物流業界の課題と売上向上を狙える集客戦略について解説
最終更新日:2021年12月23日
本記事では物流業界の課題と、それを打破し売上向上に繋げるためのマーケティング戦略について解説しています。「新規のクライアントが獲得できない」「いつも競合と比較されている」という悩みのある方はぜひ参考にしてみてください。
また、「価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった」といった成果を実現した専門メディア集客施策「ポジショニングメディア」についても紹介しています。
物流業界が抱える課題
物流業界が抱える現状の課題について理解を深めておくことは、経営難の回避や売り上げ向上の打開策を見つけ出すことにつながります。ここでは、物流業界が抱える現状の課題について、具体例をあげながら解説します。
人手不足(特に若年層の不足)
国土交通省のデータによると、流通業界の有効求人倍率は平成21年度以降増加の一途を辿り、全職業の平均有効求人倍率よりも2倍の数字となっています。(※1)
また道路貨物運送業の労働者の年齢構成を見てみると、40歳~54歳の割合が44.2%、15歳~29歳の割合が10.2%と、若年層が中高年層の約4分の1に留まっていることがわかります。(※1)
こうした問題の背景には、労働時間の長さ・賃金の安さがあると考えられます。
トラック運転者の労働時間は、全職業の平均労働時間より約2割長いだそうです。(※1)新型コロナウイルスの流行が始まって以降、EC(インターネット上で行われる、モノの商取引)需要が高まってきた(※2)ことも影響していると考えられます。物流市場は今後も成長が見込める反面、トラック運転者の長時間労働改善に向けて、厚生労働省が策を講じるほどの事態が発生しているのです。(※3)
また、令和元年時点での全産業の所得額平均は501万円なのに対し、大型トラック運転者は456万円、中小型トラック運転者は419万円です。全産業平均よりも約1~2割程度低くなっており、労働時間の長さを考えても、十分な賃金とは言えません。(※1)
※1参照:国土交通省「最近の物流政策について」
(https://www.mlit.go.jp/common/001388194.pdf)
※2参照:日本経済新聞
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ044E10U1A300C2000000/)
※3参照:トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント
(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf)
企業間での価格競争
インターネットショッピングが一般的になってきたところで、コロナウイルスの蔓延がECの需要の増加に拍車をかけました。しかし今度は、急速な市場規模の拡大に物流企業の供給が追い付いていません。
荷主の希望(日の出荷量を増やしたい・誤発送や梱包品質低下を改善したい・配送コストを抑えたいなど)もさらに多様化し、それに応えることが求められているのです。
荷主の希望に応えることを狙う運送業の新規参入企業が増加し、企業間の競争が激化しています。競合が増えると自然と価格競争になりますが、単に安くするだけでは仕事の利益率が下がるため、それを担保するために、より多くの仕事を請ける必要が出てきます。
このために現場の労働環境がさらに厳しくなり、人手不足も加速するといったことが考えられます。企業間の競争に「価格」で勝負をしに行くことで、労働条件の悪さや人手不足といった現状の課題をより悪化させてしまうのです。
業界内での競争の激化から生まれる負のスパイラルが、物流業界の事業継続・成長にとっての大きな問題となっています。
参考:日本公庫総研レポートNo.2019-1「中小トラック運送業者生き残り策」
(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/soukenrepo_19_03_22b.pdf)
参考:物流倉庫プランナーズジャーナルONLINE(https://lplanners.jp/blog/lpj19/)
物流業界の課題の解決に繋がる企業のスキル
今後の物流業界においては、現在よりも他社との差別化が図れるような経営戦略が必要不可欠と言えるでしょう。
まずは、物流業界に求められるスキルについて知っておくことが重要。ここでは、これからの物流業界で企業が持つべきスキルについて、具体例をあげながら解説します。
ワンストップサービスの提供
価格競争から脱し、サービス面で他社との差別化を図るなら、ワンストップサービスを提供するという手があります。
ワンストップサービスとは、メーカー・卸売・小売と、すべての物流プロセスを集約することにより、配送コスト削減・スピードアップを図るサービスです。
一般的な物流では、下記のようなステップを踏んで配送を行っていますが、ワンストップ物流なら、この手順の大幅カットが可能です。
【一般的な物流】
仕入れ先→集荷店→流通業者→荷主→流通業者→配達店→配達先
【ワンストップ物流】
仕入れ先→物流センター→配達先
検品や包装加工、仕分けまでを一貫して行えるため、配送コストの削減や、配送時の破損・紛失などのリスクの軽減が図れます。
参考:近畿配送サービス株式会社HP(http://www.khs-ltd.com/service/)
参考:CPL株式会社HP(https://cpl.localinfo.jp/pages/1884341/page_201805020936)
品質向上
コストカットを重視し過ぎたゆえにサービスの質が下がり、配送ミスが起こったり、商品を破損させてしまったりしては本末転倒です。
消費者からの荷主への信頼が揺らぐことは、物流企業への信頼や受注率の低下にも繋がるからです。消費者が満足できるサービスを提供できなければ、荷主もその企業は選ばないでしょう。
荷主が安心して荷物の配送を任せられるようにするためには、サービスの質を高めることが重要なのです。しかし、一般的なサービスの高品質を主張するだけでは競合との差別化が難しいでしょう。自社で重点を置いているサービス内容をいくつか特定し、それを筆頭に高品質をアピールことがおすすめです。
