大学生向けの広告媒体・プロモーション方法を調査!【集客に活用する】
最終更新日:2021年09月20日
本記事では、大学生市場のマーケット分析を踏まえつつ、有効な集客手法も合わせて紹介。
また、自社と親和性の高いユーザーを集めるための広告施策を検討している方に向けて、
- 例年定員割れだったのが、続々願書が届き入学可能人数を2倍にしても追いつかない
- 前年以上の学生募集に成功し、受け入れ人数を増やすために校舎の増築を決定した
- 競合との差を明確にすることができ、欲しい学生のみを募集することに成功した
を実現した、「ポジショニングメディア」施策についても合わせて説明しています。
大学生市場の現状と今後
大学生の数は2020年は前年比で減少したものの、ここ50年間は右肩上がりで増加をしていました。
近年では特に女子学生の増加が顕著になっています。
しかし日本は少子化傾向であり、徐々に学生数も減少していくことが予想されています。
また、2020年に世界中で蔓延したコロナウイルスの影響により、大学の経営状況の悪化や授業のオンライン化といった環境変化が起こりました。
そういった状況を鑑みると、大学生をターゲットにした広告やプロモーション方法も時代や環境に合わせて変化させていく必要があります。
デジタル・ネイティブの世代である大学生に対してのアプローチ方法は多種多様。
「大学生」とひとくくりにせず、自社の商品・サービスと相性の良い大学生に届く、適切な広告・プロモーション戦略を検討していきましょう。
Webを活用した大学生向けの広告・プロモーション
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!の検索窓に入力したキーワードに連動して掲載される広告。
検索結果1位のさらに上に表示されるため、検索エンジンを利用する学生の目に入りやすいのが特徴です。
大学生のスマートフォン普及率は98%以上と高く、1日に何度も検索エンジンを利用する学生もいます。
インターネット検索が当たり前となった今では、認知拡大や自社情報との接触機会を増やす効果は一定期待できるでしょう。
広告出稿の検索キーワードによっては、コストがかかり費用対効果が合わなくなる可能性もあります。
安易には出稿せず、自社のターゲットとなる大学生がどういったキーワードで検索するか、マーケティングの観点から検討してから出稿してください。
大学生や若い世代の検索方法には注意
インターネット検索が当たり前となった分、広告枠の存在ももちろんユーザーは認知しています。もはやそういった広告はスルーしたり、ブロックしたりするユーザーもいるでしょう。
また、GoogleやYahoo!といった検索エンジンではなく、SNS内での検索・ハッシュタグ検索などの活用が主流になっています。
SNSとインターネット検索を併用して情報収集することが当たり前となってきていますので、リスティング広告を出す際には、二次検索として自社の情報が検索された際に表示される情報や口コミ評判、SNSで発信されている内容などにも気を配っておきましょう。
SNS広告
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSプラットフォームにも広告枠があり、出稿することができます。
広告はSNSのタイムラインやストーリーズ、フリート、おすすめアカウント欄などに表示されるので、ユーザーに見てもらいやすいのが特徴。SNSは大学生が日常的に使っている分、自然と広告を目にする機会も多くなります。
バナー広告やテキスト広告以外にも、動画やカルーセルが表示されるなど広告手法も多様化しているため、より訴求力が高まっています。
SNS広告はアカウントの年齢や性別、閲覧履歴などに応じた広告を表示できる点もメリットです。
「20代の女性が興味のある美容」など詳細なターゲティングができるため、特定の興味やニーズを持つ大学生に向けて適切に広告を表示させることができます。
長期的なマーケティング戦略ではSNSアカウントの運用にも注力
SNSで広告を出稿するだけでなく、自社のアカウントの育成もしていくと、長期的なマーケティングでは効果的です。
自社に興味を持つフォロワーを増やし、情報発信を通じてファンになってもらうことができれば、自社の商品を利用し続けてくれるだけでなく、積極的に自社の情報を拡散してくれます。
ファンをつくるという視点から、アカウントでの発信内容は自社のPRだけでなく、ユーザーに有益だと感じてもらえる内容にしましょう。
