中小企業のSNS活用事例と運用のポイントまとめ
最終更新日:2022年05月27日
中小企業がSNSを活用すべき理由とは?
急速なSNSの普及は、消費者の購買行動にも大きな影響を与えています。年々SNSの利用者は世代を問わず増え続け、今では企業にとって欠かせないマーケティングツールのひとつとなっています。
一方で、SNSマーケティングを積極的に活用しているのはまだまだ大手企業が多く、中小企業では人手不足でSNSの運用まで手が回っていないというのが現状でしょう。
中小企業の方の中には、SNSアカウントを作成したものの、「運用方法の正解がわからず放置しがち」「投稿してもフォロワーが増えない」「プロモーションにつながらない」など、課題を抱えている担当者が多いはずです。
とくに採用活動において、若者や求職者とどのようにして接点を作ればいいか、試行錯誤している企業も多いのではないでしょうか。
それではまず、中小企業がSNSを活用するメリットについて見ていきましょう。
中小企業がSNSを活用するメリット
なかには、「そもそも中小企業にSNSは必要なのか」と疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。
結論から言うと、中小企業こそSNSを活用するべきです。じつは、SNSを活用したマーケティングは、人員や予算が限られている中小企業ほど、相性の良いマーケティング手法だからです。
具体的には、中小企業がSNSを活用するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
広告コストが抑えられる
企業の認知を上げるための手法として、「広告」を思い浮かべる方が多いと思いますが、Web広告やマスメディア広告を出そうとすると、膨大な予算が必要です。
さらに、広告の掲載期間中は顧客の流入が見込めますが、掲載をやめると広告からの顧客流入は一切なくなります。
一方で、SNSの場合は会社も個人も無料でアカウントを開設して、すぐさま利用が可能です。広告予算が取れない場合でも、地道な情報発信でユーザーから「見つけて」もらえる可能性があります。
さらに広告と違って利用期間の限定がなく、継続的に情報を発信・拡散できるというのが大きな特徴です。
SNSを上手に活用することで、広告費用をかけなくても、効果的な宣伝や販促プロモーション、ブランディングが行えるというメリットが得られます。
見込み客の育成やファン化が可能
SNSの最大の特徴は、消費者と相互にコミュニケーションが取れる点です。広告などの一方的なPRと違って、SNSでは顧客の意見や評判をダイレクトに受け取れます。
ホームページや運営メディアは顧客と離れた場所から情報を降ろしていますが、SNSは平場の、同じ目線でのコミュニケーションが主流です。
企業側から積極的にコミュニケーションを取ることで、消費者が親近感を覚え、より企業の存在を身近に感じてもらうことも可能です。
SNS上での小さな発信の積み重ねによって、自社のファンが増え、結果的に見込み顧客の獲得に繋がります。
企業のブランディングに繋げられる
SNSの運用において、アカウント自体が企業のブランディングに直結します。
具体的には投稿の文体や写真、プロフィール、アイコンなど、SNSの企業アカウントを構成する要素の一つひとつがブランディングとなるのです。
SNS担当者が複数人いる場合、それぞれが好きなことをバラバラに発信しないように投稿の際のルールを事前に決めておいて、アカウントの体裁を崩さないよう注意しましょう。
認知度の拡大に貢献する
SNSを利用するメリットのひとつに、「拡散力」が挙げられます。SNSでは、ユーザーが良いと思った投稿は積極的に拡散され、そのフォロワーにまでリーチを広げることが可能です。
広告や自社サイトからの一方的な情報発信には、アプローチできるターゲットに限界があります。このSNSの拡散力を利用することで、より多くのユーザーにアプローチができるのです。
購買行動を直接的に促せる
SNSではキャンペーンを実施することで多くの消費者や顧客に自社や製品を知ってもらうことができます。具体的には、SNSを活用して以下のようなキャンペーン展開が可能です。
- 商品・サービスを実際に利用してSNSに口コミを投稿した人へプレゼント
- ハッシュタグを付けて投稿したユーザーに商品をプレゼント
- 商品・サービスを紹介するアンバサダーの募集
- アンケートやクイズなどでダイレクトな反響を獲得
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)投稿機能でコンテンツを増産
上記のようなキャンペーンを定期的に実施することで、顧客とのタッチポイント(顧客接点)を増やし、リアルタイムで顧客のニーズを把握できるようになります。
消費者(顧客)の行動が分析できる
SNS上では、自社の商品・サービスのターゲットが調べそうなキーワードで検索することで、ターゲットの行動分析が行えます。
たとえば、プロテイン商材であれば「筋トレ」「ヨガ」「ダイエット」といった親和性の高いキーワードで検索することで、ターゲットの行動や興味があるものを調査できます。
この行動分析によって、ターゲットが抱える悩みや課題を明確にし、商品・サービスの改善に活かすことも可能です。
小さな勝利を積み重ねられる
SNSマーケティングを成功させるコツは、「継続して発信し続ける」ことです。
運用を始めてすぐには、なかなかフォロワーが増えなかったり、投稿に反応が全くもらえなかったり、効果を感じられないかもしれません。
しかし、長期的にコツコツと投稿を続けることで、少しずつ認知が広がり、ファンの獲得に繋がります。
SNSには「バズる」という現象があり、何気ない投稿が突然大量に拡散されることもあります。日々の小さな投稿の積み重ねが、企業全体のブランディングや認知拡大へ繋がるのです。
中小企業がSNSを活用して成功した事例
ここまで、中小企業がSNSを活用するメリットについて説明してきました。大手企業よりも広告費や人員に制限のある中小企業にとって、SNSを活用することにはたくさんのメリットがあります。
ここからは、実際にSNSを活用して成功した中小企業の事例をいくつかご紹介します。
【Facebook】株式会社やまちや
京都にある株式会社やまちやは健康食品を取り扱う企業です。
