学校ブランディングの重要性と進め方
最終更新日:2024年03月15日
「ブランディング」と聞くと、商品や企業のブランドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実は、最近では教育の分野でもブランディングが注目されています。数ある学校の中から「選ばれる学校」になるためには、その学校の強みを打ち出して価値を創造するブランディングが重要なのです。
この記事では、学校ブランディングの重要性やブランディングによって得られる効果、学校ブランディングの進め方や具体的な手法について解説していきます。
学校ブランディングの重要性
学校ブランディングが重視されている大きな理由のひとつに、少子化が挙げられます。日本では18歳以下の人口が急激に減少しており、学校へ入学する生徒の数に対し、学校数のほうが多くなってきているのです。
「売り手市場」の学校法人
子供の数が減ってきたことにより、学校法人は完全な売り手市場となってしまいました。母数が少ない中で生徒に選ばれないと、定数割れなどの減少が起こってしまいます。そうなると優秀な生徒の数が少なくなり、学校自体のレベルも下がってしまうでしょう。その結果、「閉校」という最悪のケースに追い込まれるおそれもあるのです。
そのため、集客目的で広告や宣伝に多額の費用をかける学校も増えてきました。中には国の支援で海外留学生を招いて、学生数を維持する学校も出てきているほどです。
ですが、このような一時的な対策は長く続くものではありません。コロナ禍のような世界的な情勢の変化によって、留学生が入国しにくい状況も実際に起こっています。
これからの時代で学校が生き残るためには、生徒や児童、保護者が自校に強い興味・関心を持ち、自然に「入りたい・通わせたい」と思ってくれるためのブランディングが必要です。
学校ブランディングの効果・メリット
学校ブランディングは、単に生徒数を確保するための対策ではありません。他にも、以下のような効果やメリットが期待できます。
認知度が向上する
学校ブランディングは、自校の認知度向上につながります。「校舎がきれいな〇〇学校」「△△学校と言えばスポーツで有名」「就職率の高さなら◇◇学校」という具体的なイメージができていれば、話題になりやすいからです。うまく行けばメディアの取材さえ受けるかもしれません。
学校の名前に具体的なイメージがあると、他校と比べて思い出してもらいやすくなります。自校の特徴や強味に合うイメージを選んでブランディングで強化していくということは、つまり「思い出してもらう回数」を増やすための戦略にもなります。それだけでも他校と比べて選ばれやすくなるでしょう。
自校の強みにマッチした入学志願者が増える
学校ブランディングが成功すると、生徒や保護者から「学校が提供できる価値」を認知してもらえます。
例えば、進学後に特定の部活動をしたいと考えているとき、強豪校や部活動に力を入れている学校であれば、生徒はそこに入りたいと思いますよね。
学校を比較検討している学生に対し、「自分ににあった学校はここだ」と理解してもらえるので、自校の強みに合った志願者が自然と増えるのです。
戦略の軸ができる
学校ブランディングが確立することによって、広報活動など学校経営における周辺の戦略が立てやすくなります。オフライン広告やCM、ネット広告など、さまざまな広告媒体で生徒を募る際に、ブランドという「軸」に沿って考えることができるようになるからです。
自校のターゲットに合わせたマーケティング戦略を展開できるようになるので、広報・広告費用などのムダを削減することにもつながります。その分生徒募集にかける費用をカットでき、費用対効果も良くなるでしょう。
学校ブランディングにおけるブランド要素
ブランディングは、経営やマーケティングにおける様々な施策により、自校のイメージを築き上げ、生徒・保護者に対して発信していく取り組みです。「ブランド」というとロゴが思い浮かびやすいですが、ブランディングに活用できる要素はそれ以外にも多くあります。ここでは、学校のブランディング要素の一部を紹介いたします。
ロゴ
学校のロゴは、最も顕著なブランド要素の1つです。ロゴは学校のアイデンティティや価値観を表現し、視覚的に目立つシンボルとして使用されます。
