顧客に向き合う経営戦略が不動産業の売上アップのポイント
最終更新日:2021年03月26日
不動産業界の現状とマーケティング
不動産業界はBtoC業界でありながら、他の産業とは異なり、1回あたりの購入単価が非常に高い商材を扱っています。そのため、他のBtoC業界におけるマーケティング手法をそのまま使っても、効果を発揮するとは言いにくい現状があります。
例えば、EC事業はオンライン上で購買が完了することから、オンラインにおけるマーケティングに非常に長けています。しかし不動産業界はエンドユーザーとなる顧客は一般消費者であっても、同様の手法は効果を出しにくい点を把握しておく必要があります。
しかし不動産業界も、実店舗のみの戦略ではなかなか販売数が伸びにくい時代となり、オンラインを駆使したデジタルマーケティングの必要性が問われています。
近年不動産のポータルサイトなどが発達し、顧客自らが情報収集をしやすい環境が整ってきました。そのため、不動産に関する知識を持ち合わせている顧客が多く存在していることから、不動産業者は業界のプロとして、顧客の先を行く情報提供を行う必要性があります。
競合他社が本腰を入れていないユーザーのニーズに気づく
不動産業の集客スタイルといえば物件ありきの反響獲得。しかし、細かくユーザーニーズを分析をすれば自社が狙える市場があります。
例えば、ユーザーは物件購入や転居を考える際にはその住環境を重視しています。しかし、物件ありきの集客施策しかないからこそそこに目を向ける競合他社は少ない。
しかし、その市場だからこそ狙える住環境重視のユーザーがいます。そんな一例をまとめてみましたので、よろしければ下記をご覧ください。
不動産業売上アップには顧客管理が重要
では、実際にどのような方法を駆使して売上を上げていくのか。マーケティングの知識に加え、大切なことがあります。それは、顧客管理を行うことです。中でも見込み顧客を管理することが重要です。
見込み顧客とは、「今すぐに家を購入はしないが、いずれ購入したいと思っている」層を指します。家を新しくしたいと考える時、何かきっかけがある場合が多いでしょう。収入の変化や世帯構成の変化などを大きな理由として考えることができますが、これらは時期が未定のものです。
そのため不動産業者側はその「未定」のタイミングに備え、未来の顧客を管理しておく必要があるのです。見込み顧客の場合、新規に獲得してくる手間はありませんが、顧客にとって最善のタイミングを逃さないことが必要になります。顧客の情報を購入が期待できる時期別にセグメントし管理を行うことで、的確にタイミングキャッチを行うことが可能です。
競合が本腰を入れていないブルーオーシャンを狙う
例えば不動産業界であれば「物件」ありきの集客が基本であるという認識ですが、ユーザーニーズを市場と照らし合わせて細かく切り分けていくと、
競合他社が本腰を入れていない不動産購入、転居市場に辿り着くことができます。一例を資料にまとめているので、よろしければご覧ください。
顧客管理システム導入のメリット
これらのタイミングを的確にキャッチするためには、Excelなどのアナログ管理では難しいでしょう。手動での入力や更新はミスにもつながります。不動産の顧客管理に特化したシステムは現在多数あるため、商機を逃さないために導入を検討してみる価値はあります。
システム導入は長期的なコストダウンにつながる
システム導入と聞くと、コストが発生することを懸念されるかもしれません。しかし、システムを利用せずに顧客管理を行うことは非常に手間となり、結果的に無駄な人件費が発生します。また、システム移管時に一時の手間が発生するとしても、この先の時間削減を考えると大きな影響にはなりません。
さらに、セキュリティ面でも安全です。システム内で管理される個人情報は、個々人が紙やファイルで管理するよりもはるかに安全だと言えるでしょう。また、担当者が退職した際の引継ぎなどもスムーズに行うことができます。
目先の利益だけではなく、未来の利益を考えれば、このメリットは明白ではないでしょうか。
代表的な顧客管理システム
一部ではありますが、代表的な顧客管理システムを紹介します。
- 「いえらぶCLOUD」
- ノマドクラウド
- 賃貸革命
- 顧客大王
- Webカスタマン
