専門学校の集客(学生募集)を増やすマーケティング・広告戦略とは
最終更新日:2024年03月21日
この記事では、専門学校の集客(生徒募集)の方法や、マーケティング戦略のポイントとそれぞれの施策を紹介しています。「なかなか生徒募集が上手くいっていない」「定員割れが続いていて危機感がある」という悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
併せて、
- 例年定員割れだったのが、続々願書が届き入学可能人数を2倍にしても追いつかない
- 前年以上の学生募集に成功し、受け入れ人数を増やすために校舎の増築を決定した
- 競合との差を明確にすることができ、欲しい学生のみを募集することに成功した
などの集客成果を出したWeb集客施策「ポジショニングメディア」も紹介しています。せひご覧ください。
※Zenkenが提供するポジショニングメディアについてはこちら(記事の後半へジャンプ)からでも詳しくご覧いただけます。
専門学校がおかれている状況
専門学校の生徒数は2019年には一時的に増加していることから、回復したように見ることもできますが、1992年をピークに減少傾向にあります。
専門学校志望者の推移
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|---|
学校数 | 3,183校 | 3,172校 | 3,160校 | 3,138校 |
全体の生徒数 | 656,649人 | 655,254人 | 653,132人 | 659,739人 |
平均(1校あたり) | 209.25人 | 206.57人 | 206.68人 | 210.24人 |
データ参照元:学校基本調査 令和元年度結果概要
志望者が減少していることや、途中退学といった学校の存続に直結するといった課題があり、さらには少子化のためターゲットの学生は母数自体が減少しています。少子化により人口が減少、さらに大学の専門性強化による4年制大学への進学推進が進めらています。2020年4月には政府による高等教育の修学支援制度の無償化が実施。この無償化は専門学校にも適用されますが、この影響で志望者が大幅に回復すると考えるのは難しいです。
こういった状況下では、今のうちに自校に入学する生徒をどうやって確保していくか、戦略を立てておかねばなりません。
生徒に選んでもらうためには、競合校に対する自校の強みを浸透させる集客施策が必要です。
理想的なのは、生徒(またはその保護者)が自校の魅力や優れている点を理解して「通いたい!」と強く思ってもらえるアプローチです。それを実現するには、2つの条件があります。
- 生徒(またはその保護者)が求めている価値を提供しなければいけない
- 提供している価値は、競合が提供していないものでなければいけない
下記には、上記を満たすための方法などについて、詳しく解説していきます。
学生に選ばれる専門学校になるには?
専門的な人材を育成することによる、高い就職率が専門学校の強みです。高度な専門性を求めていない限りは、受験生は幅広く応用が効く4年制大学への進学を選ぶでしょう。
少子化の中で生き残るだけではなく、成長するためには高い技術や知識を身につけたいという受験生に対して、その強みを的確に告知し、認知してもらわないことが必要です。
では、どうすればいいのか?そのためにはまず受験者、学生の観点や行動を知る必要があります。
専門学校が受験生に伝えるべきこと
対象となる学生、受験者は「専門学校」についてどのような観点を見ているかまとめてみると
- 専門的なスキルが学べるか
- 就職支援や指導があるか
- 立地
この3点に集約されます。
ここから派生して、専門的な技術を習得するためにも設備や施設が整っているか、学校の卒業生がどんな企業に入社しどんなプロジェクトに携わったか、どんな作品を作ったのか、などより具体的な情報を調べて比較・検討します。
そのような点において自校が、
- 選ばれる特徴を持っているか
- エリア内での他校との差別化を明確に示しているか
この2点は最低限考えておく必要があります。
差別化はできているか?
