コンテンツマーケティングとは?8,000サイトの実績で得た売れる仕組み作りを解説
最終更新日:2024年06月11日
この記事では、コンテンツマーケティングとはどんな方法なのか、メリットや基本的なポイントわかりやすく解説します。また、進める際の手順や戦略の立て方、具体的な施策や事例などもまとめています。
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コンテンツマーケティングとは?簡単に解説
コンテンツマーケティングの意味を正しく捉えるために、まず「コンテンツ」と「マーケティング」の意味をそれぞれ整理してみます。
コンテンツとは?
コンテンツ(content)とは直訳すると、「内容」という意味で、マーケティングの視点からいうと、ユーザーに対して発信する「情報の内容」になります。では、ユーザーが求める「情報の内容」とは一体何でしょうか?
それは、ユーザーが「知りたいこと」や「解決したいこと」が分かる情報のことです。このような情報を発信しながら、商品(サービス)を売る仕組みを作るのが「コンテンツマーケティング」です。
コンテンツを通じて商品が売れる状況を作り出す
しかし、売れる仕組みを作るというと、「販売活動や営業活動と同じなのでは?」と思うかもしれませんが少し異なります。日本でも有名な経営学者ピーター・ドラッカー氏は、「マーケティングの目的は、販売を不要にすること」といった言葉を残しています。
企業側から売り込んで商品を買ってもらうのではなく、「ユーザー自身が興味を持って、商品価値を自ら見出し、自然と商品が売れる仕組みを作ること」がマーケティングの意味になります。
まとめますと、コンテンツマーケティングとは、
コンテンツを通じて自社の価値に気づいてもらい商品が売れる状況を作り出す
ことなのです。
なぜ今コンテンツマーケティングが求められるのか?
前述したようにコンテンツマーケティングとは、ユーザー自身に自社の価値に気づいてもらうことで商品が売れる状況を作ることですが、今なぜコンテンツマーケティングが必要とされているのでしょうか。それは、従来の売り方では商品が売れなくなったからです。
従来は企業からユーザーにアプローチする方法が主流
これまでのマーケティング活動といえば、
- テレビCMを打つ
- 新聞や雑誌に広告を出す
- Web広告を出稿する
- 訪問営業をする
いった企業側からユーザーにアプローチする方法で商品の販売をしてきました。しかし現在では、企業からの一方的な営業や広告は、ユーザーから嫌がられる傾向にあります。
「広告」と分かった時点で見向きもされないという点は、Webにおいても顕著です。ではなぜ、広告が嫌がられるようになったのでしょうか。
現在はユーザーが欲しい情報を自由に収集
それはインターネットの登場で「知りたいこと」や「解決したいこと」が分かる情報が検索して自由に入手できるようになり、広告がその情報収集を遮断するケースが増えたためです。
もちろん広告がまったく無意味になったわけではありません。幅広いインターネット利用者に対する認知拡大や、ターゲットを絞り込んだPRできる点においては有効です。
しかし以前のように広告を出せば、すぐに売上につながるということはなくなりました。そこで、企業が自ら売り込みをかけるのではなく、ユーザー側から自社の情報を見にきてくれて、売れる機会を作るコンテンツマーケティングが必要になったのです。
コンテンツマーケティングの効果
コンテンツマーケティングが求められる背景について紹介してきましたが、実際に導入することで具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。
潜在顧客へアプローチが可能
ユーザーが検索した結果、コンテンツにたどり着くことができるため、今まで接点がなかった潜在顧客にアプローチでき「接点」を作ることができます。特にユーザーの悩み・不安を解決するコンテンツなら、たとえ自社の商品を「まだ知らない」としても、ユーザーから信頼が得られるようになります。
コンテンツを通じてアプローチできる潜在顧客が増え、商品を知ってもらうチャンスも拡大します。
新たな見込み客が開拓できる
現時点では購買意欲がないユーザーでも、コンテンツを通じて「こんな商品がある」「こういう価値もある」と新たなニーズに気づいてもらえるため、見込み顧客を増やすこともできます。
ユーザーはコンテンツを通じて、自身の課題解決につながる有益な商品の存在に気がつき、購買へとつなげます。それまで商品を知らない層も「未来の顧客」になり得るのです。
また、コンテンツを見た時点では購入しなかったとしても、商品を認知してもらうことで、「ニーズが高まったとき」に商品を想起してもらえます。
