フィットネスジム・スポーツクラブのDX導入メリットと成功事例を紹介!
最終更新日:2023年10月31日
フィットネスクラブのDXで活用できるサービスをお探しのご担当者へ
スポーツジムやフィットネスクラブを運営するにあたって、「会員数が思うように増えない」「人件費など運営コストが高い」といった課題を抱えている企業の方は多いのではないでしょうか。
フィットネス業界は、他社との差別化が難しいのが実情です。選ばれる企業になるためには、顧客満足度を上げられるような、強みとなる自社独自のサービスが必要となります。
そこで、競争力を上げるために役立つのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。DXを推進することによって、顧客満足度の向上はもちろん、業務の効率化も実現することができます。
この記事では、フィットネス業界におけるDXの重要性を事例と合わせて解説します。
- フィットネス業界でDXがどう役に立つのか知りたい
- フィットネス業界でのDX導入事例が知りたい
- DXに役立つサービスが知りたい
といった方のための記事ですので、ご興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
フィットネスDXに活用できるサービス早見表
フィットネスDXサービス導入を検討中の方のために、導入可能なサービスを最初に紹介します。フィットネスDXサービスといっても、それぞれ特徴が異なりますので、各サービスの特徴を参考にしながら、自社に合ったサービス選定にお役立てください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
hacomono(ハコモノ) | 入会手続きはスマホで完結!紙での作業は不要 会員管理・予約・決済・スクール管理など、店舗業務をオールインワンで管理 顧客の売上や利用動向をデータで可視化し、経営を推進 |
GYM DX(ジムディーエックス) | ジム設備の利用状況がリアルタイムでわかるサービス |
BeatFit(ビートフィット) | 音声ガイドによるデジタルヘルスケアサービス |
Advagym(アドバジム) | トレーナー不在でもトレーニング内容を自動的に記録 |
+DIRECT(プラスダイレクト) | LINEを活用した機能拡張サービス |
hacomono(ハコモノ)
hacomono(ハコモノ)の特徴
会員・店舗・マネジメント管理がこれ一つで完結!
hacomonoは、フィットネス店舗の運営に特化したサービスで、(1)会員管理(予約・入金・決済)(2)店舗管理(物販・入退館・予約)、(3)マネジメント(月謝自動化・チケット管理・シフト管理)が、これ一つで完結。直接店舗に足を運ばなくても、体験や見学の申込み、入会手続きをオンラインで行えます。
操作も余計な機能やボタンを排除したシンプルなデザインで、直感的に操作できるのもおすすめポイント。フィットネスのみならず、スイミングスクールやゴルフ練習場、サウナ、セルフエステなど、ウェルネス業界全般の店舗運営でも活用できます。
hacomonoの主な機能
hacomonoには、主に次のような多彩な機能が備わっており、フィットネス関連の店舗運営における面倒な作業を効率化します。
- 会員管理…予約・入金・決済・マイページ など
- 店舗内…物販・Iotドア連携・チェックイン・入退館・店頭予約 など
- マネジメント…会員管理・予約管理・月謝自動化・チケット管理・シフト管理 など
こんなフィットネスクラブにおすすめ
- 入会手続きを䛿じめ、紙で䛾事務作業が多い
- 現場スタッフ䛾電話対応、事務作業が多い
- デジタル化・オンライン化・キャッシュレス決済が進まない
hacomonoの導入事例
オンライン手続きで事務作業量を1/3に削減することに成功
入会手続きのためにわざわざお客様にご来店いただき、1時間弱かけて事務手続き…これまで当たり前に行われていた非効率な流れを解消するためhacomonoを導入。個人情報の登録、本人確認書類の提出、決済まですべてオンライン上で完了するようになり、お客様の利便性および、施設での事務作業を従来の1/3まで減らすことに成功。引用元:hacomonoの導入事例(https://www.hacomono.jp/case/case_luex/)
hacomono(ハコモノ)の運営会社概要
会社名 | 株式会社hacomono |
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設立年 | 2013年 |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 東京都渋谷区神宮前2丁目34番17号 住友不動産原宿ビル5F |
URL | https://www.hacomono.jp/ |
GYM DX(ジムディーエックス)
GYM DX(ジムディーエックス)の特徴
ジム設備の利用状況がリアルタイムでわかるサービス
