調査リリースを活用したPR手法とは?プレスリリースの実例も紹介
最終更新日:2023年01月13日
ここでは調査リリースとはどのようなものか、プレスリリースの活用法や集客につなげるコツなどについて説明していきます。
調査リリース(調査PR)の活用価値
調査リリースとはいったいどのようなものなのでしょうか。ほぼ同義語に「調査PR」という呼び方もありますが、ここでは「調査リリース」で統一します。
調査リリースについて簡単に説明すると、自社の事業や商品、サービスに紐づけられるようなテーマでアンケート調査などを実施したうえで、その調査結果をプレスリリースなどで世の中に広く発信するPR活動のことを言います。
これまで新商品の発売や新規プロジェクトの発表、新サービスのリリースなどを活用してきたかたには説明不要かもしれませんが、単純に事業の宣伝をするのではなく、調査データの有用性を高めることによって、プロモーション効果を高める手法です。
新製品や新サービスがないタイミングでも、事業に関連した調査リリースであれば、準備が整えばいつでも必要なときにプレスリリースの配信が可能です。
調査リリースで重要なことは「単に自社製品・サービスの宣伝にならないようにする」という点です。
調査リリースの中には、メディアに取り上げてもらえるよう宣伝が中心になってしまっているものも少なくありません。調査リリースを行なういちばんの目的は「自社サービスのターゲットにとって有益な情報を発信する」ということです。
調査リリースだと思って読み進めていたのに、自社の製品やサービスの宣伝ばかり・・という内容では、読者にとって有益な情報を発信できているとは言えません。
調査リリースは広報手段のひとつではありますが、自社サービス利用者の「ためになる」情報を発信することが調査リリースの本来の目的です。調査リリースを通して自社の存在を認知してもらい、その延長上で自社製品やサービスの販売促進にがるのです。
さらに、調査リリースは、製品やサービスの販売促進に繋がるだけでなく人材採用や企業ブランディング、集客などにも役立ちます。今回は、そんな調査リリース、調査PRについて実際の事例とともにご紹介していきます。
調査リリースとは
調査リリースとは、自社の製品・サービスに関係するものや自社の業界について調査を行い、調査結果を基にプレスリリースを作成して配信を行なう広報手法のことです。
ふつうのプレスリリースとの違いは、アンケートや自社データなどに基づいた調査結果を用いた有益な情報である、という点です。
正確にデータ収集をしてまとめられた客観的な調査内容であれば、ニュース系Webメディアや業界メディアにプレスリリースが取り上げられる可能性もあります。
調査リリースを実施する目的は、自社のターゲット層に役立つ情報を発信することです。しかし、中には「自社の製品やサービスの情報ばかりが盛り込まれた宣伝目的の内容」のものや、「調査対象に偏りがあり意図的な結果にまとめられている」ものなど、本来の目的から外れている調査リリースも数多く見受けられます。
精度が低く内容が伴っていないような調査リリースはメディアに注目されず、PRの観点からも効果が期待できません。それだけでなく、間違った方法で行われた調査は、企業の信頼をなくしてしまうこともあります。
調査リリースを行なう際には、情報を届けたいターゲットの明確化と中立な立場での調査実施が非常に重要となります。
調査リリースの特徴
プレスリリースには、新製品・新サービスの発表、イベントの告知、会社の業績発表、などさまざまな種類があります。その中でも、調査リリースは、直接自社の宣伝をしないという点で他のプレスリリースとは大きく異なります。
調査リリースは、調査結果の発表を通して、間接的に自社のPRを行なう点が大きな特徴です。
調査リリース・調査PRが向いている事業
調査リリースはBtoB、BtoC問わず、活用できる広報手段ですが、なかでもPR効果がより期待できる業界をご紹介します。
【人材業】
求職者の意識調査や新卒の就職活動状況についてなど、人材業界を取り巻く環境は毎年変わるため、継続的な調査リリースの配信が効果的です。
【ソフトウェア・通信業】
AIやビッグデータ、IoT技術の普及により、ソフトウェアの開発も日々進化しています。ソフトウェア・通信業は日々新サービスの提供が行われ、変化の著しい業界のため、調査リリースでの情報発信は効果があります。
調査リリース・調査PRのメリット
調査リリースを配信することには、下記のようなメリットがあります。
①新製品・新サービスのないタイミングでも情報発信ができる
新製品や新サービス、イベント、キャンペーンなど、発信できるネタがないときでも、調査リリースを新情報として配信することができます。調査リリースは、直接自社の宣伝にはならないので配信してすぐにPRの効果は出ませんが、長期間で企業の信頼度アップやブランディングの側面で効果があります。