物流業界の業界課題を乗り越えるための集客方法
物流業界において、自社の売り上げ向上や販売促進を図るには、各種オンラインツールを有効活用することが重要です。インターネットで情報収集を行っているユーザーは年々増加しています。自社の情報をネット上でうまく伝えることができれば、売上に繋がりやすい集客が可能です。
ただし、インターネットを活躍した集客と言っても、ただWebサイトを立ち上げるだけでは成果に繋がりません。ここでは、物流企業のこれまでの集客方法を振り返ると共に、今後売り上げを伸ばすために取り組むべき集客方法について解説します。
「御社だから頼みたい」という反響を獲得するポジショニングメディア
現在、ネット上には比較サイトやポータルサイトがあふれています。知名度の高い比較サイトに載せてもらえば、アクセス数が多い分、反響をとれる可能性があるのも事実です。
しかしそのようなサイトを見ているユーザーは、貴社だけを見ているとは限りません。むしろ、複数の競合他社と見比べている段階であると考えた方が自然でしょう。このため、反響が成果に繋がるかは、営業のスピード感や他社よりどれだけ勝っているかによるところが大きいのです。
それに対して、自社のサービスについてよく知ったうえで、「御社だから頼みたい」という反響がとれたならどうでしょう。こうした反響を実現する手段に、「ポジショニングメディア」という施策があります。
ユーザーがWebサイトにアクセスした時点で自社で提供できるサービスを求めているため、他社と競る必要はありません。また、このように集まってくるのは確度の高いユーザーであるため、成果に繋がらない顧客対応に費やしている時間も少なくなります。
ポジショニングメディアを導入した結果、お客様から下記のような喜びの声をいただいています。
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように
自社に適した成約率の高いユーザーを送ることができるポジショニングメディアについて興味がある方は、こちらより詳細をご覧ください。
BtoB向けポータルサイト・比較サイトの利用
ポータルサイト・比較サイトの最大の利点は、アクセスしているユーザーの数が大きい点です。自社の情報を優良な枠に掲載できれば、あっという間に多くの見込み客に認識してもらうことできます。
ポータル・比較サイトの掲載に必要なのは企業の基本情報と事業内容の短い原稿だけの場合が多いです。そのため準備にあまり時間がかからない・簡単に始められるというのも利点です。
一方、ポータル・比較サイトはサイトによっては商圏に偏りがあり、利用料自体が負担になるなどの懸念点もあります。それぞれのサービスの特徴を踏まえ、よく比較検討してから利用しましょう。
物流向けの比較・ポータルサイトには、下記のようなものがあります。
- ブツレボ
- 運び方.com
- 比較.jp
- 比較biz
自社ホームページによるオンライン集客
オンライン集客の第一歩として、まずは自社HPの作成・運用(既に運用している場合は改善やリニューアル)を検討しましょう。情報収集の方法としてインターネットが主流になってきている現代において、自社情報をネット上に露出することは大変重要です。
自社のHPを運用することで、サービスの利用を検討しているユーザーとの接点を増やすことができ、問い合わせ件数や契約数の増加にも繋がります。
ただし、企業情報を意図なく置いただけのHPでは高い効果は得られません。ユーザーが求めていることは何なのか、自社はどういったサービスで応えられるのかといったことを熟考し、それをサイトに反映しましょう。また、見込み客が問い合わせをしやすいフォームやその他の連絡手段の用意も大事です。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、若者向けのマーケティング手法として見られる傾向にあります。
しかし総務省がSNSの利用状況を6歳~80歳以上を年代ごとで区切って調べたところ、すべての世代で個人のSNS利用率が高まっていることがわかりました(2021年時点)。さらに、企業ごとのソーシャルメディアサービスの活用状況を見ても、すべての業種で利用率が増加しています(2017年と2018年の比較)。
こうした状況を踏まえると、集客にSNSを活用することは効果的だと言えます。
SNSマーケティングとは、主にInstagram・Twitter・Facebook・LINEなどを活用したものです。
企業のアカウントを作成し、自社について発信・ブランディングを行うものや、SNSを通じて広告を打つ・ユーザー参加型のキャンペーンを行う、もしくはSNS上で多くのファンを持っている人にサービスをPRしてもらうなど、その方法は多岐にわたります。
メリットとしては、自社の認知度を上げられる、ブランディングに役立つといったことが挙げられます。また、SNSではユーザーと直接コミュニケーションをとれるため、企業・顧客間での繋がりを生むこともできます。
自社サービスのターゲットと親和性の高いSNSを使い、明確な目標設定・成果分析を行いながら運営をしていけば、自社サービスの成長に繋がるでしょう。
参照:総務省「令和2年通信利用動向調査」
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/210618_1.pdf)
参照:総務省「平成30年通信利用動向調査」
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf)
物流業界の課題を売上視点から解決するなら
物流業界の課題について理解を深めておくことは、今後より売上向上・自社が発展していくうえで重要です。
キャククル運営元のZenkenでは、120業種以上のWebマーケティング支援を行ってまいりました。もし現状の集客施策において「集客はできているが成果に結びつかない」「より自社の強みを市場に浸透させて効率的なマーケティングをしたい」とお考えでしたら、お気軽にご相談ください。