「ジムに行くといつも混雑していて待たされる」「使いたいマシンがいつまでたっても空かない」といった会員の不満を放置していると、退会されてしまう恐れがあります。会員の退会を防ぐためには、スムーズに施設を利用してもらうための工夫が必要です。
GYM DXでは、ジムに専用のAIカメラを設置し、AIによって施設内を監視。リアルタイムで混雑状況を会員向けに配信が可能です。他にも、マシンごとの利用率分析や不正入館の検知といった機能が搭載されており、効率的かつ円滑な施設運営をサポートします。
GYM DX(ジムディーエックス)の運用会社概要
会社名 | 株式会社Opt Fit |
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設立年 | 2020年 |
所在地 | 愛知県名古屋市中区富士見町13-19富士見町八木ビル701 |
URL | https://optfit.jp/ |
BeatFit(ビートフィット)
BeatFit(ビートフィット)の特徴
音声ガイドによるデジタルヘルスケアサービス
コロナ禍で「ジムが休業している」「ジムで人との接触を避けたい」といったような場合、ジムに行かなくてもトレーニングできる環境が必要です。解約されないためには、会員がジムにいる間だけでなく、ジムにいない時のアプローチも必要不可欠です。
BeatFitは、そんなジムにいない時でも、音声ガイドコンテンツでいつでもどこでも楽しく運動の習慣化を実現するデジタルヘルスケアサービスです。
筋トレやヨガ、ウォーキングなど11ジャンルから選択して、会員向けのコンテンツを発信。コンテンツ以外にも会員向けの限定配信を行ったり、イベント情報を発信したりと、効果的に会員へ訴求を行えます。
株式会社BeatFitでは、クライアントの要望に合わせて、BeatFitを活用した会員満足度向上のための戦略立案からサポートも可能です。
BeatFit(ビートフィット)の運用会社概要
会社名 | 株式会社アリストル |
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設立年 | 2018年 |
所在地 | 東京都渋谷区神南1-5-6 H1O渋谷神南606 |
URL | https://www.beatfit.jp/ |
Advagym(アドバジム)
Advagym(アドバジム)の特徴
トレーナー不在でもトレーニング内容を自動的に記録
トレーナーの人件費は、ジム運営の大きなコスト要因。フィットネスジムでは、トレーナーから直接指導を受けるものがあれば、マシンを使うだけで、スタッフ不在でも利用可能なサービスもあります。
Advagymでは、マシンに設置されているセンサーにAdvagymをダウロードしたスマホをかざすことで、会員はマシンの使い方やトレーニングメニューの確認が可能です。
Advagymでは、トレーニング内容を自動で記録し、会員はアプリからいつでもトレーニングデータを閲覧できます。スタッフやトレーナーからはAdvagymを通して、動画やメッセージの配信が可能で、定期的に会員とコミュニケーションを取ることもできます。
Precor Japan 株式会社では、装置の導入からアフターサポートまでワンストップで支援します。
Advagym(アドバジム)の運用会社概要
会社名 | Precor Japan 株式会社 |
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設立年 | 記載はありませんでした |
所在地 | 東京都品川区東品川2丁目2-4天王洲ファーストタワー18F |
URL | https://www.precor.com/ja/commercial |
+DIRECT(プラスダイレクト)
+DIRECT(プラスダイレクト)の特徴
LINEを活用した機能拡張サービス
会員の中には、専用アプリをインストールするのに抵抗があるという人も少なくありません。このような時に役立つのがLINEです。世代問わず利用者の多いLINEであれば、専用アプリをインストールすることなく、友達追加するだけで必要な機能を活用することができます。
LINEと+DIRECTを提携することで、既存のLINE機能にプラスαの機能がつけられます。例えば、+DIRECTを使って、自社の会員証をLINEのトーク画面に表示させることで、店舗で会員証の発行や登録作業を行う必要がありません。
他にも、+DIRECTによって、LINE上で会員情報とSNSの連携やセグメントメッセージの配信といった機能も利用が可能です。株式会社クラブネッツでは、クライアントの組織体制に合わせて、豊富な追加機能から最適な運用体制の構築を行っています。
+DIRECT(プラスダイレクト)の運用会社概要
会社名 | 株式会社クラブネッツ |
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設立年 | 2004年 |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-28-13 渋谷新南口ビル1F |
URL | https://www.clubnets.jp/index.html |
フィットネス業界におけるDXとは?
