BtoBマーケティングとは?戦略の立て方や手法・成功事例を解説
最終更新日:2023年11月08日
BtoBのビジネスモデルは、BtoCとは大きく異なるため、BtoBビジネスならではのマーケティング戦略が必要です。この記事では、BtoBとBtoCのマーケティングの違いや、戦略の立て方、BtoB向けの具体的なマーケティング施策、成功事例について詳しく紹介します。
また、BtoBマーケティング戦略の策定で困っている方向けのお役立ち資料もご用意しておりますので、ご興味のある方は、ぜひご活用下さい。
BtoBマーケティングとは
BtoBとは「Business to Business」の略称で、企業が企業に対して製品(サービス)を提供するビジネスモデルを指します。
BtoBビジネスの具体的な例として、ZoomやGoogle Meetsといった「Web会議ツール」、社員やアルバイトの勤務状況を把握する「勤怠管理システム」、「経営コンサルティング」や「広告代理店」などがあります。
これらの製品やサービスを売るための仕組み作りが、いわゆる「BtoBマーケティング」です。BtoBマーケティングは、この後紹介するBtoC(消費者対象)マーケティングと比べ、検討期間が長い上に導入決定まで複数名が関わります。
そのため、BtoBにおいてマーケティング活動を実践するためには、検討状況に合わせて継続的に情報提供を行うことが重要です。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
ビジネスモデルには、BtoBのほかにBtoCがあります。BtoCは「Business to Consumer」の略で、一般消費者が相手となります。食品、保険、銀行、旅行、通販サイトなど個人の生活に関わる製品やサービスが対象で、それらを売る仕組み作りがBtoCマーケティングです。
一方、BtoBは企業の「業務効率化」や「売上拡大」が目的となりますので、「企業や組織にとって必要かどうか」がBtoCとの違いになります。
また、BtoBは企業同士でビジネスを行うため、個人を相手にするBtoCのように、直ぐに取引成立とはいきません。窓口担当者、部門責任者、企業代表者など、購入に至るまで複数名が関わり、検討時間も長い可能性があります。
しかし、一度成立すれば、企業から信頼が得られ、契約期間の延長など、継続的な取引が続く可能性も高まります。下記ではBtoBとBtoCの違いを図で比較してみました。
BtoBマーケティングとBtoCの違い
項目 | BtoC | BtoB |
---|---|---|
対象者 | 消費者(個人) | 企業 |
顧客数 | 多い | 少ない |
購入単価 | 低い | 高い |
意思決定者 | 個人(基本的に1名) | 担当者・部長・社長など(複数名) |
検討時間 | 短い | 長い |
なぜ今BtoBマーケティングが注目されるのか?
これまでBtoBビジネスを行う企業の多くは、マーケティングを導入する傾向は決して高いとはいえず、「営業が足で稼ぐもの」とされてきました。
しかし近年では、BtoBでもマーケティングの重要性が見直され、足だけで稼ぐものではなく「売れる仕組み」も作りながら新規開拓や売上拡大を試みる企業が急増しています。
ではなぜ今、BtoBマーケティングが注目されているのでしょう。
BtoBビジネスの営業面の変化
前述したように、これまでのBtoBビジネスは「営業が足で稼ぐ」という見方が一般的でした。足で稼ぐやり方としては、(1)飛び込み営業(2)テレアポ(3)既存顧客へのルート営業などがあります。
しかし、成熟した市場において、従来の足で稼ぐ方法だけでは新規開拓や売上拡大が図りにくくなりつつあります。特にITサービスの発達によって、高額な買い切り型の「ハードウェア」から、安価な利用料を毎月支払うサブスク型の「ソフトウェア」へ移行したことが大きく影響しています。
対面で築けていた取引関係も今ではパソコン上で非対面でも行えるようになりました。このようなビジネス環境の変化によって、足だけで稼ぐビジネスが成り立たなくなっています。
顧客の情報収集の変化
上記のビジネス環境の変化とともに、「顧客の情報の集め方」も劇的に変化しました。これまで製品に関する情報集めは、主に「業界誌」を読んだり、「展示会」に足を運んだりするなどして商談をしていました。
しかし今では、自分で知りたい情報を自分で集めて選択する「検索型」の購入に移行しています。この流れはBtoCのみならず、BtoBでもすでに起こっています。
キャククルでは、BtoB(製造業)において、製品導入の検討を目的に、これまで展示会に来場していた担当者110名を対象に「製造業の展示会の参加に関する実態調査」を行いました。
コロナ禍で展示会に来場する機会が減り、Webで情報を集める傾向が強まりましたが、コロナ収束後、展示会の開催数が回復しても、およそ70%以上の人が「Webからの情報集めが導入の決定打になる」と答えました。
