不動産の管理物件を増やすための営業方法で優先すべきこと
最終更新日:2024年03月15日
この記事では、不動産会社へのマーケティング支援でキャククルが培ったノウハウをもとに、不動産の管理物件を増やすための営業方法について、解説していきます。
※不動産管理物件をWeb上で獲得する方法についてはこちら(記事の後半へジャンプ)からでも詳しくご覧いただけます。
およそ6割の不動産事業者がコロナ禍の影響を受ける
飲食業や観光業ほどではないにしても、コロナ禍により不動産業界も倒産や人員削減といった大きな影響を受けています。
特にコロナ発生以降今日に至るまで、コロナ禍によるなんらかの影響を受けた不動産事業者は94.6%であることが、ミカタ株式会社の調査によりわかっています。
「影響を受けていない」と答えた不動産事業者はわずか5.4%にとどまっていることからも、不動産業界のコロナによる影響の大きさを感じざるを得ません。
※参照元:ミカタ株式会社不動産会社のミカタ「【新型コロナウイルス】不動産事業者への影響を128社にアンケート調査」(https://f-mikata.jp/corona-f-jigyousha/)
不動産業界全体で共通している影響を整理しておくと、下記のような状況が考えられます。
- 店舗への来店数が減少
- 内見数が減少
- 問い合わせの減少
- 売上の減少
このほかにもテレワーク導入による作業の非効率化や、完成展示会などの来店型集客機会が減少するなど、この先もコロナ感染者数で営業方法の変更が余儀なくされる可能性は否定できません。
店舗への来店数が減少
不動産管理物件を増やす営業とは直接関係ありませんが、コロナ禍により外出は自粛され、県と県の往来も度々規制されることで、出張や対面営業には影響が出てしまっています。
出張や対面訪問を自粛する顧客が減れば、当然フィールドセールスの機会も減ることになります。
人流抑制の影響がこのまま続けば売上へのダメージが大きくなるばかりなので、どこかで思い切ったデジタルシフトが必要になります。
着手しやすいところではオンライン商談ですが、対面のようにクロージングがうまくいかない、プレゼンがはまらないなど課題は山積という会社が少なくありません。
ただ、回数を重ねて改善のPDCAを回さない限り、デジタルマーケティングのノウハウは蓄積されないことは間違いありません。
内見数が減少
物件探しには欠かせない「内見」ですが、店舗への顧客来店数が減少すれば当然内見数も減少します。いくら管理物件を増やしても、入居者がなかなか決まらない、店子が入らない状況が続けば、収益性は上がりません。
問い合わせの減少
コロナ禍により勤務形態がテレワークに移行すれば、オフィスとしての需要にも影響があります。これまで大人数の社員が働けるスペースの確保がマストだった中小企業のニーズも、コワークスペースの活用などでオフィスビルにも空き室が目立ちます。
積極的に物件探しを行う必要もなくなり、不動産会社への問い合わせも減少します。インバウンドマーケティング施策を投じないと、問い合わせは減る一方かもしれません。
不動産事業は社会情勢が色濃く反映される業界ですので、少しでも先を読んで準備を進めることが肝要です。
売上の減少
上記すべての項目が連鎖的に起これば、当然売上は減少し続けます。管理物件が増やせても、稼働していない物件ばかりが増えてしまう可能性もあるわけです。
本当に管理物件を増やす営業を優先すべきなのか、ほかに急いで着手すべきことはないか、無駄な広告を打っていないか。
不動産管理の営業方法を見直す目的を明確にして、事業部全体でKPI(重要業績評価指標)を共有しながら進めていくことをお勧めします。
不動産の管理物件を増やすための営業方法で優先すべきこと
いままでの営業スタイルに限界を感じているのであれば、まず足元の確認を怠らないことと、アフターコロナを見すえた営業方法の確立が急務です。
なかでも管理物件を増やすことと相関関係にある「不動産管理のテック化」を進めることは最重要課題です。
以下に紹介する見直しポイントを実践すると同時に、不動産管理のテック化にも着手すべきでしょう。
管理物件を増やす方法を見直す
不動産管理の仕事はストックビジネスとも言われ、いかに多くの優良物件を保有しているかで、得られる収入の額が変わってきます。
管理物件の品質にもよりますが、基本的に管理物件が多ければ多いほど収入も増え、長期的に安定した収益が見込めます。
そのため管理物件を増やすと言うことは、自社のビジネスを軌道に乗せ、収益を安定させると言うことでもあるのです。もちろん増やした管理物件を稼働させる工夫も忘れてはなりません。
駅チカ物件オンリーで開拓するとか、なにか自社のビジネスに親和性が高い物件に絞り込むといった方法も選択肢としてあります。
具体的に管理物件を増やす方法には、以下のような方法があります。
- 大家さんとの信頼構築にこれまで以上に時間をかける
- バリュープロポジションを意識した取り組みを実施する
- 紹介案件が増えるよう多方面に働きかける
大家さんとの信頼構築に務める