ユーザーの検索キーワードを様々な角度から分析し、ユーザーの検索意図を組み込んだコンテンツを充実させることで、見込み顧客になるユーザーを増やすことができます。
ブランディング効果がある
企業や商品のブランディング効果を得られる効果もあります。コンテンツで有益な情報やノウハウを発信し続けることで、「○○の悩みを解決するならこの商品(企業)」というユーザーニーズに応える専門家としてのイメージをユーザーに印象づけることができます。
リピーター顧客を獲得できる
インターネットやSNSの発展により、様々な情報を簡単に手に入れることができるようになりました。そのため商品やサービスの情報は容易に検索することができ、値段や機能の検討も簡単です。
このような現状だからこそ、継続的に商品やサービスを購買してもらうことを目指すなら、顧客にブランドや商品・サービスのファンになってもらうことが重要。
商品やサービスの機能やデザインだけでは、顧客をファンにするのは簡単ではありません。それはユーザーが目に見えている価値(デザインや機能、使用感など)でしか、商品を認知していないからです。
本当に商品やサービスのファンになってもらうには、
- ブランドストーリー
- 商品やサービスの背景
に共感してもらう必要があります。そこにコンテンツ記事を活用するわけです。一度ファンになってもらえれば、商品やサービスさらにはブランドから離れにくくなり、定期的に商品やサービスの継続購入をしてくれる「リピーター顧客」を獲得することができます。
また、リピーター・ファンになってくれたユーザーは、すすんで自社のことを拡散してくれる存在にもなってくれます。
将来的な広告資産になる
従来のコストをかけて出稿する広告(バナー広告・テレビCM等)は、掲載期間が予め決まっており、期間が過ぎれば見ることができません。
一方、自社サイトやSNSなどで発信しているコンテンツは、削除をしない限り残り続けます。WebメディアならGoogle検索で上位表示がキープできれば、永続的にユーザーの流入も期待できます。
広告は限られた期間内の出稿のため、コストもかかります。もちろん自社コンテンツも外注すればコストはかかるものの、発信し続けることで「広告資産」となり、やがて見込み客や売上を生み出すコンテンツとして残り続けます。
Web上のコンテンツ以外でも、メルマガもバックナンバーの再配信や配布により、商品やサービスを求めている方に対してアプローチできる素材として残せます。
また、セミナーなど直接交流するタイプであっても、レポート形式として講義や質疑応答内容を残せば、ふと必要になったときに自社を想起してもらえる可能性が高まります。
広告費のコスト削減につながる
自社でコンテンツを展開するため、当然広告掲載費や営業の人件費などは削減ができます。一方でコンテンツの制作費用や問い合わせに対応する担当者の人件費などのコストは新たに必要です。
ですがコンテンツから獲得した見込み客は、自社の価値や魅力を感じた上で問い合わせてくれるため、成約率が上がりやすい傾向があります。
ひとつのコンテンツから売上を生みつづけることができれば、中長期的には営業人員を配置するよりもコストを抑えられます。
コンテンツマーケティングの具体的な方法
コンテンツマーケティングの方法として、現代においてはWebサイトを思い浮かべる方も多いのですが、アナログなコンテンツも含まれます。いくつか種類をご紹介します。
オウンドメディア
オウンドメディアは自社が運営するメディア全般を指します。例えばWebサイトやブログなどです。主に検索エンジンからの流入を目指し、ユーザーが求めている情報を提供するメディアを目指すことになります。内容は自由に制作できるため目的やターゲットに合わせたコンテンツを発信できます。種類の一例は下記の通りです。
- テキスト
- イラスト
- 写真
- 漫画
- 商品レビュー
- 動画
- 調査した資料
オウンドメディアは他の手法に比べるととても多くの選択肢があるのが特徴です。アプローチしたいユーザーと接点を持ちやすい方法や、自社商品の魅力を伝えやすい方法を選びましょう。
SNS
多くのユーザーが利用しているSNSを活用するのも効果的な方法です。特に利用者へコメントとして返信できるSNSなら双方向のコミュニケーションを通じて身近な印象を与えられます。
直接活用できるコンテンツ例は以下の通りですが、URLリンクを貼ることでメディアへの流入を図るなど、活用の幅は広がります。
- コメント
- 返信でのコミュニケーション
- 画像、漫画
- 動画
多くのSNSは利用料金がかからず、かつ日本での利用者も多いことからうまく活用した際の費用対効果はとても高くなるのが特徴です。
