」の移動予測データを元にしたジオターゲティング広告配信サービスです。アプリを介し、相当狭めたターゲットに対して広告配信を実現できます。
乗り換えアプリを利用するユーザーはエリアへの興味・関心が高いと言えることから、ジオターゲティング広告配信と親和性が高いアプリと言えるでしょう。
地域+商品・サービスというセグメンテーションでポジショニング
ジオターゲティング広告配信は、広告配信主にとってエリアを元にターゲットを選別できるという点で有効な広告配信方法ではあるものの、位置情報取得の壁はまだやや高く活用しやすい広告配信方法とは言い難い側面があるかもしれません。
一方で、エリアを軸にしたエリアマーケティングを実施するなら、エリア内で自社の強みを明確にしたポジショニングメディアも有効です。エリアマーケティングを活用したポジショニングメディアについて、具体的な内容についてはキャククル(Zenken)までお問い合わせください。
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