システムの安定稼働を実現するためには、サーバーの稼働監視だけではなく、データベースも日頃から監視しておくことが重要となります。そんな監視業務を効率化してくれるソリューションこそが、データベース監視ツールです。ただ、監視ツールを提供している会社が多く、コストパフォーマンスを高めるには自社に合ったものの選定が重要になります。
ここでは、キャククルが厳選したデータベース監視ツールを目的別に紹介しています。導入を検討する上での参考としてみてください。
おすすめのデータベース監視ツール
幅広いDBの種類を
まとめて監視
データを詳しく分析して
活用できるツール
中小企業向けの
監視ツール
Database Performance Analyzer

強み
Oracle・Azure SQL・PostgreSQL・MySQLなどあらゆるDBに対応。機械学習機能が付いており、AIが異常を検出してくれます。
ManageEngine Applications Manager

強み
最短10分で監視開始でき、Oracle・SQL Server・PostgreSQLなど主要なデータベースに対応しています。データベースクエリ監視によりDBの遅延や障害を防止。
Spotlight

強み
インシデント再生機能で、ダッシュボードを巻き戻してトラブルが発生した瞬間の前後を詳しく調べられます。モバイル機能が付いており、データをいつでも・どこでも確認できます。
Pandora FMS

強み
オープンソースの統合監視ツールで、無料で利用できます。当ツールをベースにした商用サービスも月額2万円~と、低価格での利用が可能です。
WhaTap

強み
1サーバーあたり1,300~8,00円 / 月で利用できるSaaS型のシステム。DBの他にはサーバー、URL、アプリケーションなどの監視も行えます。
Actian Audit for Zen

