IT業界におけるSWOT分析のポイントや事例
最終更新日:2022年05月06日
第三次産業革命とまで言われる台頭するIT業界。
日々競争が激化する中、IT業界が今後どのようになっていくかを予測し、自社が生き残るための戦略を知り備えておくことは非常に重要です。
経営課題を解決したい経営者やマーケティング担当の方なら、マーケティング戦略の策定に活用できる「SWOT分析」というワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、SWOT分析の基礎知識を解説しながら、IT企業がSWOT分析する際のポイントや具体例を紹介していきます。
IT企業におけるSWOT分析の参考情報としてぜひご一読ください。
SWOT分析とは
SWOT分析とは、企業の内部環境と外部環境を4つに分類して整理し、最適な経営戦略・マーケティング戦略を分析したり考えたりするためのフレームワークです。
SWOT分析を行うと、企業が抱える課題や現状の問題点を、さまざまな角度から見出せるようになります。
SWOT分析で分析するのは「Strength:強み」「Weakness:弱み」「Opportunity:機会」「Threat:脅威」の4つ。
「強み」や「弱み」は、企業の内部環境がもたらす経営への影響です。
一方で「機会」や「脅威」は企業の外部環境による影響で、これら4つの要素に注目することで経営の方向性を見直せるようになります。
Strength(強み)
企業の内部的プラス要因にあたるのが「Strength」で、他社と差別化できている部分や顧客に評価されている部分を指します。
例えば、他社に比べてサポート体制が充実している、特定の業界で高いニーズがある、大手企業との取引実績があり既存顧客となっている、などが挙げられるでしょう。
Weakness(弱み)
自社の内部的なマイナス要因、弱みとなる部分が「Weakness」です。
他社と比べて劣っている部分や勝てない項目、達成できていない部分が弱みにあたります。
具体的には、他社よりもコストがかかっている、納品までに時間がかかる、大型案件を受けるだけのリソースが不足している、エンジニアの長時間労働が課題となっている、などです。
Opportunity(機会)
内部的な要因に対して、外部的な要因のひとつ、プラスの項目となるのが「機会(Opportunity)」です。
自社を取り巻いている環境が変化した場合に、チャンスとなる可能性の要因を指します。
例えば、世界のトップ産業が主にIT業界である、景気回復の兆しが見られる、業種・業界を問わずITやDXの需要が高まっている、アフターコロナで国内全体のIT化が促進しているなどの環境変化が「機会」です。
Threat(脅威)
外部要因によってもたらされるマイナス要素が「Threat」です。
例えば、親会社からコストを削減するよう要求されている、新技術に対応できないと競合他社に仕事を取られててしまう、などがあたります。
また、これまでは短納期を大きな強みとしていたのに、更に納期の短い会社が現れてしまったなど、自社だけでは避けられなかった項目も脅威のひとつとなります。
SWOT分析とは?事例付きで企業の経営戦略フレームワークを解説
IT業界でのSWOT分析事例
SWOT分析では、4分割した表内に「強み」「弱み」「機会」「脅威」それぞれの要素に当てはまる項目を書き出して表にまとめます。
分析シートに整理して並べることで総合的な現状をひと目で理解できますし、企画・戦略会議などで共有しやすいでしょう。
新企画のプレゼンや説明資料にも活用できるため、必ずシートを作成して表内に書き込みましょう。
SWOT分析用のフレームワークも用意しましたので、必要な方はダウンロードしてください。
IT企業の「Strength(強み)」となる要因例
- 相当数のエンジニアを確保している
- 自社がブランドとして世間に広く知られている
- 地元企業とのつながりが深く信頼関係を築けている
- 他社に比べて短期間で納品できる
IT企業の「Weakness(弱み)」となる要因例
- 大口の顧客に対し、新規受注できる体制が整っていない
- 開発エンジニアが不足している
- 人材が不足している・人材が定着しない
IT企業の「Opportunity(機会)」となる要因例
- 経済が回復の兆しにある
- 外部パートナーとの提携で販売先を獲得できる
- 企業のDX化の流れが進んでいる
- アフターコロナでIT需要がさらに高まっている
IT企業の「Threat(脅威)」となる要因例
- 同じエリア内で競争する会社が多い
- 新技術が登場するまでの期間が短い
- 同じような製品・サービスを販売する会社が設立された
SWOT分析を進める際のポイント
SWOT分析は、企業の経営戦略のためのヒントを発見するために行います。
SWOT分析を行うには収集した情報を掛け合わせて、何を得られるかを考える作業がまず大切です。
細かな分析のためには情報収集が必要ですが、それだけで戦略を見出だすことはできません。
実行できる可能性のあるタスクを整理し、単体ではなく複数の戦略を立案できるように準備しましょう。
そのためにも、集めた情報に抜け漏れがないか、ダブりが起きていないかを確認しながら進めることが重要です。
自社の「強み」の振り返りは戦略強化につながる
SWOT分析では、自社を取り巻く環境要因から現状の課題を見出せることが分かりました。
効果的なマーケティング戦略を進める上で、定期的な環境分析は重要な作業です。
経営側の視点だけではなく、俯瞰的に問題点や課題を見つけることで中長期的な経営戦略を立てやすくなります。
また、自社の「強み」の見つめ直しはさまざまな経営場面で役立ちますし、営業活動や広報などの戦略にもつながるでしょう。
SWOT分析を行う際には、個人ではなくぜひチームで取り組み、複数名の視点や意見を交えて考えてみてください。
自社の何を打ち出すべきかお悩みなら
キャククルを運営するZenkenでは、これまでにIT系やSaaS企業を含む120業種を超えるクライアントのWeb集客・マーケティングを支援してまいりました。
8,000件以上のWebサイト運用実績もあり、各種分析から攻める市場の選定、戦略策定をはじめ、コンテンツ制作・Webメディア制作やその運用まで、すべてワンストップで対応可能です。
「なかなか自社の分析がうまくいかない」「いまの戦略が効果的か自信がない…」といった場合は、ぜひお気軽にご相談ください。