- ■調査概要:(https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/btob/manufacturing/postcovid-manufacturer/ )
- 調査テーマ:製造業の展示会の参加に関する実態調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2021年5月25日〜同年5月26日
- 有効回答:新型コロナ流行前に展示会に参加していた製造業会社員110名
つまり、導入したい製品に関する情報を自ら集め、比較検討し自社に最適な製品を選ぶ傾向が、もはや当たり前になりつつあることを示唆しています。
もしも、いまだに足だけで稼いでいるならば、飛び込み営業やテレアポをしている段階で、先方が最終判断に入っており「時すでに遅し」ということも十分にあり得ます。
従って、BtoBマーケティングを実行する際には、相手企業の購入までのプロセスを理解した上で、自社製品の認知、興味・関心、比較・検討、購入に至るまでの関係性を築き、契約を継続させながら新たな見込み客を獲得するという「売れる仕組み」を作る必要があります。
関連記事:BtoBマーケティングのプロセスと有効な施策を紹介
BtoBマーケティングにおけるプロセス
BtoBビジネスで新規開拓や売上拡大を図る上で、具体的にどのようなマーケティング活動を展開すれば良いのでしょうか。ここでは、企業へのファーストコンタクトから受注に繋げるまでどのように接触すべきか、そのプロセスを順を追って紹介します。
リードジェネレーション
自社製品に興味を持ってもらう見込み顧客(リード)を作り出すことを、リードジェネレーションといいます。顧客と一番最初に出会う「接点作り」ともいえますが、例えば、展示会での名刺獲得、Webサイト上での問い合わせ獲得、SEO対策などがあります。
その他にも、飛び込み営業、テレアポなどの活動も、リードジェネレーションに該当します。
リードナーチャリング
リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客ですが、BtoBの場合、すぐに購入とはいかず、殆どが購入前の、「他社製品と比較する情報集め」の段階です。
購入への意欲がまだ低いため、購入意欲を高めるべく見込み顧客の育成を行います。これをリードナーチャリングといい、成約に繋がるかどうかは、このリードナーチャリングが成功するか否で決まるといっても過言ではありません。
やり方次第によっては、製品に愛着を持って継続的に購入してくれる「ロイヤルカスタマー」に成長する可能性も秘めており、きめ細やかな顧客対応が求められます。
リードクオリフィケーション
クオリフィケーションとは「選別」を意味します。リードナーチャリングによって、購入意欲の温度感が上がった見込み顧客が、本当に受注に繋がるかどうかを見極める作業です。
見極め方として「スコアリング」という手法がよく使われます。例えば、メルマガを開封したら「3点」、資料請求をしたら「5点」など、リードのプロセス毎に点数を付け、一定の数字に到達したリードを「ホットリード(今すぐ客)」と定義。
これをリスト化することで、購入意欲が高いリードにピンポイントで営業活動を行います。
商談
リードクオリフィケーションで、ホットリードの見込み客を選定・リスト化したら、ホットリードに対して商談を行い、提案に対する相手の反応を細かく記録し管理します。このようにして蓄積されたデータを元に分析することで、どのようにすれば商談成立に繋がりやすいかが客観的に分かるようになります。
受注
商談できた顧客に対して、いよいよ受注までこぎつけていきます。最終目標は見積りを取って、実際に受注成立させます。
受注を勝ち取ったからといって終わりではありません。「なぜ受注に繋がったのか」、成功パターンを作ることがマーケティング活動を成功させる上で重要です。この成功パターンを再現していくことで受注を拡大に繋げます。
契約の継続化
一度受注してくれた顧客は再度受注してもらえるように「契約を継続させる」ための施策を行うことも重要です。よい製品やサービスを提供し続けていかなければ顧客は離れていってしまいます。いかに顧客に新しい価値を提供できるかが、顧客維持の鍵となります。
ロイヤルカスタマー化
顧客の契約継続と同時に顧客をロイヤルカスタマーへと育て上げる施策も考察していきます。いかにしてLTVを高めロイヤルカスタマー化していくか、ロイヤルカスタマー維持を考察することは企業存続の上で非常に重要な課題です。
BtoBマーケティングには戦略策定が必要
リード獲得から受注までのプロセスをひと通り説明しましたが、実際に実行する上で「戦略策定」は欠かせません。つい、マーケティングツール(MA)や、最新のマーケティング理論といった「方法」に視点が向きがちですが、
