コンテンツマーケティングの企画書・提案書の作り方【事例付】
最終更新日:2024年06月11日
コンテンツマーケティングの企画書づくりについて解説する記事です。記載するべき内容や各項目の具体的な書き方、実際の企画書事例などを交えながら解説します。これからコンテンツマーケティングの企画書を作りたいと考えている方にとって、参考にしていただける記事です。
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そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングの「コンテンツ」とは、情報の「中身」や「内容」のことを指します。ひと口にコンテンツといっても、コラム記事、メールマガジン、動画、ホワイトペーパー(お役立ち資料)、オンラインセミナーといった様々な種類があります。
ユーザー(読者)に役立つこれらのコンテンツの制作や発信を通じて、自社サイトに集客させます。たとえ今すぐ購入に繋がらなくても、継続的に発信し続けることで、将来的に顧客になってもらうためのマーケティング活動とも言えます。
インターネットを通じた営業活動が盛んな昨今、これまで「会社案内」のような役割だった自社サイトを見直し、ユーザーに役立つコンテンツ制作に力を入れ、新規開拓や売上拡大を図る企業が急増しています。
コンテンツマーケティングについて、より詳しく知りたい方は、下記の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。
関連記事:コンテンツマーケティングとは?効果・メリット・事例・進め方の手順を簡単に解説
コンテンツマーケティングの企画書を作成する理由
コンテンツマーケティングを導入する企業が増えていますが、興味関心はあっても、どう導入を進めて良いのか分からない方も多いでしょう。そこで必要なのが「企画書」です。ここでは、企画書が必要な理由について紹介します。
社内で承認を得る
コンテンツマーケティングにおける企画書の作成は、まず社内で承認を得るために必要です。社内での稟議に通らなければコンテンツマーケティングを実践できませんので、書類に企画の内容をまとめ、経営層からの理解を得るために作成されます。
社内で共通理解を図る
企画書は社内でのコンテンツマーケティングへの共通理解を図るためにも役立ちます。なぜコンテンツマーケティングが必要であるか、どのようなターゲットにアプローチをするのか、どのような目標達成を目指しているのか。実践していくための共通認識をまとめたものが企画書です。
予算や人員を計算する
企画書が担うもうひとつの重要な役割が、コンテンツマーケティング実践のための予算や人員を算出することです。実施する目処が立たなければ稟議に通すことも難しくなります。
予算・人員ともに実践可能な内容であることを示し、運用計画を立てるための役割も担います。
コンテンツマーケティングの企画書の記載ポイント
コンテンツマーケティング実施にあたり、重要な存在である企画書。それでは企画書に記載するべき内容とポイントについて詳しく見ていきましょう。
目的
コンテンツマーケティングの企画書作成でまず考えるべきことは、目的です。コンテンツマーケティングを検討した理由を自社の問題から考えて、達成を目指す目的について記載します。
目的は長期的な視点で考える最終的なゴールとなる指標にもなります。施策を実施することで、獲得を目指す新規顧客の数や、達成したい売上高などを設定してください。
ターゲット(ペルソナ)
次に記載したいのはターゲットやペルソナです。コンテンツマーケティングにおいてアピールしたいターゲット層と、ターゲットとなる人物像をより明確に深堀りしたペルソナを設定して企画書に記載します。
ターゲットを明確にすることは提供するコンテンツの一貫性にもつながるため非常に重要です。
獲得したい顧客層からターゲットを設定し、作成したコンテンツを読んでくれると想定される人物像を「一人の実在する人物」のように詳細な部分まで設定しましょう。そして企画書に盛り込んでください。
目標
コンテンツマーケティングの企画書には、目的とともに目標も記載しましょう。目標とは目的を達成するために段階的に達成するためにあります。
たとえば、新規顧客獲得を達成するためには、獲得したい人数にあわせたコンテンツへの流入数と、流入数にあわせたコンバージョン率が目標として挙げられます。さらに流入数を確保するための目標も必要です。
目標はコンテンツマーケティングを成功させるための道筋となる項目ですので、企画書にて具体的に明示できると社内稟議に通りやすくなります。
キーワード設計
コンテンツを制作する基盤となるキーワード設計も企画書に記載するべき内容です。コンテンツマーケティングでは検索からの流入を期待して実施するのが基本なので、キーワード設計は施策の土台と言えます。
検索上位に表示されるWebサイトからキーワードを選定し、選定したキーワードの月間検索数を調べたら、キーワードに優先順位をつけます。
キーワードによりSEOの難易度は変わるため多面的に分析し、効率的にコンテンツマーケティングを行っていくためのキーワード設計と対策順を企画書に記載してください。
コンテンツ案
次に具体的なコンテンツ案を記載します。ターゲットやペルソナの設定、キーワード設計などを実施していくと、制作するべきコンテンツの内容が浮かび上がってきます。
ターゲット層が抱くニーズを分析して、ニーズを満たすためのコンテンツを制作できればコンテンツマーケティングの成功率は高まります。
