IT業界のオンライン・バーチャル展示会、2021年はどうなる?
最終更新日:2024年04月23日
IT業界のオンライン・バーチャル展示会、2021年は開催される?
大手のイベント運営企業がリアル展示会を再開
2020年後半はさまざまな業種でオンライン展示会やバーチャル展示会が開催されました。もともと海外ではバーチャル展示会そのものが利用されてきた経緯がありますので、リアル展示会が中止もしくは延期になったことで日本もその流れに乗るようにも思えました。
がしかし、リード エグジビション ジャパンなど大手の展示会開催企業にとって、リアル展示会の中止や延期は死活問題のため、2020年11月より、感染予防対策に細心の注意を払った運営体制でリアル展示会が再開されています。また2021年も従来通りのリアル展示会開催がスタートする予定になっています。
※コンテンツ後半にリアル展示会のスケジュールが確認できるサイトの情報をまとめています。
コロナ再拡大を考慮すればオンライン展示会の継続の可能性も有り
とはいえ、コロナ陽性者数がいま以上に増加すれば、2021年のリアル展示会に影響が出ないとは言い切れません。オンライン展示会やバーチャル展示会にどのタイミングで参入すべきか、いまのうちに検討しておくべきです。
そこでここでは、2020年に開催されたオンライン展示会のうちIT業界に特化したものを紹介。開催済みのオンライン展示会の参加者数や2021年の開催予定などについてリサーチしたものを紹介していきます。
IT系オンライン・バーチャル展示会の特徴
もともとITとオンラインの親和性は高いはずですが、製造業などの展示会と比較すると製品そのもののアピールより、基調講演やセミナーといった、人が前面に出る企画がメインとなっている印象があります。
プラットフォームのプレゼンやセキュリティ関連事業など商品説明がしやすいものは、資料のダウンロードや事例紹介といったかたちで販促につなげられます。ただ一定の知識がないと理解できないシステムなどの技術系は、やはり人による説明が必要。
またデジタル庁創設が予定されていることもあり、「いままでITインフラに投資してこなかった企業」に向けてのプロモーションが新規リードの獲得につながるため、ターゲットニーズごとにプレゼン内容を変える必要も出ているようです。
では実際のIT系オンライン展示会を見ていきましょう。
ITトレンドEXPO2020
画像引用元:ITトレンドEXPO2020特設サイト(https://it-trend-expo-2020.online-exhibition.jp/)
ITサービスとの新たな出会いの場を提供するオンライン展示会
株式会社Innovation & Co.が運営するオンライン展示会で、開催は2020年11月11~12日。同社は株式会社イノベーションのグループ会社です。
同社は法人向けIT製品の比較・検討サイト「ITトレンド」を運営しており、このオンライン展示会出展企業はこのメディアに掲載されている企業が中心となっています。
参加には事前申し込み必須で、Webマーケ&営業支援EXPO、会計/財務向けソリューションEXPOなど6つの展示エリアと、セッションエリアとで構成されています。
各セッションを視聴するためには事前エントリーが必要ですが、来訪者はすべてのコンテンツを無料で視聴・閲覧することができます。
運営会社
株式会社Innovation & Co.(株式会社イノベーション)
https://www.innovation.co.jp/company/co/info/
お問い合わせ先
https://www.innovation.co.jp/contact/
来場者数
10,000人(事前申し込みの想定来場者数)
オンライン展示会出展規模
1500製品以上、展示ブース100以上。2日間にわたり多数のセッションを用意。
2021年開催の有無
不明 ※株式会社イノベーションにに直接お問い合わせください。
IT&MARKETING EXPO2020(第一回)
画像引用元:IT&MARKETING EXPO2020特設サイト(https://weblp.cloud-webexpo.com/visitor/marketing_expo2020)
最新のITサービス・ソリューションが集まる、日本最大級のウェブ展示会
株式会社ストラーツが手掛けたIT関連事業のオンライン展示会「IT&MARKETING EXPO2020」は、2020年9月17~18日に開催されました。