しかし利用者が多く拡散性も高い分、何らかの事情で炎上してしまうと一気にブランドイメージが低下する可能性もあるので発信する内容には注意しなければいけません。
セミナー
ユーザーが求めているノウハウをセミナーにて提供する手法です。アナログなセミナー自体は昔からありましたが、現代ではWeb上でのセミナー(ウェビナー)も一般的に広まっています。
契約までは考えていないけれど、詳しく話を聞きたいという見込み客を集めやすいのが特徴です。ウェビナーはZoomなどの動画通話メディアを使うことになりますが、資料画面へ切り替えもでき参加者へ分かりやすく説明できます。
会議室など事前のセッティングや紙資料の印刷が不要なので少人数でも準備しやすいのも魅力です。
紙媒体
現在ではWebによるコンテンツマーケティングが主流です。検索すればどんな質問にも答えてくれる便利さはありますが、だからといって、新聞や雑誌などの「紙媒体」が全く利用されなくなったわけではありません。
Webコンテンツほどのスピーディーな発信力はないものの、商品やサービスの詳細を詳しく掲載でき、何よりも「記憶媒体」として保存できるのが大きな特徴です。これは新しい情報がWeb上で飛び交い、じっくりと記憶することが難しいWebコンテンツにはない魅力です。
また、ネットリテラシーがあまり高くない方にとって、紙媒体は近しいメディアでもあるため、最新情報はネットで入手し、より詳しい内容は紙媒体で理解する、といった「ネット×リアル」の相乗効果も期待できます。
メールマガジン
メールマガジンは以前からある手法のひとつです。メールマガジンを配布するには、ユーザーにメルマガ登録してもらう必要があります。また、登録する状況によってユーザーの属性は異なります。
まだ購入を考えていない方に対し、商品の宣伝ばかりでは「押し付け」になってしまい、解除されてしまう可能性もあります。あくまでもユーザーにとって役立つ情報を届けるのが第一で、その中で商品(サービス)を自然に紹介する「工夫」が必要です。
登録者数を増やすには、「メルマガ限定プレゼント」を用意しておくのも、ひとつの方法です。しかし、プレゼントがどこでも購入できる、あるいは無料で手に入るものでは意味がありませんので価値の高いものを提供しましょう。
音声コンテンツ
コンテンツマーケティングの内容として日本では一般的に広まってはいないものの、スマホやパソコンで視聴できるPodcast(ポッドキャスト)などの「音声コンテンツ」も効果的です。ワイヤレスイヤホンの一般化に伴い、自宅で家事をしたり、お風呂に入ったりしながら音声コンテンツを聴く方もいます。
すぐ近くで語りかけてくれているような感覚になり、文字情報よりも身近に感じられるのもポイントです。コンテンツは常に、競合する様々なコンテンツとユーザーの可処分時間(自由に使える時間)の取り合いをしていますが、ユーザーの移動時間に空きがちな聴覚に向けた「音声情報」が届けられるこの方法は、近年、注目されているコンテンツです。
電子書籍(eBook)
電子書籍に当たる「eBook」もコンテンツのひとつで、アナログの冊子に近い内容です。紙媒体と異なり、何ページあっても印刷費がかからないメリットがあります。コンテンツマーケティングにおいては、アナログ冊子タイプだけでなくPowerPointなどの資料もeBookとよびます。
特にBtoBビジネスを行う企業であれば、
- サービス紹介資料
- 導入事例紹介
- 調査レポート
といった“ホワイトペーパー(お役立ち資料)”を用意しダウンロードしてもらうことでアポイントにつなげ、新規顧客開拓を進めることができます。
メルマガ登録者へのプレゼントとして提供するのが一般的ですが、Webサイトのコンテンツからダウンロードさせる方法もあります。eBookの内容の「質」も大切ですが、ダウンロードまでの「導線設計」はもっと重要です。
例えば、コンテンツを読みながら同時に見える「バナー広告」にeBookへのダウンロードページへリンクを貼ったり、eBookの情報と関連性の高いコンテンツの下部にリンクを設置したりなど、自然にクリックさせる状況が作れるかどうかがポイントです。
またeBook内の情報がより専門性が高い内容なら、商品(サービス)に対する信頼性の向上や、「●●の専門分野ならこの企業」といった一目置かれた「ブランディング」にもつながります。
動画コンテンツ
文字情報だけでは伝え切れない商品の導入イメージや使い方を「動画コンテンツ」で紹介する企業も増えています。その背景として、
- スマートフォンを使った高画質の動画が編集ができる「ツール」の普及
- 大容量の動画コンテンツが配信できる通信環境の発達
- YouTubeなど「動画サイト」の急拡大
などあります。撮影や編集に時間がかかるデメリットはあるものの、文字だけでは伝わりづらい商品の特徴や使い方を動画で分かりやすく伝達することができます。
