アーンドメディアを使ったマーケティング戦略と活用事例
最終更新日:2022年07月07日
この記事では、アーンドメディアのメリット・デメリット、活用方法や他メディアとの使い分けについて紹介させていただきます。
アーンドメディアとは
アーンドメディアは、顧客や第三者が起点となるメディアのことで、アーンドメディアという言葉は信用や評判を獲得するという意味から来ています。
アーンドメディアとして使用可能な媒体には下記のようなものがあります。
- SNS
- 個人ブログ
- 口コミサイト
- ポジショニングメディア
アーンドメディアは、トリプルメディアと呼ばれる3つのメディアの中の一つでもあります。
このペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアを合わせたトリプルメディアを理解していることは、アーンドメディアを使用した集客戦略を立てるときに役立ちます。
アーンドメディアを理解するために重要なトリプルメディア
トリプルメディアとは、ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディアの3つから構成されています。
それぞれのメディアの特徴を理解して、目的に応じて合わせて使用することをトリプルメディア戦略といいます。
ここでは、各メディアの特徴と活用方法を紹介させていただきます。
ペイドメディア
ペイドメディアとは、企業やそのブランドについて費用をかけて自社で情報発信するメディアで、企業やブランドの認知に優れている媒体です。
ペイドメディアの例としては下記があります。
- CM
- ディスプレイ広告
- リスティング広告
- SNS上の有料広告
- ダイレクトメール
ペイドメディアは費用が掛かりますが、企業が発信する情報をコントロールできるのが一番のポイントです。
メッセージやコンテンツを自由に決めることができるので、企業は顧客に抱いてもらうイメージをコントロールすることができます。
その一方で多大な広告費がかかったり、ペイドメディア単体のマーケティングだとユーザーに対して一方的なメッセージを送るだけになってしまうというデメリットもあります。
そこで、他の媒体も併用することで集客効果を高めることができます。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社や商品の情報を発信するために企業が所有しているメディアの事です。
自社や商品に関する情報を発信することで見込み顧客の理解を深め、ファンを作り関係を維持するのに有効です。
オウンドメディアの媒体例としては下記があります。
- Webサイト
- 企業ブログ
- メールマガジン
- 自社アカウントのSNS
- セミナー
オウンドメディアはブランドを伝えたりファンを獲得するのにも役立ち、費用も比較的安く済ませることができます。
その一方で、効果が出るまでに手間と時間がかかるというデメリットがあります。
オウンドメディアを運用していく際には、質の高いコンテンツを継続的に発信していくことが大切です。
関連記事:オウンドメディアとは?作り方や運用のコツをかんたん解説
トリプルメディアの各役割と媒体例
シェアードメディアとPESOモデル
シェアードメディアとは、SNS投稿や口コミなど消費者が起点となって発信した情報で拡散性があるもののことをいいます。
もともと下記をまとめて「アーンドメディア」と呼んでいたのですが、拡散性のあるメディアの影響が強くなったことで2つに分割されました。
新アーンドメディア:出版や報道、インフルエンサーなどのパブリシティによるメディア
シェアードメディア:SNSの投稿や消費者の口コミなど、消費者が発信していて拡散性がある情報
トリプルメディアにシェアードメディアを追加したものを「PESO」と呼びます。
PESOという呼び方は、Paid(ペイド)、Earned(アーンド)、Shared(シェアード)、Owned(オウンド)からきており、現在はこの4つのメディアを使い分けることの重要性が伝えられています。
トリプルメディア解説!オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディアの違いとは
トリプルメディア戦略事例
トリプルメディアの各役割を理解して使い分けることで、効果的に様々なフェーズの顧客にアプローチすることができます。
