スタートアップ企業が優先すべき営業方法と戦略とは?
最終更新日:2022年12月18日
「投資した資本を直ぐに回収して急成長を図りたい」、「革新的なサービスで事業規模を拡大したい」など、スタートアップ企業としての取り組みに不安を抱えていませんか。
スタートアップ企業が優先すべき営業方法と戦略を解説しています。スタートアップとして何から始めるべきか、頭を悩ませている企業は本記事を活用して対策を講じてみてください。
急成長を目指すなら、営業手法の見直しを図りませんか。
そもそも、スタートアップとは
スタートアップとは急成長予定の組織を指す言葉であり、設立年数・規模は問われません。
短期間で急成長を見込める業界・業種は、スタートアップ企業ならではの営業と戦略が大切です。対して、堅実に一歩ずつ成長していく体系は、スモールビジネスと呼ばれます。
イノベーションを起こす企業
イノベーションを起こしているのもスタートアップ企業の特徴です。商品・システム・ビジネスなどで新たな考え方や技術を導入して、社会に大きな変革をもたらしています。
例えば、イノベーションを起こしたスタートアップ企業として有名なのはAppleです。いわゆるガラケーが一般的だった時代にiPhone(スマートフォン)という新たな形を見出し、社会に大きな影響を与えました。
短期間で急成長を遂げる
スタートアップは、短期間で急成長を実現するケースもあります。Jカーブと呼ばれる成長曲線を描き、赤字から一転して黒字化するのが特徴です。
例えば、USJはオープン当初こそ1,100万人の来場者を誇り黒字化していたものの、2年目に700万人台へと落ち込み赤字が続きました。2010年6月にマーケターの森岡毅氏が入社し、次々と目玉企画を発表。
わずか3年で1,000万人まで来場者が回復する急成長を見せました。2014年には1,200万人、2015年には1,390万人の来場者をマークするなど、成長を遂げています。
スタートアップ企業とベンチャー企業の違い
スタートアップ企業とよく混同されるのが、ベンチャー企業です。
ベンチャー企業は、「新しいもの」ではなく、既存ビジネスに変化を加えることが多く、また小規模であるのが特徴。規模を問わず、革新的なアイデアで社会に変革をもたらすスタートアップとは異なり、堅実な経営を行うスタイルを指します。
ベンチャー企業は、銀行からの融資や補助金を活用して経営を開始するスタイルが多く、スタートアップは革新的な新規ビジネスを創出する企業であるため、投資家から資金を調達するのが一般的です。
スタートアップで採用したい営業方法
スタートアップとは、イノベーションを起こして社会を変革するために立ち上げられる組織のことです。ベンチャーとは違い、スタートアップは新しい商品・サービス・事業を展開するため、一般的な営業方法では収益につながりにくいという側面があります。
例えば、下記のようなベンチャー企業型の営業はスタートアップには少々不向きです。
- テレアポ
- 飛び込み営業
- メール営業
- チラシ配布
- 自社メディア集客
- 市場調査
- ターゲットの絞り込み
- 営業フローの定型化
立ち上げ後のスタートアップは、短期間で投下資本を回収するために、収益性を高める必要があります。スタートアップこそ営業が必須ですが、優秀な営業経験者、ハイパフォーマーがいなければ打つ手がなくなることも。そこで、スタートアップにおすすめな営業手法を紹介していきます。
セールスイネーブルメントに取り組む
セールスイネーブルメントとは、営業組織を強化する(改善を図る)取り組み。営業活動の最適化を図ります。営業活動の最適化には、自社の課題抽出が必要です。
社内のデータを蓄積し、実行した施策がどのくらい企業業績に寄与したかを把握しましょう。
また、ハイパフォーマーと同じ営業成績が上げられるように、営業ノウハウを共有化し、施策の実行から評価(個人評価含む)までを一貫して監視する部署を配置することも大切です。
ここでは、セールスイネーブルメントの手法と、活用できるツールについて紹介していきます。
社内データを蓄積する
まず、営業の最適化に必要なデータ取得から始めます。データの取得にはCRM・SFAツールの利用がおすすめです。
個人のメモや記憶、バラバラの管理ツールに頼っている場合は、一元管理ができるツールを導入するだけでも、効率化が図れます。顧客データ・商談データ・スタッフの教育データを蓄積し、売上につながる顧客の属性や、ハイパフォーマーの営業スタイルを可視化させましょう。
営業施策の検証で改善を図る
PDCAサイクルを回すためには、データの蓄積・施策の実施・施策の解析がセットで求められます。
セールスイネーブルには、営業施策の成果検証が必須です。営業担当者の教育研修や営業施策がどのくらい企業業績に寄与したのか、貢献度合い・目標到達までの進捗状況を可視化しましょう。