制作した動画は自社サイト内での掲載や、動画共有サイトに投稿するなどして拡散します。
プレスリリース
プレスリリースとは、企業がマスメディアに向けて発信する「公式文書」です。新商品(サービス)の販売発表、新しい事業開始の案内、経営人事の交代、組織変更の発表など、企業が自らに関する様々な情報を発信します。
これらの情報をマスメディア側は「ニュースのネタ(素材)」として受け取り、「情報を発信する価値がある」と判断した場合、新聞、雑誌、テレビ、ニュースサイトを通じて一般消費者に届けます。
また、プレスリリースを配信することで、メディアに取り上げられる効果としては、以下のようなものがあります。
- 情報の信頼性が上がる…「報道」という第三者のお墨付きが得られる
- 認知度が上がる…幅広いメディアに取り上げられることで知名度が向上する
- 投資や業務提携の促進…投資や提携先を探している企業も見ておりチャンスが広がる など
プレスリリースの配信には、メディア編集者(記者)との関係を築いて、編集者宛に送る方法と、プレスリリース配信代行会社に委託する方法の2種類があります。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングと似たような言葉に「コンテンツSEO」というものがあります。これらは混同しやすいですが、少し異なっています。
コンテンツSEOとは、その言葉どおりコンテンツによるSEO対策のことです。SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索エンジンで「上位表示される」ように対策することをSEO対策といいます。
SEO対策の方法は様々あるのですが、その中でブログや記事などのコンテンツを活用したSEO対策がコンテンツSEOというわけです。
具体的には、ユーザーにとって有益な記事コンテンツなどを継続的に発信することで、Webサイトの評価を高め、検索結果での上位表示を目指します。
このコンテンツSEOは、主にWebサイトなどのオウンドメディアを運用する際に必要となる施策です。つまりコンテンツSEOとは、コンテンツマーケティングの施策のひとつということになります。
コンテンツマーケティングの実践方法
続いて、具体的に戦略を立てる際に考えるべきことを簡単にまとめてみます。
現状の課題を整理する
いま自社が発信しているコンテンツや、過去のコンテンツがあれば、まずはその分析を行いましょう。
- まったく反響がなかった
- 問い合わせはあっても成約にはいたっていない
- リピーターになってくれない
など、なぜコンテンツマーケティングを行った目的に対する効果がなかったのか、考えてみてください。その上であらためてコンテンツマーケティングを行う一番の目的は何なのかを明確化してみましょう。
ペルソナを設定する
自社の商品・サービスを求めてくれるユーザー・価値を感じてくれるユーザーはどんな人なのか、具体的に考えてみてください。ターゲットユーザーは性別・年齢のみならず、
- ライフスタイル
- 情報収
- 趣味嗜好
などまで細かいペルソナ設定をしてみることが重要です。ニーズが多様化している現代では同じ年齢や性別というだけで求めている商品も一緒とは限りません。リアルな人物像ができあがると、日々どういった課題や悩みがあるのかも分析しやすくなります。
その課題の解決にあたって、どのようなキーワードで検索して情報を集めるのかが分かれば、その答えになるコンテンツを作ることで自社と相性の良いユーザーに認知してもらえます。
カスタマージャーニーを作成する
設定したペルソナを基に、ユーザーが実際に購入や利用するまで、体験する流れを旅として例えて考えるカスタマージャーニーを設計します。
主には「商品を認知する」「興味関心を持つ」「比較検討する」「購入する」という、ユーザーの行動段階を想定し、それぞれの段階でユーザーが求めている情報を発信することで、次の段階へと引き上げていきます。
展開するコンテンツメディアの内容に大きく関わってくるので、しっかりと細かく設定しておくべき項目です。特に注意するべき点を挙げておきます。
- ユーザーの段階に合わせ、最適な情報を伝える
- 行動を後押しできるような情報発信や導線を設計する
- 誰に何をどう伝えると効果的なのか、コンテンツ表現や内容を検討する
ペルソナとカスタマージャーニーが決まった後は担当者全員が分かるように上記をビジュアル化しておきます。特にコンテンツ制作を外注する際、制作者に意図が伝わっていなければ内容がずれてしまうので、きちんと資料としてまとめておくことが重要です。
コンテンツの方法を決める
カスタマージャーニーやコンテンツ内容を決めたら、次に「どのように」ユーザーの元へ届けるかを考えましょう。
