デイサービス(デイケア)の集客・利用者獲得に使える広告戦略を紹介
最終更新日:2023年09月20日
少子高齢化が進む中、高齢者の人口増加による医療や介護福祉の問題にどう対応するかが喫緊の課題となっています。いわゆる「超高齢化社会」を迎えているのです。2022年の統計では総人口は減少しているのに高齢者人口は3627万人、割合は29.1%と過去最多を記録(※1)しています。
※1引用元:総務省統計局/高齢者の人口(https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1321.html#:~:text=総人口に占める高齢,29.1%となりました。)
この記事では、医療・福祉業界の人材不足や社会保障制度の財政不足などの問題を抱える介護業界において、生き残っていくための広告戦略について解説しています。
また、売上につながる成約率の高い集客を実現するためのポジショニングメディア戦略についてもご紹介しています。
集客・広告戦略を考える前に振り返るデイサービスの市場状況について
超高齢化社会を迎え、財源確保の問題を背景にした介護報酬の削減や対象者の見直しなど、介護業界を巡る環境は刻一刻と変化しています。介護事業者にとっては非常に厳しい状況ではあるものの、要介護のニーズが増えている以上、市場規模も事業所数も拡大傾向が続くことは間違いありません。
わが国の財政面からも、介護報酬がダウンすることはあっても、介護サービスの単価が上がる可能性は低いと言わざるを得ません。デイサービスやデイケアのような通所系サービスの場合ならなおのことです。これから先の厳しい介護業界で生き残っていくためには、徹底的に集客に力を入れて多くの利用者を獲得していく必要があります。
デイサービスの集客や利用者獲得でよくある戦略課題
介護保険制度が設立された当初から、特にデイサービスのような通所系サービスでは「1人でも多くのケアマネジャーにパンフレットを配る」といった直接営業の手法が取られてきました。言ってしまえば、集客や利用者獲得は「ケアマネジャー次第」だと考えられていたのかもしれません。
当時は確かにそれでもよかったのですが、以前とは比べ物にならないくらい事業所が増えた現在では、それだけでは有効な集客施策とはいえません。むしろ、ケアマネジャーも暇ではありませんので、次から次と営業に来られては「仕事の邪魔だ」と思われている可能性すらあります。
あらゆる業界にいえることですが、競合他社が多い場合に考えなければならないことは差別化、つまりブランディングです。デイサービスの場合では、どんな強みを持った事業所なのかを、ケアマネジャーだけではなく地域社会全体に伝えていかなければなりません。
直接営業だけでは遠からず限界が見えてきます。営業以外の集客ノウハウをしっかりと考えていくことが、利用者獲得に向けた大きな課題だといえるでしょう。
事業所の強みを理解した上で集客・広告戦略や営業ができているか
「貴社の事業所の強みはなんですか?」と聞かれた時、すぐに答えられる方はどれくらいいるでしょうか?自分の事業所の強みをしっかりと理解していなければ、効果的な集客や営業を行なうことはできません。他の事業所と比べてどんな強みがあるのかを把握し、稼働率を高めていく集客施策を立案する必要があります。そのポイントは以下の通りです。
サービスの対象者を絞れているか
極端な話、「どんな方でもどうぞ」という事業所があります。これは通所系サービスにありがちなのですが、利用者を1人でも多く増やしたいと願うあまり、要介護度の低い方から高い方までどんな利用者でも受け入れているパターンです。
幅広い介護スキルと豊富なスペースや人員体制が整っているならば可能かもしれませんが、そんな恵まれた事業所はなかなかないでしょう。要介護度という観点からサービスの対象者を絞っていかなければ、サービスやケアの提供内容、機能訓練などのすべてが中途半端になってしまいます。
特長はあるか
通所系サービスを選択するにあたって重視される点は、機能訓練の内容や認知症対応、食事や入浴などです。そのいずれかで、他の事業所を上回るレベルのサービス提供ができなければ特長とはいえません。よく聞く「明るいムード」「家庭的な雰囲気」といった抽象的な売り文句は、決して強みとはいえないのです。
そして大事なことは、それらの特長を常に見直し続けていることです。機能訓練でいえば、何年も同じプログラムを続けているようでは飽きられてしまいます。
接客・営業品質は担保出来ているか
利用者を獲得するにあたり、大切なのは運営側の「人」の要素でもあります。この「人」の要素は、利用者獲得率の向上だけでなく継続率や紹介の促進、良くも悪くも様々なマーケティング要素に複雑的に絡み合ってきます。