「誰に何の製品をどのように販売するのか」
その仕組みを作り、実行するための「戦略」が何よりも重要で、その際に必ず押さえておくべきポイントが、「S」egmentation(セグメンテーション)、「T」argeting(ターゲティング)、「P」ositioning(ポジショニング)の3つのポイントです。「STP分析」というフレームワークを活用すれば、より明確になります。
- セグメンテーション…市場の細分化
- ターゲティング…狙うべき市場
- ポジショニング…市場における自社の立ち位置
セグメンテーションは、市場の細分化を意味し、顧客をさまざま分類に分けてグループ化します。次にターゲッティングで、顧客を設定し最も魅力的な市場を決めます。
最後にポジショニングで、自社の市場における立ち位置「強み」を明確にします。つまり、自社の「強み」を打ち出すことで、その強みを必要とする市場と顧客にアプローチする戦略です。
「受注から逆算するBtoBマーケティングガイド」無料で差し上げます
BtoBビジネスでマーケティング活動を進めるべくWeb広告を出稿しているものの、競合性も強く思うようにリードが取れずに悩む企業も少なくありません。
- 自社に興味を持ってもらえるリードを増やしたい
- 成約にも繋がるBtoBマーケティングを展開したい
- BtoBマーケティングで成功している事例も知りたい
といった方に、大手企業から中小企業まで120業種・8,000件以上に導入いただいた実績を活かした資料「受注から逆算するBtoBマーケティングガイド」を無料で差し上げます。下記より資料がダウンロードできますので、貴社のマーケティング活動にもお役立て下さい。
BtoBマーケティングの具体的な施策
ここでは、BtoBマーケティングを実際に進める手法について紹介します。
SEO対策
SEO対策とは、「Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼ―ション)」の略で、グーグルやヤフー等の検索エンジンの画面上で、自社サイトを上位表示させる対策を意味します。
上位表示させることで自社サイトへの訪問者を増やし、多くのユーザーに役立つWebサイトとして認知させることができます。主に、以下のような対策を講じます。
- 内部施策…サイト内の仕組みの改善(HTML構造など)
- 外部施策…質の高いWebサイトからの被リンク獲得など
- コンテンツ施策…サイトに掲載する良質なコンテンツの作成
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、上記のSEO対策における「コンテンツ施策」のことです。検索ユーザーの検索意図(悩みの解決など)に沿ったコンテンツを継続的に発信し続けることで、検索エンジンから高評価を獲得し上位表示を目指します。
上位表示させるポイントは「検索ユーザーの悩み的確に応えること」。どんなに文章力が優れていても、検索意図に沿っていない内容なら上位表示は難しいでしょう。では、コンテンツで上位表示させるには、どのような手順で作成すれば良いのでしょうか。基本的には以下の流れで作成します。
- ペルソナの設定(検索ユーザーの明確化)
- SEO対策するキーワードの選定
- 検索意図を満たすコンテンツ構成の作成
- コンテンツの作成(ライティング)
- アイキャッチ画像・本文のイメージ画像などの作成
- コンテンツのタイトル・ディスクリプション・リード文の作成
- 文章構成及びコピーがないかの確認 など
また、コンテンツをより読みやすくするためのチェックリストをご用意しました。コンテンツを作成する際にご活用下さい。
関連記事:BtoBでコンテンツマーケティングを成功させる導入手順【事例付き】
Web広告
自社製品やサービス情報を届けたいターゲットへ比較的少ない費用から配信できるのがWeb広告です。Web広告と一口にいってもさまざまな種類が存在していますが、代表的なものには、以下のような広告があります。
リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンを利用した際、検索結果の上部に表示される広告のことです。一見、検索結果と同じように表示されているように見えますが、「広告」と記されており、クリックすると広告費用が発生する仕組みです。Googleによる「Google広告」とYahoo!の「Yahoo!広告」の2つが代表的です。
ディスプレイ広告
Webサイトの「広告枠」に表示される画像や動画、テキスト広告を意味します。バナーで表示されることが多く「バナー広告」とも呼ばれています。テキストのみで表現されるリスティング広告と異なり、画像や動画を使用できるため、ユーザーの目に留まりやすいメリットがあります。広告費は、リスティング広告同様、ユーザーがクリックする毎に発生します。
