写真館・フォトスタジオの経営戦略や業界課題を知る
最終更新日:2024年07月25日
写真館・フォトスタジオが置かれている状況
写真館・フォトスタジオが現在置かれている状況は、正直に言うと厳しいです。なぜ厳しくなっているのか解説していきます。
スマホやデジカメによる写真撮影が日常化
昔は今ほど写真撮影が日常化していなかったので、成人式の日や入学式のような一大イベントの時に、写真館やフォトスタジオを訪れていました。しかし最近では、スマホやデジカメが普及し、気軽に撮影することができます。
そのうえスマホやデジカメで撮影すれば、写真館やフォトスタジオを訪れる場合と違って料金も発生しません。
もちろん写真館やフォトスタジオも素晴らしいサービスですが、手軽さという面においてはスマホやデジカメのほうが優れていると言えます。
年々大きく向上するスマホやデジカメの写真技術により、写真館やフォトスタジオが受ける打撃は非常に大きいです。
子供向け写真が人気
写真館やフォトスタジオの状況が厳しい中、子供向けの写真は現在でも2つの理由から根強い人気があります。
子供向け写真に人気がある1つ目の理由は、子供の成長記録を残したいと考える人が多いからです。
スマホやデジカメでも写真は保存できますが、せっかくならクオリティの高い写真で撮影したいと両親や祖父母は考えます。
子供向け写真が現在でも人気なもう1つの理由は少子化です。少子化で昔より子供が貴重な存在になって、子供1人にそそぐ愛情が強くなっています。子供への愛が強くなった証拠に、シックスポケットという言葉が誕生したほどです。
両親だけでなく両祖父母が子供の成長記録を残していきたいと考えるので、子供向け写真は現在でも人気あります。
コロナ禍でハレの日需要が減少
コロナ前であれば七五三や成人式などのハレの日には、写真館やフォトスタジオで写真を撮ってもらう方もや、
また結婚式を控えるカップルの中には、結婚式を行えなくても写真だけは残しておきたいと考える人もいます。
しかしハレの日に行われるさまざまなイベントは、コロナの影響で軒並み中止になりました。
結果的にハレの日需要が激減し、写真館やフォトスタジオは大きなダメージを受けています。
倒産件数・負債総額は過去最多ペース
さまざまな要因で追い込まれている写真館やフォトスタジオは、倒産件数も増えています。
東京商工リサーチが行った調査によると、2016~2019年の写真業界の倒産件数は以下の通りです。
年代 | 倒産件数 |
---|---|
2016 | 22 |
2017 | 20 |
2018 | 21 |
2019 | 17 |
2020(1~9月) | 19 |
参考:写真撮影や現像など「写真業界」動向調査 | 東京商工リサーチ(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201029_01.html)
コロナが発生した2020年は1年を通したデータではありませんが、9か月分で他の年代の倒産件数に迫っています。
さらに2020の負債総額は25億5,600万円と、前年同期比で約8倍も増加している結果になりました。
写真館やフォトスタジオがいかにコロナの影響を受けているのかわかるでしょう。
コロナは今後も続く可能性が高いので、どのような経営戦略を用いて運営するのかが大切になってきます。
写真館・フォトスタジオの経営戦略でおさえるべきポイント
写真館やフォトスタジオの経営戦略でおさえるべき5つのポイントを解説していきます。
写真の高付加価値化の実現
写真館やフォトスタジオを運営していくには、写真撮影はもちろん、プラスアルファの価値を示すことが大切です。
付加価値の付け方はさまざまですが、最低限考慮すべきことは同業他社と被らないことです。特に大手のまねをしても顧客はつきません。
大手は実績と信頼性があるので、よほどのことがない限り中小のフォトスタジオを訪れないでしょう。大手やその他の会社に勝つためにも他社のサービスを研究して、ライバル社で行っていない付加価値を与えると大きな効果を得られます。
コロナ禍に対応したサービスの開発
お客さんにとって写真館を訪れてコロナに感染するリスクは避けたいことです。顧客を引き付けるためには、まず徹底したコロナ対策が求められます。
検温やアルコール消毒はもちろん、スタジオに不特定多数の人が集まらない工夫も必要です。
例えば撮影会はプライベート空間で行う、スタジオは完全予約制にするなど制度から変えていきましょう。
徹底したコロナ対策を講じることで、多くのお客さんに安心してもらえるようになります。
インターネットを活用したビジネス展開
最近では写真館やフォトスタジオでもIT化が進んでいます。IT化によって写真販売システムにも、インターネットを利用することが可能になりました。
通常の写真撮影は、スタジオに訪れて写真撮影をしたのちに、お気に入りの写真を現地で決めていきます。
