保育業界では、業務負担の軽減や業務効率化を目的にICTシステムの導入が進んでいます。しかし、選択肢が多すぎて、どのシステムが自園に最適なのか迷ってしまうのが現実ではないでしょうか。
「連絡帳機能や出席管理、請求業務までカバーするのはもちろん、現場の使いやすさが重要」「導入後のサポート体制も気になる」といった声も多く聞かれます。
そこで本記事では、主要な保育園向けICTシステムを第三者目線で徹底比較。システム選びの参考に、是非ご覧ください。
おすすめの保育園システム一覧表
保育園システムを提供している会社をまとめて紹介します。自園の運営に適したシステム選びにご活用ください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
WEL-KIDS |
経営と現場に必要な機能が満載!準備・導入・活用方法までサポート
|
コドモン |
働きやすい環境作りをワンストップで提供 |
はいチーズ!システム |
0円で使える保育ICTシステム |
LeySerKids(レーザーキッズ) |
完全キャッシュレス化を促進 |
ルクミー |
写真販売・午睡チェック・体温測定までカバー |
hugnote |
スマホ、タブレットなどマルチデバイス対応 |
園支援システム+バスキャッチ |
幼稚園・保育園・認定こども園のデジタル化を促進 |
Child Care System |
現場の声から生まれた保育業務支援システム |
キッズプラス |
業務短縮で子どもに向き合う時間を創出 |
SERVE 園-SiEN |
打刻データ取得とセキュリティ対策を同時に実現 |
キッズビュー |
日々の事務作業量を半分以下に大幅短縮 |
きっずノート |
必要な機能だけカスタマイズして使用可能 |
おうちえん |
無料でドキュメンテーションや園だよりを作成 |
ChildCareWeb |
FreeEditorで保育記録をもっと自由に |
KidsDiary |
現場に優しい簡単操作のICTシステム |
はぐくむ保育 |
保育所保育指針に対応。指導計画や日誌を簡単作成 |
kidsly(キッズリー) |
保育園と保護者のコミュニケーションを深める |
ChiReaff Space(チャイリーフ) |
約4万人の園児の発達データを活用した発達管理機能を搭載 |
おが~るシステム |
煩雑な事務作業を効率化 |
Hoicシステム(ホイックシステム) |
パソコン操作に不慣れな方でも簡単操作 |
くらら |
元幼稚園教諭が15年間かけて作り上げたシステム |
PIPIO |
園児の体調や予定を手元で確認 |
おまかせ保育園システム |
操作マニュアルを見なくても直感的に操作 |
パステルApps(パステルアップス) |
園児・保護者・職員の各名簿をクラウドで管理 |
らくらく園児管理 |
記録業務・計算業務にフォーカス |
保育園システムとは
保育園・幼稚園支援ICTシステムとは、インターネットを活用することで幼稚園や保育園で行われるさまざまな業務を効率的に行えるようにしてくれるシステムを指します。ICTはInformation and Communication Technologyの略であり、IT技術を使ったコミュニケーションという意味です。
特徴として、それまで紙媒体が主流だった保育園や幼稚園に関する書類をパソコンやタブレットによって作成や管理できるようになるという「ペーパーレス化」が可能だという点を挙げることができるでしょう。事務作業や登降園管理、保護者との連絡などが従来より遥かにスムーズになるため、保育現場で働く人々の負担を大幅に軽減できます。
最近では保育現場のICT化を各省や自治体なども推奨していて、各種の補助金交付も行われているので導入のハードルはそれほど高くありません。
保育の現場は他業種と比べてIT化の進みが遅いという風にいわれてきましたが、こうした補助金などの効果もあって少しずつ IT化の傾向が見られます。少しでも興味があるのであれば、導入を検討しましょう。
保育園システムに関するよくある質問
Q1.保育園システム導入のメリットとは?
