スーパーマーケットのマーケティング基本のキ
最終更新日:2020年07月31日
スーパーマーケットにおけるマーケティング戦略の基本ステップ
さっそくですが、STP戦略という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
具体的にいえば「自店が誰に対してどのようなバリュー(価値)を提供するのか」という問題を明確にするため利用するものです。この基本ステップを、マーケティング学者の中でももっとも影響力のあるコトラー氏が、市場を開拓するための効果的な方法として紹介しています。
コトラーは市場における自社(自店)の競争優位性を設定するために
- 市場を細分化(=Segmentation)
- ターゲット層を抽出(=Targeting)
- ターゲット層に対する競争優位性を設定(=Positioning)
この3つが重要だとしています。
スーパーマーケットの市場を細分化
セグメンテーション=セグメント化とは大きなものの中から特定の基準をもとに細分化した一つの要素を指します。用いられる変数としてはおよそ4つ。人口動態、地理的、心理的、行動です。
少し難しいのでこれをスーパーマーケット市場にて置き換えて考えると
人口動態変数
年齢、性別、職業など、どのような属性の人の来店を促したいと考えるか
地理的変数
居住地としてどこまでのエリア・範囲を狙うのか
心理的変数
趣味、需要、どのような心理を意識して商品を展開するか
行動変数
実際の購買状況や動機、パターンなど、商品に対する書いての知識や行動によってどう分類するか
となります。とても基本的なことですが、自店周辺へエリアマーケティングを行う際に大切な土台となるので、しっかりと細分化して自店のマーケティング戦略を定めましょう。
スーパーマーケットのターゲット層を抽出
セグメント化に続いてやることは、ターゲッティングです。セグメント化により分類し、どのような方向性で行くのか、強みを発揮できるニッチな市場が見えてきているはず。選定には競合する他社がいない部分を選択することが大事で、一般的には市場全体の2割程度を目指すといいと言われています。
自身のお店にて提供できる価値と、顧客(ユーザー)が求めるニーズがマッチするポイントを見決めてターゲッティングをしましょう。セグメント化した要素から、「この商品をこのように訴求すればこのターゲットに届く」という層をピックアップし次のポジショニングへと進みます。
ターゲット層に対する競争優位性を設定
最後はポジショニング。
これは「差別化」とは異なります。差別化というのはあくまでも企業側(店舗側)の利己的な視点であり、自分のお店と他店との比較でしかありません。ポジショニングはターゲット層から見たときの優位点であり、消費者がこれには対価を払う価値や魅力があると感じるのかどうか?その観点で考えます。
このポジショニングが定まらないと、その後のマーケティング戦略が全て抽象的になってしまいます。可能な限り具体的にしましょう。
スーパーマーケットのマーケティングの4P戦略
STP戦略により具体化された後は、実際に行動するための4P(何を、いくらで、どこで、どのようにして)を決定します。4Pとは4つ言葉の頭文字がPであることからそう呼ばれています。
何を?=製品戦略(Product)
スーパーマーケットでいうとわかりやすいのは品ぞろえ。自社の売りたい商品を並べるのではなく、顧客が何を買いたいと思っているのかを理解しそろえるという視点が重要になってきます。
いくらで?=価格戦略(Price)
商品の目星がつけば次は価格帯です。価格×仕入れ×販売数、この関係性のバランスを見失わないようにしましょう。
これは4P戦略のなかでも特に重要な点。
当たり前ですが売上と利益に直結するからです。価格設定は単に高いと利益が取れる、安いと取れないではなく、市場価格を見て「この金額設定ならこれだけの購買行動につながる見込みがあるから利益がでる」という考え方をしないと高くても安くても利益が出ないということになりまかねません。
どこで?=流通戦略(Place)
どこで?というのはスーパーマーケットでいえば、商品棚の構成などです。製品や価格設定に穴が無くても、顧客の目に届くように適切に陳列されていなければ(目に触れなければ)売れません。
どのようにして?=プロモーション戦略(Promotion)
スーパーマーケットでよくあるのが特売商品として卵や牛乳、野菜など、誰にとっても必要性の高いもの(=見込客が多い商品)を安価で目立つところに打ち出し、続いて関係する他の具材や調味料、安価ではなく利益を重視する商品への購入という導線をつくるというもの。
これはフロントエンド商品とバックエンド商品という考え方に基づきます。フロントエンド商品は「集客」商品、バックエンド商品は「本命」商品という意味です。
選ばれるスーパーマーケットへ発想の転換「モノ消費」ではなく「コト消費」
これまでの話は主に、モノ消費を前提とした話でした。ただこれをただ単純に突き詰めていくと、「安くて」「品質の良い商品」を「買いやすく」して、それを「ユーザーに伝えればよい」という結論になってしまいます。しかし実際に選ばれるスーパーマーケットではそれ以上のことが試みられており、それが「コト消費」。
スーパーマーケットにおけるコト消費とは、買うプロセスを良い体験として提供すること。このプロセスを演出することが生き残る店舗になってくると考えます。単純にものを購入するだけではないということも考えてみると、マーケティングの施策は飛躍的に広がりをもつでしょう。
単にモノを買うだけを追求すればとにかく安くて、とにかく楽なのが一番。そんな商品ばかりを取り扱っていても、利益も店舗自体の知名度や話題性も生まれません。食料品でも日用品でも、買い物というプロセスを楽しみたいのは多くの消費者の心にあるものではないでしょうか。
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最後に、今後ますます注目があつまりそうな集客施策について紹介します。
リファラルマーケティング 「知人の紹介」という強力な集客施策
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