化粧品の「差別化」で勘違いしてはいけないこと

化粧品の「差別化」で勘違いしてはいけないこと
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

化粧品競合に勝つために必要な「真の差別化」とは?

経済産業省生産動態統計によりますと、2012年から化粧品市場は上昇をし続け、2018年の化粧品出荷額は1兆6,941億円と、過去最高を記録しています。(※1)

でも、それだけライバルが多いということでもあります。

差別化や独自性の打ち出しかたに悩む中小コスメメーカーは多いと思いますが、大手コスメメーカーを含む競合に勝つために必要なのは、どのような独自性なのでしょうか?

※1業界動向サーチ「化粧品業界」(https://gyokai-search.com/3-kesyo.htm)

化粧品の差別化となるポイント

評価・レビュー
化粧品を差別化する上で、一体何がポイントとなるのでしょうか?差別化のために必要な項目は、

  • 成分や原料で独自性を打ち出す
  • 化粧品の配合や処方で差別化
  • 産地や製法へのこだわりをアピール
  • ターゲットを絞り込んで差別化を図る

などが挙げられます。このようなアピールポイントをコンテンツに活かして情報発信していきます。


では、それぞれについて詳しく解説していきます。

成分や原料で独自性を打ち出せれば理想

独自の成分や原料を化粧品に配合することで、競合との差別化を図ることができます。ただ必ずしも独成分でなくとも、

  • 流行ではなくコンセプトに基づいた原料の選定
  • 同じ成分であっても製法や処理法で差別化できる
  • 既存成分と由来が異なるなど差別化ポイントがある

といったポイントを踏まえ、うんちくが語れるという点が大事になってきます。

似たような製品にへきえきしている消費者に向け、「〇〇産の~(成分や原料)」「〇〇でしか採れない~(成分や原料)」など、
わかりやすい独自性や差別化ポイントを提示してあげる必要があります。

化粧品の配合や処方で差別化

化粧品の配合成分を決定する際は、まずはターゲットをしっかりと定めておくことが必要。その上で、どういった効果や効能を持たせれば良いのかを考え、美容成分を決定していきます。その後、化粧品の企画や開発へのステップへと進む、といった順番が理想です。

その上で、防腐剤フリー、無添加製品など、自社が得意とする処方と

  • 香り
  • 価格帯
  • 使い方
  • 使用感

など、製品の差別化に貢献する要素を組み合わせる工夫が必要です。

例えばPHYSICIANS FORMULAというアメリカのオーガニック化粧品ブランドは、ターゲットを敏感肌に苦しむ女性に定めており、

  • 安い価格帯
  • 低アレルギー性
  • 刺激成分を含まない厳選成分のみを配合
  • クルエルティフリー

といった化粧品を販売しており、80年以上も愛され続けています。

産地や製法へのこだわりをアピール

産地を明らかにすることに関しては、食品分野では当然のこととなってきています。化粧品についても、オーガニックや自然派化粧品の需要の拡大より、原材料の生産地が気になる消費者も増加傾向にあります。

国産の原材料や、ゆずの成分を配合した化粧品を販売する際は、ゆずの有名な産地のものを使うなど、産地にこだわって差別化を図ることが可能です。

また

  • 手作り製法
  • フリーズドライ製法

など、製法にこだわることで差別化を行うことができます。産地や製法へのこだわりを自社ホームページに掲載し、しっかりアピールして集客に繋げましょう。

ターゲットを絞り込んで差別化を図る

ターゲッティング
先ほどもお伝えしましたが、ターゲットを絞り込むことが重要。そして、定めたターゲットに刺さる化粧品を作ることを目指さなくてはなりません。差別化戦略を成功させるには、ターゲットの絞り込みが必要不可欠なのです。

狭い範囲内でターゲットを絞り込み、狭いターゲットのみが望んでいる、ニッチなニーズを見出します。そのニーズを満たすような化粧品を開発し、差別化を図ることが可能。または、ターゲットを変更するのもおすすめです。もともとある製品のターゲットを変更し、変更したターゲットに合う製品を開発し差別化を行います。

ターゲットを決めて差別化を図ることで、潜在顧客を掘り起こすことが可能です。

中小化粧品メーカーでもブランド戦略で差別化は可能?