自社が目指したい方向性に対して適切な人材を獲得をする仕組みが構築出来ているかが、経営効率の改善を左右していきます。そのためにも、自社の目指している方向性や欲しい人材に関する情報をアピールし、またそういった人材がいる市場に対して独自の採用メディアを構築することも念頭に入れてみましょう。
集客・広告戦略の要は自社に合った「エリアマーケティング」を意識すること
デイサービスやデイケアといった通所系サービスには送迎がつきものです。利用者や家族にとってはありがたいサービスですが、日々の送迎体制のやりくりに苦慮している事業所は少なくありません。こうした部分からも、エリアマーケティングという考え方を意識しなければなりません。つまり「商圏」を第一に考えることです。
自分の事業所を選んでくれるのはありがたいことですが、あまり遠方まで送迎範囲を広げれば効率が悪くなります。事業所から一定のエリア内でたくさんの利用者を獲得できることが集客戦略のポイントです。地域別の年齢層などを公表している役所も多いので、そういったデータも参考にしつつ、集客のターゲットを絞り込んでいくといいでしょう。
そもそもマーケティング観点における「地域」とは
デイサービスに限りませんが、介護事業所において集客を考える場合、まずはその根幹となる「役所では地域」について理解を深める必要があります。
そもそも「地域」とはどこまでを指すのか?送迎という観点でいえば事業所からの「距離」ということになりますが、交通事情の良し悪しや事業所の数などの要因から、市町村という大きな枠で区切ることもあります。
ここで気をつけなければいけないのは、「地域」とはスタッフが住んでいるところではなく事業所の所在地を指すということです。その地域が意外と身近なものではなかったり、スタッフ同士でもなじみに差があったりと、事業所の共通認識としての「地域」の理解を深めることが難しい場合もあるということです。
エリアマーケティングにあたっては、現在の利用者の状況も考慮しながら、事業所にとっての「地域」とはどの範囲を指すのか、スタッフ同士でもよく話し合いながら決めていく必要があるでしょう。
「地域ケアマップ」をつくる
事業所の「地域」をどこに設定するかが決まれば、次はその地域を理解することが必要となります。そのためには「地域ケアマップ」をつくることをおすすめします。
ケアマップは単なる地図ではありません。大切なのは、その地域にある介護事業所の位置ではなく機能です。地域の中にどのようなニーズがあり、それに対してどのような介護事業所があるのか、そして自分の事業所はどのように作用しているのかを表した相関図のようなものだと考えましょう。
これをつくることで地域の要介護者の流れをシミュレーションすることができ、ターゲットを絞り込むことが可能になります。自分の事業所の存在感を高めるためのエリアマーケティングとして、非常に有効な方法になります。
デイサービス・デイケアの集客方法・広告戦略
集客のためには「強み」と「エリアマーケティング」が大切だということがおわかりいただけたと思います。次に、具体的な集約方法について考えてみましょう。ここでは広告戦略について触れていきます。
ポスティング広告・チラシ広告
どこの事業所でもチラシをつくって配布した経験をお持ちでしょう。目に見えるような効果はありましたか?配布にあたって新聞の折り込みを利用する事業所もありますが、広域にわたってチェーン展開している事業所ならばともかく、エリアマーケティングの観点からいえば対象地域が広すぎることになるのでおすすめできません。そもそも、対象者がいない家庭にも配布されるので非効率です。
ここはやはりポスティングがおすすめです。高齢者が多く住んでいそうな集合住宅などに集中してポスティングを行なうことで、地域を限定して利用者を獲得することにもつながります。
事業所の写真を有効に使う
多くの事業所が趣向を凝らしたチラシを作っていますから、似たようなデザインになってしまうこともままあります。そこで、差別化を図る意味でもチラシには自分の事業所の写真を使うのがおすすめです。費用はかかるかもしれませんが、プロのカメラマンに撮影してもらったほうが見映えのする写真になります。また、ありふれたフリー素材のイラストなども避けることで、受け取った人の目に留まるような、オリジナリティあふれるチラシに近づきます。
チラシには費用のことも明記
事業所にとっては当たり前すぎて見落としがちになっている情報が費用です。介護系サービスの紹介では、費用を無視して検討することはできません。ですから、ざっくりでもかまわないので、介護保険の仕組みと自己負担についても触れておくことが大事です。
googleマイビジネスへの掲載
