ブログマーケティングとは?企業のブログ戦略のコツを解説
最終更新日:2022年03月31日
Web集客の重要性が高まる現在、企業や商品PRのためにブログを活用するのはどうだろう?と検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事ではブログマーケティングのメリットやデメリット、成功させるポイントに加えて具体的な日本企業の事例をご紹介しています。
ブログマーケティングとは?
ブログマーケティングとは、ブログによる情報発信を通じてWebサイトへの流入を促したり、商品認知の機会を増やすマーケティング手法です。
ブログマーケティングはコンテンツマーケティングのひとつの方法で、コンテンツ(ユーザーにとって有益な情報)を発信することで、自社を知らない潜在的な顧客を獲得できます。
ブログ形式であれば、ホームページに追加で機能を実装することもできるため、始めやすい点が魅力です。
ブログマーケティングのメリット・デメリット
Webサイトへ集客するため、ブログマーケティングを展開した場合のメリットとデメリットを解説します。
ブログマーケティングのメリット
メリット1:コンバージョン率アップ
目的のアクセス数に加えてコンバージョン率アップも期待できます。ブログで商品に魅力を感じてもらえる情報を提供するので、目的のWebサイトへ訪れた際にはすでに購入意欲をもっている可能性が高いためです。
メリット2:コメントなどで顧客とコンタクトがとれる
ブログシステムでコメントを残せるようにした場合にはユーザーとのやり取りが可能。 企業と1対1で対応した近い距離感にて、企業やお店のファンになってくれる可能性が高まります。
特に小規模のお店などはリピーターをつかむきっかけにぴったりです。他にも「いいね」や「拍手」など数字が残せるシステムがあれば、訪問者数へ目に見えて盛り上がっている感が伝わります。
メリット3:導入コストが低い
始める際にほとんど費用がからないのもメリットです。主にスタート方法は下記のどちらかになります。
- ブログシステムを活用する
- サーバーにCMSをインストールする
ブログシステムはほとんどが無料ですし、すでに契約しているサーバーにCMSシステムをインストールする場合も費用はかかりません。
発生する可能性があるコストとして下記が挙げられます。
- ブログ更新を外注化した際の発注費
- 新規でWebサーバーやサイトを構築する
しかしマスメディア広告や人気サイト広告掲載費用などと比較すると、基本的には安価に抑えられます。
メリット4:ブランディングできる
ターゲットへのアプローチとして役に立つ情報などをブログ内容として展開するのが一般的です。公開したブログ記事は 削除しない限り検索結果に残り続けるので、継続的に情報発信を続ける専門家としてブランディングにつながります。
メリット5:スタッフの成長
ブログの記事内容を担当するスタッフは、作業を進める上で下記が身についていきます。
- 商品に対する知識
- 顧客目線で考える
- プロモーション力
記事の更新を外注した場合でも、担当スタッフ向けに商品情報をまとめるなど商品の勉強となる機会は増えていきます。
ブログマーケティングのデメリット
必ずしもメリットだけではありません。長期的な戦略で考えている場合にブログマーケティングは向いています。
デメリット1:SEOの知識が必要
ブログマーケティングは主に入り口が一般的な検索となります。ブログ自体の集客を増やすためにはSEOを意識するなど、上位に表示させるノウハウが必要です。
知識がないままスタートした場合、いくら記事を更新してもアクセス数がほとんど増えません。
デメリット2:長期的な戦略となる
ブログ自体はすぐにスタートできますが、検索エンジンに登録されて流入が見込めるまでは期間がかかります。
上位に位置すれば中長期的な宣伝になるものの、結果が出るまでには 短くても3ヶ月ほど、一般的には半年かかるので、すぐに結果を出したい場合には向いていません。
ブログマーケティングで意識するポイント
事業のマーケティングとして考えた場合、継続的に発信する情報をもとに特定のWebサイトへ流入させる宣伝が目的です。個人ブログでありがちな日常的な出来事を更新するだけでは意味がありません。
コンテンツをブログにする際、押さえておくと成功しやすいポイントを解説します。
細かくターゲットを設定する
ブログマーケティングで不可欠なのは、事前のターゲット設定。可能なら大まかな設定のみではなく、細かな背景まで踏まえたペルソナを用意しましょう。
ペルソナを設定すると記事の方向性も定まり、ニーズを捉えやすくなります。要望に応えるコンテンツが作成でき、記事の質が高まります。1記事作成するにあたってペルソナをひとり設定するのがおすすめです。
ターゲットに合わせた質の高いコンテンツを発信
ブログマーケティングにおいては訪れるターゲットを意識し、役に立つコンテンツを発信することが不可欠です。
顧客体験を想定して、ブログにアクセスしてからWebサイトで問い合わせするまでの ストーリーを考えて設計すれば流入効果が高まります。
またブログマーケティングに余計な情報は不要です。何を書いていいかわからない社員に任せたときにありがちな失敗内容として下記が挙げられます。
- スタッフがお昼ごはんに何を食べたか
- スタッフが休日に趣味を楽しんだ話
- ニュースについて持論を語る