SNS広告
Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどのSNSプラットフォームに配信される広告のことです。SNSプラットフォームには、ユーザーの年齢、性別、住んでいる地域などの個人情報が登録されるほか、趣味や関心の傾向も把握できるため、どんな広告を配信すれば反響が得られるのか予測できるメリットがあります。また、使用中のSNSプラットフォームに直接配信されますので、伝えたい情報を伝えたい相手に的確に伝えることが可能です。
SNS運用
SNS広告のみならず、Facebook、Instagram、Twitterなど各SNSの運用もユーザーからの反響を得る有効的な手段です。ただし、BtoBの場合は企業が相手ですので、BtoCのように購入までの検討期間が長い傾向があります。
従って「誰に向けて何のためにSNSを運用するのか」、目的とターゲットを明確にしてから開始しましょう。目的のない運用はゴールのないマラソンのようなもので、途中で頓挫し中途半端で終わってしまう可能性があります。
企業がSNSを運用する際は、主に以下のような目的で行っていますので、もし、SNSを運用するなら一度ご検討下さい。
- 製品・社名の認知拡大
- 製品の理解促進などのマーケティング活動
- 製品のブランディング
- 自社サイト・自社メディア・セミナーなどの集客
- 採用活動 など
また、どのSNSアカウントを活用するかも大切です。アカウントの機能や利用者の特性も違いますので、それらを吟味した上で自社製品に適したアカウントを運用しましょう。SNSの主な種類や特徴をご紹介します。
ビジネスで繋がりたい意識が高い人利用。広告では何度も社名が表示されるため、社名や製品の認知拡大に繋げられる。
匿名で利用する人が多いが、企業で運用する場合、企業アカウントよりも、社名を公開した実名の個人の方が、認知拡大に繋がりやすい。
写真や動画を使って発信できる。写真が動画で製品アピールできる場合に向いている。
LINE
携帯電話と連携しており、利用者が最も多い。BtoBよりもBtoC向けの企業や飲食店用の機能(クーポンなど)が充実。
関連記事:BtoB向けWeb広告・ネット広告の手法や運用する上でのポイント・注意点
オウンドメディア
自社サイトのSEO対策以外でも、近年、注目を集めているのがオウンドメディアの制作・運用です。オウンドメディアとは「自社が保有するメディア」のことです。
自社の公式サイトも含まれますが、公式サイト以外でも、ユーザーが求めるコンテンツを提供する独自サイトを開設する企業が増えています。その背景には、従来の製品PRを目的とした広告効果の低下があり、ユーザーにとって必要な製品を自ら情報収集し選択する傾向が強まっているためです。
そこで企業側もユーザーが求める製品に特化した「専門メディア」を開設し、業界や市場における自社の魅力を伝え、その魅力を必要とするユーザーを集客し成約率アップに成功しています。
BtoBのオウンドメディア成功事例
自動精算機の製造・販売を手掛けるB社は、既存の営業ルートに依存していたため、新規の販路拡大に課題がありました。問い合わせがあっても、メールが月に数件程度が当たり前に…。
この状況を打開すべく、STP分析に基づいた市場における自社のポジショニング設計、ユーザーのターゲティング、ユーザーに的確に伝える専門メディアを制作するなど、戦略的なWebマーケティングを実施。
結果、これまでリーチしていなかった業界からも問い合わせが来るようなり、毎月4件だった反響が、たった3ヶ月で16件と4倍に増加しました。
工場の生産ラインを監視するシステムの製造・販売を行うA社では、これまで主に展示会でリードを獲得していました。しかし、コロナの影響により展示会が中止または延期に。
リード激減を食い止めるため、ホームページのリニューアル、ビジネスマッチングサイトへの広告出稿など、Webマーケティングに注力。毎月30件以上のリード獲得に成功したものの、電話やメールで追客しても商談に繋がらず受注は0件。
リードのフタを開けて見れば、単なる情報収集だけでA社と契約する温度感が低いことが分かりました。見込みの薄い反響に困っていたA社は、ここで自社独自の「ある打開策」を打ちました。
その結果、リード獲得数は以前の1/3に減少したものの、成約数が月間で3~4件を安定的に確保。少ないリードでも確度が高い商談と受注獲得に成功しました。
この施策の具体的な内容については、下記の記事で詳しく紹介しております。
ホワイトペーパー作成
BtoBのリード獲得で、ホワイトペーパーはよく利用される方法の一つです。ホワイトペーパーとは、企業課題の解決策を紹介する「資料」あるいは「報告書」を意味します。
主に自社Webサイトに掲載することが多く、資料の閲覧希望者には、「個人名」「企業名」「役職名」などのプロフィール情報を登録してもらった上でダウンロードを許諾します。