ロゴデザインは学校のカラースキームやテーマに一貫性を持たせることが重要です。また、ロゴは印刷物、ウェブサイト、制服、看板など、さまざまな媒体で使用されるため、シンプルで覚えやすいデザインが求められます。
カラースキーム
学校のカラースキーム(ブランディング上の配色)は、ブランドの一貫性を確保するための重要な要素です。学校のホームページやパンフレットなどで使う色を統一することで、より強いイメージを築き上げ、学生や保護者に覚えてもらえます。
また、カラースキームは他校との差別化にも活用できます。たとえば、自校の近くに青をメインカラーとして使っている学校があれば、自校のカラーとして赤や緑を選ぶことで混合を防止できます。
スローガンやキャッチフレーズ
スローガンやキャッチフレーズは、学校のメッセージや価値観を伝えるための簡潔で印象的な文言です。自社とイメージと合致し、印象に残るスローガン・キャッチフレーズを選定すれば、学校の独自性や目標を強調できます。
Webサイトや公式SNSなど
ロゴやカラースキームの統一の他には、公式WebサイトやSNSに公開・投稿する内容(コンテンツ)も重要です。なぜなら、コンテンツでは自校が伝えたいメッセージに深みを持たせることが可能だからです。スローガンやロゴは表面的なものですが、コンテンツで継続的に特定のメッセージを発信できれば、ブランドの「中身」も伝えられます。
例えば、部活動が充実している学校であれば、その活動に焦点を当てたコンテンツを継続的に公開できれば「この学校は部活動が充実している」というイメージが定着しやすくなります。
広告とマーケティング素材
どの広告やマーケティング素材をどう活用するか、という点もブランディングのポイントの一つ。例えば、同じ広告ポスターでも、駅からのアクセスのしやすさをアピールする駅周辺のポスターと、授業の充実度をアピールする塾周辺のポスターだと印象が変わってきます。自校の強みを把握したうえで広告を打ち出すと、自校に入学する可能性が高い層にアプローチできます。
スタッフやカリキュラムなど
ブランディングでは広告やWebサイト、ロゴなど、誰かに見せるために作ったものよりも、「本質」が大事です。見た目をどんなに磨いても、中身が伴っていないとブランディングの効果が見込めません。そのため、自校のスタッフやカリキュラムなど、「そもそもの部分」の評価と見直しも必要です。
たとえば、「レベルの高い教育」をブランドとして打ち出したい場合は、そのイメージに繋がるスタッフの採用もブランディング施策になります。「生徒に寄り添った指導」をブランドにするのであれば、生徒を他校よりもサポートできる制度や仕組みが必要でしょう。しっかりした中身・本質があると、それを表現して広告やスローガンで表すことも用意になります。
学校ブランディングの進め方
「ブランディング」とは、マーケティング活動の一環です。従って、学校ブランディングにおいてもマーケティング理論を使って進めていきます。
マーケティングは、「誰に」「何を」「どのように」商品・サービスを提供すべきかという視点で考えていきます。
これを学校に当てはめると、以下のようになります。
- 誰に … 学生・その両親・教職員・在校生・卒業生・地域住民など
- 何を … 学校の強み(ブランドイメージ・教育内容・進学率・部活動やコンクール実績など)
- どのように … CM・新聞・交通広告・Webサイト・SNS・イベント・学校案内など
これらの「誰に」「何を」「どのように」を明確にするために、次で解説する項目を分析していきましょう。
自校と他校の現状を分析する
まずは、自校と他校の強味や既存のイメージなどを分析して、市場を細分化していきます。市場内にどれほどの競合がいるか、どのようなニーズがあるか、自校・他校が優れている分野は何かをリストアップして明確にしましょう。
市場を細分化してくことで、競合が強すぎてブランディングが難しい分野もわかれば、逆に自校が一番強い分野も見つかるでしょう。また、自校・他校ともにまだ応えられていないニーズもあるかもしれません。
このように事前に現状を分析することで、勝てない勝負をした結果ブランディングが失敗するリスクが抑えられます。
ニーズを分析する
次に、学生や保護者など、自校の「ターゲット」となっている人物が何を求めているかを考えていきます。自校で何を学びたい、どのような活動がしたい、自校へ通ってどうなりたいと考えているのか、どんなことに悩んでいるかなど、ターゲットニーズを分析します。