サービス内容についての情報、もしくは役立つ知識を求めている人にとって上記は不要な情報にしかなりません。書いている側の楽しさではなく、検索したユーザー目線で考えます。
ただし求人目的で社内の空気を伝えたいなど、戦略的にあえて商材とは関係ない情報を発信するという目的であれば問題ありません。
長期的に継続する
ブログの記事で流入させるには、更新を継続して情報を積み重ねることが大切です。毎日更新しなければいけないわけではありませんが、 長期間更新がないとファンや見込み顧客が離れてしまいます。
下記の工夫にて一定ペースで更新できる体制を整えておくのが理想です。
- ブログ更新の担当者を設定する
- 業務の一環としてタスクに追加
- なぜブログが必要なのか認識させる
クリックを意識した仕掛け
ブログ上もしくはWebサイトにて問い合わせや申し込みなどの クリックを誘導する仕掛けを考えることも大切なポイントです。
ブログマーケティングはWebサイトのアクセスを増やすことが最終目的ではありません。契約や購入につなげる売上の増加です。訪れたけれどアクションせずに去っていく状況はできるだけ減らすように努力しましょう。
CV、つまりクリック率を上げる施策として代表的なのは下記です。
- 目立つボタンを設置
- ターゲットや記事内容に沿った広告を設置
- 無料相談などで敷居を下げる
- エントリーフォームをシンプルにする
- 記事内の導線を意識する
- ランディングページを挟む
- サービス提供のポップアップ
- 自動チャット導入
気になっている方がボタンに気づかなければアクションは起きません。また迷っている状況でひと押しするサービス、手間がかかりすぎて離れてしまうことを避けた設計などを検討すると、クリック率は改善します。
分析と再検討
ブログサービスによっても異なりますが、クリック率や離脱率などデータが解析できる場合には活用します。
ブログはまだ始めていないけれどマーケティングの経験があるという方は、PDCAを聞いたことがあるのではないでしょうか。実は下記のように PDCAはブログだけで完結できます。
- P:ターゲット設定
- D:記事作成
- C:解析データで評価
- A:評価をもとにターゲットや記事内容を改善
利用者の声を集めてから評価し、次の企画に活かすという流れを記事ごとに進められるので、回転率も高まります。
ただし ノウハウをもっていないとデータを見ても改善する点がずれてしまいがちなので、Webを知らないスタッフだけで進めるのは避けましょう。
ブログマーケティングの位置づけとは?
Webサイトへの誘導を検討している方は、ブログマーケティング以外にもオウンドメディアやコンテンツマーケティングが気になっている方もいるでしょう。各方法の違いについても解説します。
まずコンテンツマーケティングですが、サービスや商品の価値や魅力を伝えることを目的に、ユーザーにとって有益な情報を発信するマーケティング手法を指します。情報発信する媒体は特に問いません。
オウンドメディアはユーザーに対して情報を伝えるために企業が運営する媒体です。雑誌やカタログなどのアナログメディアから、コーポレートサイトをはじめとしたWebメディアまで幅広く含まれます。ブログそのものもひとつのオウンドメディアといっていいでしょう。
つまりコンテンツマーケティングのなかにオウンドメディアがあり、さらにオウンドメディアの選択としてブログという方法があるイメージです。
ただし、CMSを活用すればブログはWebメディアのなかに組み込むこともできます。
ブログマーケティングの事例
日本企業でブログマーケティングに成功している事例をご紹介します。下記における流入キーワード例は2022年3月時点の内容です。
株式会社電算システムブログ
画像引用元:株式会社電算システムブログ公式サイト(https://www.dsk-cloud.com/)
Google WorkspaceやAsanaなど社内導入できるパートナー社のクラウドサービスプラットフォームを提供する株式会社電算システム。
導入済みの企業向けに使用方法を掲載していますが、一般ユーザー向けに下記の疑問などを解決する記事を展開しています。
- クラウドサービスの使い方
- クラウドサービスの拡張機能について
- GoogleのOSパソコンで一般ファイルを扱う方法
記事中に導入事例や主な製品選択画面への導線として、大きく見やすいバナーを設置しています。
運営会社 | 株式会社電算システム |
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ジャンル | クラウドサービスプラットフォーム |
流入キーワード例 | 「グーグルドライブ 共有」 「クロームブック エクセル」 「Google のサービス 「こえもじ」 「asana」 「cloudready 使い方」 |
ブログタイプ | ブランドメディア一体型ブログ |
経営ハッカー
画像引用元:経営ハッカー公式サイト(http://keiei.freee.co.jp/)
税理業務などの会計ソフトを扱う会社で、サブドメインを活用しコーポレートサイトとは異なる専用のメディアを展開。
2022年3月時点では、 国税庁のサイトよりも上位に表示されるケースがありました。
医療費控除や領収書など、ジャンルは会計ですがターゲットは下記のように幅広く設定されています。
- 個人で確定申告の手続きを進める方
