【3分で理解】4P分析で見るスターバックスのマーケティング戦略

【3分で理解】4P分析で見るスターバックスのマーケティング戦略
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この記事では、世界最大級のコーヒーチェーン店「スターバックス」のマーケティング戦略を4P分析の観点から解説していきます。どうぞ貴社のマーケティング戦略作成にお役立てください。

なお、4P分析はあくまでもマーケティング戦略を策定する一連の流れの一部で、ターゲット顧客や競合環境などが把握できた後で行う作業です。自社のマーケティング戦略を全体的に見直したいという方には、自社・顧客・競合を整理していく「3C分析」から始めることをおすすめします。

競合にはない、自社だけの強みをどの顧客にアピールすべきかを明確にしてからマーケティングミックスを決める4P分析を行うことで、一貫性のある戦略ができやすくなります。

下記のページには4P分析が記入するだけで簡単に進められるテンプレートも用意しておりますので、ぜひ活用してみてください。

無料テンプレートを
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そもそも4P分析とは?

4P分析は、マーケティング戦略の中でもメジャーなフレームワークのひとつです。顧客ニーズを調べて求める商品を作り、顧客ターゲットへ確実に届ける方法を考える際に用いられています。

4Pとは?

4Pは下記4つの単語の頭文字を取ったものです。マーケティング戦略戦略を練る際、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」に分けて掘り下げるもの。フレームワークを複数使っていることから、“マーケティング・ミックス”とも呼ばれています。マーケティング戦略では基本的かつスタンダードな概念なので、目にしたことのある人は多いでしょう。

  • Product:製品
  • Price:価格
  • Place:流通
  • Promotion:販売促進

4つのPには分析するポイントがあります。

Product(製品)は、品質・デザイン・ブランド・パッケージだけではなくサービスまで含めた製品全体です。Price(価格)は商品価値やブランドイメージと整合性のある価格設定について考えます。Place(流通)は、ターゲット層に商品を確実に提供するための販売場所や流通経路について、Promotion(販売促進)は新規顧客の獲得はもちろんのこと、リピーターを増やすための販促や広告宣伝の手法について考えます。

以上のように、4P分析は、「どのような製品を」「どのように提供するか」について考察するフレームワークです。

4Pの目的とは?

4P分析の目的は顧客ニーズに合った製品を作り、それを確実に顧客ターゲットに供給すること。

事業者の目的は顧客に製品やサービスを提供し、それを購入してもらい利益を上げることですが、闇雲に製品を作り供給しても良い反応は得られず購入に繋がりません。

あらかじめ顧客ターゲットを絞り、ターゲット層が求める製品を作り、なおかつターゲット層に確実に製品を届ける仕組みを構築する必要があります。

そこで役に立つのが4P分析です。4P分析を行うことで自社がどのような製品を作り、どのように提供すれば良いか、有効な戦略を導き出すことが可能です。

以下では、スターバックスの場合を例にして、4P分析を行ってみました。ぜひ参考にしてください。

スターバックスにおける「Product」

スターバックス公式サイト画像
引用元:スターバックス「https://www.starbucks.co.jp/reserve/roastery/」

スターバックスのProduct(製品)は、もちろんコーヒーがメインです。当店では、世界各地で生産されるコーヒー豆の中から、バイヤーが最良のコーヒー豆を見つけ出して仕入れています。いずれも品質・経済・社会・環境など様々な面で責任を持って育てられたものであり、高品質であると同時に安心感の持てるコーヒー豆です。

国によって商品の種類やサイズが異なるのもスターバックス製品の特徴です。例えば抹茶をモチーフにした商品は日本独自のオリジナルメニュー。最も小さい“ショートサイズ”も日本独自のサイズで、外店舗にはありません。

コーヒーの味わいにバリエーションを与える、抽出方法の選択肢も豊富です。通常店舗ではドリップやコーヒープレス、リザーブ店ではサイフォン、ブラックイーグル、クローバー、プアオーバーなど、お好みの抽出方法を選べます。

「こだわり」「高品質」「多様性」が光るスターバックスのProductです。

スターバックスにおける「Price」

スターバックスのPrice(価格)は高価格戦略が特徴的で、コーヒーチェーンの中では価格は高めに設定されています。スターバックスの顧客ターゲットの中に「高級感」を求めるユーザーが多く含まれることを考えると、適正な価格設定でありブランドイメージとの整合性もあります。スタバコーヒーの品質への評価は高く、製品価値とのバランスもとれています。

一方、近年はスターバックスの価格に対する顧客満足度は低下しているようです。多店舗展開による「大衆化」により、庶民層から「スタバは高い」と思われている点が挙げられています。

スターバックスにおける「Place」

スターバックスにおけるPlace(流通)で印象的なのは、1号店の立地です。日本でも有数のリッチな土地柄の銀座ですが、この銀座に1号店を出したことでスターバックスは「立地のよい場所で飲める高品質なコーヒー店」というブランディングに成功しました。

地方におけるスタバの立地戦略もコンセプトは1号店と変わりません。出店場所はきまって人の往来の多い中心街であり、各地の主要駅やショッピングモールには必ずといっていいほどスタバが出店しています。一方で、客の「質」にこだわるのもスタバ流であり、庶民的なエリアには出店が少ないのも特徴です。

総合的に見ると、スターバックスのPlace(流通)は「数」と「質」にこだわった戦略を実践しているといえるでしょう。

スターバックスにおける「Promotion」

スターバックスはPromotion(販売促進)において、広告宣伝をほとんど行わないという大胆な戦略をとっています。波及効果が高いとされるテレビCMも打たない、当初は企業名すら隠して、店頭看板、口コミ、PRのみの地道な方法でプロモーションを行ってきたのです。この戦略は現在の結果から見て、大成功を収めたといえるでしょう。当店はカフェ業界でトップを走る人気店となっています。

口コミによるプロモーション効果は、実際のところかなり大きかったようです。というのも、口コミをするのは店舗に実際に足を運び、高品質なコーヒーと店内の雰囲気を堪能したお客さんだからです。実感のこもるリアルな情報を伝えるその口コミには説得力があり、十分なまでの集客力を持っています。

4p分析とは?事例から学ぶ
マーケティング戦略立案のヒント

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