保育園システム導入のメリットは、子供(園児)、園(園長・管理者)、先生(保育士)、保護者によって様々あります。以下でそれぞれについて見ていきましょう。
子供(園児)にとってのメリット
ICTシステムは保育者や保護者の負担を減らせるため、子供は保育者や保護者からICTシステムを導入する前より多くの時間をしっかり向き合ってもらえるようになります。
どんな人でも作業に追われていると、つい心の余裕が無くなってしまいがちです。ですが、ICTシステム導入によって作業の負担が減れば心にもいくらか余裕が生まれるでしょう。その結果、保育者や保護者は子供とそれまで以上に十分なコミュニケーションを取れ、子供にも喜んでもらえます。
園(園長・管理者)にとってのメリット
園としては、ICTシステムを使えば業務を効率化できるため、職員の残業が減ってコスト削減ができます。また労働環境が大幅に改善されることが見込めるので、近年急速な勢いで推し進められている働き方改革への対応にも有効だといえます。
従来は紙媒体での管理が主だった園児データや登降園管理、給付金などについての情報についてペーパーレス管理が可能になるということは、コストカットできると同時に必要に応じてデータを探す際の労力をカットできることにもつながります。大量の紙が綴じられたファイルのなかから目的の書類を探し出すのはなかなか大変なので、園の管理を担当している人にとっては非常に助かるでしょう。
また、複雑な計算が必要な保育料を自動で計算できる点も、園長や管理者にとってはありがたいポイントでしょう。請求書作成の手間が少なくなり、そのぶん別の作業へ労力を回すことが可能です。先生(保育士)にとってのメリット
先生や保育士など、実際の保育を担当する人にとってもメリットは多くあります。
まず、ICTシステムを導入するとさまざまな業務をタブレットやスマートフォンで行えるようになるため、ちょっとした隙間時間にも作業を進めることが可能です。
したがって、所定の労働時間内にその日の仕事を終わらせられます。残業がなくなれば、仕事へのモチベーションを高められる場合もあります。
システム上で保護者から出欠の連絡を受けられるので、電話対応に追われることも少なくなるでしょう。一日のなかでも特に忙しくなってしまいがちな朝の時間の仕事を落ち着いてこなせるため、失敗も減らせます。
保護者にとってのメリット
保護者からしても、出欠の連絡をシステム上で行えるというのはメリットが大きいです。電話だと時間がかかってしまいがちですが、システム上での連絡ならほんの少しの時間で済むため朝はゆっくりしていられないという人でも安心できます。
また欠席していたとしても、お知らせをリアルタイムで受け取ることができるというのもメリットです。後日出席した際ではなく、欠席した日にお知らせを見られるので、あまり期限が長くない提出物などがあった場合も遅れることなく提出できます。
さらに延長保育の予約がシステム上で行えるのは、園はもちろんですが保護者にとってもありがたいといえるでしょう。家や外出先などどこからでも予約ができるので、忘れることが少なくなります。
Q2.保育園システムの主な機能は?
施設と保護者、双方の視点に立ってそれぞれの負担を減らすために作られているシステム、それが保育園・幼稚園ICTシステムです。主な機能について、下記で具体的に述べていきます。
職員の労務管理機能
職員の労働管理を事務員が行っているところもあれば、保育士自身が対応しているところもあります。保育ICTシステムではシフト作成・勤怠管理を行うことも可能です。
保育園では、国による職員配置基準により子どもの人数に合わせて必要な職員数が定められていますが、システムを活用することで欠員が出た際もすぐに代わりの職員を見つけることができます。安全な運営ができます。
書類の作成
園では、年度ごとに自治体に書類を提出しなければなりません。労務監査による職員の残業時間や週休取得日数などのチェックが行われることもあるため、あらかじめデータを入力しておけばスムーズな書類作成を行えます。
園児の情報管理機能
園では住所や健康状態・アレルギーの有無など、様々な園児の個人情報を管理します。紙でまとめている園もありますが、何度も情報を更新しなくてはいけなくなる場合もあります。
システムを利用すれば、入力修正などの作業を効率化することが可能です。また職員間の引継ぎもスムーズに行うことができます。
登降園記録
タッチパネルなどを利用すれば子どもたちの登園を記録することができ、特に忙しい朝の時間でも子どもたちの保育に集中できます。
健康管理
園では子どもたちの検温や排便回数、お昼寝の記録など健康管理に関する管理を行っていますが、システムを利用すれば保護者や職員同士での共有が簡単になります。他にもおむつ代や延長保育料などの情報も一括管理でき、集計が簡単です。
お知らせ一斉送信
連絡網などを作成しなくても、緊急時の連絡や不審者情報など一斉に送信することができるため電話連絡の手間を省けます。
お便り配信
園やクラスでの様々なお便りを配信できます。紙で配布をしないことで保育士の業務の軽減でき、保護者も空いた時間に読めるのでメリットが多い機能です。
連絡帳機能
子どもたちの様子を伝え合う保護者と担任の連絡帳です。システムの利用で写真などの共有もでき、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。
出欠席連絡
一部の保育ICTシステムには出欠席や、遅刻、早退、預かり時間の変更などを共有する機能もあります。他にも行事参加のアンケートや、園バスの位置の共有などの機能が備わっているシステムがあります。
Q3.保育園システムの料金の目安は?