強み
Actian ZenがインストールされているWindowsのPCなら無料で利用できるツール。Actian Zenを使用したDBシステムの追跡・監査証跡・警告・レポート作成に対応しています。
データベース監視ツールの一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
MaxGauge(日本エクセム) |
データベースをリアルタイムで監視!検出された問題を即座に特定し改善
|
MAJESTY(シスバンク) |
肥大化したデータベースも特許技術で安定稼働!SQLの全体像が把握できる
|
Hinemos |
システムの監視を総合的に行う運用管理ソフトウェアをシンプルなワンパッケージで提供 |
Pandora FMS |
商用サービスでも月額2万円~の低コスト運用が可能 |
DBT |
独自技術で監査ログを組み合わせ、すべてのSQLの記録を実現 |
Database Performance Analyzer |
オンプレミス+クラウドなどマルチデータベース・マルチ環境に対応 |
Chakra Max |
リアルタイムに監視用の「Chakra Max Basic」と内部統制用の「Chakra Max User Control」を提供 |
Actian Audit for Zen |
Actian Zenに特化したデータベース監視ソリューション |
Spotlight |
インシデント再生機能でトラブル発生時のダッシュボードが調べられる |
データベースクエリ |
30日間お試しサービスあり。クエリ単位の監視でメトリクスを柔軟に監視 |
WhaTap |
1サーバーあたりの料金は1,300円 / 月~。費用を抑えやすいサービス |
データベース監視とは?
データベース監視とは、システムの中にあるデータベースが正常に機能しているかを監視すること。データベース内のテーブルやインデックスの使用状況、SQLのパフォーマンスなどのチェックを定期的に行います。システムを安定して稼働させ続けるためには、データベース監視が非常に重要です。
稼働状況やパフォーマンスなどに異常を検出した際は速やかに、かつ適切に対処します。このような迅速な障害対応によりデータベースのサービス提供レベルを担保し、システム全体の安定稼働につながります。データベースの異常や停止は業務の停止につながるため、事前に異常が発生したときの対策や未然防止策を立てておく必要があります。
データベース監視の目的や必要性
データベースはシステムが扱う業務データをひとつの場所に集約して保管・管理する機関であり、システムを構成するサーバーや機関の中でも非常に重要な要素です。データベースで障害が発生するとパフォーマンスが低下するだけでなく、サービス全体の利用ができなくなったりデータの不整合や破損につながったりする可能性もあります。
データベースはデータ量の増加やインデックスの設計ミス、非効率なSQLなどによってパフォーマンス低下が引き起こされることがあります。データベース監視を行うことで、このような障害やトラブル発生時に迅速に対応し、解決することが可能です。データベースサーバーの可用性を維持し、サービスやアプリケーションの運用を支えます。
データベース監視ツールでできること
データベースの状態をリアルタイムでモニタリング
データベース監視は監視項目が多く、人の手で行う場合障害発生時には調査からチューニングまで行うなど担当者の負担も大きいです。データベース監視ツールは、データベースの状態をリアルタイムでモニタリングし、異常があった場合にはデータベース管理者や情報システム担当者に通知します。
ツールを活用すれば、24時間365日休まずデータベースを監視することが可能です。また、コストや手間を削減し、難しい作業はツールが代行するので特別なスキルがなくてもデータの管理ができます。
不正行為やのっとりの予防
データベース監視ツールには、いつ・誰が・どこで・どのようなアクセスを試みたのかというログを記録する機能があります。データベース監査で必要なすべてのアクティビティを記録し、データベース管理システムでは記録できないような情報まで取得可能です。
操作ログの記録により、データベースの管理担当者によるデータの改ざんなどの不正行為や第三者によるのっとりなどを予防することができるでしょう。
収集データの集計と自動作成レポート
収集したデータを集計する機能があるツールもあり、データを自動集計してくれるため担当者の負担を大幅に軽減することが可能です。また、自動作成されたレポートを活用すれば、今後より安全にデータベースを運用できるようになるでしょう。
データベース監視ツールの種類
データベース監視ツールは、データベースのパフォーマンス、可用性、セキュリティを監視し、問題を検出して対処するためのソフトウェアです。一般的なデータベース監視ツールの種類と機能を紹介します。
データベースの種類や運用環境に応じて選んだり、複数のツールを組み合わせて使用したりします。
プロファイリングツール
データベースのクエリ実行時間やリソース使用量を分析し、ボトルネックを特定します。
例: MySQLのMySQL Enterprise Monitor、PostgreSQLのpg_stat_statements拡張モジュール。
モニタリングツール
データベースのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、問題が発生した場合にアラートを生成します。
例: Prometheus、Nagios、Zabbix
ログ管理ツール
データベースログを収集し、解析してセキュリティ上の問題やパフォーマンスの低下を検出します。
例: Splunk、Logstash、Graylog
可視化ツール
データベースのメトリクスやパフォーマンスデータをダッシュボード形式で表示し、分析を容易にします。
例: Grafana、Kibana、Datadog
アラート管理ツール
アラートの設定や管理を行い、問題が発生した場合に通知を送信します。
例: PagerDuty、OpsGenie、VictorOps
データベースセキュリティツール
データベースのセキュリティを監視し、不正アクセスやセキュリティ侵害を検出します。
例: Imperva SecureSphere、IBM Guardium、Oracle Audit Vault
データベース監視ツールの選び方
自社のデータベース管理システムに対応しているか?
データベース監視ツールを決める上で大切なことは、自社のデータベース管理システムに対応しているものを選ぶことです。対応していたとしても、一部の機能が使えなかったり取得できない情報があったりなどの制限があるかもしれません。
契約前に企業に問合せ、自社のシステムに対応しているものなのか詳細情報についてしっかり把握しておくようにしましょう。
必要な機能の優先順位は?
データベース監視ツールにはそれぞれ特徴があり、搭載している機能も異なります。自社が必要な機能の優先順位を把握し、その条件に合うものを選ぶようにしましょう。処理速度に影響を与えたくないのならばメモリ参照型のツール、ログの取得やモニタリング以外の機能も必要な場合は多機能型ツールが合っています。
また、ツールによっては通常と異なる挙動をした場合に検知して管理者に通知する機能を備えているものや、システムの稼働状況を図やグラフなどで可視化できるような機能を備えているものもあります。
導入までの時間は十分か?
データベース監視ツールを導入するには計画・設計・構築などの事前準備が必要で、導入までにそれなりの時間が必要です。特に早急にセキュリティを強化したいと思っている場合は、導入までにどのくらい時間がかかるかもしっかり確認しておきましょう。
また、自社にデータベース管理に詳しい人材がいない場合は、サポート体制が整っているツールを選んだ方が導入はスムーズです。まずは問い合わせや無料トライアルへの申し込みをし、各データベース監視ツールを比較検討してみましょう。
データベースの種類別にサードパーティー製のデータベース監視ツールを解説
MySQLのデータベース監視ツール
MySQLのリアルタイム監視には有償ツールを使用することが一般的ですが、専門的な技術があればinnotopとps-topを活用するケースもあります。 2018年11月、innotopはMySQLバージョン8に対応。innotopはCentOS 7でyumのepel-releaseまたはGitHubからインストール可能です。
リアルタイムデータを見るためにソケットファイルまたはリモートホストで起動し、クエリの実行状況やレプリケーションの状態などを監視できます。 一方、ps-topはMySQL 5.6と5.7に対応し、performance_schemaからデータを収集してリアルタイムに表示します。
これらツールは現在のデータベースの状態を理解し、問題に迅速に対応するのに役立ちます。
ORACLEのデータベース監視ツール
Oracle監視ツールには、Oracle Enterprise Manager (OEM)、Oracle Cloud Control、Oracle SQL Developer、Oracle Diagnostic Pack、Oracle Tuning Packがあります。
これらはデータベースのパフォーマンス監視、診断、チューニング、バックアップ管理、セキュリティ管理などを行います。
OEMは全体的な管理を提供し、DiagnosticとTuning Packは高度な分析と最適化に役立ちます。SQL Developerは基本的な管理タスクに使用されます。
ORACLEのデータベース監視ツール
SQL Serverの監視には、SQL Server Management Studio (SSMS)、SQL Server Profiler、Dynamic Management Views (DMVs)、Performance Monitor、SQL Server Extended Events、サードパーティの監視ツールなどがあります。
これらのツールは、パフォーマンスの問題の診断、クエリの最適化、リソース使用状況の監視、システムの健全性の確認に役立ちます。 SSMSは全般的な管理に、ProfilerとExtended Eventsは詳細なイベント追跡に、DMVsとPerformance Monitorはリアルタイムのパフォーマンスデータ収集に使用されます。
有償データベース監視ツールと無償データベース監視ツールの違い
有償データベース監視ツールのメリット
有償のデータベース監視ツールは高度な機能、専門的なサポート、定期的な更新とセキュリティパッチを提供します。 データベース監視ツールによっては、SQL情報を履歴ではなく明細で取得することができたり、データベースの稼働情報を1秒単位でリアルタイム取得できたり、データベースの肥大化を阻止できたりします。
無償データベース監視ツールのメリット
無償のデータベース監視ツールは、コストをかけずに基本的な監視と管理が可能です。 また、オープンソースの場合、コミュニティによるFAQが充実しているため、ユーザーは柔軟に機能拡張を行うことができます。
データベース監視ツール導入の際のよくある質問

