賃貸不動産の営業方法とは?時代のニーズに合わせた戦略作りを
最終更新日:2021年07月25日
賃貸不動産業界をとりまく時代の流れ
賃貸不動産業界は近年では大きく変化しており、これまでの営業方法では望む結果が得られないことが増えています。どのような変化が起こっているのかを解説します。
スマートフォンの普及により不動産情報が飽和状態に
まずスマートフォンが普及した影響が大きいです。かつては賃貸不動産の情報を得るためには、不動産情報を扱う店舗を訪れるしかありませんでした。不動産を探している人は、その店舗が扱う不動産の情報しか確認できなかったのです。
しかし現在では、誰もがスマートフォンを使って、簡単に全国の不動産情報を集められるようになりました。「不動産情報を保有している」というだけでは、不動産の店舗を訪れるメリットを感じてもらえなくなっています。
人口減少により市場競争が激しくなった
近年では日本全体の人口が年々減っており、それにともなって、不動産を借りたいという人も減少傾向にあります。20代や30代の若い世代は、結婚や出産をきっかけに引越しする機会が多いのですが、その若い世代も減っています。
そうしたなかで賃貸不動産業界は、少なくなった見込み客を取り合っている状況です。競争が激しくなっているため、自社を選んでもらうための工夫が必要です。
コロナ禍による対面営業が難しくなった
さらにコロナ禍によって、対面での営業がしにくくなっています。来店した見込み客は、人との接触をなるべく避けようとするため、不動産の魅力を伝えにくくなってしまいました。
「とにかく来店してもらってから説明すればいい」というやり方は、現在では通用しにくいです。そのため従来は対面営業が主だった賃貸不動産の店舗も、他の営業手法を取り入れる必要に迫られています。
賃貸不動産営業で押さえるべきポイント
賃貸不動産の営業のポイントを紹介します。もし現在の営業方法がうまくいっていないのであれば、古いやり方を変える必要があります。効果的な営業をするために、参考にしてください。
差別化・ブランディングが必要
賃貸不動産を探す人は、最初に入った店舗で不動産情報を見て、そこで物件を決めてしまうことが多いです。そのため、見込み客が最初に訪れるお店として選ばれることが非常に重要です。
見込み客に選ばれるためには「あの不動産屋さんに相談したい」と思ってもらえるように、他社との差別化やブランディングを意識しましょう。たとえば「ペットOKの物件情報が豊富です」「仲介手数料がどこよりも安い」など、ひと目でわかるアピールポイントを作るのがおすすめです。
地域を意識した営業を目指す
賃貸不動産を扱うのであれば、地域に密着した営業を心がけましょう。賃貸不動産を探す人は、どの地域に住みたいかが決まっていることが多いからです。
「この地域の賃貸不動産にいちばん詳しいのはこのお店」という評判が広がれば、その地域に住みたい人が自然と集まってきます。あえて扱う地域を限定すると、自社ならではの特長が明確になるので、見込み客から選ばれやすくなるでしょう。
過去の集客・営業方法を見直す
賃貸不動産業界をとりまく環境の変化に対応するためには、過去の集客や営業のやり方を変えていく必要があります。効果的な集客方法は、時代によって変化していくものからです。
たとえば以前はチラシのポスティングが有効だったとしても、長く続けるうちに成果が出なくなることがあります。その場合はWebからの集客に力を入れるなど、過去のやり方にこだわらずに、すぐに新しい手法を試すことが大切です。
施策をひとつに絞らない
集客や営業の方法は、ひとつに絞らないようにしましょう。いまの営業方法で、ある程度の結果が得られていたとしても、他にもっと良い方法があるかもしれないからです。
ひとつの方法でしか営業していないと、何らかのきっかけで集客できなくなったとき、すぐには他の営業方法に移れないというリスクもあります。色々な営業方法を同時に試しながら、結果を検証して改善していくと良いでしょう。
これからの賃貸不動産におすすめの営業方法
これからの時代に賃貸不動産の営業をするのであれば、Webでの営業を中心にするのがおすすめです。見込み客はスマートフォンで情報収集をしている場合が多いからです。具体的な営業方法を紹介します。
オンライン広告
オンライン広告は強力な営業方法です。たとえば「横浜 賃貸マンション」「一人暮らし 名古屋」などと検索した人の検索結果に、広告を出すとします。すると賃貸不動産を探していそうな人だけに広告を見てもらえるので、高い効果が期待できるのです。
ただしオンライン広告は費用がかかるうえ、広告を出すのをやめると集客も止まってしまうという欠点があります。他の営業方法で集客をしたうえで、ここぞというタイミングでオンライン広告を出すのがおすすめです。広告に頼りすぎないように注意しましょう。
コンテンツマーケティング
