保育園の園児を増やす集客広告におけるWebエリアマーケティングの重要性
最終更新日:2024年04月09日
少子高齢化が進む日本ですが、保育園の数は減るどころか増加傾向にあります。厚生労働省が発表した「保育所等関連状況取りまとめ」では、2020年から2023年の間、保育所等数・利用定員数が増加しています。ただ、利用児童数はほぼ横ばいで、大きい変化は見られません(※1)。
※1引用元:厚生労働省/保育所等関連状況取りまとめ(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000544879.pdf)
この記事では、進む少子高齢化においても、安定した集客を可能にする、集客広告におけるWebエリアマーケティングの重要性について解説しています。
また、売上につながる成約率の高い集客を実現するためのポジショニングメディア戦略についてもご紹介しています。
保育園の市場状況について
保育園は増加傾向にあるのか?
現在、保育園を含む保育市場が急成長をしています。待機児童対策を中心に保育施設の開設費用といった整備関連を国が補助金として補填しているほか、保育士の処遇改善などが積極的に行われ問題視されていた低賃金・高責任労働が解消されつつあります。
厚生労働省がまとめた「保育所等関連状況取りまとめ」からもわかる通り、近年では保育所等数・利用定員数は増加していますが、肝心の利用児童数はそれほど増えていはいません(※2)。2030年には保育対象人口は減少していくという見立てもあることからも、今のうちに他施設との差別化を行い、”選ばれる保育園”になっておくことが必須課題となっています。今から上手にマーケティング戦略・集客施策を行うことは売上増加への一歩となります。
※2引用元:厚生労働省/保育所等関連状況取りまとめ(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000544879.pdf)
差別化の要となる「USP」が集客を左右する
マーケティングの要、「USP」とは?
保育業界を取り巻く現状を踏まえると、マーケティングの思考を保育園運営に持ち込む必要があります。マーケティング用語として知られる「USP」をご存知でしょうか?「USP」はUnique Selling promotionの略称で、直訳すると「他に類を見ない独自の売り方の提案」という意味になります。どういうことか、詳しく説明していきましょう。
実際に自分の園を近隣の方ではなく、TVCMなどを放送するように大々的に告知するイメージを持ってください。その際「USP」を考慮する上で、大切なことが3つあります。
- 顧客へ提案するように、広告しなければならない
- 提案は、独自の内容でなければならない
- 提案は、強力でなければならない
今、あなたが思い浮かべた顧客、すなわち園への入園を検討するであろう親へ、自身の園の内容は強力に伝わる内容を検討できましたか?そもそも、そのようなことを考えながらプロモーションをしたことがあるでしょうか。
代表的な例として知られるのが、ドミノピザの「30分でお届けします」です。一見ただのキャッチコピーですが、この「USP」には先ほどの3要素がしっかり詰まっているため、素早くピザが届くというメリットを顧客に端的かつ確実に伝えているのです。
「バリュープロポジション」は明確か?
しかし、マーケティングにおいて難しいのは「USP」だけでは事足りない点です。どれだけ広く知ってもらえても、実際に使ってもらえなければ売上につながることはありません。ここで大切になるのが「バリュープロポジション」なのです。「バリュープロポジション」は直訳すると顧客価値。顧客のニーズと言い換えると分かりやすいのではないでしょうか。
保育市場のように参入する会社が多くなっていくと、他社と差別化しなくては、という経営者の意志がはたらきます。そして差別化を突き詰めた結果、顧客のニーズに応えられなくなるような打ち出し方をしてしまうのです。これでは意味がありません。
大切なのは、顧客のニーズを把握したうえで競合との差別化ポイントを見つけることです。これを見つけ、マーケティングの軸として置いて初めて、集客施策でどう打ち出していくかというフェーズに移行できるようになります。
集客の肝となるエリアマーケティング戦略
上記の自社の強みを捉えた上で、対象となる顧客がいる商圏を改めて見つめ直し、戦略を立てましょう。ここまで落とし込むことで飛躍的に集客戦略の精度が上がります。
エリアの特徴を捉える
集客を行う際に重要となるのは、エリアに合ったマーケティング戦略を考えることです。自身の園の集客対象となるエリアをまずは明確にし、その上で戦略を練っていく必用があります。
エリアを限定する事で、競合となる他園の情報を洗い出すことが可能になります。その上で、自園の「バリュープロポジション」を検討しましょう。そして、その「バリュープロポジション」を顧客に的確に伝えるための戦略を練っていくのです。
代表的なWebエリアマーケティング広告手法
ゴールをWebにしてクロージング
代表的なエリアマーケティング手法にWebを用いた方法があります。しかし情報が氾濫しており、他園も様々な戦略を行っている今、Webのみで完結させることは難しいのが現状です。そこで大切になってくることが、オンライン・オフラインを問わず、先に設定した「バリュープロポジション」をブレずに一貫して情報発信を行うことです。そしてそのクロージング先としてWebを置いておくという導線を徹底しておくことにあります。
クロスチャネルでWebにより存在感を持たせる
Webをゴールと置いた時に重要になるのがクロスチャネルです。つまり、Web集客施策とチラシなどのオフライン集客施策を上手く組み合わせ、情報発信を行うことです。
エリアマーケティングにおいて、ポスティングのように近隣住民を対象に情報発信を行うことは一定の効果を見込めます。しかしこの手法を用いて売上を上げたいと思った場合、そのあとにWebへ繋がる導線を設計しておくことが重要となります。さらに、WEBを訪れた方が”ここに決めたい”と思わせるようなコンテンツ情報を充実させておく必要があります。
ホームページリニューアル及び制作
ではそのWebページは、どのように設計するのが良いでしょうか?昔作った内容のまま、一旦放置している、なんてことはありませんか?
