美容室の差別化ポイントをどのようにして見出せばよいか
最終更新日:2021年01月27日
美容業界では、この2010年から2020年までの10年で美容施設は5万店舗ほど増え25万店舗、美容師数は20年で1.6倍の52万人になり、美容師免許取得者は2013年から横ばいで毎年2万人ほど増えているそうです。(情報参照元:リカさん!僕を人気美容師にさせてくれ! https://rich-beauty-academy.tokyo/2020-salon-trend/)
日本の少子高齢化、人口減少、経済格差に加え、上記のように新規参入による、美容室サービスの供給過多などにより、美容業界は今後ますます競争の激化が予測されます。そんな熾烈な競争に勝ち抜くための差別化戦略について、ここでは解説していきます。
美容室における差別化についての基本的な考え方
美容室の差別化に重要なのは「STP分析」
理美容業界では、最も美容に気を遣う人で約2ヵ月に1回、1万円程度の費用をかけて美容室へ行っていることが判明しました。
来店時に最も気にする点は美容師の技術力で、ライバル店に勝つにはお客様のニーズをしっかりと捉え、戦略をつくっていく必要があります。差別化のためのサロンの強みや独自性を見出すために、まず行うべきは「STP分析」です。
「STP分析」はマーケティングの基本のキ
「STP分析」はマーケティングの基本とされるもので、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」から成り立っています。
「セグメンテーション」においては顧客のニーズを軸にセグメント化し、グルーピングすることでセグメンテーションを行っていきます。「ターゲティング」は、「セグメンテーション」の結果、自分たちが参入しやすい業界を見出すことを指します。「ポジショニング」は、顧客ニーズを満たすことができる自分たちのポジションを明確にすることを指します。
これらをそれぞれ明確にすることで、自身の美容室のマーケティングにおけるポジショニングが確立されていくのです。
自サロンの強みとポジショニング戦略
STP分析の結果、自身のサロンがどのポジションにいて、どこを強みにして、なにでほかのサロンと差別化を図ればよいのかを分析していく必要があります。
競合を分析した結果必要なことは、競合を地図のように配置し、その中で自身のサロンはどのような位置づけなのかをマッピングしていく作業です。このマッピングを行うことで、自身のサロンの立ち位置が明確になります。
この戦略を「ポジショニング戦略」といい、勝つべくして勝てる市場で集客していくというもの。自サロンの強みをよく理解していないと組めない戦略ですが、言葉で説明するより図などでまとめたほうがわかりやすいので、下記資料を一度お読みになることをおすすめします。
競合店舗の強みを分析する
孫子の兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があるように、敵を知り己を知れば、戦には勝ったも同然です。しかしそのためにはまず、的確に競合店を知るということが大切になります。
分かりやすいポイントとして価格はもちろん、サービスの内容も重要です。また、サービスと合わせて提供される技術も大切でしょう。サロンを選ぶ際の重要な項目のひとつに「技術力」があります。だからこそきちんと打ち出していくことが大切です。
また、自身のサロンの強みはなんでしょうか。見出した強みを明確に打ち出すことで、勝機が見えてきます。
競合美容室に勝つための差別化施策を考える
分析してサロンの立ち位置と競合の強みが分かったら、いよいよ具体的な差別化施策を考えていきましょう。
技術や仕上がりの質など美容室に通うメリットを提示
ここでポイントとなるのは、「技術」を打ち出すのではなく「美容室のメリット」を打ち出すことです。「技術」はもちろん大切なポイントではありますが、正直素人の目から見れば大きな違いは分からないでしょう。だからこそ、「美容室のメリット」が重要なのです。
1対1で最後まで同じ美容師が担当してくれることかもしれません。もしくは、ドリンクやフードサービスが充実していることかもしれません。このような色々な「美容室のメリット」で独自化を図ることができれば、差別化は容易だと言えるでしょう。
「専門店」という差別化にかじを切る
「専門店」はひとつの大きな武器になります。カラーリング専門店、カット専門店、ヘアケア専門店など、何かに特化したニーズは顧客の需要を満たしやすく、ニーズが高い傾向があります。
これは飲食店を例に挙げると分かりやすく、「フライドポテト専門店」「ハンバーガー専門店」など、一つの食材に特化した店舗に行列ができる傾向があります。
敢えて強みを一つに絞り込み、戦略を練るというのも効果的です。
店長やスタッフと顧客との関係を深める
美容室はあくまでも接客をベースとしたサロンです。息の長い顧客は、技術はもちろんですが、「担当者に会う」ということも大きな理由となっています。
「担当者に会う」と言うのは、会話をすることはもちろんのこと、「同じ顔に会いに行く」という安心感も生まれているのです。
競合サロンにはない独自のサービスを提供する
競合サロンを分析する中で「これはなかった」と言うサービスはないでしょうか?
美容師との関係性やコミュニケーションを大切にするお客様に対しては、美容師が@LINEを登録し個人でやり取りをできることが好まれるかもしれません。反対に美容師とのコミュニケーションを最小限にとどめたいお客様に対しては、映画などを見る時間や場所があると良いかもしれません。そのようにして、お客様が望むニーズを明確に捉えることが重要です。
アイブロウメニューの導入
アイブロウメニューを追加することで、クロスセルによる客単価の向上と美容院を選んでもらう1つの強みとして形成することが可能です。
また、高品質なアイブロウメニューを提供出来るよう、アイブロウスクールで技術力やデザイン力を磨くのも手。
アイブロウスクールを選ぶ際には、レッスン内容が美容室のメニューにしっかり活かせるのか、卒業後のアフターフォローにも着目しておきましょう。
美容室の差別化まとめ
お客様のニーズを知り、競合が提供していない自社の強み打ち出すというのが、マーケティングの基本的な考え方です。そして自分の強みを打ち出したうえで、どのターゲットにどのようにアプローチしていくことで、他社と差別化できるのかを考えるための分析手法が、今回紹介したSTP分析です。またSTP分析の他、差別化の方向性などについて、上では簡単に説明させていただきました。
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