②業界に関するデータを持っていることのアピールになる
調査リリースを配信することで、自社のターゲット層や各種メディアに対して、業界データを保有していることをアピールすることが可能です。配信した調査リリースの内容が、貴重なデータや質の高いデータであれば、メディア掲載に繋がることもあります。
③SEO施策に有効な被リンク効果が得られる
Web集客に注力している企業であればSEO施策における被リンクはとても重要な要素であることはご存知でしょう。調査リリースはニュースメディアなどに掲載されやすい特徴があるため、被リンク効果が期待できるというワケです。
調査リリース・調査PRのデメリット
調査リリースにはメリットだけでなく、下記のようなデメリットもあります。
①配信までに膨大な手間と時間がかかる
ほかのプレスリリースと違って、調査リリースは広報担当者が一から計画を立てて、調査を実施し、結果をまとめて配信するところまで行なう必要があります。時間や労力をかけて調査を行なっても想定とは違うデータになってしまえば、調査リリースとしての有効性が損なわれ、かけた工数が無駄になります。
②データ分析の知識が必要
調査を実施して集計ができても、正確に分析ができないと調査リリースとして配信はできません。自社内で対応が難しい場合は、調査リリースの企画提案・集計から分析まで対応可能な外部PR会社への委託も検討しましょう。
調査リリース・調査PR作成時の注意点
誰が見てもわかりやすい調査リリースを作成するためには、いくつかの注意点があります。
①調査の背景・目的を記載する
調査リリースのはじめには、「背景」と「目的」を必ず記載します。特に、社会問題や時事をテーマにした調査の場合は、「自社がこの調査を行なう意味」を明記することで、読者の信頼度を高めることに繋がります。
②グラフや表を使って視覚的にわかりやすくする
調査結果には必ずグラフや表を挿入するようにしましょう。グラフを入れることで、メディアに素材として掲載される可能性がアップします。色や文字の大きさなど、デザインも意識したグラフや表を作成しましょう。
調査リリース・調査PR最近の傾向
配信リリースの最近の動向として、昨年からは、新型コロナウイルスに関する調査が、数多く配信されています。テレワークに関する意識調査やお金の使い方の変化など、どの業界も新型コロナウイルスに関係する調査リリースを配信しています。
いくつか事例を紹介しましょう。
【新型コロナウイルスに関する調査リリース】
■【調査リリース】コロナ影響下での2021年大型消費動向を調査 昨年買い控え層が予算減少ながらもリベンジ購入予定
画像引用元:PRTIMES【調査リリース】コロナ影響下での2021年大型消費動向を調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000007396.html)
株式会社ヴァリューズがプレスリリースとして配信した調査リリースです。自社のマーケティング分析ツールを活用したうえで、コロナ禍の購買動向を分析、リベンジ購入というキーワードでまとめています。
消費者のニーズが知りたいユーザーにとって、データの有用性とリリース配信元企業の持つソリューションへの認知が同時に成立しているケースです。
■テレワーク実施率について、4回目となる2万人規模の調査結果を発表 新型コロナ第3波におけるテレワーク実施率は全国平均で24.7% 5月下旬の緊急事態宣言解除直後は25.7%で1ポイント減少
画像引用元:PRTIMES「
テレワーク実施率について、4回目となる2万人規模の調査結果を発表(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000455.000016451.html)
定期的に調査リリースで調査結果を発表している株式会社パーソル総合研究所の調査リリースです。転職サービスなど人材採用事業を展開するぱーそるグループのシンクタンクとして、第三者の立ち位置で調査結果を発表しています。
コロナで変わった働きかたやワクチン接種後の各社の反応など、雇用や働きかたというテーマでリンクさせる手法でリリースを活用しています。
※参照元:PRTIMES「テレワーク実施率について、4回目となる2万人規模の調査結果を発表」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000455.000016451.html)
プレスリリース配信会社をピックアップ
調査リリースが配信可能なプレスリリース配信会社をご紹介します。
PR TIMES
