フリースクールの集客について、通えない、通いたくない理由から考える
最終更新日:2021年09月01日
フリースクールの集客方法を考える前に!ターゲットは明確にする!
集客を成功させるために重要なのが、ターゲットを明確にすることです。
ターゲットを明確にするといえど、「学校の勉強についていけない、学校が嫌い、いじめられている、先生が・・・などなど、様々な理由で学校に行かなくなり、引きこもりになった子どもたち、もしくは引きこもりになりそうな子どもたち」がターゲットであることは明確ですし、考えるまでもないと思われるかもしれません。
しかしここでもう一度、自分たちが特に得意としていること、通いやすいと思ってもらえる子どもや両親のタイプなどと照らし合わせて、考えてみましょう。
自分たちの学校に通うことが、きっとその子にとって良いはずなのに、アプローチできていないターゲットというのが明確になるかも知れません。
ターゲットを明確にする際に役立つ4つの軸
ターゲットを明確にすることは、フリースクールに関わらず、どの業界においても重要なことです。ターゲットがしっかりと定まっていなければ、集客施策の威力を最大限に発揮させることができません。
そこで、ターゲットを明確にするために役立つ4つの軸をご紹介します。以下の4つの軸を元にセグメンテーションを行い、顧客や市場を細分化してみましょう。
- ジオグラフィック(地理的変数):地方、県、市、人口など
- デモグラフィック(人口動態変数):年齢、性別、家族構成、家族のライフサイクル、学歴など
- サイコグラフィック(心理的変数):心理的特徴、ライフスタイル、性格傾向、価値観、関心など
- ビヘイビアル(行動変数):サービスに対する知識や態度、求めるベネフィット、個人の行動に基づいた情報など
不登校でもフリースクールに通わない理由から、集客について考える
不登校であるにも関わらず、多くの子どもたちがフリースクールに通わない、という現状があります。なぜ子供たちはフリースクールに通わないのか、その理由を以下でお伝えします。
子どもたちがフリースクールに行かない理由を理解した上で、集客について考えていきましょう。
フリースクールの数が足りないというハードル
フリースクールの数が不足していることで、学校に行かない多くの子どもたちがフリースクールに通えていません。
全国に400~500団体のフリースクールがあるといわれています。しかし、場が少ないためあまり子どもたちが集まらず、結果的に維持や新たな設立が困難となり、フリースクールの数を増加させることができないという負のスパイラルに陥っています。
子どもたちにとっては、自宅の近くにフリースクールがある方が利用しやすいのは事実です。しかし、多少アクセスが悪くても通えることをPRすることで、集客につながる可能性があります。
- 通いやすさ
- 通うための方法
- 詳細なアクセスの方法
- どれくらい遠くから通っている子がいるか
- どれくらい時間をかけて通っているか
といったことを伝えていきましょう。
経済的な理由というハードル
原則としてフリースクールには公的支援がありませんので、学費を支払う必要があります。フリースクール、私立中学校、公立中学校の学費は以下のとおりですが、
- フリースクールの学費:平均で33,000円/月
- 私立中学校の学費:平均で50,000/月
- 公立中学校:無料
私立中学校と比較するとフリースクールの学費は安いのですが、公立中学校には到底かないません。
この経済的な理由というハードルを乗り越えるために重要なのが、「合計でいくらかかるのかよくわからない」をなくすようなアプローチを行うことです。授業料だけでなく、授業料以外でかかる諸費用、お昼ご飯などについても、できるだけ具体的な金額を提示する必要があります。
フリースクールは不登校の子が通うイメージという心理面のハードル
意外に思われるかもしれませんが、周りから見て、不登校であっても、本人は不登校であるという自覚がない可能性があります。自分が不登校であると認めていないのです。学校へ行っていない事実は認識しているものの、不登校児であるというレッテルを避けたいという気持ちです。それは学校に通えないが、不登校児にはなりたくない、不登校である自分が許せないという矛盾した気持ちで葛藤し苦しんでいる状態かもしれません。
このような子どもたちにフリースクールに通ってもらうためには共感型のコンテンツを用意する必要があるかもしれません。
- フリースクールには、同じように悩む仲間がいることを伝える。(本人の声として伝える。)
- 在校生だけでなく、卒業生などの声をたくさん集める、(卒業してしまえば、どこも関係ないなど)
- 将来どのようになるかなどについて伝える
- クチコミ、評判を伝える
フリースクールに通おうが、普通の学校に通い続けようが、長い人生のほんの一部でしかないことや、とにかく前に一歩踏み出すことで、環境を変えられる可能性があることなどをリアルな声で伝えていくのもよいでしょう。
(参考:AREA dot. https://dot.asahi.com/dot/2017062100075.html?page=1)
特に検討したいフリースクールの集客方法はこれ
フリースクールの集客を成功させるためには、オンライン上での集客戦略が重要となってきます。
たとえば、
- Googleマイビジネス
- 地元ポータルサイト(エキテン)
- オウンドメディア(ブログ)
- ポジショニングメディア(後述) など。
ではそれぞれについて見ていきましょう。
Googleマイビジネス
