ニトリを3C分析!経営に活かせる差別化戦略を学ぶ
最終更新日:2022年12月01日
この記事では、ニトリを3C分析の観点から解説しています。どうぞ貴社の現状分析や戦略立案にお役立てください。
なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。シートに記入するだけで3C分析が進められる内容になっていますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
そもそも3C分析とは?
3C分析とはマーケティング戦略における環境分析のフレームワークで、戦略構築の際に用いられる広く知られています。
3Cとは?
3つのCは市場や顧客を意味する「Customer」、競合を意味する「Competitor」、自社を意味する「Company」を意味します。
戦略的に3つの関係性を分析していくことで、マーケティングにおける戦略立案が可能となっています。マッキンゼーの戦略コンサルトだった大前研一氏が自著『The Mind of Strategist』内で提唱しました。
3C分析の目的とは?
3C分析を行うことで、サービスの差別化ポイントや事業の方向性といった、自社の成功要因を導き出すことができます。3C分析を用いることで自社の強みを再確認できるほか、勝つために必要な要素を導き出すことが可能です。
以下では、ニトリの場合を例にして、3C分析をしてみました。
もし市場環境の分析行いたいとお考えでしたら、こちらのワークシートもご活用ください。
ニトリの「Customer」
ニトリの市場とは?
ニトリが属する業界はインテリア業界となりますが、扱う商品の多様さから様々な市場要素を含みます。
家具や家電を扱うという観点から「インテリア業界」は直接的に関わる業界ですが、ホームセンターのように生活必需品を多数扱う業界も同じ市場として捉える必要があるでしょう。
しかしインテリア業界の中では1988年以降、増収増益を続けるなど圧倒的な強さを持っており、売上高では業界第1位です。
ニトリの顧客
ニトリの顧客は「高品質な商品を低価格で」購入することを求めています。これはニトリのキャッチコピーである「お、ねだん以上、ニトリ」が示しているのではないでしょうか。
インテリアを扱う店舗でありながら、揃う内容は家具だけではありません。生活が変化する節目のタイミングには、「ニトリに行けば全て揃う」と考える顧客は一定数存在します。
価格帯によっては、購入の意思が一家の大黒柱となる場合があるでしょう。
しかし基本的には、ひとり暮らしを初めてする若者であっても手が届きやすい価格設定のため、自分の一存で購入決定まで進めるのは大きな魅力ではないでしょうか。
ニトリの「Competitor」
ニトリの直接競合となるのは、同じインテリア業界に属する企業です。しかし現在第2位である良品計画には、1,500億円以上の売上差をつけており、2位以下の企業が追随するのは難しい状態です。
※データ参照元:家具・インテリア・雑貨業界の売上高ランキング(https://www.tensyoku-station.jp/industry/家具・インテリア・雑貨業界/co_sales/)
間接競合としては、暮らしに関わるものを扱う企業であれば全般が競合となり得るでしょう。先にも述べたホームセンターのように生活必需品を様々扱う店舗や、小売業というっ観点では多くの企業が競合となり得ます。
しかしニトリは徹底した自社分析を行っているからこそ、競合企業の動きはさほど関係ありません。あくまでも市場を読み、顧客のニーズを理解し、スピーディーに商品を提供していくことが大切なのです。
ニトリの「Company」
ニトリは北海道札幌市に本社を置き、全国各地へと店舗を展開してきました。そんなニトリの最大の強みは、ほとんどの商品がプライべート商品であるという点です。
一見コストがかさみそうなこの戦略は、ニトリが業界第1位に躍り出た戦略と言えるでしょう。かつて家具業界では、小売店が直接家具工場から買い付けを行うのはタブーとされていました。
しかしニトリは中間マージンを省くため、どの会社よりも先に直接買い付けを開始します。
現在は海外に自社工場を立ち上げるなどしながら、自社で商品開発から販売までを行っています。
無駄な業者を経由せず、全て自社完結で行っているために、他社との差別化だけでなく、自社の強みとして確立できているのです。