専門学校において差別化すべき重要点は
- 学べる専門性の指導方法は → カリキュラムや指導方針など
- どんな事がこの学校でしか経験できないか → 設備や施設
この2点が、専門学校の強みとしてより打ち出すべきポイントになります。
この時、間違ってはいけないのが自校の強みをただ列挙するだけでは単なる自己満足になってしまうということ。
自分達の強みが学生たちにとってどんなメリットがあるのか、学生の目的を(例/こんな仕事につきたい等)を考え、学生の立場から見たベネフィット(価値)を伝える必要があります。
ターゲットを明確にして、自校の強みを最大限に伝えることができれば、魅力的な学校として映るはずです。
卒業後のビジョンが見えるか
『ここで学べば自分は本当に○○になれるかもしれない』
そんな期待を具体的に抱くことができたら、もうその人は学校のファンになっているはずです。
一度ファンになるぐらい気持ちを取り込めれば、様々な情報を肯定的に受けとってくれるようにもなります。
学生の未来を具体化できる根拠を示すために、学校からの実績として就職先の声や卒業生の声、そのためにしている就活指導などを紹介するとより効果的です。
専門学校の強みを学生に浸透させ集客するための広告手法
強みを持っていても、それが受験生に知ってもらわないと意味がありません。まず基本的な広告手法を紹介していきます。
オンライン広告
いまや多くの人がスマートフォンを持ち、ネットでの情報検索が当たり前になりました。特に専門学校のターゲットとなる受験生はスマホでの検索するのは当然のこと。Webの広告戦略の重要性は、以前の比ではありません。
チラシなどのオフライン広告も、いまやWebへの入り口です。興味を持った学生が求めている答えを、しっかりと伝えられるホームページをつくる。それに加えて、Webの広告戦略ではseoなどの対策も必須となります。
seo対策をすることで、まだあなたの学校自体に興味がなくても、専門分野やエリアなどで検索している学生に認知してもらうことができます。
ターゲットが集まるポータルサイトへの広告掲載も有効
オンライン広告の代表格はリスティング広告ですが、中長期的に生徒を集めるなら、ポータルサイトなどのWebメディアに自校を掲載する方法が有効です。
さまざまな専門学校が網羅されている一括資料請求系のメディアだけでなく、資格取得や専門学校のジャンルを絞り込んだWebメディアを制作・運用するのがトレンド。
たとえば以下のメディアは建築業界の資格取得が目指せる専門学校を集めたWebメディアです。
こちらは建築士を目指す人、建築業界での活躍を目指す人のために、全国各地の建築科のある専門学校をリサーチしてまとめたポータルサイトです。
資格取得が目指せる建築系専門学校が全国から探せるほか、建築系スキルが獲得できる大学、建築士になるために必要な基礎知識など、建築士志望のユーザーに役立つ情報が満載。
ユーザーが求めている正確な情報を提供することでメディアへの信頼度が高まるため、絞り込まれて流入してきたユーザーからの反響が得やすい仕組みとなっています。
もしもこの「建築の専門学校パーフェクトガイド」に自社情報を掲載したいと思われたなら、下記フォームよりお問い合わせください。
SNSの活用
ターゲットとなる若者世代は、Twitter、Instagram、LINE、YouTube、TikTokなどSNSからの情報収集が当たり前です。SNSは文章だけでなく、動画や写真を用いて、講義や生徒の様子などのリアルなスクールライフを伝えることに適しています。
通常のSNSでアカウント運用する際に費用はかかりません。ただし積極的なSNS広告の運用をする場合には、有料のビジネスアカウントも検討してみる価値ががあります。フォロワー以外の専門学校に興味がある潜在層の学生にも、イベントや活動についての情報を伝えることができるからです。
投稿のコメント機能によって受験生からの質問を受けることができ、密度の高いコミュニケーションも可能です。
自校に親和性の高いSNSに絞り込んで、運用会社に一定期間依頼するのが得策かもしれません。
ポータルサイトの活用
プラットフォームの代表的なもの、特に複数の候補から正確な情報を得るために活用するのがポータルサイトです。学校の情報だと、スタディサプリ進路やみんなの専門学校情報などが挙げられます。
ポータルサイトにターゲットの学生が大勢集まれば集まるほど、認知してもらえるチャンスにつながります。多くの競合校が掲載されている場合は、そのようなポータルサイトにて自校が紹介されていないということ自体がデメリットになりかねません。
