オウンドメディアはKPI・指標設定が重要!KPIの種類と設定例を紹介
最終更新日:2024年04月09日
本記事では、オウンドメディアを運用する際に重要な指標となる「KPI」の設定について解説しています。
オウンドメディアを運用するとき、目的や目標を定めずに、やみくもにサイト立ち上げただけでは思うような成果を得られません。適切なKPIを設定することで、チーム全員で数字を追うだけで望ましい効果が得られる状況が作り出せます。オウンドメディア運用におけるKPIの種類や設定する際のポイントなどを確認しましょう。
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KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、経営戦略における目標達成の指標のひとつです。日本語に訳すと、「重要業績評価指標」や「重要経営指標」、「重要業績指標」などの意味合いを持っています。
KPIは最終目的に対する指標ではなく、そこに至るまでのプロセスを測るための指標です。難しい言葉に聞こえますが、「中間目標」のように捉えると分かりやすいでしょう。
オウンドメディアを運営するにあたり、最終的に達成したい目標(ゴール)がありますね。その最終目標を達成するために、どのくらいの目標を達成すれば良いか、それを定めたものがKPIです。
ちなみに、KPIが中間指標であるのに対し、最終目標の指標はKGI「Key Goal Indicator」と呼ばれます。
オウンドメディアの運用で例えるなら、KPIとKGIは以下のような考え方となります。
「オウンドメディア経由で獲得する売上の目標は1000万円(KGI)。現在の有効リードの成約率は20%で平均の受注単価は80万円だから、有効リードを63個(KPI)作り出す必要がある」
オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)とは、「自社が所有するメディア」全般を指した言葉です。
広義ではオンライン・オフラインを問わず、自社が所有さえしていれば「オウンドメディア」なので、ホームページやコーポレートサイトから会社や製品のパンフレット、製品カタログまで、すべてオウンドメディアに含まれています。
しかし、近年では「オウンドメディア = 自社で所有・運用している、コーポレートサイト以外のWebサイトやその他のWeb上媒体」という狭義の定義が主流になっています。
オフラインコンテンツや消費者も参加できるSNS、企業目線で発信するホームページ、コーポレートサイト。これらに対して、ユーザーのニーズ・課題解決に焦点を当てている企業のメディアが「オウンドメディア」として位置づけるようになりました。
例えば、Webマガジンやブログなどで企業がユーザーに有益な情報を発信し、それを通じて自社商品の魅力を感じてもらい、最終的に購入に繋げるのというのは典型的なオウンドメディアのカ形です。
また、自社で働く人にまつわるエピソードなどを紹介して、「いいな、この企業で働いてみたい」と興味を持ってもらう「採用サイト」もオウンドメディアのひとつです。
オウンドメディアのKPI設定の重要性
最終目標までの戦略を立てやすくなる
会社全体で「今期の目標売上1億円」などと高く設定されていると、部署やチーム単位で行う業務、または個々が受け持つ1つひとつの業務が「何のために行われているのか」分かりにくくなるものです。
KPIを設定していると、次に何をすべきかといった「プロジェクトの道すじ」が見えやすくなり、目標と業務の関連を可視化できるようになります。
例えば、会社全体の最終目標である売上1億円のうち
- Webコンテンツではどのくらい売上を上げれば良いか
- コンテンツでの成約率から考えて、何件の問い合わせ数を獲得すれば良いか
- 問い合わせ数を増やすためには、ユーザーの訪問をどのくらい増やせば良いか
これらが各フェーズで設定できるKPIです。KPIを定めておくと成果に繋がる具体的な行動が起こしやすくなるため、業務の効率化もアップします。
プロジェクトに対する意識共有
情報を発信しながら長期的に改善・運用を重ねていくオウンドメディアは、効果が表れるのにも時間を要します。
目標を設定しておかないと、プロジェクト半ばでメンバーのモチベーションが下がってしまったりプロジェクトに対する意識が薄れてしまったりする場合があるでしょう。
プロジェクトに対する意識を共有し続けるためにも、KPIの設定は重要です。
また、KPIの設定は、最終目標に対する「心理的な障壁」を取り除く効果も持っています。
一見、不可能と思えるような高すぎる最終目標であっても、KPIを細かく設定すれば小さな積み重ねから達成に近づけるようになります。
PDCAサイクルが回しやすくなる
