インターネットにおけるプライバシー保護の取り扱いについて注目が集まる中、企業がユーザーの行動履歴を取得することに関しても保護の動きが高まっています。それ伴い、企業にとって重要なツールとなっているのが同意管理プラットフォーム(CMP)です。
このページでは、代表的な同意管理プラットフォーム(CMP)の特徴や料金プラン、導入実績について調べました。Webマーケティングを実施している企業担当者様は、ぜひご一読ください。
同意管理プラットフォーム(CMP)の一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
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Trust 360 同意管理 |
実装からコンサルまで、複雑なプライバシー保護対応をまるっとお任せ
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Sourcepoint |
ユーザーの言語設定を自動検知!海外の法規制にも柔軟に対応 |
OneTrust |
100ヵ国以上の言語に対応!グローバル企業への導入実績が豊富 |
webtru |
特許取得済みの独自技術でスムーズな導入と的確な運用を実現 |
Ensighten |
Webサイトを常時監視しあらゆるスクリプトをレポーティングする機能付き |
LiveRamp |
企業や組織の顧客情報を固有のIDに変換し安全に連携できる |
UniConsent |
自動で分析や監査等を行う高性能なCookieスキャナーを搭載 |
Osano |
ベーシックプランなら無料で導入可能!Shopifyなど連携対象も豊富 |
CookiePro |
クイックスタートサポートで迅速な導入をバックアップ |
同意管理プラットフォーム(CMP)が生まれた背景
これまでは、ユーザーデータがどのように利用され、どんな第三者に提供されているかが把握できておらず、ブラックボックス化してしまっていました。
その反省を踏まえ、以下のような動きが世界各国で起こったことが同意管理プラットフォーム(CMP)誕生の背景にあります。
GDPR
GDPR(General Data Protection Regulation)とは、「EU一般データ保護規則」という、EU各国に適用される法令のことです。
個人のプライバシーの権利の保護と確立を目的として、2018年に施行されました。
企業の所在地にかかわらず「EUにある個人のデータを扱う全ての企業や組織」がGDPRの適用対象となっているため、日本発の企業であってもグローバルに事業を展開する場合、GDPRに則った対応を求められます。
サードパーティーCookieの廃止
Google社は、ChromeにおけるサードパーティーCookieのサポートの、段階的な廃止を発表しました。
Cookieとは一時的にChromeやSafariなどのブラウザに保存されるユーザーの行動履歴データのことで、サードパーティーCookieとは、ユーザーが訪問しているWebサイト以外のところで発行され、他のサイト訪問時にも適用されるCookieです。
本来のCookieは、一度訪れたサイトに再度訪れた時にIDやパスワード入力の手間を省いたり、ECサイトで買い物かごに商品を入れたまま一度離れても再訪時に商品がそのまま残っていたりするなど、ユーザーの利便性を向上する目的で使われていました。
ところが、この機能をユーザーの閲覧履歴をもとに「リターゲティング広告」や「オーディエンスターゲティング広告」で利用する広告業者が増えてしまったのです。
このような広告の在り方が問題視されるようになり、オンラインサービスを提供する企業各社が自主的にCookieを規制する流れが起こっています。
改正個人情報保護法
2022年4月に「改正個人情報保護法」が全面施行され、国内企業が対応を求められています。
改正では、提供先で個人データとなり得る情報に対し本人同意の確認が義務化されました。 また、提供元で個人データに該当しないものであっても、提供先で個人データとなり得る情報を第三者に提供する場合、本人同意が得られていることが必須となります。
ここで言う「提供元で個人データに該当しないものでも提供先で個人データとなり得る情報」とは、Cookie(クッキー)情報やインターネットの閲覧履歴、IPアドレスなどです。
旧法では明言されていなかったCookie(クッキー)に対する取り扱いが、改正法によって定められています。
これまでは、Cookieのみを利用して得る情報は個人を特定できるデータではないとされてきましたが、法改正によって規制対象となっています。
同意管理プラットフォーム(CMP)と厳重化するデータプライバシーの関係
Webサイトを運用する企業にとって、同意管理プラットフォーム(CMP)の導入は必須ではありません。しかし、今回の法改正によって、違反に対する企業のペナルティが強化されました。
取得した個人情報を漏洩したり不正利用したりすると、罰則はもちろん、一瞬で企業の信頼は失墜してしまうでしょう。
今後、自社の個人情報データの取り扱いを見直す作業は全ての企業において避けられません。
同意管理プラットフォーム(CMP)は、個人データの健全な利活用のために本人の同意を得ながら管理作業を効率化できるツールです。
これからプライバシー保護に関する体制を新たに構築する際には、何らかの同意管理プラットフォーム(CMP)を利用するほうが、企業にとってメリットが大きいと分かります。
同意管理プラットフォーム(CMP)導入に関するよくある質問
Q1.同意管理とは?
そもそも、インターネットを介したオンラインサービスやアプリケーション等の個人情報を収集し保存するプラットフォームなどでは、プライバシーとデータ保護の観点からユーザーに対して、個人情報の使用について明確な同意を得る必要があります。 そこで、個人情報やデータの取り扱いにおいて、個人が自分の情報についてどのような利用や共有に同意するかを管理・設定するプロセスや仕組みのことを同意管理と呼んでいます。
Q2.同意管理プラットフォームは無料で利用できる?
導入費用が無料のツールもあれば、月額費用のみで利用できるツールなどシステムによって料金体系はさまざま。機能を制限した無料プランや、トライアル期間中は無料で利用できる同意管理プラットフォームなどもあります。 対応する法令の内容によって、同意管理プラットフォームに求めるシステム要件は異なります。費用だけで判断するのではなく、機能面やサポート体制などもチェックしておくと、満足のいくプラットフォームを見つけやすいです。
Q3.同意管理プラットフォームとcookie同意管理ツールの違いは?
どちらもデータプライバシーと法的コンプライアンスを強化し、ユーザーに対して透明性を提供するための重要なツールです。同意管理プラットフォームは、マーケティングやデータ分析などの広範なデータ管理を提供し、ユーザーの個人情報やデータに対する同意を包括的に管理しています。 一方で、Cookie同意管理ツールはウェブサイト内のCookieに焦点を当て、同意取得や法的要件に特化しているシステムです。サイト訪問者の同意を取得しながら、データ管理を行います。
Q4.CMPツールとは?
CMPツールは、オンラインプラットフォームやウェブサイトを訪れたユーザーに、Cookieの利用目的や提供先を明示するためのツールです。ユーザーがそのデータ処理に同意するかどうかを選択できるようにすることで、各種プライバシー規制に対応します。 そのため、CMPツールはオンライン広告やウェブサイト運営者が、ユーザーからのデータ収集やCookie使用に対する同意を効率的に管理するために欠かせないものとなっています。
同意管理プラットフォーム(CMP)の導入を考えている方は、本ページに掲載している「同意管理プラットフォーム(CMP)の比較表」をご覧ください。
同意管理プラットフォーム(CMP)は今後益々求められるツール

同意管理プラットフォーム(CMP)は、国際的なプライバシー保護の観点や国内における個人情報保護に関する規制の厳罰化によって、企業がマーケティング活動をする上で欠かせないツールとなりました。 ユーザーに安心感を与え、信頼性を確立する意味でも積極的な導入が進められています。
今後、インターネットでプライバシーが益々注目されるでしょう。ユーザーや見込み顧客に信頼される企業であり続けるためにも、必要な施策を打ち出しましょう。
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- 本記事は、2024年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。