ホワイトペーパーは、リード獲得に役立つ上に、資料内容を理解することで、企業や製品(サービス)の理解にも繋がり、将来的な受注獲得にも貢献してくれます。また、ホワイトペーパーに掲載する情報の種類にも複数あり、主に次のようなものがあります。
- 課題解決…企業課題を取り上げ、課題要因の分析、解決策の紹介、自社ソリューションを紹介。
- 事例紹介型…自社ソリューション導入企業の事例を紹介。
- レポート型…業界動向や調査レポートを要約したり、自社独自で実施したアンケート調査結果を紹介。
プレスリリース配信
新製品やサービス、新規事業の案内などの情報をニュースの素材として、メディア側が利用しやすいように文書として作成。すでに接点のあるメディアへ送付したり、記者クラブに配布したりするなどして情報を発信します。メディアに取り上げてもらうことで認知度の拡大が期待できますが、メディアに掲載されるパターンとしては、
- メディア関係者から直接取材を受けて掲載されるパターン
- プレスリリース配信サイト(PR TIMESなど)に、プレスリリース内容が転載されるパターン
と2つのタイプがあります。
テレアポ
テレアポとは、「テレフォンアポインター」の略で、電話でアポイントを取る人、あるいは、電話営業の仕事そのものを指します。訪問営業のように移動時間がなく、短時間で多くの顧客へのアプローチが可能で、結果が分かるまでの時間も短い特徴があります。
顧客の反応が直ぐに分かるため、製品やサービスが売れるかどうか、顧客はどんな課題を持っているのか、といったマーケティングに必要な情報をリアルタイムで収集することもできます。また、テレアポの基本的な流れをまとめると、以下の通りになります。
- 顧客リストの作成
- 架電(担当者に電話を繋いでもらう)
- 製品・サービスの説明
- クロージングトーク
- アポイントの取得
- 営業担当者がアポ日に訪問し商談
イベントや展示会への出展
イベントや展示会に出展し、自社製品やサービスを紹介することで、顧客と直接交流をすることができます。また、新規リードの獲得や、来訪した既存顧客とのコミュニケーションを深めることができます。
リファラルマーケティング
既存顧客から新規顧客を紹介してもらうことを目的としたマーケティング手法です。既存顧客に対してリファラルプログラムを提供することで、新規顧客の獲得を促すことができます。
マスメディア広告
テレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告のことを指します。年齢・性別を問わず多くの消費者への商品宣伝が可能で、幅広い認知拡大が狙えます。一方、CMや広告の制作・宣伝には高額な費用が必要で、さらに放送や掲載期間も限定される一面もあります。
交通広告
電車、地下鉄、バス、タクシーなど、公共の交通機関の乗り物や駅構内に掲出される広告の総称を指します。主に看板、ポスター、ステッカー、映像、車体ラッピングなどがあります。
移動時間での乗車中に目に留まりやすく、多くの乗降客への宣伝が可能です。また、駅構内での広告には、看板、柱巻き(アドビラー)、デジタルサイネージなどがあり、乗り物内の広告よりも広告枠のサイズも大きめで、通行者に大胆な宣伝も展開できます。
メルマガ配信
リードの育成(リードナーチャリング)でよく活用されるのが「メルマガ配信」です。自社の見込み顧客一人ひとりと初めから接点を持つのは、時間的にも難しいでしょう。しかし、メールの一斉配信機能を使えば、1通のメールで全ての見込み顧客と接点が持てます。また、メールはインターネットの機能やサービスの中でも最も利用率が高いため、リードナーチャリングに適した手段といえます。
とはいえ、その殆どがまだ貴社にそれほど興味を持っていません。そこで、定期的に配信するメルマガに登録してもらい、見込み顧客に役立つ情報を配信し続けることで顕在顧客(今すぐ顧客)へと育成していきます。では、メルマガでどのような情報を配信すれば良いのでしょうか。その内容を整理してみました。
- コラム(読み物)
- ウェビナーの案内
- 製品(サービス)の機能紹介
- 製品(サービス)の便利な使い方案内
- 製品(サービス)の導入事例
- 無料トライアル情報
- 調査データ(市場調査・統計情報など)
- キャンペーン情報など
メルマガ配信をご検討中の方は、ご参考にして下さい。
ウェビナー
ウェビナーとは、Web(ウェブ)とセミナーを組み合わせた造語で、「ウェブセミナー」や「オンラインセミナー」とも呼ばれています。物理的に会場を借りるセミナーとは違い、遠方であってもインターネットが接続できれば誰でも参加が可能です。
配信中にチャット機能を活用することで、参加者との双方向でコミュニケーションが取れるため、製品やサービスに関する不明点なども解消でき、潜在的な見込み顧客を顕在化させることも可能です。