DXとはそもそのどのような意味なのでしょうか。DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、一言で表すと「デジタルによる変容」という意味です。
DXは本来、「デジタル技術を人々の生活に浸透させ、より豊かなものへと変革する」という概念のことを指しています。ビジネスの領域においては、「IoTやAIといったデジタル技術を活用して、既存システムや業務フローの改善、組織風土の変革を実現する」という意味で使われるケースが多いです。
フィットネス業界でも、DXが求められています。競合他社と差別化するためには、DXによってサービスの利便性を上げ、最適なカスタマーエクスペリエンスを提供することが必要不可欠です。
また、スポーツジムやフィットネスクラブにDXを導入することは、ユーザーが利用しやすくなるだけでなく、スタッフが働きやすい環境づくりにも繋がっていきます。
もしDXを進めていきたいというのであれば、店舗運営の様々な業務を一気通貫で効率化できるシステムを導入することも視野に入れていきましょう。
日本企業でDX化が急がれる背景
デジタル技術によって、組織体制の変革を行うDX。AIなどの技術の発展とともに、DXも今後ますます広がっていくと予想されています。
近年、日本でもDXに取り組む企業が増加していまが、海外と比較して、日本はDXが遅れていると言われています。その背景には、日本の企業を取り巻く以下のような現状があるためです。
レガシーシステムによる問題
レガシーシステムとは、複雑化・ブラックボックス化してしまった基幹ICTシステムのこと。一昔前に主流だったプログラミング言語で構築されていることが多く、近年はそのようなプログラミング言語のノウハウを持っている人材が少子高齢化によって少なくなっています。
また、システムを長年にわたって改築・改造した結果、もともとの構造がわかりにくくなっているケースも少なくありません。
レガシーシステムの管理コストや運用の属人化を課題に感じる企業は多く、このレガシーシステムが企業のDX化を停滞させています。
アナログルールの定着
日本企業にはアナログルールが定着してしまっている企業が多いのも、DXが遅れている理由の1つに挙げられます。
代表的なものでは、紙でのドキュメント管理や「ハンコ文化」です。コロナ禍でリモートワークが普及しつつある中、未だに押印のためだけに出社しなければいけない、という方も多いのではないでしょうか。
日本では、長年に渡って定着したアナログルールを根本から変えることに抵抗のある企業が多く、DXを推進するためには全社的に意識改革から行う必要があります。
コロナ禍がフィットネス業界に与える影響
上記のような背景から、日本企業ではまだまだDXが進んでいないのが現状です。しかし、コロナや自然災害など不測の事態に備えて、どのような環境下でも企業が存続できる経営計画・体制を整えておくことは非常に重要です。
フィットネス業界においても、コロナの感染拡大の影響により、スポーツジムやフィットネスクラブは休業を余儀なくされました。対面での対応が難しい中、オンラインフィットネスやユーザーデータを活用した新サービスの提供など、新しい生活様式に合わせたサービスを展開する企業が急増しています。
新型コロナウィルスという大きな社会情勢の変化に対応して、フィットネス業界のトレンドも日々進化しているのです。現時点では感染拡大が収まりつつありますが、今後もフィットネス業界においてDXを進めることで将来に備えることができます。
フィットネス業界におけるDXのメリット
ここからはフィットネス業界でDXを推進するメリットについて説明していきます。
業務を効率化できる
DXによって、これまで手作業で行っていた作業を自動化し、作業効率を上げることができます。例えば、ジムの見学予約受付や新規会員登録など、手作業で対応していた業務もデジタル化することによって、効率的に運用・管理できるようになります。
手作業による作業を削減することで人為的ミスも減り、少ないスタッフでフィットネスクラブの運営できるようになります。
新しい顧客が獲得できる
スポーツジムやフィットネスクラブの入会手続き、料金の支払いをデジタル化することで、入会のハードルを下げられます。その結果として、新規顧客の獲得が可能になります。
見学予約から入会までの手続きをオンライン上で行えるようにする、LINEから入会特典のクーポンを配布するなど、DXによって見込み顧客に効果的なアプローチが可能です。
顧客満足度の向上が実現できる
会員のトレーニングデータをデジタルツールによって収集・分析することで、データに基づいた会員へのより的確なアドバイスやサポートが可能となります。よりパーソナライズされたサービスを提供して顧客満足度が向上できれば、退会が防止できます。
競合他社と差別化ができる
競争が激しいフィットネス業界において、競合他社との差別化は必須です。そこで、DXによって「自社にしかないサービス」を確立することで、見込み顧客が自社を選ぶ理由づくりを行うことができます。
また、DXを先ほど説明した顧客満足度向上策として打ち出すと、競合との差別化をさらに増やすことが可能です。
社会変化に対応しやすくなる
コロナ禍など、市場の変化に合わせて企業は臨機応変な対応が必要です。DXを導入していればスムーズにデジタルでの取引が可能となるため、サービスの提供方法や内容の変更など、変化に対して柔軟に対応しやすくなります。