このトリプルメディア戦略を上手く活用している会社の事例として、トヨタ自動車株式会社があります。
トヨタ自動車ではトリプルメディア戦略として下記の媒体を使用しています。
トヨタイムズ(オウンドメディア)
引用元:トヨタイムズ(https://toyotatimes.jp/)
トヨタイムズはトヨタが運営しているオウンドメディアです。
トヨタの社員へのインタビューや現場の取材、車にかかわる特集記事を発信しています。
事業に関連した特集や現場の様子を発信することは、見込み顧客や既存顧客と長期的に関係を築き、購買につなげることに役立ちます。
SNS(アーンドメディア)
引用元:トヨタ自動車株式会社(https://global.toyota/jp/company/profile/links/social/)
トヨタでは媒体・ターゲットに合わせて複数のSNSを使用しています。
SNS投稿自体はオウンドメディアですが、ユーザーが他のユーザーにシェアしやすいような内容にすることで、アーンドメディアとして第三者の情報発信を活用することができます。
媒体の使い分けとしては、Twitterではカーレースの速報やオウンドメディアの更新情報など最新情報をメインに発信し、インスタグラムでは車のビジュアル的な魅力を伝えています。
オウンドメディアの更新情報はインスタグラムのショートビデオ投稿機能である「ストーリー」を使用しています。
フェイスブックでは、最新情報・ニュースだけでなく顧客とのコミュニケーションを大切にしています。
- Twitterはニュースや最新情報をいち早く伝える手段
- インスタグラムは文字では伝わりにくいものを画像で伝える手段
- フェイスブックは顧客とコミュニケーションしていく手段
CM(ペイドメディア)
トヨタでは各新作車のCMをはじめ、オウンドメディアにも登場する香川編集長のCMもあります。
このようにペイドメディアは、オウンドメディアと連携することで他媒体にユーザーを送る効果もあります。
引用元:トヨタチャンネル(https://www.youtube.com/user/toyotajpchannel)
アーンドメディアの活用
なぜ今アーンドメディアが注目されているのか
2013年に行われたNielson Global Surveyで、アーンドメディアは最も顧客から信頼されるメディアということがわかりました。
インターネットやテレビなど様々な情報に触れているユーザーは、主観的な情報だけだと宣伝としてしか情報を受け取らない場合も多いのですが、第三者が発信する客観的な情報は、ユーザーが会社や商品に信頼を寄せる傾向が強いようです。
また、この調査では「消費者が情報を受け取った後、行動を起こすことが多かった情報チャンネル」を調べました。下記が特に消費者が行動を起こすのにつながったチャンネル3つです。
- 家族や友だちの投稿
- テレビ
- ブランディングサイト
テレビやブランディングサイトも効果がありますが、第三者から発信された情報はユーザーが行動を起こしやすいことがわかります。
例えば、アーンドメディアの一つであるSNSでは消費者の投稿がきっかけで、ある商品が爆発的に流行ったりします。
第三者からの情報発信を集客に活かすことができれば、商材やサービスを知ってもらうだけではなく、購買行動までつなげることができます。
参照:
https://www.nielsen.com/uk/en/press-releases/2013/nielsen–earned-advertising-remains-most-credible-among-consumer/
アーンドメディアのメリット・デメリット
アーンドメディア活用のポイントは、メリット・デメリットを理解してペイドメディア・オウンドメディアとうまく組み合わせて使用することです。
メリット
- ユーザーが情報を信頼しやすい
- 顧客とのコミュニケーションを深めることができる
- ユーザーが自社のことを認知するチャンネルが増える
- ユーザーの購買行動につながる可能性が高い
デメリット
- ペイドメディアやオウンドメディアのように発信情報をコントロールできない
- 悪い評判・正しくない情報が広まる可能性もある
- SNSの場合、アカウントのフォロワー数・投稿数に効果が左右される
上記のメリット・デメリットを理解して、メディア戦略を組むことでより高い集客効果が見込めます。
では次に実際に使えるアーンドメディアにはどのような種類があるのかご紹介します!