化粧品業界のブランド戦略についてもチェックしておきましょう。大手との差別化はしつつも、中小メーカーが大手化粧品メーカーに学ぶことや展開できることがあります。

  • 花王
  • 資生堂
  • コーセー

などが業界大手として挙げられます。大手化粧品メーカーである上記3社は、どのような事業展開を行い、そしてどのような化粧品をメインに販売しているのでしょうか?以下で解説いたします。

大手化粧品メーカーのブランド戦略

資生堂は、売上高が日本国内と海外の半々で、国内では中価格帯の化粧品の売上高が一番高いです。花王はトイレタリーを中心にしており、化粧品の売上高は4割ほど。カネボウ化粧品は花王傘下です。コーセーは価格が高い化粧品を中心にブランドを展開。雪肌精が売り上げを伸ばしています。

3社ともメインはスキンケア製品。家計調査の結果、化粧品に関してはスキンケア製品を購入する人たちが、一番多いことが判明しています。

したがって、3社は消費者のニーズに応えるものに力を入れている、ということが分かりますね。また、3社はリーズナブルな製品から高価な製品まで、幅広い価格帯の化粧品を取り扱っています。

日本発グローバルブランドになった「THREE」の事例

2009年に導入されたライフスタイルブランド「THREE」は、急成長を遂げ、9年間で80億円まで売り上げを伸ばしています。機能競争やオーガニックコスメブームに乗ることなく、なぜ毎年ベストコスメを受賞するほどの人気ブランドになったのでしょうか?

THREEの成功要因は、以下のとおりです。

  • 特定のターゲット顧客に合ったブランディングを行っている
  • 百貨店だけではなく、セミセルフ業態の拡大
  • フラッグシップショップの出店とショップからの情報の配信
  • ショップがメディアに取り上げられ、既存店への送客効果をもたらす

THREEの成功要因から学び、差別化を図って、自社製品の売上拡大に繋げましょう。

化粧品の差別化で勘違いしないために


最後に、自分勝手に差別化できていると思い込むのは自由ですが、消費者が「これはほかの商品とは違う!」と感じてくれなければ意味がありません。

さらに多いのは「うちの製品はいいんだ」という勝手な思い込み。「いいものは売れる」という幻想だけでは商品は売れません。売りたいものをつくるのではなく、「求められているものをつくる」ということが大事です。

真の差別化は既存サービスを洗練した先に存在します。そして、洗練の基準は「お客さま目線」。差別化とは、競合他社との違いをアピールするだけでなし得るものではありません。

作り手のこだわりや感動に共感してくれる、そして支持してくれる消費者がいて初めて成立するのです。

独りよがりにならないように、いつでもお客さま目線で、差別化や商品の独自性について考えていくようにしましょう。

化粧品の差別化まとめ

ターゲティングと差別化、独自性などのコンセプトがしっかり組み立てられた商品開発をリリースする際には、真っ先にWeb上で消費者に向けて発信していく必要があります。大手コスメメーカーなら指名検索のニーズもありますが、無名のコスメは立ち上がりは大変厳しいものになるはずです。

せっかくのコンセプトも独自性も「消費者に知ってもらえない」ままであれば、売上には繋がりません。

どのようなキーワードで上位表示させれば消費者に知ってもらえるのか、どのような施策を打てば売り上げにつながるのか。Webマーケティングのプロとタッグを組まなければ、プロモーションを成功させるのは難しいかもしれません。

弊社は『コスメニスト』のような中立なメディアの運用もしております。コスメの顔出しレポートなど、独自性の高いコンテンツ制作も可能です。ご興味がある方は下記より媒体資料をダウンロード下さいませ。

ページトップへ