オフライン集客・広告手法まとめ!マーケティング戦略のポイントとは
最終更新日:2021年06月10日
オフライン集客・広告とは
オフライン集客・広告とは、オンライン(Web)を介さない集客手法や広告全般を指します。代表的なものは、新聞や雑誌の広告やテレビCMなどです。
基本的には不特定多数に向けての集客・広告手法ですが、昨今はオンラインと組み合わせて、特定のターゲット層にアプローチするオフライン集客・広告が主流となってきています。
オフライン集客のメリット・必要性
オフライン集客・広告は、デジタル化や技術の進歩など時代の流れやニーズに合わせて大きく進化しています。
従来のオフライン集客・広告は、「コストがかかる」「ターゲティングしにくい」「効果判定が難しい」というようなデメリットがありました。
しかし、現在ではオンラインで得たデータやデジタル技術を活用することで、よりピンポイントかつ費用対効果の高い集客・広告が可能となっています。
また、オンラインではリーチしにくい、シニア世代を中心としたユーザーへのアプローチができるという点は、従来から変わらないメリットです。
つまり、集客・広告手法においては、オフラインとオンラインに優劣があるわけではなく、対象や目的、適性によって選択、組み合わせて活用していく必要があるといえます。
オフライン集客・広告はアイディア次第で様々な切り口からアプローチできるのが特徴です。現在では、アパレル・ファッション業界や飲食業界をはじめ、幅広い業界で導入されており、今後ますます多様なオフライン集客・広告が広がってくると予想されています。
オフライン集客の広告手法まとめ
オフライン集客では、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで、ターゲットや目的に適した集客方法を選択し、適宜組み合わせながら展開していきましょう。代表的なオフライン集客手法は次の通りです。
テレビ・ラジオ広告
オフライン広告の代表といえるテレビ・ラジオ広告。他の手法に比べるとコストがかかりますが、短期間で多くのユーザーに情報を届けられるため、ブランディングやロイヤリティを高めるには適した手法です。人気番組であれば固定の視聴者が多いため、一定の広告効果が期待できます。
新聞・雑誌広告
新聞・雑誌の発行部数は減少しつつあるものの、特に新聞は権威性の高い広告媒体として認識されています。そのため、新聞広告は購読者の多い中高年層へのアプローチに適している手法といえるでしょう。
また、雑誌の場合はお気に入りの雑誌に掲載されていることがユーザーのロイヤリティを高め、効果的なアプローチにつながる可能性があります。
交通広告
電車やバス、タクシーに広告を掲載する手法です。移動手段として日常的に利用する人が多いため、興味・関心をひければ、移動時間の検索リーチが期待できます。バスの場合は、車体にも広告スペースが設置されている場合もあり、街頭の人もターゲットが可能です。
看板広告
街頭で目にする看板を使ったオーソドックスな広告手法です。設置場所や期間、サイズによってコストが異なりますが、デザインや内容を工夫すれば注目を集めやすく、多くの人へのアプローチが期待できます。
ただし、看板は「必ず見てもらえる」ということが前提のリーチ数になっているため、場合によっては、費用対効果が低い可能性もあります。
イベント・展示会
イベントや展示会の最大のメリットは、ユーザーと直接コミュニケーションがとれることです。商品やサービスの紹介のほか、ユーザーを惹きつけるような企画を盛り込むなど様々なタイプがあります。
イベントや展示会を開催するには、会場費や人件費、設備費、交通費などコストが多くかかるため、費用と効果のバランス検討が必要です。
DM(ダイレクトメール)
チラシやパンフレットを個別に郵送する広告手法です。特定のユーザー属性に絞って発送する、新規ユーザーを獲得したいエリアに集中的に配るなど、様々な用途での活用が可能です。
しかし、DMが届いても興味がわかなければ目を通してもらえないため、いかにユーザーを惹きつけるものにするかが重要です。インパクトのあるキャッチコピーや、クーポンなどの付加価値をつけるなどの工夫をすると効果を高められます。
ポスティング
チラシを郵便受けに入れる広告手法です。特定の狭いエリアに限定されますが、目に留まりやすく、身近な情報であるため、反応率が高いというメリットがあります。
ただし、ポスティングには時間と労力がかかるので、本来の業務に支障がでないよう人的リソースの配分を事前に検討する必要があります。場合によってはアウトソーシングするという方法もひとつの手段です。
折り込みチラシ
新聞にチラシを挟んで配布する、昔から馴染みのある広告手法です。配布エリアを絞れるのでアプローチがしやすいのがメリットです。