自社サイトなどのコンテンツを充実させることで見込み客を集める手法が、コンテンツマーケティングです。コンテンツを通して、自社についての理解を深めてもらえる点が大きなメリットです。
たとえばコンテンツとしては、「満足のいく賃貸マンションを見つけられたお客様の事例」「スタッフが教える賃貸アパートの選び方」などが効果的です。見込み客の役立つ記事だと興味を持ってもらいやすいですし、自社への信頼にもつながるからです。ただしコンテンツを充実させるには、それなりの時間と労力が必要になります。
SNS運用
SNSを運用することも、営業方法のひとつです。Facebook、Instagram、Twitterなどの発信を通して親近感を持ってもらうことで、賃貸不動産を探す際に自社を選んでもらいやすくなります。SNSは無料で使える点もメリットです。
とはいえSNSはこまめな更新が必要なので、集客につなげるには手間がかかります。フォロワーを増やすためには、お役立ち情報を発信したり、ユーモアを交えるなどの工夫も必要です。SNS運用は手軽にできそうに見えても、実際には簡単ではありません。
また、物件オーナーと相談をして、紹介できる物件があれば物件の写真撮影ついでにSNS上でも拡散をしておくことで、物件が気になる方からも反響を得ることができます。
ポータルサイト
不動産物件の情報を集めたポータルサイトを利用することで、自社の不動産の情報をたくさんの人に見てもらいやすくなります。ポータルサイトで情報収集をする人は多いため、集客効果は大きいでしょう。
ただしポータルサイトでは、自社ならではの強みをアピールしにくい点がデメリットです。ポータルサイトへの掲載に費用がかかったり、成約すると手数料を取られたりすることにも、留意しておく必要があります。
Googleマイビジネス
Googleマイビジネスを使えば、GoogleマップやGoogleの検索結果に、自社の情報を表示できます。情報の登録は無料できるので、忘れずに登録しておきましょう。
営業時間やWebページへのリンクなど、入力できる情報はすべて記入しておくことで、見込み客に「しっかりしていそうなお店だ」と安心感を持ってもらえます。
一方でGoogleマイビジネスには、賃貸不動産の店舗を積極的に探している人以外は集めにくいという欠点もあります。他の営業方法も合わせて使うようにしましょう。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、自社商材に関して検索されているWeb市場において専門メディアを立ち上げ、親和性の高いユーザーのみを集客していく戦略です。
賃貸不動産屋の共通の課題としては商圏内の不動産屋と差別化が図りづらく、物件勝負をせざるを得ないというのが本音ではないのでしょうか。
そこでポジショニングメディアを活用することでこのエリア内においてどの不動産屋に相談すればいいかユーザーに情報提供を行い、自社と親和性の高いユーザーがいれば反響を取ることができます。
具体的には成約率の高い飛び込みやホームページ、電話での反響獲得が増やせます。
ポータルサイトや自社HP以外にも集客できる経路を開拓しておきたいという考えがあればマッチしている施策です。
営業マンの営業方法も見直しを行う
賃貸不動産の営業では、Webでの集客と営業マンの活動を、うまく連携させることが重要です。営業マンは昔ながらのやり方を続けるだけでなく、営業方法の改善を続ける必要があります。
ネット反響ならではの営業方法を見つける
営業マンはWebでの営業で得られたデータを、見込み客への対応に活かしましょう。Webでの営業では、見込み客がどんな情報に関心があるのかなど、様々なデータが得られます。
たとえば運営するメディアのアクセスを解析すれば、どんな記事が多く読まれているかがわかり、見込み客が興味を持つ話題がわかります。顧客とのやり取りの中でその話題を出せば、興味を持って話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
営業マンは「Webは自分とは無関係」とは思わず、Webでの営業で得られたデータに気を配ることで、思わぬ気づきが得られるはずです。
賃貸不動産の営業はWebマーケティングがカギ
賃貸不動産の営業を効果的に行うには、まずは自社ならでは強みを明確にすることが大切です。そのうえで、様々なWebでの営業方法を活用して、多くの人に自社のことを知ってもらいましょう。
どの営業方法が自社に合っているかは、試してみないとわかりません。複数の営業方法を同時に試しながら、効果が大きいものを残して、改善を繰り返すのがおすすめです。
Webでの営業と営業マンによる顧客対応をうまく組み合わせて、賃貸不動産の集客を成功させましょう。Webマーケティングに関して気になることや不安なことがあれば、Zenkenにご相談ください。予算に応じてプランをご提案させていただきます。