Q1.データベース監視ツールでできることは何でしょうか?
データベース監視ツールを導入すれば、データベースの状態を常にモニタリングすることができます。 人の手を借りずに24時間365日休まずに監視が可能で、万が一異常があった場合は、データベース管理者や情報システム担当者に通知される仕組みになっています。 その他にも、不正行為やのっとりの防止、収集したデータを自動でレポート化する機能も備わっています。
Q2.データベース監視ツールの選び方について教えて下さい
データベース監視ツールを決める上で大切なことは、自社のデータベース管理システムに対応しているものを選ぶことです。 対応していたとしても、一部の機能が使えなかったり取得できない情報があったりなどの制限があるかもしれません。 現在、自社で使用するツールを探している方は、本記事で紹介している「データベース監視ツールがひと目で分かる早見表」もあわせてご覧ください。
データベース監視ツールまとめ
こちらの記事では、データベース監視ツールとは何か?また、各データベース監視ツールの特徴などをまとめてきました。
データベース監視ツールにはさまざまなタイプがあるため、自社に合ったツールを選択するためには、それぞれのツールの内容についてしっかりと確認しておくことが大切です。
ツールを使用する目的と用途に応じて、各ツールの特徴を吟味した上で選択することをおすすめします。
- 免責事項
- 本記事は、本記事は、2023年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。