参加した200社による400以上のセミナーやデモ動画を配信、16もの基調講演も行なわれました。インフルエンサーマーケティングなどのトレンドやデジタルメディアの事業戦略など、ITとマーケティングのの今後を見すえたプレゼンテーションが実施されました。
IT&MARKETING EXPO2020は参加も出展も無料、というのが売りで、200社の出展企業と来場者はいつでもZOOMでつながることができるなど、よりリアル展示会に近いコミュニケーションを目指したオンライン展示会でした。
同社が手掛ける事業は「新規事業・ウェブのグロース支援」。Web制作からマーケティング支援、資金調達支援などをワンストップで依頼することができます。
運営会社
株式会社ストラーツ
https://strarts.co.jp/#section_1
お問い合わせ先
https://strarts.co.jp/#section_9
来場者数
4,112人
オンライン展示会出展規模
192社が参加、13の基調講演、200本以上のイベント限定セミナーおよびデモ動画を配信
2021年開催の有無
不明 ※株式会社ストラーツにに直接お問い合わせください。
BOXIL EXPO 2020 IT・SaaS・テレワーク展
画像引用元:BOXIL EXPO 2020 IT・SaaS・テレワーク展特設サイト(https://expo.boxil.jp/event/it-saas-telework-2020)
SaaSを中心としたサービスとの最適な出会いを実現するオンライン展示
「BOXIL EXPO 2020 IT・SaaS・テレワーク展」を主催したスマートキャンプ株式会社は、「BOXIL SaaS」を軸としたマーケティング支援やビジネスの効率化支援をしている企業です。
2019年12月に株式会社マネーフォワードのグループ会社となり、バックオフィスをサポートする事業やメディア運営も行なっています。また展示会に参加するためには、マッチングシステム EventHub(イベントハブ)へのエントリーが必要、という独自のシステムを採用。
EventHubは「あなたとサービスをつなぐオンラインプラットフォーム」をキャッチフレーズにしたクラウドサービス。
無料でエントリーでき、クラウドサービスの情報収集はもちろんのこと、セッションがライブ配信で視聴できて、登壇者にも質問ができました。出展社とはチャットで交流できるなどの工夫も。
なおボクシルに関しては、キャククル内でくわしく説明しているページがあります。
※ボクシルの問い合わせに関しては、スマートキャンプ株式会社に直接おねがいします。
運営会社
スマートキャンプ株式会社
https://smartcamp.co.jp/about
お問い合わせ先
https://smartcamp.co.jp/contact
来場者数
6,800人
オンライン展示会出展規模
公式EventHub内での開催。セッション数は80、60社を超える企業が参加。
2020年12月10~11日には「人事総合展」のオンライン展示会が決定しています。詳しい情報は下記よりご覧ください。
BOXIL EXPO 2020 人事総合展
https://expo.boxil.jp/event/hr-2020
2021年開催の有無
不明 ※スマートキャンプ株式会社に直接お問い合わせください。
Japan IT Week 2021年(リアル展示会)
オンライン展示会ではなく、リアル展示会の最新情報もご紹介しておきます。リード エグジビション ジャパン株式会社が年4回開催する「Japan IT Week」は、日本最大級のIT展示会として知らない人はいないほどメジャーな展示会です。
画像引用元:Japan IT Week 2021年公式サイト(https://www.japan-it.jp/ja-jp.html)
2021年は下記の予定でスケジュールが組まれています。
- Japan IT Week 関西:2021年1月27~29日 会場:インテックス大阪
- Japan IT Week 春:2021年4月26~28日 会場:東京ビッグサイト
- Japan IT Week 名古屋:2021年7月28~30日 会場:ポートメッセなごや
- Japan IT Week 秋:2021年10月27~29日 会場:幕張メッセ
運営会社
リード エグジビション ジャパン株式会社
https://smartcamp.co.jp/about
出展資料の請求
https://regist.reedexpo.co.jp/expo/DDES/?lg=jp&tp=exhibit&ec=ITW
※展示会出展のお問い合わせは直接リード エグジビション ジャパン株式会におねがいします。
2021年IT業界の展示会はどうなる?