分かりやすい数値で言えば、「かかった時間に対してどれだけの売上を上げられたか」、でしょう。しかし、どの数値を採用するのが適切かは企業ごとに異なるため、数値の選別も必要です。
ハイパフォーマー頼りの営業を止め、属人化を防止
セールスイネーブルは、組織の営業力を底上げする手法です。営業部署のエース頼りになっている場合は、そのノウハウを共有してもらい、営業担当者が等しく売上を立てられるようにします。
まずは、ハイパフォーマーが誰かを選定し、持っているノウハウを出してもらいます。次に、ノウハウを共有・蓄積するためのルール作りやツールの導入をしましょう。
そして、成果検証を行うと同時に、ノウハウの周知徹底を行います。ノウハウの抽出・共有・周知徹底のどれが欠けてしまっても、属人化リスクがあることを把握しておきましょう。
個人の評価をして組織全体の営業力を強化
セールスイネーブルでは、営業担当者個人の営業力を可視化し、適正な評価を付ける仕組みづくりが必要です。
ハイパフォーマーとの差を把握し、個人の営業力強化を計っていくことで、組織全体が底上げされていきます。また、ノウハウの共有を「良し」とする評価基準を設けることで、ハイパフォーマーが実績を独り占めすることもありません。
スキルを持っている社員・そうでない社員の双方にとって、組織の営業力を高めることが評価される仕組みづくりをしましょう。個人の営業力を評価し、適正な育成や施策を実施できるように、専門部署を配置するのがおすすめです。
セールスイネーブルメントの活用ツールについてはこちらで紹介しています。
啓蒙目的のWebメディアを立ち上げる
インターネット上に情報があふれる昨今、集客や収益のためだけに従来の手法を使ったWebサイトSEOでは、ターゲットにアプローチしにくくなっています。
リスティング広告などのWeb広告も有効ですが、受け皿となる公式サイトやLPの質も問われます。
そこで、啓蒙を目的としたWebメディアの立ち上げが近年ますます注目を集めるようになってきました。
既存のWebサイトSEOでは潜在的なニーズに刈り取りが難しい
公式サイトだけでなく、自社の認知度を高めるためのオウンドメディアやSNSを運用してPRする企業が増えてきています。
したがってSEOはすでに多くの企業が取り組んでおり、差別化を図るのが難しいのに加えて、潜在的なニーズの刈り取りが難しいという側面があります。
例えば、「健康のためにヨーグルトを食べよう」と考えているユーザーに対して、既存のSEOで上位表示されているサイトは有効です。「食べたい」と考えているユーザーは、ニーズが顕在化しているため、検索キーワードも明瞭になっているためです。
そのため、「お腹の調子を整えて健康になりたい」という考えで止まっている人(ニーズが顕在化していない人)に、ヨーグルトを食べてもらおうと思っても、一般的なWebサイトSEOでは、なかなかアプローチがしにくいのがわかるでしょうか。
そこで、潜在的なニーズを持つ人にも「啓蒙」できるWebメディアの立ち上げです。「お腹の調子を整えたいならヨーグルトを食べましょう」と啓蒙することで、ニーズを顕在化できます。
Webメディアにもいくつかタイプがありますが、最近各社が力を入れているのが、公式サイトやブログ、SNS、自社が独自に運用するWebメディアといったオウンドメディア施策です。
ポジショニングメディアもオウンドメディアのひとつ
検索しているユーザーの中には、緊急性があって検索している人も、浅く広く情報収集をしている人もいます。
ただユーザーを集めればいいというのではなく、「顧客になる売る人」が集まるようにしなければ意味がありません。
競合他社と自社とを網羅的に比較して、潜在的なニーズを持つ人に訴えかける「ポジショニングメディア」。ポジショニングメディアは、Zenkenが制作するオウンドメディアです。自社の商材に興味がある見込み客だけを集客できる点が特徴。
ポジショニングメディアは自社にしか提供できない価値を明確にし、訴求することができます。また、ブランディング・認知拡大につなげることも可能です。
啓蒙目的のメディアは企業が起こす変革を訴求でき、営業力を強化できる
スタートアップ企業は、営業の活動の一環として、企業が持つ社会的意図、アイデアやサービスによるパラダイムシフトを発信するのが有効でしょう。
認知拡大を図って、企業が新たな取り組みを図り、社会変革を起こすイメージを持ってもらうことが大切です。
そのためにも、Webサイト・メディアを作成するのをおすすめします。メディアそのものはもちろん、サイトを土台として、各種SNSや動画プラットフォームとの連携など、さまざまな営業活動にも利用できます。
以下にZenkenが制作・運用を手掛けたメディア事例を紹介しています。各メディアの概要を記載していますので、具体的なイメージがわかない方は下記の制作事例をチェックしてみてくださいね。
メディアの制作事例をチェック
スタートアップの営業戦略
