アプリ開発会社の受注獲得のマーケティング戦略
最終更新日：2021年09月01日
このページでは、アプリ開発会社の経営者やマーケティング担当者向けに、アプリ開発会社が集客するためのマーケティング手法について紹介しています。
不安定な世界情勢や先行きの見えない経済状況の中、どのように情報を分析し、自社の強みと優位性を確保しながら顧客を獲得していけばいいのか？
闇雲に広告宣伝を行っても成果が得られるとは限りません。むしろ、正しい情報と判断に基づき、適切なマーケティング施策を実践することにより、望ましい結果を得ることができます。
それではアプリ開発会社の集客における、受注獲得のポイントと効果的なWebマーケティング施策について紹介していきましょう。
アプリ開発の受注獲得のポイント
具体的なWebマーケティング施策を紹介する前に、まずは受注獲得を目指すために心得ておくべきポイントを説明します。以下に要点をまとめていますので、ぜひご覧になり参考ください。大事なポイントは2つ。「自社が選ばれるための理由を知る」ことと「バリュープロポジションの明確化」です。
自社が選ばれるための理由を知る
アプリ開発の受注獲得のポイントの一つは、“自社が選ばれるための理由を知る”こと。激しい自由競争と数ある競合の中で、なぜ自社がユーザーから選ばれるのか？その理由を明確にし把握しておかなければ、適切なWebマーケティング施策を選択できません。
このことは当然だと思うかもしれませんが、意外に把握していない企業も少なくありません。あるいは漠然と分かっていても、戦略的な認識には至っていないケースもあります。
よって、具体的な施策を行う前に、まずはSTP分析や3C分析などマーケティング戦略の各種フレームワークを駆使して、ターゲット市場の傾向や競合の強み、顧客ニーズを分析し、自社の置かれている状況を把握したうえで、自社ならではの強みを整理する作業を行いましょう。
難しく聞こえるかもしれませんが、本質はとてもシンプルで簡単です。要するに、自社が参入する市場環境を丁寧に分析して把握し、自社の立ち位置と強みを明確にするということです。
特にこれらの分析によって明確にしたいのは、自社のバリュープロポジションです。
バリュープロポジションの明確化
“自社が選ばれるための理由を知る”ための分析によって明らかになるのは、自社のバリュープロポジションです。そしてこのバリュープロポジションこそが、アプリ開発の集客と受注獲得において究極的に重要なポイントになります。
バリュープロポジションとは、自社で提供ができて競合が提供できていない、顧客が望んでいる価値です。自社でなければ得られない価値をユーザーに向けて鮮明に伝え、「〇〇なら自社」と市場のポジションを確立します。
バリュープロポジションの検討では、企業側の一方的な広告宣伝ではなく、ユーザーの視点に立って自社の製品・サービスを見つめ直すことが必要です。そのためには、上記のSTP分析や3C分析といったマーケティング戦略のフレームワークの実践が重要です。
バリュープロポジションを持つことによって、自社ならではの強みと価値を明確にし、他社との差別化を図ることができます。また、バリュープロポジションは商品開発やマーケティングにも活用できるため、新たな顧客のニーズを発見にもつながるでしょう。
アプリ開発会社が行えるWebマーケティング施策
それでは上記のポイントを踏まえたうえで、具体的にアプリ開発会社が行えるWebマーケティング施策を紹介しましょう。下記でいくつかの施策を紹介していきますが、自社の強みを最も伝えられる施策はどれか？という観点で検討してみてください。
ポータルサイトへの掲載
ポータルサイトとは、ジャンルごとに様々な商品情報や企業情報を一ケ所に集約して掲載している、情報プラットフォームです。自分のニーズを満たせるサービス提供会社を検索・比較したり、サイトを通じての発注も可能であるなど複合的な機能を備えています。
BtoB向けのポータルサイトでは、国内でも規模が大きい発注プラットフォーム「アイミツ」や、ビジネスパートナーを無料で探せるビジネスマッチングサービスの「リカイゼン」などが有名です。ポータルサイトへの一番のメリットは、サイトへのアクセス数や集客力です。
自前で一から集客システムを構築する必要はなく、ポータルサイトへ広告を掲載するだけで自社の知名度を高めたり、自社サイトへの訪問につなげることも可能です。自社の特徴や強みに合うサイトへの掲載は、自社の独自性を際立たせられ、より効果的な集客とリード獲得ができるようになります。
ただし、掲載先を選び間違えると費用対効果がマイナスになる場合があります。プラスの成果にするには、自社の強みを活かせるポータルサイトかどうかを見極めることが大切です。また、適切なサイトが見つかっても、自社の良いところを十分にアピールできず、競合に埋もれてしまうことも少なくありません。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo！など大手検索エンジンで用いられている「検索連動型広告」のことです。ユーザーがあるキーワードを入力して検索を行った場合、そのキーワードと関連性の高い広告が表示されます。「車 会社」での検索なら自動車会社の広告、「家具 販売」で検索すれば家具販売の会社の広告が表示されるという仕組みです。