現時点でIT事業のオンライン展示会開催が確定しているものは、ほんのわずかにすぎません。ただ、社会情勢に合わせ変化する可能性はあります。以下に2021年に開催されるリアル展示会の情報は下記ジェトロのサイトに掲載されています。リサーチに役立ててください。
JETROこれから開催される見本市・展示会
JETRO(ジェトロ/日本貿易振興機構)これから開催される見本市・展示会(https://www.jetro.go.jp/j-messe/country/asia/jp/)
オンライン・バーチャル展示会のゴールは「認知ではなく成約」
資料請求の反響はあるものの「成約に繋がらない」と悩む担当者
オンライン・バーチャル展示会への出展は、サービスの存在を認知してもらう目的もありますが、最終的なゴールは「成約」です。
しかし、当然のことながら、多数の競合も出展するため、その中から1社に選ばれるのも容易ではなく、資料請求の反響はあるものの、競合と比較する情報集めの材料に使われるばかり。
なかなか商談や成約に繋がらずに困っている企業も少なくありません。
では、競合と比較されながらも、競合にはない自社サービスの魅力や強みを、問い合わせの段階から効果的に伝えられ、競合が選ばれるにはどうしたら良いでしょうか。
自社の「強み」を求める見込み顧客だけを集客する方法もある
そこで、バーチャル展示会に出展する方法も一つの手ですが、自社の「強み」を打ち出し、必要とする見込み客だけを集めるメディアを「自社」で作る方法もあります。
それが「ポジショニングメディア」です。ポジションと名の付くように、市場における貴社の「強み」、他社との「違い」を打ち出し、必要とする見込み客を集めます。
ポジショニングメディアを通じた問い合わせは、競合他社にはない貴社の価値を理解した成約する意欲が高い見込み客が集まります。
- 成約になるターゲットが思うように集まらない
- 競合と比較される資料請求ばかりで商談に繋がらない
- コロナの影響で展示会をはじめ、既存の集客施策の効果が上がらない
など、現在の集客施策が上手くいかず、次にどんな手を打てば良いのか分からず困っている企業の集客担当者に効果的な施策です。
IT業界オンライン展示会の課題
最後に、株式会社ギャプライズが実際にオンライン展示会に参加して感じたリアルな失敗とチェックすべきポイントをご紹介しておきましょう。
同社はオンライン展示会出展に際し、特定のジャンルに特化せずに出展。その結果、「キーワードやタグによる絞り込み」で十分にアピールすることができず、カテゴリがあいまいになり、強みをアピールできなかったといいます。
オフライン展示会との違いは、「なんとなく会場見て回って気になったブース見つけて話聞いてみる」というシチュエーションが生まれにくい点です。
参照元:株式会社ギャプライズ「オンライン展示会の失敗から学んだ、チェックすべき3つのポイント」(https://martechlab.gaprise.jp/archives/btobmarketing/26225/)
検索キーワードや特定ジャンルに特化したカテゴリを選定しなかったことで、リアル展示会のように「いろいろ見ているうちに、よさそうな企業のブースに立ち寄る」ことがないオンライン展示会の欠点を実感したそうです。また「失敗したこと」として、下記も挙げています。
「無料デモします!」「国内導入事例をご紹介します!」と案内はいれたものの、全く刺さりませんでした。今考えれば、上記訴求が刺さる人は、そもそも既にサービスに興味持ってくれている状態です。
まだサービスをあまり知らない方に、もっと話を聞きたいと思ってもらうには
・「そんなことができるの?」という驚きや発見
・「そんなに安く(or簡単に)できるの?なんで?」という疑問
から興味につなげるなど、限られた企業ぺージ内で工夫がかなり必要です。
実際にオンライン展示会に出展した経験から出たアドバイスですので、これから参入しようと考えている企業には、とても役立つ情報ではないでしょうか。ぜひ参考にされることをおすすめします。
ITのオンライン展示会まとめ
2021年の展示会業界がどのように動いていくのか、現時点で断定的なことはなにも言えません。しかし、備えあれば患いなしの言葉のとおり、一方向だけを見て集客するのはリスキーであるということは確かです。
リアル展示会出展のコスト、オンライン展示会のメリットとデメリット、受け皿となる集客用LPの有無、公式サイトのリニューアルやポータルサイトへの掲載。こうしたさまざまなファクターを俯瞰で見て、メリハリのついた販促プロモーションを目指してください。
「取り敢えず資料請求…」ではなく「貴社にお願いしたい」という反響を獲得したい方へ
オンライン展示会に出展し、資料請求は増えてリードが獲得できたものの、その後メールや電話営業しても、
- 「ただいま担当が席を外しておりまして…」と一向に担当者と連絡がつかない
- 「興味があったらこちらから連絡します」と遠回しに断られる
など、追客しても成果の見えない期待をただ追いかけるばかりで、営業コストもムダにかかる一方。「どうしたら成約に繋がるのか」と悩む営業責任者の方も多いのではないでしょうか。
売上に繋がらないリード(見込み顧客)をただ増やすのではなく、「御社にお願いしたい」という、はじめから貴社サービスの魅力や強みが理解できる伝え方があります。
少ないリードでも着実に成約に繋げる方法を取り入れてみませんか?