【3分で理解】3C分析の事例「日清食品」編
最終更新日:2022年07月26日
この記事では、日清食品を3C分析の観点から解説しています。事例として、どうぞ貴社の現状分析や戦略立案にお役立てください。
なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。シートに記入するだけで3C分析が進められる内容になっていますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
そもそも3C分析とは?
3C分析とはマーケティング戦略における環境分析のフレームワークで、戦略構築の際に用いられています。
3Cとは?
3つのCは市場や顧客を意味する「Customer」、競合を意味する「Competitor」、自社を意味する「Company」を意味します。
戦略的に3つの関係性を分析していくことで、マーケティングにおける戦略立案が可能となっています。マッキンゼーの戦略コンサルトだった大前研一氏が自著『The Mind of Strategist』内で提唱しました。
3C分析の目的とは?
3C分析を行うことで、サービスの差別化ポイントや事業の方向性といった、自社の成功要因を導き出すことができます。自社の強みを再確認できるほか、勝つために必要な要素を見極めることが可能です。
以下では、日清食品の場合を例にして、3C分析をしてみました。
日清食品の「Customer」
日清食品における市場とは?
日清食品を広く見た時には、食品業界に属しています。しかし食品業と一言に括ると幅広く、ハムやベーコンと言った加工食品はもちろん、冷凍食品などが含まれます。
業界全体では約30兆円に及ぶ規模感で、緩やかな増加傾向にあります。2017年以降は共働き世帯の増加により、「冷凍食品」や「時短食品」のニーズが高まったことが要因です。
業界内のトレンドとしては。1食で栄養分を完結させる「完全食」や、筋トレ熱の高まりにより「ニュートリションバー」市場が堅調です。
一方、即席めん市場を見ていきましょう。即席めんと一言に言っても、カップラーメンのようにお湯を注ぐタイプだけではなく、生めんから調理するタイプや袋めんもあります。
即席めん市場の売上はほぼ横ばいで、例年4,200億円あたりを推移しています。カップ麺の需要は上がる一方、手間が掛かるという点で袋めんの需要は減退しています。
※データ参照元参照:◆即席麺特集:販売数量減も金額ベースで横ばい(https://news.nissyoku.co.jp/news/kubo20200216105948104)
日清食品を取り巻く顧客
カップ麺のパイオニアであることや、積極的なCM露出などの影響もあり、「カップ麺=日清食品」という紐づけを行う消費者は多くいます。商品自体の知名度が高く、企業イメージも良いと言えるでしょう。
また、販売単価が安いことやスーパーだけでなく、コンビニなどでも気軽に購入できることから、世代関係なく多くの人の支持を集めています。
日清食品を取り巻く「Competitor」
日清食品は食品業界全体で見るとそこまで高い位置にはいませんが、即席めん業界においては、知名度や商品ブランド力からトップクラスのシェアを誇っています。
即席めん業界の推移が横ばいという点から考えて、同業他社だけでなく幅広いジャンルを競合として捉える必要があるでしょう。
例えば、即席めんに代替される「即席ごはん」やコンビニの冷凍食品などです。即席めん業界は国内市場では飽和状態であり、大きな成長を期待されるものではありません。だからこそ、広い視野を持つことが大切です。
日清食品を取り巻く「Company」
強固なブランド力を持つ商品が多く、「カップヌードル」や「チキンラーメン」など、まさに国民食と呼ぶにふさわしい商品が多数あります。
だからこそ、新しい商品開発を行うことが苦手とされています。見切り発車で商品開発を行い、販売まで至らせてしまうため採算が取れないケースは多くあります。また、現在即席めんは海外シェアが高くなっているにも関わらず、海外進出に後れを取ってしまっているのは紛れもない事実でしょう。
強いブランドで培った強固なブランド力があるからこそ、新たなチャレンジを成功させていくことが今後の成長のカギとなるでしょう。
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