またSNSは拡散力が高いため、自社ホームぺージやオウンドメディア、YouTubeチャンネルへの入り口としての活用も有効。各種マーケティング戦略と連動することができる点でもメリットは多いです。
LINE広告
LINEは大学生が日常的に利用しているコミュニケーションツールです。
1日に何度も起動するアプリなのでLINEに広告を出せば、自社の製品やサービスを広く認知してもらうきっかけになります。
LINEは8,400万人を超えるユーザーを抱えており、スマホを持つほとんどの人が使っているツールです。
LINE広告には豊富なメニューが用意されていて、トークリストの最上部やLINE NEWS、ライムラインなどに広告を表示できるのが特徴。その効果を見込んだ企業が様々な広告を出しています。
またSNS広告と同様にターゲティング精度が高く、年齢や性別、地域や興味関心などでターゲットの属性を分類することが可能です。
その利用率の高さからLINEをマーケティングツールとして、CRMやリードジェネレーションなどに活用する動きも近年では顕著になっています。
そういった活用の幅の広さでも、LINEは注目です。
YouTube広告
動画広告を使うのであれば、ユーザーの利用率が高いYouTube広告がおすすめです。
YouTubeの利用率は75.5%と高く、特に10代の利用率は91.5%。
メインユーザーの年齢層と大学生の年齢層がマッチしているため、広告効果が期待できるでしょう。ユーザーの興味関心に合わせて動画広告を表示できる点もメリットです。
動画は受動的に情報を受け取れるため、最初の数秒で興味を引くことができれば見続けてもらえる可能性も高まります。
何を伝えるかという点だけでなく、どう伝えるかといった、表現方法にも重きをおく必要があるでしょう。
SNSと同様、自社のYouTubeチャンネルをつくり情報発信することも、マーケティング戦略として検討してみてください。
音声広告にも注目
大学生が1日の中で費やす時間として、SNSやYouTubeなどが占める割合が多いのは言うまでもありませんが、移動中にチェックし続けるのは難しいもの。
そこで注目されるのが音声広告です。
移動中に音楽を聴くのはウォークマンやipodなどの登場で一般化しましたが、近年もワイヤレスイヤホン・ノイズキャンセリングイヤホンなど、より快適に音楽を聴くための技術は進化しています。
様々な企業が広告を出稿する中で埋もれないために、戦う場所を変え、移動中にもアプローチできる「耳」に対して広告を出すという視点も検討してみるのもいいのではないでしょうか。
例えば、大学生もよく利用している音楽ストリーミングサービスの「Spotify」にも広告を掲載することが可能です。
Spotify広告では音声・動画・ディスプレイバナーの3つによる広告配信が用意されています。
オウンドメディア
オウンドメディアは自社で運営するメディア全般のことです。公式サイトでのブログコンテンツやSNSアカウントなども広義では含みますが、公式サイト以外で自社運営するWebサイトのことを主には指します。
オウンドメディアでは自社の情報発信よりも、ユーザーの課題や悩みなどに寄り添い、ユーザーにとって有益な情報を継続的に発信することを意識して運営されるのが特徴です。
有益な情報発信を通じて認知を高めることはもちろん、継続的に接点をつくりつづけることで潜在顧客→見込み顧客→優良顧客への流れづくりが可能です。
ユーザーニーズに基づいた情報発信をすることによって広告感を薄めながら、自社を認知していない層に広くアプローチすることができます。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアはバリュープロポジションの考え方を軸に、自社と他社を比較して、自社の製品やサービスがどのような差別化を行っているのかをターゲットに示します。
そうすることで、自社商品がどのようなニーズに対して価値提供をしているのかという市場内での立ち位置が明確になり、ユーザーに納得感をもたらすとともに、自社製品やサービスに魅力を感じてくれる顧客を集めることができるマーケティング戦略です。
例えばあるニーズに対してはA社商品がベストだが、別のニーズには自社商品がベストであると比較して見せることで、ユーザー自身が「自分に合っている商品はこれだ!」と選ぶことができます。