広告やコンテンツを掲載する媒体をどうするのか、動画を使うのか・写真で見せるのかといった伝え方も、>自社の魅力を伝えやすく、かつターゲットユーザーに届きやすい方法を考える必要があります。
例えば…
- スマホで調べるならテキストサイト
- 商品の利用イメージならビジュアルや写真で
- 理解するのが難しい話をするなら漫画
- 詳細に伝えるならセミナー
- BtoBなら、印刷や社内共有しやすい資料タイプ
など、活用しやすいコンテンツを選択しましょう。
目標を設定する
メディアの選定も決まったら、続いてKPIなどの具体的な数値目標を立てます。Webサイトコンテンツならアクセスしてきた人数に対して何割がクリックし、さらに何割が購入や契約につながったかの測定などです。他の方法では下記の測定などになるでしょう。
- 配布冊子数に対しての成約率
- セミナー参加者に対しての成約率
- メールマガジン購読者数に対しての成約率
直接会話するセミナーなら何人から質問があったかなど、参加者の反応なども含められます。
目標を設定する上で大切なのは、設定して終わりではなく実際に運用開始後に目標に届いているのか、届いていなければ何が足りていないのかを検証することです。
コンテンツマーケティングを継続する体制を作る
コンテンツマーケティングは、瞬間的な成果を狙う広告などとは違い、継続的に運用することで安定した効果を得る施策です。
あるコンテンツから成果が出なかった時点で終わりではなく、上でもお伝えした通り、なぜ成果が出なかったかといった課題を洗い出して改善していくことで、コンテンツの質を磨き上げていくことが重要となります。
そのため可能であれば、コンテンツマーケティングのみに従事する部署やチームを作り、常にコンテンツの状況をチェックできるようにしましょう。
自社内で人員を確保できるのが理想ですが、難しい場合はマーケティングを得意としている会社などに外注し、協力してもらうことも検討してみてください。
それほどに分析→改善→実施→分析→…というPDCAサイクルが、コンテンツマーケティングにおいてとても大切です。
コンテンツマーケティングに役立つツール
コンテンツマーケティングを成功させるには、PDCAサイクルを回すことが重要ですが、PDCAを効果的に回すための「ツール」も必要です。
ユーザーの「ニーズ調査」や公開したコンテンツの効果を「測定分析」することで、よりユーザーを満足させるコンテンツにブラッシュアップしていきます。ここでは、コンテンツマーケティングで役立つツールを紹介します。
Googleキーワードプランナー
コンテンツを作成する際に非常に重要なのが「キーワード」ですが、Googleキーワードプランナーは、キーワードの検索ボリュームを調査するツールです。
検索ボリュームとは、「キーワードがGoogleでどのくらい検索されるのか」を数値化したもので、ボリューム数が大きいほど検索される頻度も高く、SEO対策で上位表示に成功できれば多くの流入が期待できます。
自社サイトや商品(サービス)のテーマと密接なつながりのあるキーワードを選ぶのがポイントです。キーワードプランナーを使うには、Googleアカウントを作る必要があります。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、無料で利用できるWebサイトのアクセス解析ツールです。ユーザーがどこから流入し、どのページをどのくらい見ているのかを数値で把握することができます。
つまり、サイト訪問者が「どんな行動をとったのか」を理解することで、最終ゴールでもあるコンバージョン(資料請求・問い合わせ)につなげる施策を立てることができます。その他にも、以下のようなユーザーの特徴が分かります。
- ページビュー数>…ページの閲覧数
- セッション数…サイトに訪問した回数
- 直帰率…直帰したセッションの割合(1ページだけ訪問し離脱した割合)
- デバイス…情報端末(パソコン・タブレット・スマホ)
- ランディングページ…ユーザーがサイト訪問した際に最初に閲覧したページ
- 離脱ページ…訪問したユーザーが最後に閲覧したページ など
Googleアナリティクスを使うには、キーワードプランナー同様、Googleアカウントを作成します。
Googleサーチコンソール
サーチコンソールも、Googleが提供するサイトの分析ツールです。
- 検索キーワードの表示回数
- 検索順位の推移
- サイトが抱える問題点
などが確認できます。先ほど紹介した「Googleアナリティクス」と類似していますが、「サイト訪問後」の行動がアナリティクスで把握できるのに対し、サーチコンソールでは、「サイト訪問前」の検索行動が分かるのが、サーチコンソールです。その違いを解説すると、以下の通りになります。