ここからは、スタートアップ企業に必要な営業スキル・営業の仕組み・プロセスを紹介していきます。取り組むべき営業戦略が何かを考えて、自社で必要な戦略を整理していきましょう。
スタートアップは競争から抜け出す必要がある
革新や変革をもたらすためには、誰もが取り組める課題ではなく自社にしかできない課題解決に取り組む必要があります。難易度は高いですが、他社ではできない・手を出せない領域に進むことで、自社のポジションを強固にできるでしょう。
結果、競争の激しいレッドオーシャンから抜け出し、ブルーオーシャンで余裕のある企業活動が行なえます。誰もが賛成するような堅実的なアイデア・営業手法ではなく、難色を示すような課題に率先的に取り組むことがポイントです。
短期間で投下した資本を回収できる小さい市場を狙う
スタートアップの営業戦略として、短期で投下した資本を回収できる市場に打って出られるかは重要です。いくらブルーオーシャンといっても、そもそもニーズがないところに出てしまっては、資本回収は難しいでしょう。
また、市場が広すぎると認知が広がるまでに時間がかかることも予想されます。
確かな需要のある小規模なニッチ市場から狙っていくことで、効率よく資本を回収しながら、企業としての体力を付けていけるでしょう。
創業者を含め即戦力となるスタッフを採用
早い成功のためには、創業者を含めたスタッフのスキルが重要です。そのため、実力を持つスタッフを採用できるかが、初動ではとても大切になってきます。
逆に、早い段階でスケールしてメンバーを増やすと、商品やサービスの品質低下を招く恐れがあります。人手は多いほうが良いと、規模拡大や人員の増加を急いでしまうと、理念が浸透しなかったり、プロセスが標準化しなかったりと悪影響を与えるリスクがあるためです。
企業のプロセスが標準化し、安定した品質を担保できるようになるまでは、少数精鋭で対応するほうが吉です。そのため、未経験者ではなく、即戦力を採用するようにしましょう。
市場調査と目標数値の設定
スタートアップは資本回収のためにも早い段階で競争から抜け、確固たるポジションを確立することが急務。そのために、市場調査は重要です。
まず、自社が解決したい課題とマッチする、小規模な市場を探し出せるかがポイント。次に、その市場でどれくらい利益を得られるかを考えて、投入すべきコストを決定していきます。
目標数値は細かく設定し、短期間でPDCAサイクルを回せるようにしておくと、軌道修正もしやすくなるでしょう。
インサイドセールスの構築
メールや電話など、非対面で行うインサイドセールスを取り入れましょう。顧客のもとに出向く必要がないため、時間を有効的に使えるのが大きなメリット。上手く活用すれば、少ない人員でも効率よく顧客育成が行えます。
インサイドセールスは、主に顧客へアプローチをかけ、アポや商談設定を取るのが仕事。フィールドセールスと役割分担をするのが一般的です。
外部パートナーを有効活用
営業を最適化するなら、外部パートナーの活用も視野に入れましょう。営業の第一歩とも言えるテレアポを始めとするインサイドセールスは外注できます。
さらに、コンサルティングやWebメディア運用、マーケティングといったことも、外注が可能。調査業務を委託することで、自社は開発や質の良いサービスの提供といったよりコアな部分に集中できます。
また、外部パートナーの知見を取り入れることで、新たにイノベーションが起こせる可能性も。自社では思いつかなかった手法や対策を講じられるようになるかもしれません。
スタートアップ企業が優先すべき営業方法と戦略まとめ
スタートアップ企業が優先すべき営業方法は、競争から抜け出すためのポジションを確立するために行える全てのことです。競争から抜け出すことで、短期間で成長を遂げることも視野に入れられます。
例えば、セールスイネーブルの取り入れや啓蒙目的のWebメディアの立ち上げを実施すると、自社のポジションを確立しやすいでしょう。
営業の最適化のために業務効率化・作業のDX化・自動化と並走して検討したいのは、Web上に営業チャンスや認知度アップの「入口」を置いておくことです。「購入や成約は検索で決まる」とも言われており、Webマーケティングに取り組む必要があります。
Webマーケティングのコンサルなら、1,200業種・8,000サイトの制作・運営実績のあるZenkenまでご相談ください。貴社の市場でのポジションを明確化するのはもちろん、新たな市場の提案実績もございます。
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また、Web上に営業窓口をつくる施策にご興味があるなら、Zenkenのポジショニングメディアもぜひご活用ください。仕組みや成功事例については下記ページから詳細をご確認いただけます。
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