- 会社員の経費について
- 会社内での確定申告担当者
ノウハウ以外にも「確定申告 めんどくさい なぜ」で表示されるページのように、確定申告の作業に追われる方を共感するためだけのページも作成。
イラストを活用し読みやすくなるようにつくられており、サービスへのリンクも控えめにするなど読み手の立場になって構成されています。
運営会社 | freee株式会社 |
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ジャンル | 会計ソフト |
流入キーワード例 | 「医療費控除 診断書」 「切符 領収書」 「確定申告 めんどくさい なぜ」 |
ブログタイプ | 独自オウンドメディアブログ |
THE CALBEE
画像引用元:THE CALBEE(https://note.calbee.jp/)
誰もが知っている大手のお菓子会社カルビー。ブログマーケティングを始めた目的は商品PRではなくブランディングです。 企業に対しての親近感をもってもらうことが目的で、顧客だけではなく社員も対象に含まれています。
商品裏話や会社の物語が伝えたい内容なので、長い文章を読める利用者が多いnoteを選択。
検索からの流入が難しくなるため宣伝目的だと外部ブログを使うケースは少ないのですが、関係者や採用者向けではnoteを利用する企業がみられます。
コーポレートサイトとは完全に異なる雰囲気でつくれるのが特徴です。
運営会社 | カルビー株式会社 |
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ジャンル | ブランディング |
流入キーワード例 | 「カルビー じゃがいも 消費量」 「カルビー 歴史」 |
ブログタイプ | 外部ブログ(note) |
ラクスルマガジン
画像引用元:ラクスルマガジン公式サイト(https://raksul.com/magazine/)
ネット注文の印刷会社ラクスルでは、注文を受け付けるECサイト内コンテンツとして 印刷に関連した情報をブログで展開。
紙の大きさについては一般的に使用されるサイズをほぼ全て網羅している状態です。紙の大きさを調べる方の立場になって収まる封筒のサイズに加えて、イメージしやすいように印刷物として利用される事例も紹介されています。
印刷注文画面へのリンクが貼られており、 調べたついでに注文も依頼できるのがポイントです。
運営会社 | ラクスル株式会社 |
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ジャンル | ネット印刷 |
流入キーワード例 | 「A4サイズ」 「A3サイズ」 「B5サイズ」 「DM」 「寅年」 |
ブログタイプ | ECサイト一体ブログ |
ライフネットジャーナルオンライン
画像引用元:ライフネットジャーナルオンライン公式サイト(https://media.lifenet-seimei.co.jp/)
生命保険を提供するライフネット生命が、 ライフスタイルやお金など人生に関連する情報を発信しているサイト。生命保険は範囲が幅広いのもあり、ちょっとした豆知識の提供から資格者を起用した専門的な解説まで記事内容もさまざまです。
見込み顧客や潜在顧客を増やす内容も豊富。「厄年に起こること」で表示されるページでは、下記のように見込み顧客に育つまでの導線設計が考えられています。
- 厄年を気にするターゲットが検索
- 厄年で経験したトラブルランキング
- 病気や怪我のリスクに生命保険で備えよう
運営会社 | ライフネット生命保険株式会社 |
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ジャンル | 生命保険 |
流入キーワード例 | 「傷病手当金 もらって 退職」 「貯金 使い方」 「年金手帳 転職 初日」 「就職 年金手帳」 「年収 壁 一千万」 「厄年に起こること」 |
ブログタイプ | 独自オウンドメディアブログ |
ブログマーケティングとは始めやすくノウハウが必要なコンテンツ
独自に情報を展開するコンテンツマーケティングのなかでも始めやすいのがブログマーケティング。
ただ記事を大量に更新しても意味はありません。ターゲットの設定を細かく考え、閲覧者の立場になり本当に必要な情報を提供しなければ効果は少なくなります。
売上につなげるためには掲載する情報の内容や、その記事を読んだユーザーにどんな行動をしてほしいかなど、戦略をしっかり考えましょう。
ブログなどのコンテンツマーケティング戦略にお悩みなら
ブログマーケティングなど、コンテンツを活用したマーケティングはただ記事を書いてアップロードするだけでは望むような効果は得られません。
SEOのノウハウはもちろん、ターゲットの分析から対策キーワードの選定などテクニックの部分も重要になります。キャククルを運営するZenkenでは、これまで120業種、8,000サイト超えるWebマーケティング支援を行って参りました。
特にクライアント様ならではの強みを徹底分析し、その強みを軸としたコンテンツマーケティング戦略の提案を得意としており、市場・競合分析、戦略提案、コンテンツの制作、運用、検証・改善などを全てワンストップで対応しております。
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