コンテンツマーケティングの費用対効果とは?調査結果をもとに解説
最終更新日:2022年08月23日
このページでは、コンテンツマーケティングの費用を左右させる要素についての解説と、実際の費用対効果の調査をまとめています。
コンテンツマーケティングは、顧客に価値あるコンテンツ(情報)を提供して見込み客を集め、購買・契約に繋げるためのマーケティング手法です。コンテンツでユーザーの興味や関心を集め、見込み客を顧客へと醸成していきます。
直接的な売り込みをしない「インバウンドマーケティング」が注目されている現代において、コンテンツマーケティングは費用対効果が高いとされています。具体的にどのくらい効果を上げられるのか、調査結果をもとに考えていきましょう。
コンテンツマーケティングの費用を左右させる要素
コンテンツマーケティングにかかる費用は、実施の前提条件によって大きく異なります。また、かけたコストに対して売上が上回っているか、他の施策と比べて獲得単価が低く抑えられているかもチェックポイント。
ここでは、まずそれぞれの前提条件から費用の要素を考えていきましょう。
コンテンツマーケティングの目的
コンテンツマーケティングで達成したい「目的」によって、費用の要素は変化します。例えば、問い合わせや資料請求といった「リード獲得」を目的とするなら、以下のような考え方となります。
コンテンツマーケティングでリードを20件獲得して受注率が20%だった場合、実際に受注が成立するのは「リード20件×受注率20%=4件」です。受注単価が20万円だったとすると、20万円×4件で、売上は80万円となります。
ここで、コンテンツマーケティングの制作費に100万円かかっていた場合、売上80万円だと赤字。黒字化するにはリード獲得を増やさなくてはなりません。リードを25件以上獲得すれば「リード25件×受注率20%=5件=100万円」となり、黒字の見込みが立ちます。
このように「必要なリード獲得数」「商品の直接売上」などの前提条件とコンテンツ制作・運用費を照らし合わせて考える必要があります。
コンテンツマーケティングはその性質上、すぐに効果を得られる施策ではありません。長期的な運用によって効果が高まってくるため、実施後すぐに「費用が見合わない」とあきらめてしまうのは早計です。
中長期的な計画が必要と理解した上で、毎月の運用コストも含めた費用を想定しながら、どのくらいの期間運用を実施すれば費用が見合うかを視野に入れて運用を継続することが大切です。
コンテンツマーケティングのターゲット層
コンテンツマーケティングは、どのようなユーザーをターゲットにするかによっても費用対効果に対する考え方が異なります。
BtoC(個人向け)とBtoB(企業向け)の違い
BtoCの場合、ターゲットは個人ですので、売り出す商材は個人にも手の届く価格帯であるケースがほとんど。そのためコンテンツマーケティングを通して直接注文に繋げることも可能で、コンテンツマーケティングの費用対効果を図るのは比較的簡単です。
一方、BtoBは企業や生産の現場へ導入する製品・サービスが主流のため、一般向けのの商品・サービスよりも高額となります。また、購買や導入までに複数人が介入するため、「コンテンツを見たから」といってすぐに購入や契約が決まるわけではありません。
BtoBではリード獲得から見積依頼、商談と、一連のプロセスを経た後、決定権を持つ人が許可してはじめて受注が成立します。コンテンツマーケティングだけで受注までの費用対効果を測るのではなく、リード獲得後の「見込みユーザー育成期間」や商談を行う営業員の人件費の要素で費用対効果を考える必要があります。
絞り込んだターゲット層による違い
コンテンツを幅広い層のユーザーに届けるか、絞り込んだ特定のターゲットに発信するかでも費用対効果は異なります。
例えば「20代女性」というふわっとしたターゲットを設定した場合で考えてみましょう。「20代女性が求めているコンテンツ」と言っても、どのようなことに興味・関心があるかが曖昧で、届けるべきコンテンツが明確ではありません。仕事・美容・ファッション・恋愛など、コンテンツの種類によって訪れるユーザーにばらつきができ、コンテンツの効果も薄れてしまいます。
一方で「ダイエットに関心を持っていて、食事制限なしに自然な痩せ方をしたいと考えている20代後半の女性」というように、ターゲットを限定してみるとどうでしょうか。この場合、ダイエット関連のコンテンツを集中的に発信することで、ターゲットとしているユーザーが集めやすくなります。
絞り込んだターゲットをコンテンツで集めることにより、ユーザーがどのようなページに関心を示したか、どのキーワードで検索しているかをも計測でき、費用対効果の向上にも繋がります。
コンテンツ制作体制
コンテンツを自社で内製するか外部に依頼するかといった制作体制の違いによっても費用対効果は異なってきます。
内製の場合、必要なのはコンテンツ制作の知識や経験を持つ人材の確保と、担当の人件費です。コンテンツ制作に必要なスキルを持つ人がいない場合には新たに採用するという手もありますが、その際には採用コストが新たに必要になってきます。
外部に依頼する場合は、Web制作会社や広告代理店などにコンテンツの制作を代行してもらえますが、当然、その分の料金を支払わなくてはなりません。コンテンツの規模が大きかったり、デザイン発注などの付随する依頼が多かったりすると、コストが膨れ上がって費用対効果が低くなってしまう可能性もあります。
ただし、最近では月額定額ででコンテンツ制作を行う会社や、コンテンツ制作の内製化をサポートしてくれる会社もあります。また、戦略設計やデザイン、記事作成のみなど、部分的な依頼を受けている会社や個人事業主などもあり、自社では対応できないプロセスだけを補う体制を作ることも可能です。
コンテンツマーケティングに利用する媒体・技術
コンテンツ制作に利用する媒体や技術によっても費用の要素は左右されます。