サイト訪問前と訪問後の「両方」を理解することで、ユーザーが「どんな目的で訪問しどんな行動をとったのか」を確認し、サイト内で提供するコンテンツの改善を図ります。
コンテンツマーケティングを成功させるポイント
コンテンツマーケティングは、すぐに結果が出にくいマーケティング手法です。しかし時間を掛けて顧客との接点を作るため、一度獲得すると離れにくいというメリットもあります。
コンテンツを通じてファンとなってくれる顧客を獲得するためには、ファンを育てやすいコンテンツ作成が重要です。幾つかポイントを見ていきましょう。
ユーザーの段階に合わせたコンテンツを用意する
コンテンツの内容を考える上では、下記の3点を踏まえておきましょう。
- ユーザーが何を知りたいのか調査する
- 伝えたいことを整理する
- 伝えていく順番を考える
そしてこれらを意識したコンテンツは、アクセスしてきたユーザーが契約するまでに経ていく段階や行動に合わせたものを準備しておくと、より効果的になります。
コンテンツへの流入・集客
ユーザーが価値のある情報を見るためにアクセスしただけで、まだ商品については何も知りません。
育成
訪れたユーザーに詳しく解説した情報を提供し、契約へ近づけるために育成していく段階です。商品やサービス、もしくは企業の名前は認知されています。
しかし、まだ購入の意思決定をする段階ではないため、知識を提供することでよい関係を続けていく必要があります。
購入や利用の検討
見込み顧客へと育成したユーザーが、商品やサービスを利用するか検討する段階です。具体的にサービス内容について説明したり資料を渡したりして、じっくりと考えてもらう材料となる情報を提供します。この段階では既に購入意思は固まっており、何を購入するかという比較検討段階に入っています。
契約・利用・購入
検討している対象者を最終的なアクションに促す段階。自社の良さを伝えるだけではなく、競合商品との違いや優位性、商品を購入することで手に入る価値や体験など、後押しをする情報が有効です。現在購入するとお得になるクーポンの提供や、キャンペーンなども行なうタイミングになります。
リピート
商品を購入、契約してくれたユーザーに対して、今後も続けて利用してもらえるように情報発信をして、継続的なコミュニケーションをとります。初期段階で提供している知識ではなく、購入してくれた商品の活用方法や新商品の宣伝などが効果的です。
拡散・応援
商品購入のリピーターだけではなく、身近な方へ魅力を伝えてもらいファン自身がファンを増やしてくれる段階です。
最後の拡散段階はコンテンツマーケティングとして含めない場合もありますが、含めて考えておけばより広告費の節約につながります。
コンテンツ自体の質を高める
コンテンツを通じてファンになってもらうためには、コンテンツの質が高い状態を維持することが大切です。「質が高い」記事とはどのような内容でしょうか。
独自性のある記事(コンテンツ)
独自性が高いということは、そのWebサイトでしか知ることができない情報ということです。
ユーザーは「このWebサイトでは有益な情報が手に入る」と認知し、継続的にコンテンツを確認してくれる見込み顧客へと変わります。
独自性の高いコンテンツを作るには、独自の調査結果やデータを元に記事を制作することです。他の媒体では真似しにくく、かつ自社や自社ブランドの強みを活かしたものであれば説得力があります。
現在、情報をまとめただけの記事は存在します。しかしその記事の中には主張がない場合がほとんどです。
独自調査の場合、調査内容の結果自体が有益な結果となることはもちろん、結果や様々な情報を踏まえた主張は独自性があり、質が高い記事(コンテンツ)となり得ます。
顧客の知りたいニーズをきちんと掴むことができれば、有益な情報源だと、ユーザーに認知してもらえるでしょう。
影響力が高い人物を登場させる
コンテンツマーケティングを実施する際、コンテンツを配信するターゲットがあるはずです。そのターゲットに対して影響力が高いインフルエンサーを起用し、記事にしていくことは非常に効果的です。
インフルエンサーは、既に自分のチャネル内で自身の味方となるユーザーを多数持っています。
そのユーザーと自社のターゲットが合致すれば、コンテンツを配信する側は新たなターゲットゾーンへリーチできるというメリットがあり、インフルエンサー側は日頃とはテイストが異なる発信ができることでユーザー満足度を獲得できます。
記事としては写真などを有効に活用することができ、コンテンツとしての質を高めやすい方法といえるでしょう。
外部へ寄稿する
自社のブランド力や、商品やサービスの認知度を高めたいと考えた場合、自身で発信できるエリアの外へ飛び出してみることも重要です。
