アフィリエイト広告の広告規制強化や法律違反について解説します
最終更新日:2023年02月13日
アフィリエイト広告の規制強化
近年、アフィリエイト広告の規制強化が進められているなか、広告主には規制強化の流れをしっかり理解したうえで適切な対策を取り入れることが求められています。
ここではアフィリエイト広告の規制強化にまつわる概要や注意点などについて解説します。
アフィリエイト広告の基本ルール
アフィリエイト広告には、守らなくてはならない基本ルールが数多く定められています。またアフィリエイト広告の基本ルールから外れてしまったことで、アフィリエイター本人および広告主に対して重い罰則が科せられた事例も存在します。
つまりアフィリエイト広告の基本ルールに背く行為は、「法律違反→罰金もしくは懲役刑に処される」といったリスクの負担につながるのです。
そのためアフィリエイト広告の導入を検討している広告主は、あらかじめアフィリエイト広告にまつわる基本ルールについて十分に理解・把握しておくことが大切です。
たとえば「書籍に記載されている内容」や「他サイトの画像または記事」「映画/アニメ/TV番組/漫画などのコンテンツ(編集または加工を施しているものに関しても対象)」などを掲載元の許可なくWebサイト内にアップすることは、著作権に関する法律上禁じられています。
他にも、以下のような内容をWebサイト内に投稿する行為は、原則として法律違反・NG行為に該当します。
第三者の画像または動画を許可なく掲載する行為
▼以下のコンテンツを掲載元の許可なくWebサイト内にアップすることは禁じられている
- 芸能人(タレント/歌手など)/著名人の画像または雑誌の切り抜き
- 歌手の公式ホームページ/アカウントにて配信されている動画やスクリーンショット
- 広告主Webサイトのロゴマーク/キャプチャ/商品写真
- 海賊版サイトの開設
- 海賊版サイトの紹介またはURLを掲載する行為
また「未登録サイトもしくはその他の場所にて広告を掲載する行為」や「広告コードを改変する行為」「虚偽・誇大の表現に当たる行為」なども、アフィリエイト広告における法律違反・NG行為の代表格となっています。
アフィリエイト広告が規制強化される背景
広告の規制強化を進めている消費者庁では、以下のようなポイントが問題視されています。
消費者庁が問題視しているポイント
- 広告対象となる商品・サービスの販売者ではなく、アフィリエイター本人が広告を作成および掲載している。そのため販売者(実際に商品・サービスを提供している人)による広告コンテンツの審査が行き届きにくい。
- 実際に商品・サービスが購入された後、アフィリエイターへ報酬が支払われる仕組みとなっている。そのためアフィリエイターのなかには、報酬目当てに誇大・虚偽な広告を作成・掲載しているケースも多い。
つまり「広告内容の審査のしにくさ」や「アフィリエイト広告そのものの運用スタイル」などが、根本的な問題だと判断されているのです。アフィリエイト広告にて大きな成果を獲得するためにも、まずは、アフィリエイト広告が規制強化される背景について十分に理解・把握しておきましょう。
アフィリエイターの違法行為について広告主も処罰対象
アフィリエイターの違法行為は、アフィリエイター本人のみならず広告主に関しても処罰対象となる危険性があります。そのためアフィリエイト広告の出稿前には、必ずアフィリエイターとの綿密な打ち合わせおよび契約書の取り交わしなどを徹底することが重要です。
昨今では、アフィリエイト広告の規制強化にともない広告違反の監視が強まっている傾向にあります。アフィリエイト広告にて大きな成果の獲得を目指すためにも、まずは違法行為に対する危機感を強めておくことが重要だといえます。
アフィリエイト広告上の法律違反行為
アフィリエイト広告にまつわる違反行為は、各法律や規定によって罰せられる内容が大きく異なります。
刑法違反行為
アフィリエイト広告の刑法違反行為として適用される罪名の代表格が詐欺罪です。たとえば虚偽内容を含むコンテンツにて購入者を騙すことは、詐欺罪として罪に問われる行為となります。
紹介元の商品・サービスを利用したことがないにも関わらず、「使用した結果、絶大な効果を獲得できた」などの表現が記載された広告は、虚偽の表現に該当します。また虚偽の表現が記載された広告を鵜呑みにした購入者から利益を得た場合も詐欺罪に問われる可能性が高いです。
なお購入者を騙すことでお金儲けを行う行為全般が詐欺罪に該当することはもちろん、実際に詐欺を行った張本人のみならず、他人の詐欺行為をアシストした人物に対しても詐欺罪が適用されます。
そのためアフィリエイト広告の出稿および運用を検討する際は、必ず「過去記事/実績の詳細」と「アフィリエイターの思想・考え」などを入念に確認したうえで、自社の出稿広告が詐欺行為にならないよう細心の注意を払いましょう。
景品表示法違反行為
景品表示法とは各種サービス・商品の概要/品質/価格などの内容を偽って表示することを規制する法律です。また高額な景品の提供を防止する目的から、あらかじめ景品の最高額を制限することによって消費者・購入者の利益保護を確立しています。
アフィリエイト広告にまつわる景品表示法違反事例については以下のとおりです。
- 各種サービス・商品を「実際のものよりもはるかに優れている」として購入者に宣伝する行為(優良誤認行為に該当する)