重要なのは、流行りのデザインにすることではありません。どれだけデザインを綺麗に整えたとしても、内容が伴っていなければ意味がないのです。必要な情報、すなわち自社の「バリュープロポジション」を主張できるような内容をしっかり掲載することです。
園の概要といった基礎的な情報や、検討するのに欠かせない具体的な料金は必須です。加えて園の強みや実際に利用している保護者の声などを掲載し、閲覧した人に安心感を持ってもらえるような内容にする必要があります。
大幅なリニューアルにはコストもかかります。まずは既存のサイトを活かせるように、新しいページを追加するなどの工夫を行い、問い合わせを獲得できるようなWeb上の導線を確立できるようにしましょう。
ホームページへのSEO対策
まずは検索させたいエリアを明確に
「集客を行いたいエリア+検索キーワード」を設定することは、最も手軽なSEO対策となります。
まずエリアですが、検索するエリアごとに検索結果画面は異なります。”そんな当たり前のことは知っている”と思った方は、今一度知った上で活用できているかを考えてみてください。エリアと一言に言っても、1つの町名だけで絞るといった判断をした方は少ないのではないでしょうか。
複数のエリアを自身のエリアとして設定した場合に、最も検索結果が少ないエリアがあるはずです。他にも、検索結果は多いもののどれも似ていて、クリックしたくなるような検索結果がない場合があるかもしれません。
どのようにエリアを絞るかも含めて戦略です。まずは、検索結果の上位に表示させたいエリアを明確にしましょう。
キーワードはひとつではない
エリアだけでの検索は大手サイトが競合となり、上位に検索結果が表示される可能性は低くなります。そこで、エリア名に合わせたキーワードを設定することが必要になります。分かりやすいキーワードで「保育園」などがありますが、他にもキーワードは存在します。保育にまつわる「助成金」など、少し視点を変えることでキーワードはいくらでも出てきます。
しかしこの作業は、簡単なようで中々難しいです。行き詰ってしまった時には、成功している保育園のホームページなどを参照し、検索される可能性があるキーワードを洗い出してみると参考になります。
キーワードは羅列させない
決めたキーワードをただ並べて、Webページに設置しておくだけでは効果を得にくいのがSEO対策の難しい点です。ただ検索されたいキーワードを並べておくだけでは、Googleからの評価が下げられてしまう可能性があります。また、上位に表示されるためにはキーワードとエリアの間に余分な文字を極力含ませないように、近接させながら設定するなどの工夫が必要となります。
業界ポータルサイト・地域ポータルサイトへの登録
自身の戦略をより効果的にするために、ポータルサイトへ登録することは有効です。ポータルサイトは様々な情報がまとまったサイトです。美容室などの情報がまとまっている「ホットペッパービューティー」や、賃貸物件の情報がまとまっている「スーモ」などを思い浮かべていただけると分かりやすいのではないでしょうか。
近年、保育園系のポータルサイトが増えてきています。エリアなどに左右されない検索ワードで自身の保育園を見つけてもらえる可能性が高くなるほか、家ではなく職場の近くに預けたいなど、従来ターゲットとして獲得できない顧客が流入してくる可能性があります。「.HOIKU」や「ohana」など、自園のニーズに合うポータルサイトを探しましょう。
ポジショニングメディアでの差別化戦略
ポジショニングメディアとは、地域に根差した且つその業界に特化をしたまとめサイトのようなもの。本気で入園を検討しているユーザーであれば「○○市(駅)×保育園」など、通える範囲の保育園を探します。また、Google側も検索位置情報を汲み取り、その市内での保育園検索であれば、その市内における保育園事情に詳しいサイトを出そうという仕組みにもなっています。現状は、地域に根差した保育園について分かるサイトがないため、ユーザーからも検索結果画面上では重宝される傾向にあります。
例えば、この近辺で美味しいハンバーグが食べたいと思ったら「近くのハンバーグ屋」「○○駅×ハンバーグ」等検索をしたときに、「○○駅のハンバーグ屋5選」という形でまとめてあったら手っ取り早くいいお店を知るべくクリックする心理と同じです。
このようにユーザーにとって便利なポジショニングメディアとして見てもらいながら、その中で他の保育園とは違う要素や強みをしっかり伝えることで、この地域で例えば、英語学習に力を入れている保育園はこの保育園であるというブランディングに繋がります。
保育園の集客方法まとめ
この記事では、自社のエリアと競合する他園を分析することはもちろん、顧客となるターゲットを細かく選定しながら、最適な広告戦略・手法を選定していくことが大切だと説明しました。しかし、そのマーケティング戦略を実行するには、自社の強みをしっかりユーザーに認知してもらうことまでを実現できているかどうかが集客成功の肝になります。
Zenkenバリューイノベーション事業部では7000以上のWebコンサルティング案件を通し、取るべきターゲットを明確にしたWeb集客を実現してきました。もし、エリアナンバーワンの立ち位置に向けて模索をしている、競合には真似できない自社だけの安定的な集客をしたいという方は、ぜひお気軽にご相談下さい。
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