KPIはあくまでも目標・指標であって、必ず達成できるとは限りません。
たとえ達成しなかった場合でも、数値を用いた具体的なKPIを定めておくことで、現状の問題点やプロジェクト進行の課題を発見しやすくなります。
オウンドメディアは目的をしっかり設定し、データを見ながら改善を続ける必要があります。
振り返りに活用できる指標としてもKPIを設定して、PDCAを回しながら運用を続けることが重要です。
オウンドメディアのKPI例
ここからは、オウンドメディアのKPIとしてよく設定される数値について解説していきます。
CV(コンバージョン)数
Webマーケティングの分野でよく使われるのはコンバージョンです。英語で「転換」を意味するコンバージョンは、Webサイト内でユーザーが起こした、自社にとって望ましい行動を指しています。コンバージョンとする行動は自由に設定できます。
例えば「オウンドメディアからの問い合わせを増やす」という目標ひとつにしても、リンクなどの誘導によって「ユーザーを問い合わせフォームのページにたどり着かせる」のを1CVとするケースもあれば、実際に問い合わせフォームに情報を記入したユーザーが「フォーム送信ボタンを押す」アクションを1CVとすることもあります。
Webサイトの状況やKGIに合わせたCVを設定していきましょう。
PV(ページビュー)数
ページビューはオウンドメディアの認知度を図る代表的な指標のひとつで、ユーザーがページを閲覧した回数です。
ただし、同じユーザーが何度も同じページを訪れた場合もPVとしてカウントされてしまうので、異なるユーザーの目にどのくらい届いたかを知りたい場合は、下記UU(ユニークユーザー)を用います。
UU(ユニークユーザー)数
ユニークユーザーは、オウンドメディアを特定の期間内に訪れたユーザーの数です。PVと違って、同じユーザーが連続で4つのページを見ても「1」としてカウントされます。
なお、UUはIPアドレスをもとに特定される場合が多いため、同じ人が同じ期間内で家のPCと会社PCからオウンドメディアにアクセスした場合、「2」としてカウントされます。
オウンドメディアに異なるユーザーがどれだけアクセスしているのかを正確に把握するのはなかなか難しいですが、ユニークユーザーはその目安としてよくKPiとして用いられます。
シェア数
シェア数は、オウンドメディアの投稿がSNS上で拡散された数です。ツイッターの場合はリツイートといいね、フェイスブックの場合はいいね、といった具合です。
SNSとオウンドメディアの連携によって効果があらわれているかの指標となるのがシェア数です。ユーザーが思わず誰かに広めたくなるような、有益なコンテンツを発信できているかの目安にもなります。
シェア数が増えればオウンドメディアの存在はもちろん、会社やサービスの認知度アップにもつながるため、KPIとして設定しても良い項目です。
検索順位
検索順位は、検索エンジンで特定のキーワードで検索をかけた場合、検索結果ページにおける自社オウンドメディアの順位です。多くのユーザーは1ページ目の1位~3位に来ているリンクしたクリックしていないので、上位にランクインしているとアクセス数が増えます。
インターネット上で検索しているユーザーがオウンドメディアに流入できているかを明確にしたいときには、検索順位もKPIとして有効になります。
検索順位はSEO対策やキーワード分析などの効果があらわれているかの目安にもなるため、業務への落とし込みもしやすくなります。
オウンドメディアのKPI設定のポイント
「SMART」の要素を満たしているか
KPIをはじめ、目標設定の際に目安となる「SMART」というフレームワークにがあります。
SMARTとは、下記要素の頭文字をとったものです。設定したいKPIがSMARTのすべての要素を満たすかをチェックしながら設定していきましょう。
- Specific…具体的な目標か
- Measurable…測定可能か
- Achievable…達成可能か
- Relevant…経営目標に関連しているか
- Time-bound…期限が設定されているか
「集客を増やす」「一生懸命にやる」といったように曖昧に設定してしまうと、個々の捉え方で異なりますし、努力目標となってしまい判断する基準になりません。認識の違いを避けるためにも、SMARTに則った定量的な目標を掲げましょう。
KPIツリーをつくる
KPIを細分化して、達成するための行動を分かりやすく示せるフレームワークがKPIツリーです。たとえば「有効リード数」だけではなく、そのために必要な資料請求数、資料ダウンロードリンクが置かれているページへの流入数、そのページの検索順位など、それぞれ目標が繋がるように設置していきます。
KPIツリーを作成しておくと、ステップごとに分解した目標の何を実行しているのか、今後どのような施策を行うべきかが可視化されます。