一方で、他社の折り込みチラシも同時に配布されるため、デザインやキャッチフレーズなどを工夫し、目につきやすいものにするとより効果が高まります。
テレアポ
新規ユーザーの開拓に活用機会が多い集客・販促手法です。電話での直接コミュニケーションのため、ニーズをヒアリングできたり、個々にアピールの仕方を調整したりできます。
ただし、迷惑電話と認識されてしまうケースもあり、担当者に精神的な負担がかかる場合もあるので、十分な配慮が必要です。
街頭配布
ポケットティッシュやチラシ、商品サンプルなどを、街頭で配る広告手法です。広く不特定多数に向けてというよりは、特定のエリアに絞ったアプローチが期待できます。
また、配布するターゲットを設定しておけば、自社と相性の良い属性にピンポイントでアプローチが可能です。
フリーペーパー
有料の雑誌とは違い、企業からの掲載料で制作し、無料で提供されている情報誌です。
駅構内やコンビニ、スーパーマーケットなどに設置されたラックからユーザーが自由に入手できるタイプ、ユーザーデータをもとに郵送するタイプ、新聞折り込みで配布されるタイプなどがあります。
オフラインマーケティングとは
これまでのオフラインマーケティングは、テレビや新聞、ラジオ、折り込みチラシなどのマスメディアを利用したマーケティングを指す場合がほとんどでした。
しかし、昨今は情報収集が容易になり、自分自身に合った製品やサービスが見つけやすくなったため、企業側からの一方的な情報だけの集客では、十分な効果が期待しにくくなりました。
そのため、現在ではそれぞれのメリットを組み合わせて、集客効果の最大化を目指す「オフラインからオンラインにつなげる」「オフラインとオンラインを融合させる」といったマーケティング手法全般を定義する場合が多くなっています。
オフラインマーケティング手法を活用した代表的な施策には、次のようなものがあります。
O2O(Online to OfflineまたはOffline to Online)
O2Oとは、「オンラインからオフラインへ」を意味します。オンライン上で集客した見込み客を実店舗(オフライン)に誘導し、売り上げに結び付ける施策です。その逆の場合もあります。
例えば、スマートフォンのアプリを使って注文をし、実店舗では並ばずに商品を受け取れるというサービスや、SNSなどから実店舗で使えるクーポンを配布するというものがO2Oに該当します。
OMO(Online Merges with Offline)
OMOとは、「オンラインとオフラインを連携させる」マーケティング施策です。オンラインを起点とし、ユーザー体験の最大化を中心に考えるのが特徴とされています。
OMOの例としては、商品本体やチラシにQRコードを設置し、それをスマートフォンやタブレットで読み取ると、商品レビューや割引クーポンなどがチェックできるというものがあります。
オムニチャネル
オムニチャネルとは、オンライン・オフラインを問わず、自社のすべての販売チャネルで積極的にユーザーとの接点を持ち、集客につなげる施策です。
オムニとは「すべての、あらゆる」という意味で、商品管理やユーザー管理、物流、販売までを統合したシステムを構築し、ユーザー体験の質を高めます。
「商品やサービス主体」から「ユーザー主体」へ
O2O、OMO、オムニチャネルといった、オフラインとオンラインの連携には、「User Experience(ユーザー体験)」という考え方が重視されています。
これまでは商品やサービスが主体とされてきましたが、これからのマーケティングでは、「ユーザーにどのような体験を提供できるのか」「いかにユーザーを満足させられるか」という「ユーザー主体」がポイントとなってきます。
そのため、「利便性」「快適性」「豊かさ」など魅力のある体験を提供できるマーケティング施策が必要とされているのです。
オフラインマーケティングの事例
O2O(Online to Offline)の事例
ユニクロ
ファストファッション大手のユニクロでは、ブランドアプリをダウンロードしたユーザーに特別クーポンを配布。実店舗で提示すると割引価格で購入できるというO2Oを実施しています。
アプリのコンテンツも充実しており、店舗検索から在庫確認までできるように設計。アプリのダウンロードに付加価値をつけることで、アプリから実店舗への誘導をスムーズにしています。
ダイソー
100円ショップのダイソーでは、LINE公式アカウントの運用を通じて、ユーザーに商品情報の提供を行っています。
特徴的な点は、あえてクーポンやQRコードの配布は行わず、商品の画像や使い方などの情報に注力していることです。店舗に行く前にチェックできることでユーザーの興味・関心を高め、店頭への誘導につながっています。
O2O(Offline to Online)の事例
emart(イーマート)
韓国のスーパーマーケット・emartでは、客足が伸び悩んでいる12~13時の集客を目的とし、ユニークながらも効果的なO2Oキャンペーンを実施しました。