終了後、時間が経つにつれ温度感も下がってしまいますので、参加者への「お礼メール」や、ウェビナー内容に対する「アンケート」の実施など、終了後も関係性が維持できるフォローも心掛けましょう。
BtoBマーケティングで活用できるMAツール
MAツールとは
MA(マーケティング・オートメ―ション)ツールは、リード獲得後からリードの育成、商談化までの行動プロセスを効率化し、商談の獲得件数を最大化させるツールのことです。
これまでは、リード獲得後の追客やメール配信といったマーケティング活動は、それぞれのシステムで個々に対応していました。
しかし、MAツールを活用すれば、リードのリストを一括管理しながら、追客メールを一斉配信したり、メールに反応したリードに追客電話をかけたりなど、商談までのプロセスを人力からツールを使って自動・省力化することで、商談数の増加に貢献してくれます。
また、MAツールといっても、目的に合わせて様々なタイプがありますので次項でくわしく紹介します。
代表的なBtoB向けMAツール
SFAツール
SFA(セールスフォース・オートメーション)ツールは、「営業支援システム」のことを指します。営業は個人のスキルに依存しがちですが、SFAツールを活用すれば、顧客や案件情報をチーム内で一括管理ができます。
その他、営業行動管理、スケジュール管理、日報の作成・管理、見積書・請求書の作成など、営業活動を効率化する機能も備えています。
CRMツール
顧客情報を一元管理することで、顧客との関係性構築に役立てたり、他の営業マンとの連携力を深め売上を上げる機会を作ることにも活かせます。また、顧客とのコミュニケーション履歴を記録することで、今後においてより的確なマーケティング施策や営業戦略を実行することができます。
BIツール
BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールは、企業に蓄積された膨大なデータを収集・分析して「見える化」し、スピーディーな意思決定を助けるツールです。企業活動を進めるにつれて知見が深まりノウハウが「データ化」されます。
しかし、それらのデータは各部署に点在しておりバラバラな状態でした。点在するデータを集約し分析・ビジュルアル化することで企業経営に必要な判断をサポートします。
アナリティクスツール
アナリティクスツールは、Webサイト内のユーザー行動を分析するツールです。ユーザーの性別、流入してきた経路、どのページを見て、どのページで離脱したのか、といったことが把握できます。無料で使えるアナリティクスツールもあり、その一つにGoogleが提供する「Googleアナリティクス」があります。
自社サイトの分析にも使えますので、活用を検討してみてはいかがでしょう。
関連記事:BtoB向けマーケティングツールの種類や選定ポイントについて解説!
BtoBマーケティングのトレンドについて
BtoB業界でマーケティングを導入する企業が急増していますが、業界内でどのようなマーケティング活動に注目が集まっているのか気になるところです。ここでは、BtoB業界におけるマーケティングのトレンドを紹介します。
コンテンツマーケティング
企業に必要な製品(サービス)を探す際、必ずと言ってよいほどインターネットで検索をしますが、いかに興味・関心を持たせられるのか、そのカギを握るのが「コンテンツ」です。
コンテンツとは「情報の中身」のことで、企業サイト内の記事や画像、動画、ブログ、SNSなどがあります。低コストではじめられ、閲覧者にとって価値ある情報なら、例え今すぐ顧客にならないとしても、将来的に顧客になる可能性があります。
このような理由から、コンテンツを制作し配信する企業が増えています。内製あるいは外注などの方法がありますが、人的な営業だけに依存せず、コンテンツが窓口となって自社製品の「営業役」を担っています。
関連記事:成功事例で見る!コンテンツマーケティングが上手くいくポイント
アカウントベースドマーケティング
これまでの営業やマーケティングでは、狙うべき業種や市場を「ターゲット」と決め、市場内の幅広いターゲットに対して「均等に」営業活動を行っていました。
これに対し、アカウントベースドマーケティング(ABM)は、売上が最大化するターゲットを明確にし、戦略的かつ組織的にアプローチすることで効率的な営業を展開する手法です。
必要なところにコストを投下し無駄な営業を省くことで、スピーディーに成果に繋げる狙いがあります。
BtoBマーケティングを成功させる5つのポイント
キーマンへの適切なアプローチ
BtoBマーケティングにおいて重要なポイントは、キーマンに対しタイミング良く適切なアプローチを実施することです。
キーマンは決裁者であり、役職上位の人物がキーマンである可能性が高くなります。社内での意思決定が行われるタイミングにあわせ、キーマンに直接アプローチを実施することで即時の購買に繋がります。