例えばコンテンツとの親和性が高い内容を扱う外部サイトへ寄稿してみるというのはいかがでしょうか。
「外部へ寄稿している」という事実が自身のコンテンツの信頼度を高めてくれるだけでなく、寄稿した記事から新たな顧客獲得を期待することも可能です。
有益・良質なコンテンツだと認知し続けてもらう
コンテンツが有益だと認知されれば、ファンになってもらいやすくなります。
ファンになってくれるほどの有益な記事とは何かを考えると、特定のテーマで「重要な情報を発信しているメディアはこれだ」という認知を顧客に与えることが大切です。
また、継続的な記事更新を通じて、有益なコンテンツが「継続的」に発信されていると思ってもらうことも大切でしょう。
一時的な認知ではなく、認知し続けてもらうことで、ファンとなるユーザーを継続的に獲得していくことが可能です。
ターゲットユーザーのペルソナを徹底的に考える
「有益」「質が高い」コンテンツを考える際、「誰にとって有益」なのかという視点は忘れてはいけません。ターゲットとなるユーザーのペルソナは細かく設定することで、より質が高いコンテンツを目指すことが可能となります。
ペルソナは理想の顧客です。統計的な特性やライフスタイルの特性を用いて顧客像を具体的に絞り込むことで、ターゲットユーザーが共感しやすいペルソナを作り上げましょう。
コンテンツマーケティングの具体事例
実際に日本の企業で成功している事例をご紹介します。
シャープの人気Twitterアカウント
画像引用元:シャープ公式Twitter(https://twitter.com/SHARP_JP)
Twitterを利用している方であれば知っている方も多いのではないでしょうか。企業の公式アカウントながらもまるで面白いことをいってくれる友達のようなツイートばかりなのが特徴です。(2022年2月時点では83万人のフォロワーがいます)一般的な企業アカウントと異なる点は下記です。
- 製品に関連のないことにも積極的に絡む
- 当たらないキャンペーンなどの冗談も多い
- 製品に関連する質問にもできる限り対応
- 他の企業アカウントに絡みコラボにつながることもある
富士フイルムのコンテンツSEO
画像引用元:富士フイルム公式サイト(https://www.postcard.jp/nenga/)
年賀状印刷を扱う富士フイルムでは、年賀状を送る際のマナーをコンテンツSEOとして提供しています。
自分で作ることも検討している方に対し、写真を使った年賀状もつくれることをアプローチするという動線を作成。さらに結婚やビジネス、引っ越しなど年賀状を出す方のシーンに合わせてコンテンツを細分化しているのも、ペルソナやカスタマージャーニーがきちんと設定されていることが分かります。
年賀状は減少傾向にある時代において、2020年は自然検索からの流入とサイトでの注文数が増加しました。さらに広告費も削減できています。
無印良品の魅力が分かるSNSアカウント
画像引用元:無印良品公式Instagram(https://www.instagram.com/muji_global/?hl=ja)
日本企業である無印良品がSNSのInstagramにて提供している画像、動画の情報です。食品から衣類まで様々なジャンルを扱っていますが、着ているシーンや家具を設置した雰囲気が伝わるビジュアルを展開しています。
Instagramにて商品を検索するユーザーも多い中、商品の使い方が分かる動画も掲載するなど利用者の目線に立っているのが特徴です。
時にはプレゼントのキャンペーンなども掲載しており、見込み顧客へと育った対象へのアプローチも欠かしていません。
利用シーンが分かるWebメディア「北欧、暮らしの道具店」
画像引用元:北欧、暮らしの道具店公式サイト(https://hokuohkurashi.com/)
株式会社クラシコムのスタッフが実際に販売している商品を使用してブログ形式で紹介しています。購入につなげるCTAを設定しておらず、読み物に特化させているのが特徴的です。
またブログ記事だけではなくお風呂で聞くことをイメージした音声メディアも配信しており、購入後の関係を長く続けるコンテンツも用意しています。
コンテンツマーケティングで営業がいらない集客が可能に
従来の伝えたいことを伝える広告や営業では、ユーザーが避けてしまったり、開拓できる新規顧客が限定的になりがちです。
現代ではせっかくインターネット検索という、集客の入り口があるのですから、これを活かさない手はありません。ユーザーが検索し自発的に自社コンテンツに触れもらうことができれば、信頼感を抱いてもらいやすく、優良な顧客・リピーターへと育っていってくれる可能性があります。
また、自社では想定できなかったユーザー層や、避けられがちだったユーザー層からも、興味を持ってもらえるチャンスにつながります。