フィットネス業界においても、これから企業が存続していくためには、デジタル化を推進できるかどうかは重要なカギとなるでしょう。
フィットネスDXの成功事例
上述の通り、フィットネス業界でDXを推進することには、様々なメリットがあります。しかし、DXには「導入コストがかかる」「既存システムからの移行が難しい」といったデメリットもあります。
そのため、DXを導入する際には、DXによって実現したビジョンを明確にした上で、組織全体で共有し、少しずつデジタル化を進めていくことが重要です。
ここでは、フィットネスDXの成功事例をいくつかご紹介します。これからDXの導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
FURDI(ファディー)
「FURDI(ファディー)」は、最新のAIマシンを使用した女性専用のパーソナルジムです。トレーニング専用のAIマシンはドイツで開発され、2019年に日本でも展開されるようになりました。
FURDIでは、ユーザーは大型画面に映し出されたトレーナーの動きを真似して、トレーニングを行います。マシンの中には、約200種類のトレーニングプログラムが組み込まれており、ユーザーのニーズに合ったプログラムを組むことが可能です。
ユーザーの動きを内蔵カメラによって分析し、リアルタイムでフィードバックを行います。また、AIマシンは、ユーザーにとって便利なだけでなく、トレーナーの長時間労働問題の解決にも役立っています。
A-1スポーツクラブ
A-1スポーツクラブ笹塚店では、AIがジムの利用状況を解析する「GYM DX」を導入。「GYM DX」はAI搭載の専用カメラをジムに設置し、映像から全体の混雑具合を解析するDXサービスです。
会員にリアルタイムで混雑状況を配信。会員は、事前にジムの混み具合や使用したいマシンの空き状況が確認できるため、到着してから待ち時間ゼロでジムを利用できます。
ルネサンススポーツクラブ
全国にジムを展開しているルネサンススポーツクラブは2021年に、フィットネスコンテンツ配信アプリ「BeatFit For Gym」を導入。
アプリでは、ジム会員に向けの特別コンテンツとして、トレーニングプログラムやイベント情報を発信しています。会員はアプリから、筋トレのコツなど、ジムにいる時でも自宅にいる時でも役に立つコンテンツを閲覧し、それに沿ってトレーニングできる「ようになっています。
アトリオドゥーエ
フィットネスジムのアトリオドゥーエでは、ジムの予約・決済システム「hacomono」を導入。hacomonoは、フィットネスクラブをはじめとした店舗の予約・決済・会員管理システムですが、導入したことで、来店予約や決済、入会手続きがオンラインで完結。
店舗側も情報管理の手間が削減され、顧客データに基づいたプログラムを提供するなど、一人ひとりのニーズに合わせた接客ができるようになりました。
ハイパーフィットネス
首都圏を中心に9店舗のフィットネスクラブを展開するハイパーフィットネスでは、受付時に顔認証システムを導入しています。
会員カードによる管理の場合、本人確認の手間やカード紛失の際の事務手続きといった工数が発生します。顔認証システムの導入により、顔データが登録された会員の入場のみを許可。会員カードでの運用よりもセキュリティが強化され、スタッフの業務負担も削減されました。
フィットネスジムDXに関するよくある質問
Q1.フィットネスジムをDX化するメリットを教えてください
会員管理やシフト管理、契約書管理など、これまで手作業で行っていた作業が自動化でき、業務効率化を図ることができます。また、これらバラバラで行っていた業務を一元管理できるメリットもあります。その他、フィットネスクラブをDX化するメリットについては、こちらの「フィットネス業界におけるDXのメリット」をお読みください。
Q2.すでにDXに取り組んでいるフィットネスクラブの事例を教えてください
事例の一つに女性専用のパーソナルジムがFURDI(ファディー)があります。トレーナーの長時間労働を避けるため、顧客の動きを内蔵カメラで撮影し分析するトレーニングマシンを導入。トレーナーが直接指導しなくても自分でトレーニングができる環境の実現に成功しています。他の事例も紹介していますので、詳しくは「フィットネスDXの成功事例」をご覧ください。
フィットネス業界におけるDXまとめ
今回は、フィットネス業界のDXについて解説してきました。スポーツジムやフィットネスクラブの運営は、まだまだ手作業で対応している業務も多く、DXが進んでいないのが現状です。
しかし、新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、デジタルツールを活用してDXに取り組む企業が増えています。DXの導入は、顧客満足度を向上させるだけでなく、働くスタッフの業務効率化にも非常に重要な役割を果たします。
また、他社との差別化が難しいフィットネス業界では、DXによって独自のサービスを展開していくことが重要です。今の時代において競争力を上げるには、カスタマーエクスペリエンスの向上が必要不可欠といえます。
まずは、自社で抱える運営課題を明確にしたうえで、課題に合わせてDXによる改善に取り組みましょう。