キーマンでない人物では購買決定への影響力が低く、アプローチを行っても意思決定のタイミングを逃しかねませんのでアプローチをする対象とタイミングは重要です。
管理職や経営層がマーケティングチームに参加して、全社を巻き込める体制をつくる
BtoB企業では、トップまたはそれに近い立場の人がマーケティングチームに参加することが有効です。マーケティングの知識がある管理職が最適ですが、専門知識のある担当者がいるチームであれば、メンバーを巻き込むことで機能します。
部門間の連携
BtoBマーケティングでは他部門との協力が必要なことが多く、新規の業務も多数発生するため、スピーディーに組織を動かし、全社を巻き込める体制が必要です。
売上を生み出していくにはマーケティング部門・営業部門・カスタマー部門など、複数の部門の連携により実施します。部門間の連携がもろい場合、情報共有が十分に行われなくなります。
例えば、マーケティング部門が十分にアプローチを行っていない見込み客を、優先度の高い見込み客だと判断して営業を行うことが考えられます。また、マーケティング部門が、施策後の購買状況を把握できていないことも一つの具体例です。
部門間の連携が強固で情報共有が十分にされていれば、BtoBマーケティングを効率的に進めていけます。顧客フォローも充実し、顧客満足度が高まり継続的な利用へ繋がります。
マーケティング施策の事前準備として、「データの整備」が必須
成果を上げるためには、整備された見込み客、顧客のデータが必要です。BtoBの顧客リストには企業名や複数の担当者名、企業表記にばらつきがあります。これらを適切に名寄せし、SFAやCRMなどのデータを一元化する「データクレンジング」が必要です。
短期的な施策で早めに成果を出し、社内で共有する
マーケティングの戦略を立てて各種の施策を実施し、成果を出すまでに時間がかかります。この間、他部門からの理解を得るため、最初は短期で成果が出やすい施策を実施し、見込み客の獲得やWebサイトの訪問者数などの数字で成果を示すことが有効です。
BtoBマーケティングの成功事例
すでにBtoBマーケティングに成功した企業は、どのような施策を実施したのでしょうか。これから戦略を練りたいと考えている企業の参考になるように、BtoBマーケティングの成功事例をご紹介します。
ライオン株式会社
ライオン株式会社では、Webサイトの動線を改善したことでBtoBマーケティングを成功させました。
従来のWebサイトでは、問い合わせページからの問い合わせが少なかったため、各製品ページから問い合わせページへ誘導するよう動線を張りました。すると問い合わせの件数は飛躍的に伸び、3ヶ月で6.2倍にも増加。問い合わせ数が増加するとともに、月平均売上は3.5倍にまで伸びました。
問い合わせフォームへの動線を作り上げたことだけではなく、問い合わせ内容を分析することで適切なコンテンツ追加とプロモーションが行えるようになった結果です。
Bizpedia(マネーフォワード株式会社)
マネーフォワード株式会社が運営する「Money Forward Bizpedia」によるBtoBマーケティング成功事例です。
マネーフォワードのターゲットは中小企業や個人事業者です。そこで情報サイトである「Money Forward Bizpedia」を立ち上げ、ターゲットである中小企業・個人事業者に役立つ数多くのBtoB向け情報を発信しました。
「Money Forward Bizpedia」の記事を読んでいると、バナーやポップアップにてMFクラウドなど、マネーフォワード株式会社の製品をアピールする広告が出現します。読者はバックオフィスに関する疑問や悩みを抱えていると推察できますが、広告の製品で悩みが解消される期待感から製品情報の閲覧へと移ります。
情報サイトのコンテンツがターゲットの役立つ内容であれば、現れた広告の情報も役立つと考えて閲覧してもらえるものです。良質な情報を提供することにより、BtoBマーケティングを成功させた事例だといえます。
日立グローバルライフソリューションズ
日立グローバルライフソリューションズではBtoBマーケティングにおいて、ペルソナの再設計を行いました。
まず「旭立信彦」という設備店経営者をペルソナとし、1,800社へのアンケートやインタビューで得られたフィードバックからペルソナをより現実的にしていきました。そのペルソナに沿ったマーケティングを実施したところ、業務用エアコンの市場シェアは1.3%増加。
ペルソナは架空の存在ですが、現実のユーザーからの意見をとりいれ、より現実的な存在へと押し上げていったことが成功のカギだったといえます。
株式会社ストライク
株式会社ストライクによる、オウンドメディアによるBtoBマーケティング成功事例です。
従来のM&Aに関する情報収集はオフラインコンテンツがメインでしたが、昨今ではWebサイトでの情報提供にニーズが集まっていました。月間ページビューを改善したかった株式会社ストライクでは、Web上での情報ニーズに着目しコンテンツの整備を実施。
