新サービスはマーケティング戦略が成否を分ける!成功する戦略の考え方
最終更新日:2024年04月16日
新規事業が成功するか否かのカギを握るのは、マーケティング戦略であるといっても過言ではありません。
「〇〇という商品の販売を考えているが、△△という通販サイトで販売するのはどうだろう?△△サイトはとても有名だし、〇〇はいい商品だから売れるはず」と安直に考えるのはとても危険です。
ぼんやりとした希望的観測ではなく、より具体的な分析を行わなければ、新規事業が失敗するリスクが高くなるのです。
それでは、どのように新規事業のマーケティング戦略を考えればいいのでしょうか。
本記事では、新規事業におけるマーケティング戦略の重要性を、失敗事例などを参考に解説します。
新規事業におけるマーケティング戦略の重要性とは?
「2017年版中小企業白書」において、新規事業に成功する企業はマーケティングに注力している(※1)と説明されています。
さらに、マーケティング活動の評価・検証まで行う企業は、利益率の増加や従業員の意欲向上といった効果も得ているという見解が見受けられます。
※1参照元:中小企業庁公式サイト/2017年版中小企業白書概要
また、この中小企業白書において、マーケティング活動とは、下記の4つの項目を示しています。
- 自社の強みの把握
- 市場ニーズの把握
- PR活動の立案・実行
- マーケティング活動の評価・検証
これらをすべて行うことで、経常利益率の増加が見込めるなど、新規事業が成功する可能性が高くなるのです。
新規事業でマーケティング戦略を考えるべき理由とは
新規事業でマーケティング戦略を考えるべき理由は、
- そもそも顧客ニーズがなかった
- 想定していた市場規模がなかった
- 競合との差別化ができていなかった
といった理由から商品が売れないという失敗を防ぐためです。
ターゲットが不明瞭だと、ニーズはあるのに商品・サービスを認知していない潜在ターゲットに届かず購買に繋がらなかったり、課題に対しての十分な検証が行われず大きな損失につながってしまったりという事態が起こりかねません。
それらを避けるためにも、マーケティング戦略を練ることは非常に重要です。
一般的な中小企業で「とりあえずやってみる」はNG
マーケティング戦略を考えずに「とりあえずやってみる」理論は非常に危険です。
顧客検証やリサーチが不要なケースもありますが、それはスティーブ・ジョブズやヘンリー・フォードのような実業家や、資金が潤沢な大手メーカーにいえるようなレアケースです。
また、失敗や成功よりもスピードを重視する場合や、既に業界へのネットワークが構築されており顧客の課題を既に熟知している場合なども、顧客ニーズの検証は不要といえるでしょう。
リソースに余裕がないから顧客検証をしないというのは間違いであり、結果として無駄なコストがかからないようにするためにも、最初の段階での適切な顧客検証が必要です。
新規事業のマーケティング失敗例
それでは、マーケティング不足が実際にどのような失敗を引き起こすのでしょうか。
ZOZOとセブンイレブンの具体例をご紹介します。
ZOZO | プライベートブランド事業の失敗
2019年1月、株式会社ZOZOは通期見通しの下方修正を発表しました。
200億円の売り上げ目標を立てたプライベートブランド(PB)事業が125億円の赤字を計上したためです。
「ZOZOSUIT」においてはUI(ユーザーインターフェース)の煩雑さやデザインの不評、物流による配達の遅延などが起こり、45億円を投資したにもかかわらず結果的に開発は休止となりました。
この失敗の要因は、ニーズの検証不足とそれにともなった価値や特徴の不明瞭さがあります。
ブランディング戦略として、ユーザーが求めている価値を提供できなかった点が大きいでしょう。
既存のユーザー層(ファン層)がどの程度PBを求めており、それに見合ったコストを払うのかなど、検証を踏まえながらの開発投資を行えば軌道修正が出来ていたはずであるといえます。
セブンイレブン | コンビニ生ビール事業の失敗
1杯100円から生ビールが飲めると話題になった「ちょい生」は、発売直前にキャンペーン中止となりました。
「想定を大幅に上回る反響があり販売体制や品質保持が難しくなる可能性があった」という同社の回答と、道路交通法の改正で飲酒運転への世間の厳しい目があり懸念が高まったという背景があります。
この失敗の要因は、世論の考慮が不十分だったことに加えて、外部環境変化が重なった点。そしてそれに対応する、リスク対策の不足です。
自社で対応できるボリュームのニーズなのかといった点や、世論の検証を踏まえていれば、ブランドにマイナスイメージを与えるリスクは低かったといえます。
新規事業のマーケティング戦略を立てる3つのポイント
それでは、どのようにしてマーケティング戦略を立てればいいのでしょうか。
新規事業を立ち上げるにあたって必要な3つのポイントを解説します。
ニーズを調査する
ニーズ分析は非常に重要であり、顧客へのアンケート調査やインタビューを実施する場合は、注目する観点を定め、検討候補のターゲットの定義を細かく明確化しましょう。
- 基本的な属性(性別、年齢、居住地域など)
- サービス・商品の利用頻度
- 課題(会社への意見・要望など)
特に、国の統計など信頼できるデータと照合できる項目で調査をすることで、市場規模の推計ができるため、ターゲット像の明確化などに役立ちます。
また、Web解析やユーザーの導線調査、SNS調査や来店調査なども有用です。
市場分析(競合分析)する
以前はコネクションがないと十分な分析が難しかったのですが、最近はビジネスマッチングサービスなどもあり検証しやすくなっています。
また、
- ポジショニングマップ……他社と比較した自社のポジションを決定し、他社との差別化を図る
- VRIO分析……経済価値や希少性、組織体制などから新規事業の内容や、製品などの強さを測る
- 3C分析……「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の観点から自社の環境を把握する
など、市場分析に有用なフレームワーク・ツールがありますので、これらを積極的に活用しましょう。
自社の強みを明確化する
自社の強みを明確化するために、例として以下のフレームワークなどがあります。
SWOT分析
「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字で、トレンドや自社のブランド力、価格や品質などをプラス面、マイナス面に分けて分析することです。
外部環境と内部環境の両方を正しく把握して分析することで、自社の課題を明確化することができます。
SWOT分析を事例付きで解説
バリュープロポジションキャンバス
バリュープロポジションとは、自社だからこそ提供できる価値のことです。
ユーザーニーズの分析と、競合などの市場分析を踏まえて、自社が勝ちやすい市場・攻めやすい市場を明確化できます。
ユーザーニーズを起点として競合と自社を見つめることで、自社が提供できる思わぬ強みに気づけたり、実は競合がいない市場を見つけられたりといったきっかけになります。
バリュープロポジション
キャンバスの作り方【漫画で解説!】
バリュープロポジションとは
新規事業ではマーケティング戦略を綿密に行うことが重要
新規事業の立ち上げはリスクも伴うため、マーケティング戦略を綿密に行うことが重要です。
特にユーザーニーズがあり、競合は提供していない、自社独自の商品・サービスであるかということに明確に答えられるだけのデータや根拠は揃えたいところです。
新規事業の立ち上げにおいては、上述しているバリュープロポジションを明確化するためのマーケティング戦略や分析ができているかという視点を持ちましょう。
そしてニーズがあるターゲットに対して、適切に情報を届けるための集客施策・マーケティング施策とは何かを考える必要があります。
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