鍵屋の集客、まずはフランチャイズ加盟から
公開日:2020年06月22日
鍵屋として独立開業、集客はどうすればいい?
鍵屋という仕事は大事なライフライン。ですが基本的に受け身な仕事であることから、積極的に営業をかけ辛く、集客が難しい業種といえます。それでも、個人で独立して鍵師の仕事をするなら、難しくても工夫して営業をかけなければ仕事はふえません。
鍵屋の主な仕事内容といえば、鍵の作成、鍵紛失時のトラブル対応、鍵の修理・交換、補助錠の取り付けなど。新しい合鍵の作製など除き、基本は顧客が困っているときに必要とされるのが鍵屋の特徴です。
個人で専業として、売り上げを継続し生み出すのは簡単ではありません。よって、個人で独立して鍵屋のみで生計を立てている人は少ないのが現状です。
ではどうすればいいか。本記事では、鍵屋の集客について解説していきます。
鍵屋専業で仕事を取り続けるのは難しい
鍵屋はメインの依頼が困ったことへの対応と受け身であるため、自ら提案することが難しい職種です。まずは、電気工事、不動産、建設、など鍵も関係してくる業界の仕事との兼業という選択をおすすめします。
必須の資格もなく、ある程度勉強してスキルを身につければ鍵屋にはなれますので、転職の選択肢のひとつにはなるかもしれません。ただし鍵屋を極めるために要求される技術レベルは高く、プロとして経営を安定させるのは簡単なことではありません。
鍵屋の資格
鍵と関係する資格としては、防犯設備士、電気工事士(電子錠のため)などを持っていると効果的です。あと、鍵師に特化した資格としては、鍵師技能検定試験(二級と一級)があります。
日本鍵士協会が主催する講習会などで試験を受けるのが一般的です。奨学金制度もあり、低額受講料で受けられるようです。
日本鍵師協会「鍵師養成講座7日間」
開業するのに必須な資格ではありませんが、顧客に対してどんな知識をもっている鍵師であるかを証明するには役立つので、もっておいて損はありません。
鍵師は専門職。信頼を得て仕事をするには、自身のスキルや知識を証明できる資格をとっておくといいでしょう。
電子錠などの対応技術を身につける必要あり
鍵師は生活のセキュリティにおいて、もっとも大事な部分を担う「鍵」の専門家です。セキュリティ意識の高い海外では、錠前技術者のことを「ロックスミス」と称し社会的地位が認められています。
そんな鍵の専門家に求められる技術は、期待値も難易度も高いものがあります。年々、違法な侵入を防ぐため、防犯性の高い新しい鍵が作られており、鍵屋も知識や技術をアップデートする必要があるからです。
鍵師としての技術差
例えばピッキング防止のディンプルキー。Webで調べてみても、開けられる鍵師もいれば、できない鍵師もいます。
その他にも、今後IT技術が進化した現代では、鍵自体をもたなくなるかもしれません。今で言うスマートロックのような鍵が普及し、開けるのに必要なものはスマートフォンやカード、もしくは暗証番号などになっていく未来も想像できます。
今はまだ、スマートロックよりも物理鍵の方が圧倒的に多いので、鍵師の役割は変わっていませんが、鍵のスペシャリストを名乗るにはITの分野に強くなる必要もあるでしょう。
鍵師の道具は法律で規制されている
ピッキングツールなど、特殊な工具は使い方を間違えば犯罪になりかねません。よって、鍵師の使う工具は、平成15年6月に制定されたピッキング防止法(特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律)に定められている通り、不当に所持していると1年以下の懲役、または50万以下の罰金に処されます。
大事なセキュリティに関わる技術者は、知識、技術、そして道具まで、正しい運用が求められる職業です。
鍵屋のフランチャイズに加盟するのもひとつの手段
鍵屋としての心がまえから知識、技術まで個人としての準備が整った後、いざ開業と考える際に、おすすめの方法としてフランチャイズをご紹介します。
冒頭申し上げた通り、独立は現実的とは言い難いので、鍵師としてのキャリアをフランチャイズで積むというのは良い選択肢といえるでしょう。