株式会社いえらぶGROUPが提供する不動産業支援のオールインワンのクラウドシステムです。複雑な顧客情報と、追客業務を効率よく管理することが可能です。
スタッフの応対履歴なども全てまとめて閲覧できることから、顧客管理から案件管理まで、全ての管理をこのシステム内で包括できます。
イタンジ株式会社が提供する、不動産仲介会社の営業業務をサポートする顧客管理・業務改善クラウドシステムです。7,000社にも及ぶ導入実績を誇り、顧客専用ページを持って管理をすることが可能です。導入実績を重視する場合にオススメのシステムです。
日本情報クリエイト株式会社が提供する、集客・管理に強い賃貸物件総合管理システムです。顧客管理だけでなく情報処理を行いたい場合には、物件・契約管理や家賃請求、入金処理を一元管理できるため安心できるシステムです。
武蔵株式会社が提供する物件管理と顧客管理のサービスです。すでに自社のホームページの運用に成功している会社にとって、顧客管理における負荷を減らす機能が多数搭載されています。ポータルサイトからの反響自動取込なども可能です。
株式会社アクティブ情報サービスが提供する顧客管理ソフト&クラウドサービスです。企業規模を問わず利用できることが最大の魅力であり、簡単に導入できるサービスになっています。システム導入時の手軽さを大切にする企業にオススメです。
このように、現在では不動産向けの顧客管理システムが多数リリースされています。自社の現時点でのマーケティングの成熟度や、他社ポータルサイトの利用頻度などを踏まえ、規模感や利用用途に適したシステムを利用すると良いでしょう。
信頼される・安心される不動産会社になるには
家を購入するという大きな買い物をするにあたって、重要になるのが社会的証明を手に入れるということです。
不動産は、金額の大きさゆえに人生で何度も購入するものではありません。そのため、他の安価な商品に比べて、販売する会社がどれほど信頼されているのかという基準が重要になってきます。ここでその証明になるのが、顧客の声ということです。
顧客の声が大切
実際に家を購入した顧客の声ほど、新たな顧客にとって有益な情報はありません。問題はその情報を、不動産業者側でいかに露出させられているか、という点です。実際の住み心地はもちろん、実際に購入するまでのプロセスなどが非常に重要です。これらを可能な範囲で新たな顧客に見えるようにしましょう。
そして、その声を元に新たな顧客はイメージを持って家購入の相談に来ます。彼らの希望は、現時点で彼らが想定している暮らし方における話であり、未来を見据えているわけはないかもしれません。
また、直近見た「良かった家」に惑わされている可能性があります。すなわち、彼らの声にプロである不動産業者が耳を丁寧に傾けることで、実際のニーズを引き出すことに繋がります。
顧客の声から気づくべきこと
目先の希望だけではなく、まだ言葉になっていない潜在的な希望こそ、プロである不動産業者が捉えるべき必要があるものです。そのような積み重ねを行っていく中で、信頼できる不動産会社としてのバリューが付きます。そのバリューが多いほど世間的には価値があり、より安心・安全な家づくりを実現できると捉えてもらうことができるのです。
そのようにして、信頼を勝ち取っていくことは、どのようなマーケティング手法よりも大切になります。結局のところ、マーケティングの材料になるのは顧客の声や事実です。これらを的確に収集できるような状態になっていなければ、どのようなマーケティング手法も効果を発揮することはありません。このことを肝に銘じ、まずは信頼を勝ち取るための戦略を得るように心がけましょう。
不動産業の経営戦略まとめ
売上アップを目指すには、顧客ニーズを捉えて、より多くのお客様にアプローチすることが必要です。これは実際に顧客の話に耳を傾けるという点でも必要です。
そのためにはWebでの集客やブランディングが必要になってきます。また、自社の規模や置かれている現状を的確に把握することが求められます。これらを全て、自社だけで対応するのは難しく、また客観的な視点も重要です。マーケティング戦略は、プロに相談してみましょう。
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