【3分で理解】3C分析の事例「無印良品」編
最終更新日:2024年07月23日
この記事では、無印良品を3C分析の観点から解説しています。事例として、どうぞ貴社の現状分析や戦略立案にお役立てください。
なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。シートに記入するだけで3C分析が進められる内容になっていますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
そもそも3C分析とは?
3C分析とはマーケティング戦略における環境分析のフレームワークです。主に戦略構築の際に用いられます。
3Cとは?
3つのCは市場や顧客を意味する「Customer」、競合を意味する「Competitor」、自社を意味する「Company」から成っています。
戦略的に3つの関係性を分析していくことでマーケティングにおける戦略立案が可能となります。かつてマッキンゼーの戦略コンサルトだった大前研一氏が自著『The Mind of Strategist』内で提唱したことで知られています。
3C分析の目的とは?
3C分析を行うことで、サービスの差別化ポイントや事業の方向性といった自社の成功要因を導き出すことができます。自社の強みを再確認できるほか、勝つために必要な要素を見極めることができます。
以下では、無印良品の場合を例にして、3C分析をしてみました。
無印良品における「Customer」
無印良品を取り巻く市場とは?
無印良品は衣料品やインテリア、食品など幅広い商品を扱う小売店です。小売業界という大きな括りで括る以外には、幅広い商品を扱うがゆえに業界を特定しにくいと言えます。
そこで、こちらでは細かく業界を見てきましょう。
まずは、好調な衣料品業界から見ていきましょう。国内のアパレル市場は、ほぼ横ばいで推移しています。その中で海外ブランドを中心に一斉を風靡したファストファッションは衰退の一途を辿っており、「Forever21」は日本から撤退することも発表されました。
インテリア業界を見ていきましょう。業界規模としては年6.1%の伸び率を誇っており、比較的伸びている業界と言うことができます。インテリアと一言に言っても、部屋の中をコーディネートするだけでなく、雑貨などを含めたトータルコーディネートをすることにシフトしています。
このように、衣料品やインテリアなど小売業を扱う企業として様々な事業を展開していますが、どの業界も領域を絞るのではなく、広く取っている企業が伸びていることが分かります。
無印良品を取り巻く顧客とは?
年齢を問わず、幅広い層から支持を受けている無印良品。家具や家電、インテリアグッズ、食品や食器、文房具や衣料品といった、幅広い展開で人々を虜にしています。
高すぎず、安すぎずといった価格設定で、購買しやすい商品が多い点が特徴です。
無印良品における「Competitor」とは?
インテリア業界、衣料品業界などを見れば、それぞれニトリやユニクロと言ったように競合企業は存在しますが、全ての領域を全網羅しているという点では、全く同じ領域を攻める競合はいないと言えるでしょう。
しかし無印良品同様にシンプルでお洒落な印象を与えるイケアや、オリジナルブランドでお菓子などを販売するナチュラルローソンなど、領域ごとに注意すべき競合が存在しています。
無印良品における「Company」
無印良品は近年、着々と売上を伸ばしています。その秘訣はアプリなどを有効活用したデジタル化対応に加え、商品をコンテンツマーケティングと掛け合わせ、魅力的に魅せている点にあります。
一見、コモディティ化した無印良品の商品は特徴を見出しにくく、ユーザーに支持されにくそうな印象を与えます。しかし商品自体の使い勝手や素材など、普段なら気にしない点を気にすることができ、ユーザーの満足度を高めることに成功しています。
また、商品に対して「値ごろ感」を演出するために、ある時期にまとめて値下げに踏み切りました。この判断が功を奏し、値段の割に素材が良いとユーザーの心を掴んでいます。
このように、ユーザーの心を掴むことに無印良品は長けているのです。