例として、フランチャイズを募集している企業を2社ご紹介します。
カギの110番・カギの救急車
引用元:カギの110番・カギの救急車公式サイト(https://www.kagi1109948.com/)
40年の歴史をもつ鍵業界の老舗グループ。確かな技術で防犯のプロを目指し、やりがいのあるお仕事として、フランチャイズ加盟店を募集しています。
特徴は、老舗ならではの鍵、防犯、そして経営のノウハウがあること、ロイヤリティが無く月会費は固定、個人では難しい大手企業の案件に取り組めるといった点です。
加盟店の募集については、下記より詳細が確認できます。
日本ロック
引用元:日本ロック(https://www.nihonlock.jp/saiyou.htm)
関東を中心に展開。全国一律の料金、サービスを提供するために、全国でフランチャイズ店、協力店、提携業者を募集しています。
公式サイトの協力店募集の項目では、加盟金は無し、フランチャイズの場合、月額固定のロイヤリティが必要、初期投資は不要と記されています。さらに募集要件には事細かに、どのような技術をもった業者を求めているかも記されているので、加盟できるかどうかの判断がしやすいです。
ここに書かれている、開錠技術、交換技術、取り付け技術、作成技術、修理技術を参考に、自身の鍵師として身につけている技術をチェックしておくのもいいでしょう。参考になると思います。
※業歴5年以上が加盟の条件になっているのでご注意ください。
フランチャイズに加盟するメリット・デメリット
フランチャイズとは店舗運営ノウハウや流通など、経営に必要な資源や知識をパッケージングで受け取る代わりにロイヤリティを支払うというのが仕組みの基本です。
メリットとデメリット、それぞれ整理しておきます。
フランチャイズのメリット
- 親企業のノウハウを学べ、サポートが受けられる
- 知名度を利用できる
- 安定してサービスを提供できる
フランチャイズのデメリット
- ロイヤリティが発生する
- 加盟店オーナーの意見が通りにくい
- 加盟時の初期費用や違約金がある場合もある
鍵屋という業界においては、個人で独立して運営することのリスクを考えると、デメリットよりも恩恵を受けるメリットの方が大きいでしょう。ロイヤリティや月額の費用を支払うことが発生するものの、カギの110番や日本ロックのように大手企業のフランチャイズになれば、顧客の信用も得やすくなります。
鍵屋は技術や知識も高いものを求められ、技術の研鑽と経営を同時進行で行うのは立ち上げはじめには相当な負担です。大手の知名度を使い、経営を安定させるのも立派な戦略ですので、大いに活用しましょう。
鍵屋の集客まとめ
鍵屋の集客についてまとめると、
- 鍵屋の独立開業はリスクが大きい
- 専門性の高い技術と知識を要する、資格の活用
- 開業成功のため、フランチャイズはおすすめ
- 鍵屋業界ではフランチャイズのメリットは大きい
2020年3月~5月にかけて、コロナウィルスで追い込まれた業界、店舗がたくさんありました。残念ながら経営が上手くいかず、はじき出された人たちも多数です。
そんな中、新しい仕事として、専門的な技術を要する鍵屋への独立開業を目指すのであれば、フランチャイズも含め事業計画をしっかりと立てましょう。
フランチャイズを展開する大手企業の役割
鍵屋・鍵師の役割は生活や企業のセキュリティを守る大事な存在です。高い技術や知識をもった鍵師が存在できるのは、フランチャイズを展開する大手企業の功績によるものが大きいといえます。
フランチャイズを展開する企業は、今のこの時期(2020年6月現在)であれば、鍵屋になりたいと考えている人が、どういう経緯で開業を目指しているかを把握し募るといいかもしれません。
この時期だからこそ、積極的に支援してくれてサポートしてもらえることがわかれば、加盟店の増加が増えるきっかけとなります。長期的な観点では、企業にとっても新しいプラスになるでしょう。
本記事がフランチャイズを展開する企業と、鍵屋を展開したいと考える個人を結ぶきっかけとなれば幸いです。