この段階で重要なのは、ターゲットを広げすぎないことです。ブランディングを成功させるには、ターゲットと焦点を当てるニーズを絞りこまなければいけません。「あれもある、これもある」と万人受けを狙ってしまうと誰にも魅力を感じてもらえなくなる可能性があるので、注意が必要です。
ニーズの分析は、これから入学する学生のニーズを調査するのはもちろん、在校生や卒業生、保護者や地域住民のニーズなど、学生以外の声に耳を傾けることも大切です。
バリュープロポジションを明確にする
最後には上記の分析結果を踏まえて、バリュープロポジションを決めます。
バリュープロポジションとは、自校のみが提供できる「独自の価値や強み」のことで、これを明確にすると「この学校を選ぶべき理由」が打ち出せるようになります。
例えば分析の結果、他校と比べて研修制度がしっかりしているとわかった場合、それを「バリュープロポジション」として自校ブランドの土台にすることができます。
バリュープロポジションを立てるには、「ターゲットが望んでいることである」と「競合他校が提供できていない」という2つの条件をクリアすることが必要です。他校が提供していない得意分野があっても、それを重視している学生・保護者がいないとブランディングが成功しないからです。
そしてバリュープロポジションを立てる際にもっとも重要なのは、守れない約束をしないことです。ブランディングを行って「研修制度がしっかり」というイメージを作り上げても、実際の研修制度がそのイメージに合っていないとブランディングの効果をあまり見込めないでしょう。
ブランディングは真実に基づいているからこそ成功する戦略です。たとえ些細なことでも自校にしかない強味を見つけて、それに投資しましょう。
学校のブランディング手法
ここからは、学校ブランディングで実践できる具体的な手法を紹介していきます。
広報や広告に力を入れる
ブランドを認知してもらうには、社会や市場に対し、学校の強みや魅力を広く知ってもらう必要があります。そのため、ブランド構築の段階から認知してもらうための広報や広告活動が必要です。策定された学校ブランドが、しっかりと学生・保護者に露出されているかを意識しながら取り組みましょう。
公式ホームページの整備
現代は、気になる情報をインターネットですぐに収集する時代です。学校案内のパンフレットといった紙媒体だけでなくパソコンやスマホでの検索を想定して、学校オフィシャルサイトの整備を進める必要があります。
公式ホームページに自校ならではの強みや魅力を発信できれば、見つけてもらった学生や保護者の興味・関心を高められるでしょう。売り文句だけでなく、学校のブランド醸成にかかわるコンテンツを作成するようにしましょう。
公式ホームページの弱点は、自校を既に認知していないユーザーに見つけてもらいづらいところです。学校の名前なら、検索結果の上位に表示させるのは比較的簡単です。しかし、学校の名前をまだ知らないユーザーは、他の媒体を通じてホームページにアクセスしてもらわなければいけません。
オウンドメディアの構築
インターネットで検索をしているユーザーに効率よくアプローチができるため、学校オフィシャルサイトとは別のメディアを持つのも有効です。学校の名前ではなく「しっかりした研修制度」など、自校のバリュープロポジションをもとにメディアを作れば、自校をまだ知らないユーザーも集められます。
オウンドメディアは長期的な運用が必要ですが、一度作成してしまえば運用費などのコスト以外は抑えられるため、効率良く生徒を集められるでしょう。また、発想やアイディアをコンテンツに集約すればアクセスも期待でき、安定的に継続した効果を得られます。
自校のブランドポジションを確立できる集客メディア
これまでと違うの集客方法を探している、他校と差別化したい、アプローチできていない層に自校の名前をアピールしたいといった集客の課題を持っている企業はぜひ資料をご覧ください!
この記事のまとめ
加速する少子化によって、学生の数は、今後も減少の一途をたどることが予測されています。生徒や保護者に選ばれる学校になるためにも、自校ならではの魅力を発信するブランディングが今後も学校として成長し続けるための有効な施策です。
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