特定のキーワードによる検索結果に連動して広告が表示されるリスティング広告は、キーワード単位をピンポイントに設定して広告出稿できるため、導入が簡単で、見込み顧客にアプローチしやすいメリットがあります。
しかもリスティング広告の予算や内容は調整は自由自在にできるようになっています。結果が望ましくない場合は広告をすぐ配信停止、もしくは削除することも可能です。マーケティング施策としては機動性が高く、すぐに始められていつでもやめられる特徴があります。
一方、継続的に成果を出していくためには、キーワード選定や広告文など、配信開始後の細やかな運用と調整が必要です。特にキーワード選定は頭を悩ませるポイントです。例えば、「アプリ開発」という単キーワードだと「個人で開発したい層」「他社に依頼したい層」など多くの人が検索しており、狙った層への集客は難しいと考えて良いでしょう。ただし、特定の専門分野に強みをもっているのであれば、それを考慮したキーワードを設定することによって、集客効果を高めることができます。
記事広告
記事広告は、記事広やタイアップ広告とも呼ばれる広告手法の一つです。普通の記事と変わらない体裁で、内容的には商品やサービスをダイレクトに訴求することはしません。ユーザーの悩みや関心を呼ぶような記事にして、間接的に自社への集客を促します。
記事広告のメリットは、情報量が多いため自社サービスの強みを伝えやすいこと、独自性を明確化しやすいこと、自社の信用力を向上しやすいことです。
デメリットには、比較的高い広告出稿料金や運用開始までにかかる時間と記事作成にかかる手間があります。広告コストが高くなりやすいので、出稿前に費用対効果をしっかり検討しておく必要があるでしょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、文字通り種々のコンテンツを活用したマーケティング施策です。ユーザーからのレビューや口コミ、動画コンテンツ、レポートの配信、コンテンツ記事、イベントなど、ユーザーにとって魅力的で価値のあるコンテンツをオウンドメディアやブログ、ソーシャルメディアなどで提供。コンテンツを通じて自社に関心をもってもらい、見込み客として育成し、最終的には購買を促す形で、段階的な集客施策を行います。
コンテンツマーケティングのメリットは、一般的なネット広告に比べて運用コストが低いこと、導入がしやすいことです。さらに、掲載内容が価値を持ち続けるかぎり、コンテンツが資産として蓄積されるため、広告費用の削減に資するのも利点です。
一方、長期計画が必要なコンテンツマーケティングは、短期間で効果を出すのが難しいため、永続的な価値を持つコンテンツを継続的に配信していく必要があります。
成約率を重視するならポジショニングメディア戦略も
集客や見込み客の獲得で終わらず、さらに一歩進んで「成約率」を重視するなら、ポジショニングメディアというマーケティング施策も選択肢の一つです。
ポジショニングメディア戦略とは、Webサイトを通じて競合に対する自社の立ち位置を明確にし、差別化を図る取り組みのことです。自社ならではの魅力や強みを競合と比較しながらユーザーに明示し、市場内における自社の存在意義と利用価値を明確に伝えられます。
ポジショニングメディアのターゲットとなるのは、特定のキーワードで検索をして比較検討を行っているユーザーです。サイトを自社の強み（バリュープロポジション）をベースに作ることで、サイトを通じての問い合わせが成約に繋がる確率が高まります。顧客視点からの問い合わせまでの流れは下記のとおりです。
ポジショニングメディアで訴求するのは価格ではなく、自社でなければ提供できない「価値」です。その価値を基準に自社を選んでもらえるようになれば、利益率と企業体力を弱める価格競争を避けられるメリットもあります。
自社の独自性や優位性を明確にするための施策を強化したい場合は、ぜひポジショニングメディア戦略を検討してみてください。
まとめ
アプリ開発の集客を目的とするマーケティング施策は、思いつきだけで無計画に行っても高い効果を得ることはできません。自社の特徴や強み、市場環境、顧客ニーズ、競合の強みなど必要な情報を把握したうえで、しっかりとした戦略を立て、適切な方法でオペレーションしていくことが大事です。
ポイントはバリュープロポジションの確立。自社ならではの魅力や価値をわかりやすく伝えることができれば、差別化ができるだけでなく、ユーザーから自発的に選んでもらえるようになるでしょう。
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