オウンドメディアにM&Aに関するニュースや情報、M&A案件情報などを掲載したところ、月間ページビューは100万に到達しました。ユーザーのニーズを的確に把握し、期待に応えたことで大きな成果をあげた成功事例です。
大阪ケミカル株式会社
オフライン広告からオンライン広告へと切り替えたことで、年間6,000万円以上の施策実施効果をあげた大阪紙かる株式会社のBtoBマーケティング成功事例です。
大阪ケミカル株式会社ではオフライン広告を販促活動のメインとしていましたが、効果に疑問を抱きオンライン広告へと切り替え。技術データベースサイトである「イプロス」を導入してBtoBマーケティングを実施したところ、売上は飛躍的に向上しました。
またユーザーの声が集まりやすくなったことで、ニーズに則した製品を展開できるようになったことも成功ポイントです。オフライン広告より低コストで、大きな効果をあげられるオンライン広告の効果がよくわかる成功事例となりました。
キヤノンマーケティングジャパン
次にご紹介するBtoBマーケティング成功事例は、キヤノンマーケティングジャパンのデジタルマーケティングの拡充です。
施策実施前はWebサイトからのコンバージョンがほとんどなく、取扱商品が増えたことから、マーケティングをさらに効率化させる必要性を感じていました。そこでコンサルティングを受け自社のWebサイトを改善したところ、月間ページビューがそれまでの5~6倍に増加し、コンバージョンは毎日あがるようになりました。
最終的には月間コンバージョン率が前年比2.6倍、ECサイトでの売上は120%の成長を遂げたキヤノンマーケティングの成功事例。Webサイトの改善のみで大きく売上が上がることがよくわかる事例です。
富士通マーケティング
富士通マーケティングの成功事例は、見込み客のデータを一元管理できるシステムを構築したことです。
デジタルマーケティング成功のためには、見込み客のデータを把握し、個別に適切なアプローチを実施することが欠かせません。そこで「DMP」と呼ばれるデータベースに情報を集約させ、一元管理できるようにしました。
DMPの活用とともにデジタルマーケティングコンテンツの充実をはかった結果、Webサイトへの訪問者は2.5倍に増加。さらにWebセミナーの開催頻度を高くしたことで見込み客との接点を増やし、顧客との関係を強化できるマーケティングの仕組みを実現させました。
サイト閲覧データを分析し営業に繋げることもできるようになり、低コストで多くの見込み客を集客できる仕組みを構築した成功事例です。
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BtoBマーケティング戦略まとめ
BtoBでは対企業が相手のビジネスモデルのため、営業やマーケティング、経営企画室、広報販促室など複数の事業部や部署をまたいだマーケティング戦略が必要です。
社外に理解を求める前に、社内で価値観や目的を共有し、同じ方向を目指してマーケティング戦略を共有することも重要です。社内のコンセンサスなしに対外的な施策に費用を投じても、集客効果や収益向上の最大化は実現が難しいと考えます。
BtoBのマーケティング戦略では社外へのアピール以上に、社内意思統一の優先度が高いと認識すべきではないでしょうか。
BtoBマーケティング戦略策定で迷っている方へ
BtoBにおいて、マーケティング導入は喫緊の課題です。コロナの影響は完全に収束したとはいえず、展示会などに依存しないWebを活用した新規開拓の方法を確立しなければなりません。キャククルを運営するZenkenでは、これまで120業種、7,500サイト超えるWebマーケティング支援を行って参りました。
特にクライアント様ならではの強みを徹底分析し、その強みを軸としたコンテンツマーケティング戦略の提案を得意としており、市場・競合分析、戦略提案、コンテンツの制作、運用、検証・改善などを全てワンストップで対応しております。
- BtoBマーケティング活動を始めたいが、人や時間を割くのが難しい…
- 今のマーケティング戦略がうまくいっていない…
- SEOなど専門の知識がないため売上アップに繋げられない…
などのお悩みや課題がありましたら、ぜひZenkenへご相談下さい。集客だけではない、「受注に繋がる顧客を集めるBtoB向けのWebマーケティング戦略」をご提案いたします。
この記事を書いた人:
キャククル編集部
キャククルは幅広い分野の「集客」に役立つ情報を発信するWebメディアとして、Zenken株式会社が立ち上げたWebメディア。「ひとりでも多くのお客さんが来るように」との願いを込めて、情報を発信しております。
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