PRTIMESは月間ページビュー数が5200万PV以上で、国内シェア率No.1の配信会社です。産経ニュースや朝日新聞デジタルなど大手メディアサイトへの掲載実績も豊富にあります。Facebookのいいね数は127300以上、Twitterのフォロワー数は204600人以上と、SNSでも拡散が可能です。
■PRTIMES(https://prtimes.jp/service)
@Press
@Pressは掲載メディア数が8500で業界最多です。新聞や雑誌、フリーペーパーなど紙媒体への掲載にも力を入れており、マスメディアを中心にFAX配信にも対応しています。プロによる原稿チェックもあるため、誤字脱字のない正確なプレスリリースを配信できることも大きな特徴です。
■@Press(https://www.atpress.ne.jp/service/)
ValuePress
ValuePressは、中小企業を中心に60000社以上が登録をしています。マッチング機能の搭載により、記者の興味のあるジャンルやカテゴリーが検索可能で、よりメディアに掲載される確率が高くなります。
■ValuePress(https://www.value-press.com/information_what)
調査リリース・調査PR Zenkenの事例を紹介
それでは実際に弊社がこれまでプレスリリースを配信した調査リリースをご紹介させていただきましょう。
新卒採用課題に関する調査リリース
コロナ禍における新卒採用活動についての調査リリースです。
9割以上の企業がオンラインでの採用活動に課題がある、という結果になりました。この調査リリース内容はキャククル内下記ページでお読みください。
◆新卒採用課題に関する調査リリース(https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/recruitment/in-house-recruitment/entry-problem/)
注文住宅検討ユーザーに関する調査リリース
コロナ禍での注文住宅検討ユーザーの情報検索行動についての調査リリースです。
注文住宅を検討している人で、工務店・ハウスメーカーを選択するときに「自分の要望と工務店の特徴や強みなどがマッチしているか」「設計の自由度」を重視する人が同率で5割以上いる、という結果になりました。
この調査リリース内容はキャククル内下記ページでお読みください。
◆注文住宅検討ユーザーに関する調査リリース(https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/house/housebuilder/consumer-behavior/)
小児矯正歯科選びに関する調査リリース
小児矯正歯科選びについての調査リリースです。
小児科矯正歯科を探している人で、「本当にこの歯科医院でいいのかたくさん調べる必要がある」「実際にかかる費用が分かりづらい」と感じている人が5割以上いる、という結果になりました。リリース内容はキャククル内下記ページでお読みください。
◆小児矯正歯科選びについての調査リリース(https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/medical/dental/research-pedodontist/)
工務店・ハウスメーカーのオンライン商談に関する調査リリース
工務店・ハウスメーカー勤務の営業・マーケティング担当者を対象としたオンライン商談についての調査リリースです。
オンライン商談を取り入れていると答えた人の中で、「お客様の検討度合いがわからない」と感じている人が6割以上いる、という結果になりました。この調査リリース内容はキャククル内下記ページでお読みください。
◆工務店・ハウスメーカーのオンライン商談に関する調査リリース(https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/house/housebuilder/building-contractor-online-negotiations/)
調査リリースを活用したPR手法まとめ
ここまで調査リリースの特徴や配信時の注意点などについて、説明してきました。調査リリースは、自社内にPRのネタがないときにも、情報発信ができる有効な広報手段です。
しかし調査リリースは他のプレスリリースとは違い、自社の製品やサービスの宣伝をするために配信するのではなく、読者に有益な情報を配信するのが目的である、ということを忘れてはいけません。中立性を維持するよう心がけましょう。
配信リリースは、配信してすぐにPRの効果は期待できませんが、本来の目的から外れず正確なデータを発信することで、メディア掲載や企業の信頼度アップに繋がります。
調査リリースを含むWeb戦略なら
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