同時刻に通行量の多い繁華街に、日時計のような仕組みでQRコードの影が浮き上がるというものです。ちょうど太陽が高くなる昼時のみ読み取れる仕組みで、読み取ると限定クーポンの取得をできるようにし、店舗来店やECサイトでの購買につなげました。
STARBUCKS COFFEE(スターバックスコーヒー)
STARBUCKS COFFEEでは、店頭ポップに設置してあるQRコードを読み取って参加できる「好きなブレンドランキング投票」というキャンペーンを展開しました。
単なる投票で終わりではなく、Webサイト内のコンテンツの充実を図り、よりスターバックスを楽しめるという付加価値で、ユーザーを誘導。見事集客に成功しました。
OMOの事例
BEAMS(ビームス)
アパレルメーカーのBEAMSでは、実店舗で購入した際に発行されるハウスカードのユーザーデータと、オンラインストアで登録するユーザーデータを統合させました。
別々に管理していたものを統合することで、ユーザー個々の購入履歴を明確に把握できるようになり、よりパーソナライズされたコミュニケーションを図りやすくなっています。
Zoff(ゾフ)
メガネ販売を手掛けるZoffでは、オンラインストアのIDとLINEを連携させたユーザー情報管理サービスを提供しています。
レンズの度数や種類、保証書、検索などがLINE上で完結でき、実店舗で購入した場合には完成通知を受け取ることも可能。オンライン・オフラインどちらで利用しても充実したサポートが受けられるサービスです。
オムニチャネルの事例
ABC-MART(エービーシー・マート)
国内外に1,000店舗以上を展開しているシューズストアのABC-MARTでは、シューズ特有の「サイズ感」という課題をクリアするため、ECサイトで選んだ商品を最寄りの店舗で試着・購入できる「店舗受取サービス」を展開しています。
この施策を展開するにあたっては、ドミナント出店(同一商圏内への多店舗出店)がポイントとなっており、近隣店舗での在庫シェアも可能というのがメリットです。
近くに在庫がない場合でも、店頭のタブレットでEC在庫を照会し、自宅配送もできます。この施策によって、在庫切れによる機会損失発生の抑制に成功。年間1億5,000万円の売り上げ創出につながりました。
アカチャンホンポ
ベビー・キッズ用品を販売しているアカチャンホンポでは、都心部の実店舗に訪れる若いファミリー層をターゲットとしたオムニチャネル施策を展開しています。
ベビーカーやベッドなどの大型商品を購入した場合、自動車を所有していないユーザーは持ち帰るのが困難という課題がありました。
その課題をクリアするため、店頭にタブレットを設置し、商品を共通在庫から自宅に配送できるサービスを導入。ECサイトでも購入はできますが、子供が使うものは手にとって選びたいというニーズが高いため、このサービスは課題とニーズをうまくマッチさせた施策といえます。
また、出店コストが高い都心部において、売り場スペースの限られた小規模店舗であっても、大型商品を販売できるというメリットもあります。
これからは新しい形のオフラインマーケティングが経営のカギに
テレビや新聞などを活用したオフラインマーケティングは、広く大勢に情報を発信可能な点や、オンラインに抵抗がある世代に向けたアプローチをできる点が大きなポイントです。
デジタル化が進んでいる昨今、オフラインというとひと昔前のようなイメージを持つ人もいるかもしれません。実際に展開されているマーケティングをみても、オンラインを活用した様々な集客・広告手法が取り入れられています。
しかし、オンラインとオフラインに優劣の差はありません。どちらにもメリットとデメリットがあり、それらを組み合わせて、より効果的なマーケティング施策の構築が、現在そしてこれからの主流といえます。
自社なりのオフラインマーケティングのノウハウがあり、安定したマーケティングができている場合であっても、時代の流れに沿った将来的な経営の安定化を目指すのであれば、オフラインとオンラインを連携させたマーケティング戦略を検討することも重要です。
しかし、きちんとした知識のないままで新たなマーケティング戦略を構築・展開することはリスクが伴います。オフラインとオンラインを連携させた新しい形のオフラインマーケティングには、専門的な知識やノウハウが必要です。
- 「オフラインとオンラインをどのように連携させたらよいかわからない」
- 「自社に最適なマーケティング戦略を知りたい」
- 「オフラインの広告では集客できなくなってきた」
このようなお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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