一方でインターネットを活用した写真撮影は、スタジオで撮影した後に、写真が専用ページにアップロードされる仕組みです。写真選びは自宅から専用ページを訪れることで行えます。
コロナ対策になるのはもちろん、ライバル社との差別化も図れるので、売上アップにもつながるでしょう。
スマホ・デジカメ写真に関するサービスの展開
写真館やフォトスタジオで撮影した写真は、スマホにデータ移行できるようにしたほうが良いです。
撮影した写真はアルバムで保管する人も多いですが、アルバムを使用したくない人もいます。
アルバムは保管に適していますが、デメリットもあります。
- 保管の場所を取る
- 外出先では写真を見られない
- 紛失の可能性がある
一方でスマホに保存できればいつでも気軽に閲覧できます。見たいと思った時にすぐに見られるのがメリットです。
そのうえスマホであればデータで写真を保存できるので、削除しない限り紛失することもありません。データが残っていれば現像することも可能なので、アルバムを作り直せます。
最近では写真館やフォトスタジオにおいて、スマホやデジカメ関連のサービスを組み入れることは必須になっています。
スマホやデジカメ関連に適応していなければ、ユーザーの満足度が下がるので注意が必要です。
新たな撮影シーンの掘り起こし
写真館やフォトスタジオの集客力を上げるためには、今までにはない撮影シーンを用意することも大切です。
大手の写真館やフォトスタジオの場合は、結婚式や入学式、家族写真などさまざまなシーンに合わせた撮影環境が整っています。
一方で中小の写真館やフォトスタジオは、大手ほどの撮影シーンは用意できなくても、大手が用意していない撮影シーンを構えると効果的です。
例えばニッチなジャンルで攻めたり、特定の分野に特化したりすることで大手と勝負することもできます。
こだわった撮影シーンでひとたび話題になれば、評判が評判を呼び人が集まります。
経営戦略のひとつとしてメディアの活用もあり
写真館・フォトスタジオの経営戦略にはさまざまな方法がありましたが、Webメディアの活用も効果的です。
Webメディアの中でも、オウンドメディアやポジショニングメディアは大きな効果が期待できます。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で保有している情報を発信するためのメディアです。オウンドメディアを利用することで5つのメリットを得られます。
- 読者がオウンドメディアの記事を読むことで自社の信用度が上がる
- 読者をファンにできる
- 自社の強みをアピールできる
- 広告費の節約になる
- オウンドメディアで会員登録してもらえば顧客データを活用できる
オウンドメディアを利用する大きなメリットは、自社の魅力を発信しながらファンを獲得できるところです。
オウンドメディアで自社の強みをアピールしていると、読者に自社の魅力が伝わっていきます。魅せられた読者の中には「ぜひともこのサービスに任せたい」と感じる人もいるでしょう。
宣伝効果が高いオウンドメディアですが、効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。
オウンドメディアの記事数が少なければ読者が訪れず、ユーザーに情報が伝わりづらいです。すぐに効果を得られるものではないので気を付けましょう。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは競合他社と自社の立ち位置を明確にしたものです。
同一の業界内で同業他社に勝つためには差別化が必須です。似たようなサービス内容であれば、信頼性の高い大手に顧客が流れてしまいます。
大手と勝負するためにも同業他社との違いを明確化し、他にないサービスを打ち出すことが大切です。
同業他社との差別化を図るのに効果的な方法の一つが、ポジショニングメディアに当たります。
ポジショニングメディアを詳しく知りたい方は、キャククル運営元のZenkenにお問い合わせください。
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写真館・フォトスタジオの運営は経営戦略が重要
写真館やフォトスタジオが陥っている状況や経営戦略の具体例を紹介してきました。
写真館やフォトスタジオはスマホやデジカメの日常化やコロナの影響で、不利な状況に置かれています。2020年には写真業界の倒産件数が過去最多になるほど深刻です。
倒産の荒波にのまれないためには、経営戦略が大切です。どのような方法で運営し、他社との差別化を図るのか検討しなければいけません。
写真館やフォトスタジオの経営戦略にはさまざまな手法がありますが、メディア運用を利用するのも一つの手段です。
オウンドメディアやポジショニングメディアを活用すれば集客力を上げられます。
写真館やフォトスタジオの具体的な集客方法を知りたい方は、キャククルが紹介する下記のページをぜひご覧ください。