- 伝えたい内容と伝える方法を検討する
- ペルソナとカスタマージャーニーを設定する
- 相性のよい手法を選択する
まずは上記のポイントを念頭に置きつつ、コンテンツマーケティングをぜひ進めていってください。
コンテンツマーケティングを戦略的に展開するには
コンテンツマーケティングは、ユーザー側から自社の価値を知ってもらい販売につなげる仕組み作りですが、競合他社も同じような取り組みを行っており、SEOで上位表示させる対策も必要です。競合性も非常に高いため、導入後、直ぐに商品が認知され売上につながるとは限りません。
競合性の高いコンテンツマーケティングをより「戦略性」をもって有利に展開するためには、コンテンツの品質を追求することも当然大切ですが、
- どこの市場
- どのユーザー
に向けて展開すべきかが重要です。そして成功のカギを握るのが「バリュープロポジション」です。
バリュープロポジションとは、「競合他社が提供できない独自の価値」を作ることですが、このバリュープロポジションを軸としたコンテンツマーケティングを展開することで、ユーザーから自社が選ばれる市場を作り出すことができます。
バリュープロポジションが戦略として必要な理由
バリュープロポジションを考える上では3つの視点が必要です。
- ユーザーニーズがある(ユーザーが求めている)
- ニーズがあるのに競合は提供ができていない
- 自社はそのニーズに応えられる
この自社だけが提供できる「強み」がバリュープロポジションの基本です。
自社にしかない「独自の強み」を見つけて、これを軸としたコンテンツマーケティングを展開することは、必然的に「競合との差別化」にもなり、自社が勝つべくして勝つ、市場での優位性を作ることができます。
バリュープロポジションを軸としたコンテンツマーケティングならZenken
バリュープロポジションの重要性は分かったものの、
- 自社の強みって何?
- 自社が選ばれる市場ってどこ?
- 購入してくれるユーザーは誰?
など、「どうやってバリュープロポジションを築けば良いのか分からない…」というのが本音ではないでしょうか。
キャククルを運営するZenkenでは、これまでに様々な企業のバリュープロポジションを確立したコンテンツマーケティングを支援してまいりました。
その業界の数は120以上、制作・運用したメディアは8,000サイト以上にも及びます。中でも、その企業ならではの「強み」を徹底的に分析し、バリュープロポジションを確立したメディア「ポジショニングメディア」を最も得意としています。
市場分析から戦略の立案、メディア企画・制作、SEO対策、公開後の運用までを全てワンストップで対応。専門性の高い商品やニッチな市場でも効果的なコンテンツマーケティング展開しています。
バリュープロポジションに基づいたポジショニングメディアの事例
コンテナハウスの世界
引用元:コンテナハウスの世界(https://www.containerhouse-world.com/)
「コンテナハウスの世界」は、コンテナハウスを検討する際に気になる情報や、実現できる暮らしをコンテンツとして発信。
メディアを見たユーザーの中でのコンテナハウスの魅力を高めるだけでなく、コンテナハウスジャパンのプロとしての信頼性にもつながっているオウンドメディアです。
当メディアを制作後は問い合わせ数が3倍に増えています。
#眉LAND
引用元:#眉LAND(https://www.mayusta.com/)
「#眉LAND」は、男性が抱える眉毛や外見のお悩みに応える、プラスエイトとZenkenがタッグを組んで制作する専門メディアです。
眉毛サロンに対するユーザーの不安を細かく分類して、プロの視点から解決するコンテンツを発信しています。
悩みを解決してくれた存在としてプラスエイトへの集客効果を高めるだけでなく、求職者もこのサイトを閲覧しており、採用促進の面にも効果を波及させています。
その他、「BtoC」「BtoB」を問わず、これまで手掛けたポジショニングメディアの実績(一部)はこちらでまとめてご覧いただけます。
「自社の強みを活かしたコンテンツマーケティングを展開したい」というご要望がありましたらお気軽にご相談下さい。市場における貴社のバリュープロポジションと効果的なコンテンツマーケティングをご提案致します。
この記事を書いた人:
キャククル編集部
キャククルは幅広い分野の「集客」に役立つ情報を発信するWebメディアとして、Zenken株式会社が立ち上げたWebメディア。「ひとりでも多くのお客さんが来るように」との願いを込めて、情報を発信しております。
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