- 「初めての」「世界初の」「業界内で唯一の」などの表記をしているにも関わらず、実際の事実と異なっているケース(実はもうすでに他の商品・サービスが存在している。つまり「世界初・業界初」ではない。)
- ステルスマーケティングに該当してしまう行為(景品表示法に違反および抵触する危険性が考えられる。)
また景品表示法違反に該当する行為には、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科されるケースもあります。
不正競争防止法違反行為
不正競争防止法とは事業者間の公正な競争を保護する法律です。アフィリエイト広告およびアフィリエイターの紹介行為が、公正な競争を妨害するような内容であった場合、不正競争防止法違反として罪に問われる恐れがあります。
また経済産業省のホームページでは、不正競争防止法にまつわる具体的な詳細および事例が掲載されています。
不正競争防止法にまつわる詳細および事例【経済産業省】
- 他社のロゴマークを著作権所有企業の許可なく使用する行為
- 他社商品・サービスの形態およびスタイルを模倣したものを販売する行為
- 「詐欺/窃取/強迫」およびその他不正な手段により、企業の営業秘密を得る行為
- 用途/品質/原産地/数量などについて、消費者の誤認を促す表示を記載する行為
- 競争他社の信用を失墜させる虚偽の事実を流布/告知する行為
参考:偽装表示の防止と不正競争防止法|経済産業省(https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/panfrethontai.pdf)
アフィリエイト広告主の責任と対策
アフィリエイト広告を出稿する広告主には、さまざまな種類の責任や対策の取り入れが求められます。
アフィリエイト広告に関する法令の理解と遵守
一昔前までは、いくら不正表示があったとしても「アフィリエイト運営サイトおよび広告代理店が勝手に行ったことだ!」と主張することにより、広告主または販売主にまで責任が及ぶ可能性は限りなくゼロに等しい傾向にありました。
しかしアフィリエイト広告の規制強化により、今後は広告主・販売主にも責任が問われる可能性が高まっています。また違反によっては、自社商品・サービスの販売停止や倒産の危機に追い込まれるケースも出てきます。
そのためアフィリエイト広告の出稿を検討する場合は、必ずアフィリエイト広告に関する法令の理解と遵守を徹底するよう心がけることが重要です。
アフィリエイターに対する注意喚起
アフィリエイターの全員が、アフィリエイト広告の違反事例やNG項目について理解しているとは限りません。「友人から『大金を稼げるよ!』と促され、見様見真似でアフィリエイトサイトを開設した」などのスタート経緯を持つアフィリエイターも多いといえます。
またアフィリエイターのなかには、報酬額を稼ぎたいからといって法律破りの過剰な表現を使用してしまう人も少なくありません。
つまり「違反事例やNG項目への理解が乏しいアフィリエイター」や「法律破りの過剰な表現を使用するアフィリエイター」などをしっかり教育・指導することが需要になってくるのです。
また各アフィリエイターの教育・指導を徹底することにより、アフィリエイト広告にまつわる不正を未然に防ぐ行為は、広告主に課せられた使命・責任だといえるでしょう。
アフィリエイト広告の監視
「アフィリエイト広告の構築やアフィリエイターとの綿密な打ち合わせが完了することで、すべての広告運用が上手く回る」とは限りません。
場合によっては、アフィリエイターの思考や考えの変化により、自社商品・サービスにまつわる紹介内容の本軸が徐々に変わってくるケースも多く見受けられるのです。
そのためアフィリエイト広告の掲載スタイルを構築できた後は、必ず定期的に広告掲載元のWebサイトを監視・巡回するよう意識しましょう。
また定期的な監視・巡回を心がけることは、いち早く不正に気付くことが可能となるうえ、結果的に違法行為の防止や法律違反にともなう罰則の回避を実現させることにもつながります。
アフィリエイト運用代行会社に依頼してリスクを避ける
知識が乏しい中でアフィリエイト運用を自社で行う場合、新しい改正に追いつけず思いがけないところからピンチになるなんてことも想像できます。
アフィリエイト運用代行会社であれば、さまざまなアフィリエイト案件を運用しているので、法規改正への対応からアフィリエイターの広告内容の監視までしてくれるサービスもあります。
もし、アフィリエイト運用をし続けることが厳しいとお考えでしたらアフィリエイト運用代行会社に依頼をするのも手です。下記記事では実績ベースでアフィリエイト運用代行会社を比較していますので、検討されているのであればぜひご覧ください。
アフィリエイト広告に関する広告規制や法律違反まとめ
近年アフィリエイターによる違反行為が多発している影響により、アフィリエイト広告に関する広告規制の強化が積極的に進められています。またアフィリエイト広告の違反行為にともなう法律では、アフィリエイター本人のみならず広告主までも重い罰則に科せられる可能性が高いです。
アフィリエイト広告を使ったプロモーションを進めていくのであればその広告規制を安全にクリアにできるかがポイントとなってくるでしょう。
キャククル運営元Zenken株式会社では、このような広告法規に対し、専門チームを配置しております。
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