病院・クリニックの差別化戦略の柱は「地域」と「ニーズ」
最終更新日:2021年11月25日
本記事では病院・クリニックの差別化戦略を成功させるコツと、具体的な施策、とくに重要な観点として、地域対策と患者ニーズへの対応方法について解説しています。
自院と競合他院の差別化やエリア対策を検討されているかたは、本記事を参考になさってください。
個人経営の病院の中でも、とくに自由診療を積極的に取り入れている病院やクリニックは、ほかのビジネス同様に集客・集患施策が必須の時代になっています。
マーケティングと病院経営は無関係と思う経営者はいないはずですが、具体的な施策のメインは駅看板やフリーペーパー掲載などのほか、リスティング広告などのWeb広告が主流ではないかと思います。
そこで本記事後半では、競合他院との差別化戦略やエリア戦略に苦戦してきた病院やクリニックの経営をサポートするWeb施策も紹介します。
医療広告ガイドラインなどの関連法規を順守しつつ、商圏エリアや患者のニーズに焦点を当てた施策で、
- いろんなWeb集客広告を試しても0件だったのが、導入後は月間40件の集患を実現
- これまでネット広告をやっていなかったけれど、導入後は昼休みが取れないくらい来院がある
- 月に2,3件の問い合わせだったのが、月に10〜15件は来院までしてくれるようになった
といった集患効果を実感いただいている「ポジショニングメディア」というメディア戦略がその施策です。
Zenkenが提供するこのポジショニングメディアについてはこちら(記事の後半へジャンプ)からすぐにご覧いただけます。
病院・クリニックの経営にも直結する市場分析
病院やクリニックの集患(集客)を成功させるために重要なのが、競合他院との差別化です。
ただひと言で「差別化」といっても、何をどう差別化すればいいのか迷う場合もあると思います。まず差別化戦略の核となる要素を整理しておきます。
商圏となる地域のニーズを把握する
病院やクリニックの差別化を考える上で大事なのは地域のニーズです。患者に求められていない要素で差別化しても、集客・集患にはつながりません。
そのため商圏となる近隣地域に住んでいる人、将来自院の患者になる可能性のある人(見込み患者)が、何を求めているのかをリサーチする必要があります。
病院やクリニックを開業する前に地域住民の年齢層や属性など把握しているのが原則です。ファミリー層が少なく高齢者が多い地域で小児矯正歯科を開業しても、ビジネスが成り立ちません。
ライバルとなる病院・クリニックを把握する
ライバルがまったくいない地域に開業する場合がないわけではありませんが、商圏エリアに競合となる病院やクリニックは必ず存在するものです。
まずはその競合他院の診療内容や患者層、自由診療であれば施術費用や施術内容などの詳細を把握しておくのが理想です。戦う相手の状況が把握できていなければ、経営戦略が立てられないからです。
ライバルを明確にしたうえで、商圏エリアでいかに競合他院との差別化を図るかを決めていきます。
定期的な通院が必要だったり、緊急性が高い場合もあるため、病院・クリニック選びでは家や職場の近くで検討される方が多いものですが、治療内容によっては多少遠方でも通院してくれる可能性はあります。
ただ原則は「地域で△△が得意な病院」「地域で△△な環境を用意しているクリニック」等、地域内での差別化とブランディングを進めていけるようなマーケティング戦略が必要です。
病院やクリニックの差別化ポイント
診療科目や地域性、地域住民のニーズ、土地柄などさまざまなエリア属性によって差別化を検討すべき項目も変わりますが、ベースとなる差別化項目を具体的に挙げておきたいと思います。
集患を成功させる上で、どう差別化を図れば良いのかわからない場合は、以下のポイントを参考になさってください。
- 診療科目・専門分野
- 広告手段<
- 患者さんファーストの環境
- 費用感(自由診療)
- 評判
ではそれぞれの差別化ポイントについて、説明していきます。
診療科目・専門分野での差別化
自院が掲げている診療科目や行っている専門分野の治療は、商圏内で競合他院がどの程度行っているでしょうか?