コンテンツマーケティングのコストを控えるため、プログラミングなどの専門知識がなくてもコンテンツが発信できるシステム(CMS)を活用するのが一般的です。
代表的なCMSに無料で使えるWordPressがありますが、コンテンツを発信するメディアの機能性やデザインにこだわりがある場合、初期費用が高まります。
また、コンテンツマーケティングに加えてリスティング広告を出稿したりMAツール(マーケティングオートメーション)を導入したりすると、別途の運用コストやツール導入費がかかります。
コンテンツマーケティングの費用相場
ここでは、コンテンツマーケティングの費用相場を調べました。下記の条件をもとに、コンテンツマーケティングにかかる費用の目安を考えてみましょう。
- ターゲット … 生産管理システムの導入を検討している企業(BtoB)
- 媒体・技術 … CMSベースのブログ(無料のテンプレートデザイン)、無料のSNS併用・MAなし
- 制作体制 … 企画やキーワード選定などは社内で対応。記事のライティングのみ外注
まずは自社のコンテンツを発信するメディア(Webサイト)を立ち上げる際の制作費がかかります。WordPressなどの無料CMSでサイトを構築する場合、外部に依頼するとデザインやコーディング、組込みなどを含めて50万円前後が一般的です。
自社で内製する場合は人件費のみかかるので、約1ヶ月で立ち上げたとして半額程度のコストに抑えられます。ただし、この場合はメディア企画や戦略策定、デザイン、コーディングといったスキルを持つ人材が必要です。
企画やキーワード選定を社内で行い、記事作成だけを外注する体制の場合、ライターに報酬を支払う必要があります。
BtoB・生産管理システムのようなやや専門性のあるテーマのライティングなら、報酬の相場は1文字あたり2.5円前後です。毎月4000文字程度の記事を更新したとして、月々4万円がかかります。(※SEO対策やマーケティングの導線設置など、ライティングそのもの以外も対応してくれるサービスを利用した場合も単価は上がっていきます。)
コンテンツマーケティングを行うメディアの運用費は、社内の担当者1人に任せるのであれば1人分の人件費と考えます。ただし、メディアの企画・マーケティングと編集・コンテンツ改修では求められるスキルが違うので、本来であれば別々の担当者を配置するのが理想です。
本格的に自社で内製化を考えるのであれば、専門人材を育成する意味でもリソースを割いてチームを結成しましょう。
コンテンツマーケティングの見込み効果
株式会社WACULが実施した調査によると、コンテンツマーケティングで獲得したリードが「実際の売上につながった」と答えた企業は全体の63.4%でした。そのうち、売り上げにつながったタイミングとして最も多かったのが「6か月以上~1年未満」で、次いで3~6か月未満、1年以上~2年未満となっています。
この結果にを見ると、コンテンツマーケティングは売上に繋がる効果を得やすいものの、やはり成果が出るまでに中長期的な運用が必要と分かります。効果が出るまでの期間を見越した運用費の確保は必須と考えおくと良いでしょう。
また、同社の調査では、コンテンツマーケティングが売上に繋がっている企業のうち、半数以上はBtoBユーザーがターゲットとなっていました。この結果から、BtoBをターゲットにした商材も、ブログや記事などのコンテンツを経由して成果に繋がる可能性は十分にあると言えます。
参照元:株式会社WACUL「コンテンツマーケティングで成果を上げる企業の共通点とは?ブログ・記事メディアの運営体制に関するアンケート調査結果」(https://wacul.co.jp/lab/contents-marketing-best-practice/)
見込み効果の高さから代替案として注目
コロナ禍の影響により、リアル展示会などの対面営業の現場でマーケティング活動をすることが難しくなった昨今。コロナショックが落ち着き、展示会が再開された今でも「これまで通りのアプローチの効果が減少した」と感じている人が多いようです。
本メディア「キャククル」の調査によると、新型コロナ流行前と比較して、75%の人が「展示会の来場客が減少したと感じる」と答えました。また、62.9%がリード獲得の減少を実感しています。
主な理由として「来場者数そのものが減ったから」と答えたユーザーがもっとも多かったのですが、「来場客が慎重になっている」「各企業の予算が縮小されている」といった、コロナショックの長期的な影響を感じている人も多いようです。
展示会で不足したリード数を補うべく企業はさまざまな施策を模索しており、代替策として、コンテンツマーケティングやWeb広告をはじめとした「リード獲得につながるWeb施策」を求める企業が多くいることが分かりました。
参照元:PR TIMESプレスリリース「<キャククル>【展示会の新型コロナ流行前後比較】62.9%が「リード獲得数の減少」を実感 補填策として約4割が「コンテンツマーケティング」を検討」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000006978.html)
【まとめ】コンテンツマーケティングの費用対効果
コンテンツマーケティングでは、実施する目的の前提条件や情報を届けるターゲットによって費用対効果の考え方が変わります。また、すぐに効果を得られるわけではないため、中長期的な運用に対する費用も念頭におかなくてはなりません。
ただ、コンテンツマーケティングを実施した企業の半数以上が売上に繋がっている結果からも、効果を見込める可能性は十分にあることも分かります。
一度制作したコンテンツは自社の資産として蓄積されるので、コンテンツが増えれば増えるほど見込める効果が上がっていきます。長く運用を続けるほど費用対効果を高める施策であることを理解し、中長期的な目線で取り組んでいきましょう。
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