大学におけるSWOT分析ポイントや具体例を紹介
最終更新日:2023年09月29日
大学運営においても、ビジネスと同じようにマーケティングの考え方を取り入れることは重要です。
中長期的な戦略を練る際に使われる「SWOT分析」というフレームワークをご存じでしょうか。
ここでは、SWOT分析の基礎知識を解説しながら、大学をSWOT分析する際のポイントや具体例を紹介していきます。
大学経営に課題を感じている経営者や広報・マーケティングにすぐにでも取り入れましょう
SWOT分析とは
SWOT分析とは、大学・学校(企業)の内部環境と外部環境を「Strength:強み」「Weakness:弱み」「Opportunity:機会」「Threat:脅威」の4つに分けて分析・整理し、最適な戦略を考えたり課題を理解したりするためのフレームワークです。
SWOT分析を行うと、大学が抱える現状の課題や問題点を発見できるようになります。
上記でいう強みや弱みは、いわば「内部環境」がもたらす大学への影響です。
機会や脅威は「外部環境」で、これら4つに注目することで、総合的な視点から大学経営を見直していけるようになります。
Strength(強み)
学校の内部的プラス要因にあたるのが「Strength」です。
他校と差別化できる部分や評価されている部分が、いわば大学の「強み」にあたります。
例えば、他校に比べて大手企業への内定率が高い、サークル活動が盛ん、地域企業と産学連携を通した結びつきがある、などが強みにあたるでしょう。
Weakness(弱み)
内部的なマイナス要因、つまり弱みとなるのが「Weakness」です。
他校に比べて劣っている部分や達成できていないことが弱みにあたります。
具体例で言うと、志願者が年々減少傾向にある、学部で教員数に偏りがあり不足している部がある、他校に比べてキャンパス内の施設が充実していない、などが挙げられます。
Opportunity(機会)
前述した「Strength:強み」が内部的な要因であるのに対し、外部的にプラス要因となるのが「Opportunity」です。
日本語で「機会」という意味で、自校を取り巻いている環境が変化した場合に機会がもたらされる可能性を指します。
景気回復の兆しが見られる、競合校で事件や騒動が起こったために、来期は志願生徒の流入が予測されるなど、外部の環境要因によってもたらされるチャンスが「Opportunity:機会」にあたります。
Threat(脅威)
Opportunityが外部的なプラス要因であるのに対し、反対に外部要因によってもたらされるマイナスが「Threat」です。
例えば、18歳人口が減少している、同じ地域内に大学が新設された、法科大学院の人気低迷が続いているなど、外部環境によって大学が脅威にさらされる可能性を指します。
SWOT分析とは?事例付きで企業の経営戦略フレームワークを解説
大学でのSWOT分析例
実際に大学のSWOT分析をしてみましょう。
SWOT分析では、4分割のマトリックスシートをつくり、「強み」「弱み」「機会」「脅威」それぞれの要素に当てはまる項目を書き出していきます。
表にまとめることで、現状やそれぞれの関係性をひと目で理解できますし、企画調整や会議などで初めて見る人にも共有や説明しやすくなるのがメリットです。
SWOT分析用のフレームワークも用意しましたので、必要な方はダウンロードしてください。
大学の「Strength(強み)」となる要因例
- 立地が良く通学しやすい
- 大学名がブランドとして広く知られている
- 地元の名門企業への内定率が高い
- 広報が積極的なHPの更新を行っている
大学の「Weakness(弱み)」となる要因例
- ある学部の入学志願者が年々減少している
- 財政難の問題を抱えている
- 大学運営や学生教育における人材・リソースが不足している
- 校務分掌の体制が整っておらず、まとまりがない
大学の「Opportunity(機会)」となる要因例
- 景気・経済が回復の傾向にある
- 競合校からの流入が見込まれる
- オンライン学位プログラムが浸透してきた
- 学生が大学名だけでなくカリキュラムで選ぶようになった
大学の「Threat(脅威)」となる要因例
- 人口減少で学生の母数が少ない
- オンライン教育機関との競争を余儀なくされる
- 近くに新しい大学が新設された
SWOT分析を進める際のポイント
SWOT分析は、大学の運営戦略のための「ヒント」や発見をもたらすフレームワークです。
分析のためには情報収集が必要ですが、情報を集めるだけでは分析はできません。
これまで収集してきた情報をもとに、それぞれを掛け合わせて得られる機会があるかを考えることが必要です。
また、情報収集だけでなく、実行可能な戦略の立案段階まで考慮しながら分析できるかが大切と言えます。
戦略を策定する前には、複数の戦略目標を出すように心がけてください。
そのためにも、集めた情報が「漏れなくダブりなく」調査されているか、確認しながら進めることが重要です。
大学の「強み」の振り返りは戦略強化につながる
SWOT分析を行うと、大学を取り巻く環境要因から現状の課題を見出せるようになります。
大学がおかれている環境分析は、効果的なマーケティング戦略を進める上で重要です。
学校関係者や運営者の主観ではなく、多面的な視点で問題点や課題を捉えて効率的な経営戦略を立案していきましょう。
特に、自校の「強み」をあらためて知ることは、さまざまな運営場面において軸となる部分の振り返りにもつながります。
1人だけで分析するのではなく、複数名の視点や意見を交えながら取り組んでみてください。
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