最終目標(KGI)から逆算して分解したKPIを分かりやすく示すことにもなり、正しくKPI設定がされているかの確認にもなります。
KPI達成を目指す運用手法
「SMART」のフレームワークでも解説したように、KPIを達成するためには「達成可能な目標か」も大切です。そのためにも、オウンドメディアの流入数を稼ぐ手法や順位を上げる方法など、ある程度のWebマーケティングの知識は備えておきましょう。
SEO対策
Web周りやコンテンツ業務を行うときに、必ずといっても良いほど耳にするのがSEOです。SEOとは、「Search Engine Optimization」の略称で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」という意味があります。
Googleなどの自然検索から検索上位を目指すオウンドメディアでは、SEO対策の知識は欠かせません。上位表示されているコンテンツの多くは、SEO対策が正しく行われています。
SEO対策にはページ表示スピード改善など技術面の対策も含まれていますが、もっとも一般的で取り組みやすいのは「コンテンツSEO」です。
「コンテンツ・イズ・キング」という言葉があるように、Google社に代表される昨今の検索エンジンは、Webサイトの表示順位を評価する基準として、コンテンツの質を重視しています。ユーザーにとって有益な情報を発信しているか、ユーザーに見やすく理解しやすいサイトか、といった視点でのコンテンツづくりが大切なのです。
このような新しいSEOに基づき、良質なコンテンツの提供によって自然検索でユーザーを集める手法を「コンテンツSEO」と呼びます。
SNSの運用・拡散
これまで、Webサイトのアクセス数を稼ぐためには、キーワード対策やリンクなどのSEO対策が主流でした。
しかし、比較的若い世代を中心にSNS経由の流入が増えてきており、ターゲット層・業界問わずSNSとの連携による流入アップや拡散効果は重要になってきています。
LINE・Facebook・Twitter・Instagramのユーザー属性や各プラットフォームの特徴を調べるなど、活用ポイントを押さえておきましょう。
Web広告
インターネットのメディアやサイト上に掲載されている広告を言います。基本的にインターネット上で表示される全ての広告は、Web広告に定義されます。
Web広告は、実際の購入数や問い合わせ数など、数字で可視化しやすい特徴を持っています。短期的な効果を実感しやすいですが、掲載するメディアや広告の大きさ、掲載期間によっては大幅にコストがかかってしまいます。
Web広告をどのくらい増やせばKPIを達成できるか、そのためには広告費がいくらかかるかなど、費用対効果を意識しながら検討するようにしましょう。
戦略的なオウンドメディア運用にはKPI設定が必須
オウンドメディアにおけるKPIの役割や重要性、設定する際のポイントについて紹介しました。
KPIはオウンドメディアの運用に限らず、事業やプロジェクトの目的を達成しようとする時にも、非常に重要な役目を果たしてくれます。
スムーズなKGI到達のためにも、早い段階で目標の細分化を行ってKPIへの落とし込み、チームと共有して成果に繋がるオウンドメディア運用を実現しましょう。
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目的を実現するオウンドメディアづくりでお悩みなら
オウンドメディアで自社をまだ知らないユーザーの興味を引いて購入・成約に繋げるには、コンテンツ制作やマーケティングに関するノウハウが必要となります。目的を実現するまでの運用難易度の高さがオウンドメディアのデメリットといえます。
自社でオウンドメディア企画・運用のリソースが取れない場合は、プロに依頼するのも選択肢の一つです。
キャククルを運営するZenkenでは、いままでに120業種を超えるクライアントのWeb集客やマーケティング戦略を支援してまいりました。
弊社では8,000件以上のWebメディア制作・運用から得たノウハウを活かして、クライアントの目的を叶える戦略提案から、メディアの構築、コンテンツの制作・更新などもワンストップで対応が可能。
オウンドメディアを展開すべき市場、そのために必要なコンテンツ、狙うべきターゲット層など、貴社に最適なメディア戦略を考え、ご提案いたします。
特定の界隈でしか知られていない製品やBtoBのニッチな市場、専門知識が必要な業界でのメディア制作も得意としております。オウンドメディアの立ち上げを考えている方は、ぜひお気軽にZenkenまでご相談ください。
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