一般的に、手持ちのPCやスマホ、タブレットがあれば初期費用をかけずに導入できますし、会社によりタブレットのレンタルをしています。
月額費用は、園の規模や利用機能によって異なりますが、クラウドサービスの場合、5,000円~数万円程度が相場です。
料金体系は、定額制のものや園児の人数に応じたプランを展開しているものや、基本料金は安くオプションで各種必要機能をつけるタイプもあります。
「保育所等におけるICT化推進補助金」や「園務改善のためのICT化支援事業補助」などを活用して導入できるサービスも多いので、申請に最適なプランの見積もりを提示してもらった上で検討するのがおすすめです。
参考のために、以下で具体的な料金を挙げます。
ルクミー
- 月額5,500円(税込)(カスタマイズプラン)
hugnote
- 月額5,500円(税込)(ライトコース)
- 初期費用33,000円(税込)
園支援システム+バスキャッチ
- 月額10,890円(税込)/1施設~
- 初期費用なし
コドモン
- 月額5,500円(税込)(コドモンベーシック)
- 初期費用無料
キッズプラス
- 月額3,000円(税込)~
- ※30名まで 初期費用無料
SERVE 園-SiEN(税不明)
- 月額9,000円~
なかには「はいチーズ!システム」のように、初期費用・月額無料で、全30以上の機能を使えるサービスも存在します。
そのほか、「キッズプラス」は園児台帳とお知らせ配信は月額税込3,000円(定員30名まで)の基本料金で利用でき、必要に応じて登降園管理や請求管理機能などのオプションを追加できるため、無駄のないコストで保育園システムの導入が可能です。
「ルクミー」や「コドモン」は、基本料金月額5,500円(税込)内で連絡帳や写真管理・販売など、利用できる機能が充実しています。職員数の制限もなく、日々の保育をサポートする便利機能をしっかり利用できます。
Q4.保育園システムの比較ポイントは?
具体的な保育園システムの導入を検討するにあたり、サービスを比較する際のポイントは以下の4つが挙げられます。
保育士や保護者にとっての使い勝手
動きが多い保育業務においては、保育士がちょっとした隙間時間に作業するためにはPCを利用するよりもスマホから操作できた方が便利だといえます。
また、保護者向けアプリも手軽さが重要です。ログイン手続きなどがややこしいサービスを導入しても「大事なお知らせに目を通してくれたのかわからない」など導入したメリットを感じられない可能性が高いです。
保育士や保護者にとって使い勝手の良いシステムかどうかを確認する必要があります。
アプリ機能の充実度合
スマホやタブレットで、日常的な記録や管理業務のほとんどに対応できるアプリであれば十分満足できます。入力や閲覧だけでなく印刷もアプリからできると、わざわざPCを利用する必要がないので細かな工数の無駄を省くことが可能です。
また園児情報の管理や保護者とのコミュニケーション支援に関する機能のみならず、運営や事務作業にも有用なシステムかどうかの確認も必要です。たとえば簡単な集計機能があっても、該当の自治体への提出書類の必要項目を満たしていなければ使えないこととなります。
機能数の多さではなく、目的の達成につながる機能の有無のチェックが重要です。
セキュリティの万全さ
個人情報を管理することから、セキュリティ対策がしっかりとした保育園システムを選ぶことが大切です。「役職ごとにアクセス権限を変えられる」「操作ログ情報の取得・管理ができる」「データ通信の暗号化」「IPアドレス等のアクセス制限」「外部監査機関による審査」などがあれば安心です。
保護者に保育園システムの導入に関してセキュリティ面の問い合わせを受けた場合も、ただ「安心です」ではなく安心できる理由を具体的に説明された方が納得できます。
補助金の有無
保育園システムの導入にあたって、国や自治体から補助金が出るケースがあります。対応の詳細は各都道府県に確認が必要ですが、実際の補助金の申請や各種提出書類の準備などはサービスの担当者が手伝ってくれることもあります。
事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
保育園システムまとめ
保育園システムには様々な形態があります。システムを選ぶ際にはまず、「どこまでの機能が必要か」、「その機能で何を効率化するのか」など選ぶ目的を明確にしましょう。
さらに、保育園システムを利用する際には料金がかかります。そのため、予め月額いくらまで払えるのか、予算規模はどのくらいかといった補助金を含めたコストシミュレーションをしておくと良いでしょう。
- 免責事項
- 本記事は、2024年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。