テスト管理ツールは、ソフトウェア開発プロジェクトにおいてテストプロセスを効率的に管理するためのツールです。
テストケースの作成・実行・結果の記録やバグの追跡・実行状況のモニタリングなど、多彩な機能が搭載されており、導入によって、テストプロセスの効率化やリソースの最適化などに繋がります。
この記事では、各社が提供するテスト管理ツールの特徴や機能、料金プランを紹介。選び方や導入のメリット・デメリットも詳しく解説しているので、ぜひご活用ください。
おすすめのテスト管理ツール一覧表
ここでは、キャククル編集部が厳選したテスト管理ツールを一覧で紹介しています。各ツールの特徴を確認し、自社の課題に応じたツール選びにご活用ください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
QualityForward |
Excelライクで導入がカンタン!繰り返される開発実態に寄り添ったテスト管理ツール
|
CAT(キャット) |
情報共有と円滑な運営を支援 |
Qangaroo(カンガルー) |
テスト管理の見える化をバックアップ |
QualityTracker(クオリティトラッカー) |
正確なテストの進捗状況を可視化 |
PractiTest(プラクティテスト) |
世界90ヵ国以上で利用されている信頼と豊富な実績 |
Qase(ケース) |
AIが10カ国語とフレームワークをサポート |
qTest(キューテスト) |
豊富なデバイスやツールとシームレスに統合 |
QMetry(クメトリー) |
AIを用いたQQBot機能を搭載 |
テスト管理ツールとは
テスト管理ツールは、ソフトウェア開発プロセスにおいて、テスト計画やテストケースの作成・実行・結果の管理を支援するソフトウェアです。開発者やテスターが効率的にテストを行い、品質を確保するために利用されます。
近年は、ソフトウェアの開発規模が拡大しているため管理すべき情報量が多く、テストケースが数万から数十万に及ぶことも。
そのため、テスト管理ツールは、さまざまなソフトウェア開発のプロジェクトを効率かつ円滑に進めるために欠かせないシステムとなっており、国内外の企業が独自の特色を持ったテスト管理ツールを提供しています。
テスト管理ツールの主な機能
テスト管理ツールの主な機能は、「テストケースの登録や管理」「テスト結果の記録」「テストの進捗状況の管理」などです。搭載機能はツールによって異なり、テストケースの集計や分析、実行などが備わっているツールもあります。
自社に合うツールの選び方は、次の項目を参考にしてください。
テスト管理ツールの選び方
テスト管理ツールによって、機能性やユーザーインターフェース(UI)はさまざま。プロジェクトに合ったテスト管理ツールを選ぶためには、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- ユーザビリティ
- テストの準備と結果の共有方法
- 外部ツールとの相互性や連携性
まず、ユーザビリティに関しては、現在使用しているツールと操作性が似たツールを選ぶのがポイント。そうすることで、初めて利用する場合でも戸惑うことなく作業が進められます。
2点目に関しては、テストケースの取り込み機能・リアルタイムでの情報確認機能など、テスト準備の効率化やチーム内の連携に役立つ機能が入っているかを確認しましょう。特に、テストケースが多い場合は入力作業や情報共有に時間や手間がかかるため注目してみてください。
また、他ツールとの連携ができるかも事前に確認しておくと、よりテストプロセスの効率化が期待できるでしょう。
テスト管理ツール導入のメリット・デメリット
テスト管理ツールを導入することで期待できる効果や懸念される点について独自調査。メリット・デメリットとしてそれぞれ紹介しています。
メリット
テスト管理ツールを導入するメリットは、テスト情報を一元管理できる点です。
ソフトウェア開発のテストにおけるさまざまな情報を一ヶ所に集めて管理できるので、テストプロセスの大幅な効率化に繋がります。
テスト管理ツールを導入しなかった場合、テストを重ねるごとにシート数が増えて管理が煩雑になったり、ミスが生じたりする恐れがありますが、そういった課題を解決できるのは大きなメリットといえるでしょう。
デメリット
テスト管理ツールには、初期費用や月額料金などのコストがかかります。導入するシステムによって料金体系が異なるため、導入時に大きな費用が発生することもあります。ただ、システムによっては、初期費用が無料のものやフリープランなどを設けているツールもあるので、どのような料金プランになっているかチェックしておくと安心です。
また、テスト管理ツールは導入してすぐに結果が出るものではなく、ナレッジを蓄積することで高い効果が得られるため、長期的に運用していく必要があります。そのため、ツールのアップデートやメンテナンスなど保守管理などが手厚いシステムを選定することが大切です。
テスト管理ツール導入に関するFAQ
Q1.テスト管理ツールではどこまでの業務をサポートしてくれますか?
テスト管理ツールによって実装している機能や特徴が違うため、サポートしている業務範囲が変わってきますが、代表的なものは「テスト計画とスケジューリング」「テストケースの管理」「テスト実行と結果の管理」「レポーティングと分析」「統合と連携」などです。
Q2.テスト管理ツール上で行う作業の流れを教えてください。
テスト管理ツール上で行う作業の例は以下の通りです。 ※ツールによる差異が大きいため、詳細な流れは各社にお問い合わせください。
- プロジェクトを登録する
- テストケースをインポートする
- テストフェーズを設定する
- テスト実行の結果を登録する
- グラフやレポートを活用する
- 結果を次のテスト計画に活かす
Q3.テスト管理ツールの導入に向いているケースとは?
テスト管理ツールの導入は、以下のような課題を抱えている場合に効果を発揮しやすいといえます。
- テストケースの作成に工数がかかっている
- テストを重ねるごとにシート数が増えて、管理が大変
- テスト情報が複数に分断されていて、進捗が分かりづらい
テスト管理ツールでは、テスト情報を一元管理できるので、上記の悩みを一気に解消できます。
Q4.テスト管理ツールを利用する際に気を付けておきたいこととは?
テスト管理ツールには無償のもの・有償のものがあるので、事前に費用を確認し、どのツールを利用するか検討することが大切です。中には、初期費用が掛からなかったり、制限付きのフリープランを設けていたりするツールもあるので、よく確認しておきましょう。
また、テスト管理ツールと一言で言っても、機能やユーザビリティはそれぞれ異なるので、自社の目的に合わせて選ぶのが重要です。
テスト管理ツールのまとめ
テスト管理ツールは、テスト実行をはじめ、テスト結果の集計やレポート作成を自動化できるため、ソフトウェアテストを実施するのに必要な情報を一元化して管理できます。そのため、ソフトウェア開発におけるテスト管理の無駄を省いて、テストエンジニアの負担を大きく削減することが可能です。
テスト管理ツールは、「テストの品質をワンランクあげたい」「複雑化しているテスト工程を効率化したい」という場合に有効な対策になります。ただし、ツールの特徴や機能性はシステムによって異なるため、自社に合ったシステムを導入しなければ十分なメリットが得られません。導入を検討する際にはシステムごとの特徴をよく比較したり、資料請求などを活用したりすることが大切です。
- 免責事項
- 本記事は、2024年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。