自社の強みと相性が良く、購買意欲が高まっている状態の顧客を集客できる点が、ポジショニングメディアの強みです。
オフラインで活用できる大学生向けの広告・プロモーション
昨今のオンライン化の流れで、大学キャンパスに行く機会は減少していますが、今後の先行きは不透明です。
しかし大学生をターゲットとする以上、大学キャンパスという場所を広告・プロモーションの場として活用すべきなのは明らかです。
コロナウイルスの影響を含み今後の流れは見る必要がありますが、大学キャンパス内でのオフラインでの広告・プロモーション方法についても紹介します。
こういったキャンパス内広告は、得意とする広告代理店が総合的に取り扱っていることが多いです。興味がある場合は、近くの広告代理店をぜひ検索してみてください。
学食トレイ広告
学食トレイ広告は大学の食堂やカフェテリアで利用されているトレイにシール型の広告を貼り付けたものです。大学生向けのプロモーションや採用活動など、活用方法は多岐に渡ります。
学食トレイ広告は大学の食堂ごとにセグメントを分けての訴求が可能です。例えば文系の大学向けや理系の大学向け、またひとつの大学でもキャンパスが別れていれば、それぞれのキャンパスごとに広告の内容を変えられます。
注文待ちの時間からトレイを返却するまで、トレイに貼り付けられた広告が必ず目に入るため視認性は100%です。また毎日学食やカフェテリアを利用する学生に対しては、刷り込み効果も期待できるでしょう。
キャンパスポスター
大学の構内にポスターを貼ることで学生からの問合せに期待できます。キャンパスポスターを貼る場所は食堂内外や購買部、書店、また学生の出入りが多い講義室の周辺が適しているでしょう。
キャンパスポスターはサイズが大きく何度も目にしやすいので、大学生に訴求したい製品やサービスの認知度を上げられます。
キャンパスポスターの例を紹介すると、大学卒業により引越しを検討する1~3月に賃貸情報のポスターを掲載したところ、学生からの問合せが増加したという実例も。また入学の時期には自動車学校のポスターを見たことによる申し込みも発生しています。
キャンパスポケット
キャンパスポケットは大学内の購買部や食堂前などに置かれたラックに、広告やフリーペーパー、パンフレットなどが設置されたものです。ラックにカラフルな広告が複数設置されていると目立つので、足を止めてチラシを手に取る学生も多いでしょう。
設置されている広告のジャンルは多岐に渡り、4~5月の入学直後は自動車学校、長期休暇前には国内外への旅行、後期授業が始まってからは成人式の振り袖などのパンフレットが設置されています。
大学ごとの特色に合わせて設置する広告やパンフレットを変更できるので、学生の傾向を分析して広告を出すのがおすすめです。
大学生向けの広告・プロモーションの集客ポイント
自社の製品やサービスを選ぶ理由が明確であるか
大学生向けに広告を設置したり、プロモーションを行ったりすることで、自社製品やサービスの認知度は上がります。
しかし消費者が実際に製品を手に取る前に、他社製品を検索して比較することは確実です。
このため広告を見たときに自社の製品やサービスを購入することで、どのようなベネフィットを得られるのかをイメージしてもらわなければなりません。
自社の製品やサービスの強みを広告で伝えられれば、メリットを踏まえて比較検討してもらいやすくなります。
ポジショニングメディアの項目で触れたように、自社の製品やサービスを徹底して分析し、バリュープロポジションを明確にしておくことが重要です。
デジタル・ネイティブである学生への認知度を高める
製品やサービスを大学生に訴求するためには、できるだけ早く認知してもらうことが大切になります。
特に大学生は幼い頃からインターネットに触れてきた、デジタル・ネイティブの世代です。近年コロナ禍の影響で、インターネットを利用する機会がますます増えているため、オンラインに比重を置いて広告を展開する必要があります。
学食トレイ広告やキャンパスポスター、キャンパスポケットなどオフラインの広告も有効でしたが、リモートで講義が行われている現在はいままでの反響データを基にした効果を見込むのはリスクがあります。
大学生にとって身近なSNSやLINE、YouTubeなどに広告を掲載することで、自社の製品やサービスの認知度を上げるのはもちろん、
自社商品を求めてくれる相性の良いユーザーに、的確に情報を届けるマーケティング戦略に対する比重を高める必要があるでしょう。