賃貸管理物件を増やす良い方法としてまず挙げられるのは、大家さんとの信頼関係を構築することです。当たり前すぎることですが、コロナ禍だからこそ、基本に立ち戻ることも大事です。
ほかにも管理物件を増やす方法はありますが、賃貸管理物件の仕事はまず「大家さんありき」と言っても過言ではありません。まず大家さんの立場になって、顧客目線の提案やフォローアップをきめ細やかにしていくようにしましょう。
「空き室が生じた場合にはすぐに客付けを行う」などの細かい配慮をしたり「報告書や支払明細をマメに提示する」など情報をフィードバックしたりして、密なコミュニケーションを取るように心がけてください。
バリュープロポジションを意識した取り組み
バリュープロポジションとは、自社にしかない価値のうち、顧客が求めている価値のことを指します。自社独自の強みで他社との差別化を図り、顧客のニーズを満たすことができれば、管理物件の相談が相手側から入ってくる可能性もあります。
不動産管理事業においても、このバリュープロポジションの視点を持つことは非常に重要です。図で見るとよりわかりやすくなります。
管理物件獲得のため大家さんにダイレクトメールを送ったり、賃貸物件を所有している会社に営業をかけたり、これまでと同じような営業方法を繰り返すだけでは、大きな成果にはなかなか結び付きません。
そのため競合他社との差別化を図り、独自性を打ち出すことによって不動産オーナーや大家さんに「見つけてもらう」施策が重要になります。
バリュープロポジションを確立できれば、オウンドメディアやポジショニングメディアなどのメディアを活用したインバウンドマーケティングを営業方法に加えることができます。
具体的には他社より強みが打ち出せるような物件を限定的に扱う方法や、「このエリアのこのような物件の管理ならこの会社に相談してみよう」と第一想起される企業になるために、メディアを使ってブランディングを図るといった方法があります。
多方面からの紹介を獲得する
金融機関や売買専門の不動産会社などから、投資家やオーナーを紹介してもらうことで管理物件を獲得する方法もあります。
たとえば不動産所有のオーナーは基本的に金融機関から融資を受けて物件を建てています。当然その金融機関はそのオーナー情報を持っているので、金融機関を通して不動産オーナーなどを紹介してもらうことが可能です。
金融機関との繋がりによって、不動産管理物件を獲得できるメリットはとても大きいものです。日頃からコツコツと人脈づくりを行い、互いにWinWinの関係が築けるようなリレーションを根気強く継続していきましょう。
不動産管理のテック化を進める
業務のIT化に遅れを取っている不動産業界。少しでも多くの業務にITを取り入れることが喫緊の課題となっています。
不動産テックというとなにか難しいことのように聞こえますが、基本的には人間がやらなければいけないことと、管理ツールなどで効率化できる業務の仕分けをして、業務効率化を図ること、と理解しておけば大丈夫です。
いつまで長引くか分からないコロナ禍の状況下において、業務効率化を考えずに事業の発展はありません。
不動産テック化を進めるフローはいろいろありますが、例えば下記のような流れです。
- 管理業務をIT化する
- 基幹システムと連携させる
- 業務を一元化させる
管理をIT化する
テック化を行うにあたりまず行うことと言えば、管理のIT化です。具体的にはそれまで手作業で行っていた「明細書などの郵送作業」や「入金などの照合作業」「電話での連絡作業」などをすべてIT化させてしまいます。
経理や総務の作業をデジタル化するメリットをアピールするテレビCMを見ない日はありませんが、潜在ニーズの掘り起こしにはマスメディアの活用が有効、ということなのでしょう。
明細書などの郵送作業をすでにしていない企業も多く、ペーパーレス化により社員の作業量も減り、業務効率化が実現できています。さらには環境問題への取組みにもつながるなど、いくつものメリットがあります。
照合作業や連絡作業もテック化を行うことで、ほかの作業に従業員を充てることができるようになります。管理業務のIT化が進むだけで、事業部全体の生産性が向上します。
基幹システムと連携させる
「ヒト」「モノ」「カネ」の情報を管理するのが「基幹システム」です。生産管理システムや在庫管理システム、販売管理システムなどはすべて基幹システムです。
テック化を行うにあたり、この基幹システムとすべての作業を連携させる必要があります。
紙媒体の情報をデータ化し基幹システムと連動させるには「ロボティックプロセスオートメーション(RPA)」を導入します。
従来人間が行っていた作業をAIが代行し、ルーティンワークとして実行できるツール、もしくはそういった取り組みのことを指します。
業務を一元化させる
最終的にすべての業務を一元化し、ワンストップで行えるようにできれば、作業量を大幅に削減することができます。
また従業員の労力も減らすことができ、人的コストも削減できます。
しかしながらシステム導入にはそれなりの資金と工数がかかり、またシステム同士を連携させることも、それなりの知識やノウハウを要します。
社内にデジタル部門がない、リテラシーのある社員がいない場合は、外部コンサル会社にまず相談してみましょう。