無料で登録できるGoogleマイビジネスに掲載すると、Googleで検索した際、お店の場所がマップ上に表示されるようになります。検索時にはナレッジパネル(画面右側に表示される、事業所の基本情報や画像のこと)が表示され、例えば「デイサービス+地域名」で検索すれば、ユーザーの現在地によってマップ上に表示することもできます。
そして、注目すべきは口コミ情報です。現在ではあらゆる業界の口コミ情報がネット上を飛び交っていますが、もちろん介護業界も例外ではありません。ケアマネジャーは自分の大切な担当利用者を紹介するわけですから、事業所の評判には非常に敏感です。口コミはその最たるものかもしれません。良質な口コミを集めることができれば好印象につながること間違いなしです。
ホームページのSEO/コンテンツSEO
利用者本人や家族、ケアマネジャーはもちろん、病院で患者さんの退院後の生活を考えているケースワーカーなどの関係者は、まずホームページに着目します。介護業界においても、以前では見られなかったような手の込んだホームページを見ることも多くなりました。
そんな力作ともいえるホームページを多くの利用者や家族、関係者に見てもらうために考えなければならないのがSEO対策です。ただ、しっかりキーワードを盛り込んで華やかなデザインのホームページをつくっても、肝心の中身が今ひとつではアクセス数は伸びません。大切なのはコンテンツSEOを充実させることです。
例えば、いいデイサービスを探すとなると、「デイサービス+歩行訓練」や「デイサービス+入浴」といったような深い検索がされます。そういったニーズに応えられるような内容にしていくと、多くの人の目に留まり、関心を持ってもらえるようになります。
また、特長や強みを前面に出した上で、それを活かすために事業所でどんな取り組みを行なっているか、そういった事例なども積極的に盛り込んでいきましょう。地域社会に向けたブログコンテンツなどもおすすめです。
ホームページの「成長」を止めないこと
コンテンツSEOを考える上で、大事なことはホームページの「更新性」です。事業所のサービスプログラムがずっと同じでは飽きられるように、ホームページも更新されなければやがて誰も見てくれなくなります。ホームページの「成長」を止めないようにすることがコンテンツSEOの肝であり、時間はかかりますが将来の集客につながっていきます。
エリアマーケティングを意識したポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、ユーザーのニーズと企業の特長をつなげるためのポイントをまとめているサイトであり、単純なポータルサイトのような企業一覧ではなく、数ある企業をエリアで絞り込んで詳細な情報を紹介しています。介護業界においてもさまざまなポジショニングメディアが存在します。
デイサービスで言えば、地域ごとに存在する事業所について、その特長や強みをアピールすることができます。他の事業所との差別化ができ、ニーズに合った利用者さんに魅力を伝えられ、ユーザーにとっても最適な事業所選びが可能になります。わかりやすくいえば、「○○駅前のおすすめランチ10選!」といったサイトの中から自分の好みのお店を探す、といった感じでしょうか。
デイサービスは地域密着型の介護サービスですから、エリアとジャンルに特化したポジショニングメディアの利用価値は高いと思われます。そこで事業所の特長や強みを伝えた上での集客ができれば、地域でのブランディング確立にもつながります。
デイサービス集客方法・広告戦略まとめ
拡大傾向にある介護市場とはいえ、競合が非常に多いデイサービスやデイケアのような通所系サービスでは、地域内で選ばれる集客戦略を組み立てるためには熟練したノウハウが必要です。事業所の特長や強み、そしてエリアマーケティングの考え方を理解した集客の施策を徹底して行なうことができなければ、安定した経営は難しいといえるでしょう。逆に言えば、これらの条件をクリアした施策が実行できれば、非常に大きな効果が期待できるということです。
当サイトを運営するZenkenのWebマーケティング戦略は、「エリアポジショニングメディア」「オウンドメディア」など、あらゆる広告戦略に通じています。そして、膨大な数のサイト制作と運用ノウハウをもとに、他の事業所との差別化を図り、ユーザーに選ばれる集客を実現しています。
・安定的な集客を実現したい
・地域で選ばれるデイサービス、デイケア事業所になりたい
・ターゲットを絞った利用者獲得を目指したい
多くの事業所がこのような願いを持っているはずです。エリアマーケティング戦略による広告効果の最大化で豊富な集客実績を上げ続けている同社に、ぜひ一度ご相談ください。