アーンドメディアの種類
SNS
SNSを使うと顧客がほかのユーザーに投稿をシェアし、自社のことをより多くの人に知ってもらうことができます。
例えばTwitterに新しい商品・サービスのことを投稿すると、まず自社のことを知っているユーザーの目に留まります。
その顧客がフォロワーにシェアしてくれたら、自社とはまだつながりもなかったユーザーと接点を持つことができます。
シェア機能を活用する
シェアを増やすためにおすすめなのが、ハッシュタグの使用です。
インスタグラムやTwitterではハッシュタグ(#)を使用して、投稿をカテゴリー分けすることができます。
このハッシュタグを利用するメリットは、自社をフォローしていないユーザーに見つけてもらうことができる点です。
ハッシュタグを使用するときには、ただ闇雲にキーワードを付けるよりも見込み顧客の検索しているキーワードを使用することで自社のホームページを訪れる可能性の高いユーザーと接点を持つことができます。
ハッシュタグに使われるキーワードには3つの種類あります。
- ビッグワード:投稿数が多く人気があるキーワード
- ミドルワード:投稿数が中程度のキーワード
- スモールワード:投稿数が少なめのキーワード
例えば工務店がSNSのハッシュタグを活用する場合、ビッグワードは「注文住宅」、ミドルワードは「東京注文住宅」、スモールワードは工務店の名前になります。
このように様々な規模のキーワードを入れて投稿することで、自社の顧客となりやすいユーザーに見つけてもらうことができます。
SNSをアーンドメディアとして使用する場合に大切なのは戦略的なコンテンツ設計と継続です。
ただ投稿するのではなくターゲットに合った媒体を選び、一定の頻度で継続して投稿していくことが大切です。
媒体別活用事例
インスタグラム
インスタグラムは拡散やビジュアル面で訴求するのに強みがある媒体です。
例えばスターバックスでは新商品を紹介する際に、商品のイメージ写真を投稿しています。
商品だけではなく、エシカルなイメージや「カフェ空間でおしゃれに過ごす」というスターバックスのイメージが伝わりやすい写真もしばしば投稿しており、企業のブランディングにも効果があります。
インスタグラムはFacebookやLINEに比べると若者の使用率が高いので、自社のターゲットがサラリーマンや年配の方である場合や、商材が高級な場合などは30~50代の使用率が高いFacebookを活用するのも効果的です。引用元:スターバックスコーヒージャパン株式会社(https://www.instagram.com/starbucks_j/?hl=ja)
より幅広い年代にアプローチしたい場合や、ビジュアルだけでなく文章も含めて魅力を伝えることができるのがFacebookです。
Facebookでは会社の所在地や概要を掲載したり、イベントの参加を受け付けることも可能です。
Facebookを上手く活用している会社の一つに任天堂があります。同社は、自社用アカウントとNintendo Switchのアカウントを使い分けており、アカウント内では新しい商品をユーザーの関心を引く形で投稿しています。
また、投稿だけでなくFacebook上で主催イベントへの参加も受け付けるなどファンとの交流にもアカウントを活用しています。
引用元:任天堂株式会社(https://ja-jp.facebook.com/NintendoSwitch/)
Twitterは最新情報やニュースを投稿するのに優れている媒体です。またインスタグラム同様にハッシュタグの使用が盛んなので、タグの使用を工夫して自社のアカウントにたどり着くユーザーを増やすことが一つの肝になってきます。
ニュース投稿、キャンペーン投稿だけでなくユーザーと会話をしているようなリアルタイムを思わせる形式で投稿することも大切です。
例えばファミリーマートは商材であるファミチキの情報を発信するのに「ファミチキ先輩」というアカウントを使用して情報を発信しています。
一方的な宣伝ではなくユーザーとのコミュニケーションというかたちで情報発信ができ、アカウントにユーザーが訪れやすく、共感したユーザーのリツイートを受けやすくなります。
Tweets by famichikisenpai
口コミサイト
口コミサイトとは、商品やサービスの感想・コメントを書き込み出来るサイトのことです。
サイトによっては口コミの良さによってランキングや、星評価を使用してユーザーが選択しやすいように工夫されています。
たくさんの人の客観的な情報が集まる口コミサイトには、多くのユーザーが訪れるので自社を認知してもらうという点で優れています。
口コミを使用した集客で気を付けたいのはもらった口コミへの対応です。
良い口コミをいただいたときには感謝のコメントを送り、そうでない口コミのときにも誠実にコメント欄などを使用して対応します。そうすることで、他のユーザーへの印象や自社の信頼度も向上させることができます。
口コミサイト事例
Retty
引用元:Retty(https://retty.me/)
Rettyは口コミ投稿ができるグルメサイトです。ユーザーが実名でお店の口コミ評価を投稿することで、情報信頼度が高まります。