ポータルサイトの場合は無料で掲載できる場合もありますが、広告として機能させるには広告掲載料を支払うものが多いでしょう。
集客をするため ホームページの作り込み
Web対策を施し導線が組めても、肝心の誘導先で強みをアピールできなければ意味がありません。呼び込んだ温度の高い志望者を、ホームページでしっかり捕まえることで初めて集客の効果があります。
ここに至るまでに、様々な自校の強みを学生にアピールして仕込みをしてきたはず。ホームページに誘導できたら志望者の「希望や目標がここなら叶えられる」という感覚を、より一層現実味を帯びた確信に近いものへ変えていくコンテンツが必要です
ここでは夢や理想が叶えられる根拠はもちろん、支援制度、学費、実績、設備などの情報もしっかりと伝えるようにしましょう。「知りたければ問い合わせてくるだろう」という考えは危険です。
競合の他校と比較していて、他の学校の方が情報が充実していた場合、信頼性の部分で劣ってしまい、選択肢から外されてしまう可能性もあります。選んでもらいたい学生に選んでもらうための仕掛けを作ることが必要です。
ポジショニングメディアで自校の強みを可視化
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングメディアとは、自校に強い関心を持つユーザーが集められるWebメディア戦略です。
自校の強みに共感する学生にターゲットを絞ったうえで競合との比較を通じて学生の学校探しニーズに応えると、「こんな専門学校を探していたんだ!」とと選んでもらえる状態がつくりだせます。
「人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」というスティーブ・ジョブズの名言があります。自校で提供できる価値やターゲット層の悩みをポジショニングメディアのコンセプトにすることで、将来に何がしたいのかまだよく分からないなど、いわゆる潜在層からの集客も可能です。
ポジショニングメディアを導入した結果、下記のような成果が上がっております。
- 例年定員割れだったのが、続々願書が届き入学可能人数を2倍にしても追いつかない
- 前年以上の学生募集に成功し、受け入れ人数を増やすために校舎の増築を決定した
- 競合との差を明確にすることができ、欲しい学生のみを募集することに成功した
ポジショニングメディアについて詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
定員割れを救ったポジショニングメディアの導入事例
以下は実際にクライアント様より寄せられた実感です。
専門学校A校 募集人数200名以下 関東圏
ポジショニングメディアを導入する前では、どこの専門学校さんと同じように定員割れが当たり前でした。
正直、このままでは経営が危なくなる、と思い、清水寺を飛び降りる思いで導入。導入後、まず定員まで集まりましたが、驚いたのはこの圧倒的な応募数。すぐさま定員数を倍に増やしましたが、またすぐに定員オーバーになりました。
オープンキャンバスに来る学生数も増え、さらに親御さんと一緒に来る入学意欲のあるアツいユーザーが多くなり、「今までで一番忙しい!」という現場の嬉しい悲鳴も聞こえています。また、元々入学する学生は大半が地元に住んでいることが多かったのですが、北は北海道、南は沖縄と全国から応募が来ていることから認知度も着々と上がっているのだと実感。
正直ここまでの劇的な経営回復はこの施策無しでは有り得ませんでした。本当に助かりました。
オフライン広告
Webの広告をオンラインと呼ぶ一方、アナログの広告をオフライン広告と呼びます。
専門学校の集客に使われる主なオフライン広告を紹介します。
チラシ
手軽に渡せるチラシですが、読み手の興味を引く工夫が必要です。興味を引かなければ簡単に捨てられてしまいます。
限られたスペースしかないため、まずは一番伝えたいメッセージを決めることが大切。チラシだけですべてを伝える必要はありません。いまは興味がわけば手軽にネット検索して調べる時代。チラシを入口に、ホームページでより具体的な強みが伝えられるような連携を意識してください。
パンフレット
チラシに比べて伝えられる情報量が多いパンフレット。中身はもちろん、人と同じで第一印象も大事。中を開きたくなるようなデザインを作り込むだけで、学校自体への印象もかなり変わります。