不動産管理物件をWeb上で獲得する方法
不動産テック、業務のDX化と同時に走らせたいのが、「Web上に不動産管理物件を集める場をつくる」ことです。
セミナーを開催する場合、ターゲットを集めるためになにをしているかを思い出してみてください。
それと同じ考えで集客の場が確保できれば、24時間365日休むことなく、ターゲットが獲得できるようになります。
Web上で不動産管理物件を増やす営業に活用するものを紹介しておきます。
戦略的ホームページ
単なるホームページではなく、戦略的要素を随所に散りばめた「戦略的ホームページ」の活用は非常に有効です。
ホームページは広告である、ということをついつい見逃しがちです。
コンテンツマーケティングを駆使した、更新性の高いホームページは不動産管理物件をWeb上で獲得するために、大いに集客効果を発揮します。
ランディングページの最適化
ランディングページとは「商品の購入だけ」「申し込みだけ」など「その役割だけ」に特化させたページのことを指します。
ユーザーが最初で最後に訪れるページであり、そのページだけで、来訪から成約までユーザーの一連の行動を完結させてしまうのが特徴です。
リスティングとの相関関係やターゲットに対応したキーワード選定など、ランディングページを最適化させることでターゲットを獲得していきます。
営業に貢献するSEO施策
ホームページにSEO施策を打つことも非常に有効です。とりわけ最近では、良質なコンテンツを継続的に投入し続ける「コンテンツSEO」がトレンドです。
ホームページのSEOというと、指名検索狙いで社名や事業内容+エリアなどに目がいきがちですが、じつは潜在ニーズの掘り起こしに貢献するキーワードで上位表示されれば、その対策キーワードからの流入が期待できるのです。
営業マターでメリットのある対策キーワードをリストアップして、ホームページのSEO施策を考えてみてください。
自社特化型メディアの制作・運用
他の企業にはない、自社特化型のメディアを制作してそれを運用することで、他社との差別化を図り、自社のブランディングへと繋げます。
ポジショニングメディア
市場内で自社と他社の明確な立ち位置の違いを示した「ポジショニングメディア」を活用することは非常に効果的です。
さきほどバリュープロポジションの説明をしましたが、ポジショニングメディアはバリュープロポジションが明確な場合に採用できるメディア戦略です。
選択の基準で悩んでいるユーザーに対して、第三者の公平な目線で設定した比較軸で訴求できるマーケティング戦略です。
ターゲットの絞り込み、エリアの選定、SEO対策キーワードの厳選により、「欲しいターゲットを集中的に集める」ことが可能です。
ポジショニングメディアについては、下記ページもご参照ください。よりくわしく解説しています。
下記資料をダウンロードいただければ、簡単に社内でご共有いただけます。
オンライン商談を活用して直接具体的な事例について聞いてみたいという場合は、下記よりまずお問い合わせください。
ブランディング(オウンド)メディア
自社ブランディング効果を狙った「ブランディングメディア」の活用も有効です。
ある程度不動産管理物件の獲得ができているのであれば、第一想起される不動産管理会社になるためのブランディングが必要です。
どのようなジャンルで、どのエリアで、どんなリードが獲得したいのかが明確になっているのであれば、会社としてのブランディングを進めて、認知度を高める施策も同時に走らせましょう。
ただしブランディングメディアのKPIが、必ずしも管理物件増加に寄与するとは限りません。新たな営業方法というよりは、中長期的な施策として会社の価値を底上げする施策として、同時に走らせる施策です。
Zenkenのブランディング(オウンド)メディア構築方法については、以下のページをお読みいただければと思います。
Zenkenのブランディング(オウンド)メディア制作について
不動産の管理物件を増やすための営業方法まとめ
不動産業界というと、足で稼ぐイメージにしばられている会社もあると思います。戦う相手にもよりますが、これからは従来の営業方法に固執するべきではないと考えます。
自動化できる作業工程はすぐにでも自動化してしまい「従業員の負担を軽くする」「業務を効率化して作業量を増やす」ことが喫緊の課題となっています。
不動産テックやインバウンドマーケティングに着手するなど、アフターコロナに向けた備えを急ぐべきであることを再確認してください。
コロナ前までは、さまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が進みませんでした。皮肉にもこのコロナ禍が背中を押しているという状況にあります。
デジタル庁の動きなどはまだまだ不透明ですが、デジタル化やインバウンドマーケティングの必要性を上長に理解させることができない場合は、Zenkenにご相談ください。
これまで120業種以上のマーケティング支援を行ってきた実績を踏まえ、Webマーケティングの必要性などをあなたの上長にご説明させていただけます。もちろんプレゼンも可能です。
下記より一度ご相談ください、お待ちしております!