ユーザー自身がお店の写真を投稿することもできます。
ヘアログ
引用元:ヘアログ(https://hairlog.jp/)
美容室を選ぶユーザーに向けた口コミサイトです。
全国の美容室を掲載しており、口コミサイトから公式ホームページで予約するように設定することもできます。
「総評」の箇所にお客様からの「ベストレビュー」を掲載できます。
気になる!美容整形総合ランキング
引用元:気になる!美容整形総合ランキング(https://www.biyou-seikei.cc/)
気になる美容整形総合ランキングは口コミコメント等を使ったランキングサイトです。
ユーザーは口コミ数や具体的な日数も掲載されたリアルなコメントを読んで、通うクリニックを選択することができます。
コスメニスト
引用元:コスメニスト(https://cosmenist.com/)
コスメ商品を「コスメが好きなユーザー」が紹介するメディアです。
アーンドメディアのメリットである第三者からのおすすめがユーザーの購買行動につながりやすいという点をいかして商品を宣伝することができます。
Youtube
最近では自社でYoutubeチャンネルを所持している会社も多いのではないでしょうか。
Youtubeを使用したマーケティングには下記のようなメリットがあります。
- 幅広い年代の利用者にアプローチできる
- 伝えられる情報量が多い
- ブランディング効果
- 他媒体との連携
- 共感を得やすい
動画を使用することでメッセージが伝わりやすくなるのに加え、チャンネル登録機能を活用することで見込み顧客の獲得につなげることができます。
チャンネル登録とは、ユーザーが気に入ったアカウントをお気に入り登録する機能です。
1つの動画をきっかけに他の動画にも興味をもってもらい、チャンネル登録してもらうことができれば、定期的に見込み顧客と接することができ顧客獲得のチャンスを広げることができます。
Youtube活用事例
サントリー
引用元:サントリーホールディングス株式会社(https://www.youtube.com/user/SuntoryGroup)
サントリーは自社のYoutubeチャンネルに下記のようなコンテンツを掲載しています。
・商材のプロモーション動画
・企業の活動紹介動画
・対談動画
・レシピ動画
ユーザーが興味をもって視聴できるような対談動画やレシピ動画とプロモーション動画を交えて、Youtubeチャンネルを構成することで、消費者との新しい接点を作り商材へ興味を持ってもらうことができます。
ライザップ
引用元:RIZAPグループ株式会社(https://www.youtube.com/channel/UCl3KNzEZkai5e9WQryNOjGA)
ライザップではトレーニング動画や痩せるレシピ動画などをコンテンツとして掲載しています。自社のターゲットを明確にして発信するコンテンツは、自社サービスの購入につながりやすいユーザーとの接点を作ってくれます。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングメディアとはユーザーが求めていて、競合にはない自社の強みを伝えるのに適したメディアです。
自社からの情報発信だけでなく、ユーザーの視点からみた自社の強みを伝えることができるので、自社の優位性を確立するのに役立ちます。
ポジショニングメディアは、
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客観的に入るべき保険はどういうものを選ぶべきかと第三者の目線で訴求できる点に注目すると一般ユーザーのためのサイトにもなっており、
自社HPで歌うことができない客観的な視点で説明しているため、資料請求にもつながっているのだと分析しています。(保険会社)
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深堀検索する市場は、情報量の多い第三者のサイトが集客におけるインパクトが大きいと痛いほど痛感しています。
(不動産会社)
アーンドメディアを活用した集客まとめ
アーンドメディアを活用した集客では、各媒体の特徴を理解して自社に合ったものを選ぶことが大切であるとお伝えしてきました。
各アーンドメディアの特徴は下記になります。
- SNS:シェア機能を上手く活用することで自社とつながりがなかったユーザーとも接点をもてる
- 口コミサイト:多くのユーザーに自社を認知してもらうことができる、顧客獲得につなげる
- ポジショニングメディア:自社の強みをユーザー視点で伝え、ファン化や顧客獲得につなげる
ぜひ顧客との良好な関係を築いたり、ファン獲得のためのチャンネルとしてアーンドメディアを活用してみてください!
Zenkenにはこれまで7000件のWeb集客実績があります。
- 自社でポジショニングメディアを使用する場合どのようなものがあるのか知りたい
- アーンドメディアを活用して集客をしたいが何から始めればいいかわからない
- アーンドメディアでユーザーの信用を獲得し購買につなげたい
上記のようなお悩みやご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。