チラシ→パンフレット→Webと情報量が増えていきますが、パンフレットは前から順に読み進めていくもの。Webと違い、よりストーリーが見せやすいため、順を追って見せていくコンテンツを考えてみてもいいでしょう。
交通広告
日々通学で利用する交通機関での広告は、近隣の受験生に知ってもらえるキッカケとなります。電車広告や駅広告、バス広告といった、学校の近隣を走るバス内や最寄りの駅など、エリアを絞って掲載をすることができます。
昔からある広告手法ではありますが、毎日繰り返し目にするものの印象は強く印象に残るものです。斬新な交通広告が打てれば、効果はてきめんです。
また、広告を見た受験生がアクションを起こしやすいよう、オープンキャンパスや説明会などのイベント情報にアクセスしやすいよう、QRコードを掲載するなどの工夫も大事です。
学生の志望度を向上させるオープンキャンパスの設計方法
オンラインでのオープンキャンパスも検討しましょう。オープンキャンパスの設計では、志願者の志望度向上が鍵となります。学校独自の魅力を明確化し、他校との差別化を図ることが重要です。以下にポイントを紹介します。
目的と目標の設定する
オープンキャンパスの主な目的や目標を明確に定義します。例えば、学校の特徴やプログラムの紹介、キャンパスツアー、教職員や学生との交流などが考えられます。
ターゲットとなる学生や保護者について理解する
ターゲットとなる学生や保護者のニーズや興味を理解し、それに合ったプログラムやアクティビティを設計します。
プログラムの設計について
学校の特徴や魅力を伝えるプレゼンテーションやパネルディスカッションを計画します。ワークショップや実習を提供して、学生が実際にプログラムの一部を体験できるようにします。キャンパスツアーや施設見学を通じて、学校の雰囲気や設備を紹介します。
参加者へのアプローチ
オープンキャンパスの情報を適切に広報し、参加者を呼び込みます。SNSやウェブサイト、チラシ、学校訪問などの方法があります。イベント参加登録の簡易化や参加者へのリマインダーを送るなど、参加のハードルを下げましょう。
参加者との交流を積極的にする
学生や教職員が参加者と直接コミュニケーションを取れるようにします。質問や疑問に対する回答を提供し、参加者の関心を引きつけます。学生アンバサダーを活用して、学生同士の交流を促進するのも1つの手です。
フィードバックの収集をしよう
オープンキャンパス後に参加者からフィードバックを収集し、今後の改善点や課題を把握します。アンケートやオンラインフォームを使用して、参加者の声を聞き次の開催に活かしましょう。
専門学校の集客(学生募集)を増やすマーケティング・広告戦略とはまとめ
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。今回の内容をおさらいしましょう。
- 専門学校への志望者は対象者の減少や大学の専門化の影響により減少傾向にある
- 志望者はどのようにして学校を選ぶのか把握し、自校の強みを伝える様々な媒体を駆使した広報戦略が必須
- 学生の情報収集はほとんどがスマホ。Web戦略は欠かせない
- 検索キーワードは「教科や分野」「専門学校」「エリア」の三本柱が主になる
- 集客するためには客観的なブランディングとWebによるエリアマーケティングが効果的
人口減少と学生数減少は相対的なものなので仕方がありませんが、手をこまねいて見ているだけでは学生を集めることはできません。
専門学校はもともと、明確な強みがあるから「専門」の学校になっているはずです。
必要なのはブランディングとエリア差別化、そしてそれを適切に志望者に届けるためのWeb広告戦略です。
自校のホームページのSEO対策を施しつつ、複数のWeb施策を駆使して学生を自分たちのフィールドへ誘導しましょう。
学生募集・Web集客について
学生募集において忘れてはならないのは、説得して入学を促すことではありません。学生の持っている悩みを解決し、将来の希望を叶えられる場所、「その環境が自校にはあります!」と伝えられるような広告やホームページをつくることです。
さらにターゲットとなる学生たちに見つけてもらいやすくするために、Webマーケティングの戦略を立てて、学生を獲得する複数のチャネルを確保するようにしましょう。
- 自校のブランディングをしたい
- Web上での見せ方、差別化を適切に行いたい
- エリアマーケティングによる集客を行いたい
このようなご要望があれば、Zenkenにご相談ください。これまで120業種以上のマーケティング支援を行ってきた知見に基づいた、貴校に最適なWeb施策を提案させていただきます。