Googleマイビジネスは無料で利用することができます。Googleマイビジネスに登録することで、Googleマップに店舗情報が反映され、また検索した際自分たちのフリースクール情報が右側に表示されます。登録後も、検索結果で上位に表示させるために、情報を定期的に更新することが重要です。
Googleマイビジネスに登録することで、たくさんの人たちに自分たちのフリースクールの存在について知ってもらい、また、公式サイトに訪問してもらうことで、スクールについての詳しい情報を伝えていくことが可能です。
したがって、まだ公式サイトがない場合は、SEO対策を行いつつサイトを制作してください。
地元ポータルサイト(エキテン)
次に、地元のポータルサイトにフリースクールを掲載してもらい、集客を図りましょう。ポータルサイトに掲載されていることで、保護者の方にも安心感を与えることができます。
また、まだ自社の公式サイトがない場合は、公式サイトができあがるまでの代用になります。自社サイトがある場合、またはサイトの構築後は、ポータルサイトと自社サイトを組み合わせ、ポータルサイトから自社サイトへと誘導することで集客につなげていくことができます。
そのため、まずはエキテンに掲載するのがおすすめ。エキテンにはフリースクール自体の掲載は少ないのですが、地域の情報サイトで掲載が無料です。
オウンドメディア(ブログ)
さまざまな集客戦略がある中でも、オウンドメディアを使った集客は特に重要です。しかし、即効性がなく、結果が出るまで時間がかかってしまいます。そのため、リスティングやSNSなど他の集客施策と同時に進めていく必要があります。
個人情報保護の観点から難しいことも多いですが、どのような学校生活かイメージできることは、通学への大きな一歩へつながるはずです。
しかし、オウンドメディアを制作する際は、ターゲットが検索すると思われるキーワード選定し、被リンクやメタ情報といったSEO対策やマーケティングに関する専門知識などを身につけなければなりません。
したがって、自分たちでオウンドメディアを制作するよりも、プロに依頼するのが良いでしょう。
Zenkenはオウンドメディア制作のほか、各種Web広告との複合戦略も提案できますので、ぜひお気軽にお問合せください。
他のフリースクールと差別化する方法
ここまで3つの集客方法を紹介しました。しかし、これらすべてを実施したとしても、近い地域にフリースクールが複数ある場合、一つ大きな問題が残ってしまいます。
それは、新規顧客にとってフリースクールはどこも似たように見えている、ということです。他のスクールとは異なり、ものすごく特色のあるスクールでない限り、顧客にとってフリースクールはどこも同じです。また、よくわからない学校というイメージを抱かれている可能性もあります。
そこで、このような他のフリースクールとの差別化が必要な場合、また他のスクールとの競争が激しい場合などは、次に紹介するポジショニングメディアを使うのが効果的です。
フリースクールはどれも同じに見えている。集客宣伝の前にもっと大切なのは、ポジショニング
ポジショニングとは何か?
ポジショニングとは、自社のサービスがいかに魅力的なものであるかをターゲット顧客に植え付け、独自のポジションを築き上げる活動のことをいいます。
ポジショニングの目的は、競合他社の優位に立つことではありません。自分たちのフリースクールが最も魅力的で他に代わりがないと思ってもらい、他のスクールと比較せずに選択してもらうことを目指します。
そこで重要なのが、競合と同じ市場で競争するのではなく、市場にて新たに作り出したカテゴリーや、ニッチな市場にてポジションを確立すること。新しいカテゴリーやニッチな市場ではターゲットの注目を集めやすく、結果的にナンバーワン・オンリーワンのポジションを獲得しやすいのです。
ポジショニングの重要性
集客や事業を成功させるためには、冒頭でもお伝えしましたが、ターゲットを明確にすることが重要です。
そこで自社が築き上げたポジショニングを改めて見直すことで、集客すべきターゲットを明確にすることができます。また同時に、事業コンセプトを明確にすることも可能です。
このように、ポジショニングをしっかりと定めることで、事業を行うための土台を安定させることができます。ポジショニングが定まっていない不安定な状態でさまざまな戦略を実施したとしても、なかなか成功を収めることができません。
それから、ポジショニング戦略を成功させることができれば、顧客に強いインパクトを与えることができます。そのため、後から競合が参入してきたとしても、容易に顧客を取られません。
ポジショニングメディアに興味を持ち、より詳しく知りたい方はポジショニングメディアについてまとめた資料も別途ご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
ポジショニングメディアの紹介
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングが定まったら、今度はターゲットにそれを知らしめなければなりません。設定したポジションをターゲット顧客にしっかり伝える手段として有効なのが、ポジショニングメディアです。
ポジショニングメディアを活用することで、自分たちのフリースクールが提供するサービスの良質さや、一部の顧客の要望を満たすポジションなどを伝えていくことができます。
ポジショニングメディアとは、自社の市場や商圏に合ったメディアのことで、自社のフリースクールと他のフリースクールがどのように違うのかを、ターゲットに打ち出すことが可能です。
ポジショニング戦略で集客を図りたい方、またどの市場を狙うべきかが分からない方も、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。