やまちやは香港でのプロモーション展開をする際、その認知度の低さやオンラインショップでの売上アップを課題に課題がありました。
そこで写真広告と動画広告を使ってFacebook上でキャンペーンを実施しました。
モバイル向けデザインの広告は健康食品の特徴を全面に押し出したことで、広告からの流入が増え、オンラインショップの商品カートイン率が増加。結果的にセールスコンバージョンを45%増加させることに成功しました。
株式会社やまちや 公式 Facebook:https://www.facebook.com/yamachiya/
【Twitter】株式会社光響
京都にある株式会社光響はレーザー関連の製品を開発・販売している企業です。光響のTwitterでは、定期的に自社製品を動画で紹介しています。
ものづくりのBtoB企業でありながら、Twitterのフォロワーは2022年3月の時点で3000人以上。日常生活では馴染みのない商品・サービスであっても、動画で発信することででユーザーに製品を身近なものとして感じてもらえます。
株式会社光響 公式Twitter:https://twitter.com/KokyoLasers
【TikTok】三陽工業株式会社
兵庫県にある三陽工業株式会社は、研磨や塗装などの製造業と製造派遣事業を行っている企業で、若い人材の採用活動のツールとしてTikTokを活用しています。
三陽工業株式会社のTikTokフォロワーは2022年3月の時点で5,7000人にのぼり、2021年度の内定者8人のうち3人はTikTokからの応募者です。
平均年齢57歳の「おじさんTikTok」はテレビでも取り上げられるほど話題になり、採用説明会参加者の7割がTikTokを見て参加しています。
新卒採用が難しいといわれる製造業でも、若い世代の利用者が多いTikTokを活用することで、コストを抑えて採用活動が行えます。
三陽工業株式会社 公式TikTok:https://www.tiktok.com/@sanyoukougyou
【YouTube】シーフォース株式会社
東京にあるシーフォース株式会社は、産業機械や作業道具の販売・開発を行っている企業です。自社製品の使い方を、初心者でも分かりやすく動画にまとめてYouTubeで発信しています。
人気の動画は視聴回数が4万回を超えていて、YouTuberとコラボをして商品制作も行っています。使い方が分かりづらい商品ほど、動画による訴求が効果的です。
シーフォース株式会社 公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/SEAFORCETV
【Instagram】株式会社山本工務店
千葉県にある株式会社山本工務店は、得意とするアメリカンヴィンテージ系の家造りを、明るく統一感のある写真でInstagramに投稿しています。
2022年3月時点でInstagramのフォロワーは10万人以上にのぼり、「#西海岸インテリア」や「#カリフォルニアスタイル」など、ハッシュタグで住宅の特徴を紹介。
キャプションの文末に無料相談会の案内を掲載することで、投稿から効率的に顧客獲得へ繋げています。
株式会社山本工務店 公式Instagram:https://www.instagram.com/only_you_home/
【LINE】株式会社スタイル・エッジ
東京にある株式会社スタイル・エッジは、士業を対象にコンサルティングサービスを提供する会社です。LINE広告を活用して、ユニークユーザー数を240%アップさせることに成功しました。
弁護士は必要なタイミングで存在を思い出してもらえるか、が広告を運用する上で重要なポイントとなります。
スタイル・エッジは広告のクリエイティブ面を工夫して、ユーザーに「この弁護士へ依頼するメリット」をわかりやすく訴求しすることで、効果的な集客を行っています。
中小企業のSNS活用は目的とターゲットを明確に
中小企業のSNS活用を成功させるコツは、SNSを運用する目的とターゲットを明確にすることです。
SNSを活用して成果を出している企業は、「誰に」対して「何を」発信するかを明確にした上でSNSを運用しています。
ターゲットが明確でないまま、宣伝効果ばかりを期待して投稿をすると、結果的に誰にも刺さらないSNSになってしまいます。
また、一言にSNSといっても、TwitterやInstagram、TikTok、LINEなど、その種類はさまざまです。
- 「Twitterの主なユーザー層は10~20代で投稿が拡散されやすい」
- 「Instagramは女性ユーザーが多く、写真がメインでショッピング機能がつけられる」
というようなSNSごとの特徴を理解し、目的とターゲットに合わせて、「どのSNSを使うのか」を決定することも重要です。
SNSはオウンドメディアの運用とセットで
今回は中小企業がSNSを活用するメリットと実際の成功事例についてご紹介しました。
SNS運用はその日のトレンドやトピック、テーマ性など幅広いアンテナを必要で、反響の予測が立てづらいという特徴があります。そのため、SNSは単独で運用しても集客の効果に限界があり、他のWebソリューションとの連動が必須です。
SNSは、数あるWebソリューションの中でも、ホームページや情報サイトなどのオウンドメディアと並行して運用するのが理想です。
成功事例にもあったように、オウンドメディアで更新したコンテンツをSNSで拡散することで効率的に顧客の流入を促すことができますし、知ってもらうチャンスが広がります。
複数の流入チャネルを持つことによって、相乗効果も期待できます。
SNSの運用に行き詰まったクライアントが、弊社のオウンドメディアなどWeb施策を導入して成功した事例も、キャククルのインタビュー記事で公開しています。
SNS運用とWeb施策を同時進行させるリアルな体験談として参考になりますので、ぜひお読みください。
Zenkenではこれまでに8,000社、120業種以上のweb集客施策やマーケティング戦略、メディア戦略の実績がございます。オウンドメディアの制作・運用からSNSの運用までワンストップで対応が可能です。
オウンドメディアとSNSを連携させたマーケティング戦略を活用して、自社の認知拡大や顧客獲得を目指したい方は、下記フォームよりお問い合わせください。