具体的なコンテンツの内容が決まったら、自社にとって最適な発信方法も企画書に記載してください。
企画書の内容は具体的であるほど説得力が高まるので、オウンドメディア作成やSNSでの発信、メルマガの活用など、ターゲットと自社商品・サービスの特性にあう発信方法を考えます。
編集体制
企画書にコンテンツ案を記載したら、次は編集体制についての内容です。コンテンツマーケティングを実施していくために必要な業務と、必要となる人員数を算出して示します。必要となる人員は主に、
- 編集責任者
- 編集者
- コンテンツ制作者
- マーケター
の4種類です。継続的にコンテンツマーケティングを実施することを念頭に置き、安定したリソースを確保できるように編集体制と運用体制を明記します。
もし、自社内の人員だけで制作・運用するなら本来の業務に支障をきたさない体制を構築することが必要です。
作業者の募集方法
編集体制を考えた上で、社内のリソースでは補えないなら作業者の募集方法も企画書に記載してください。新しく人材を雇う方法もありますが、コンテンツ制作会社に外注する方法にも多くのメリットがあります。
その他、個人のライターに外注する方法も考えられます。いずれの方法で作業者を募集するのか具体的に記載しましょう。
予算
最後にコンテンツマーケティング実施にあたり必要となる予算も企画書に記載するべきです。コンテンツ制作や外注費用、作業者を募集する際の費用などを算出してください。
自社内だけで制作する場合でも人件費がかかります。コンテンツマーケティングの専門業者に依頼するとすれば、制作する記事の本数により予算は変わります。また施策の効果測定も外注依頼するなら、さらに予算が必要です。
予算に関しても継続的に実施される施策であることを意識して、中長期的な視点から算出してください。
コンテンツマーケティング企画書の例
コンテンツマーケティングの企画書を作成するにあたり、最も役立つのはやはり実際の事例です。そこで参考として、女性向けパーソナルジムにおけるコンテンツマーケティングの企画書事例をご紹介します。
企画書の内容
【企画概要】
ターゲットを同じくする競合が現れたことで既存のコーポレートサイトへの流入数が減少したため、コンテンツマーケティングを実施して流入数とコンバージョン率の増加を図る。
【課題と目的】
コーポレートサイトでの既存コンテンツにおいてキーワード検索による流入が減少していることを受け、スモールキーワードを意識した質の高いコンテンツを継続的に更新することで流入数増加を図る。
【目的と目標】
- 目的:現状より3,000の増加となるUU10,000獲得
- 目標:月間PVを200,000、検索エンジンからのコンバージョンレート3.0%
【ペルソナ】
リモートワークとなり1日中パソコンの前に座っているため運動不足を感じている東京都豊島区在住の35歳独身女性。(ペルソナとは商品やサービスを利用する架空の人物像のことです)
【ペルソナのニーズ】
年齢により代謝が低くなってきたのか、若い頃よりも太りやすくなったことに悩んでいる。フィットネスジムへの入会も検討しているが、運動が苦手で続けられるか、料金に見合った効果が期待できるのか不安。運動と食事バランスの改善により、体質改善と健康的なダイエットができないかと考えている。
【検索キーワード例】
- 「運動 食事 ダイエット」
- 「健康的な食事 痩せる」
- 「フィットネスジム 女性向け 東京」
- 「パーソナルジム 料金 効果」
【コンテンツ案】
コンテンツテーマ:女性のための健康的なダイエットをサポートするコラム
<コンテンツ記事案>
- 「年齢とともに低くなった代謝を高めるには?」
- 「運動が苦手な女性でも取り組める筋トレ方法」
- 「健康的な食生活で無理なく痩せる方法」
- 「東京のおすすめ女性向けフィットネスジム」
- 「パーソナルジムのダイエット効果」
【集客のための戦略について】
随時分析を行いアクセスの多いコンテンツを参考にし、ターゲットの求めるコンテンツを洗い出す。筋トレやレシピ紹介には1~2分の動画コンテンツを用意して仕事で忙しい女性でも無理なく実践できる内容とする。
検索エンジンからの流入数アップを基本とするが、動画コンテンツをメインとしてSNSでの発信も行い拡散へとつなげる。
企画書作成のポイント
必要最低限の内容とはなりますが、コンテンツマーケティングの企画書事例として一例を挙げました。企画書の作成にあたって重視するべきことは「具体性」です。
目的や目標は、具体的な数値を用いてどの程度の効果が見込め、現状に比べてどの程度改善されるのか記載します。また、今回の事例ではスモールキーワードによる流入を期待しているので、ペルソナとなる人物像の悩みやニーズを細かく記載。
悩みを解決するためのコンテンツ案を設定し、ファンになってもらうことでフィットネスジムへの敷居の高さを払拭し、コンバージョンを目指す流れとなります。
コンテンツマーケティング成功の第一歩は企画書から
企画書は社内の稟議に通過したり、共通理解を持ったり、予算・人員を洗い出すためのものですが、コンテンツマーケティングの土台ともなるものです。
コンテンツマーケティングを具体化するためには、企画書を具体的に細かく作り上げていくいことが重要なポイントとなります。
しかし、具体的な企画書を作るにはさまざまな分析が必要です。例え企画書を作り込んでも、ノウハウもなく社内だけでコンテンツマーケティングを成功させるのは難しいでしょう。
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