同じ診療科目や治療法を行っている競合病院やクリニックが少なければ、その診療科目があること自体が差別化のポイントになり得ます。
ただしあまりに商圏内でのニーズが少ない(患者が少ない)診療の場合は、経営が難しくなってしまうので注意してください。
専門分野に特化することで患者のニーズを着実に拾い上げることができ、患者自身も自分の症状に合ったクリニックが探しやすくなります。
競合にも同様の診療科がある場合は、その診療において他院に負けない優位な強みがあるか、もしくは別の差別化ポイントと併せることで、独自の強みをつくれているか確認してみてください。
自院にマッチした広告手段を選ぶ
集患(集客)を図るために、さまざまな広告手法があります。例えば、
- 看板
- パンフレット
- ポスター
- ホームページ
- ポータルサイト
- リスティング広告
- オウンドメディア
- チラシ(新聞折込、ポスティング)
- フリーペーパー
- 雑誌
など、既存のオフライン広告から新たなオンライン広告まで、さまざまな広告媒体が存在します。
自院の強みを魅力的に感じてくれる患者さんたちに届きやすい、効果的な広告手段はどれかを考え、実施していく必要があります。
ひとつの広告手法だけではなく、複数の広告を組み合わせれば、幅広く認知を広めつつ取りこぼしが少なくなります。ホームページは広告の母体ともいえる重要な媒体なので、Google検索結果で上位表示させるため、SEO対策などを行ってください。
また、地域コミュニティの中で提携や協力関係が築けないか、といって視点も新たな広告・集患手法を考える上で重要です。
患者さんファーストの環境
集患に成功しており、いつも混雑している病院やクリニックは、患者さんのことを一番に考えている傾向にあります。
例えば、病院やクリニックに対する患者の不満の一つは待ち時間です。
長時間待たなければならないという状況は、患者本人に多大なるストレスを与えます。自院では待ち時間を解消するような工夫が行われているか、考えてみてください。
また、患者さんたちとのコミュニケーションを本当に大切にしているか。自院の良い評判や口コミを広めてもらうためにも、患者さんが満足するコミュニケーションを心掛ける必要があります。
待ち時間の他にも、キッズルームや授乳室など子供連れでも通える環境づくりや、乗り降りが楽な広い駐車場があるといった特徴も、患者ファーストの環境といえます。
現状の問題を解消、また改善する努力を繰り返し、患者さんファーストな環境を整えて、集患に繋げてください。
費用感(自由診療)
自由診療を行っている場合は、費用も差別化の大きなポイントになります。競合他院の同様メニューの治療の費用を調べて、競合と比べて費用が安いか、または高いか把握しておく必要があります。
独自のメニューと、他院と比較した末に導き出されたベストな費用設定により、差別化を図って集患を行ってください。
また、自院のホームページなどでわかりやすく費用目安などが記載されているかどうかも確認が必要です。
自由診療の場合、医療費が高額になってしまうこともあります。したがって、治療や施術内容に興味を持った患者が、誤解することなく「いくらくらい治療費がかかるのか」がわかるように明記しなければなりません。
医療広告ガイドラインや景表法で定めている、患者が優良誤認や有利誤認を起こすことがない表現方法で記載、思っていた治療費を大幅に上回る費用が発生する、ということがないようにしましょう。
仮に診察次第で費用が上下する場合は、料金とともにその事実を明記しなければなりません。誠実な対応が病院の評判につながり、集患対策にもなることを忘れないようにしてください。
口コミ・評判対策
患者さんたちが目にする、自院に関する口コミや評判をしっかり確認していますか?ポータルサイトや、Googleマイビジネスなどの自院に関する口コミは、常にチェックしておく必要があります。
その際、自院のどんなところが評価され、どんなところが足りないのか、患者さんたちからの口コミより見出してください。
患者さんたちから評価されている部分に関しては、より良いものに、そして患者さんたちに不満足感を与える要素については、改善していく努力が必要です。
また、なにかあれば来院してくれる、信頼してくれている患者さんが自院にいるのか、考えてみてください。いわゆるリピーターのような患者さんを増加させることで、安定した経営に繋げていけます。
開業時に差別化できるポイント
ここまでは、開業後に差別化できるポイントをお伝えしました。では最後に、開業時に差別化できるポイントもいくつかお伝えいたします。
- 通いやすい立地条件や規模の大きさ
- 系列のブランド力
- 病院の歴史や院長の経歴(長く地域に貢献するなど)
といった要素は、開院時の差別化ポイントになるので、ームページやチラシなどにしっかり明示しましょう。
また、診療方針や診療ポリシー、院長の患者との向き合い方などがあいまいな場合は、できるだけ平板なわかりやすい言葉に落とし込んで、ホームページ上で発信するように改善することを推奨します。
しっかりとしたコンセプトを決めておくことで、他院との差別化だけではなく、クリニックの方向性やコンセプトを通して自院が大切にしている想いや考えなどを、患者さんたちへ伝えることができるといったメリットもあります。
これから開業する方、または開業しているが上記取り組めていない病院・クリニックは、ぜひ参考にしてください。
医療系の独自メディアによる集患施策
医療系のメディアを自分たちで制作・運用するのは、通常業務を考えれば不可能に近いものです。できるとしたら、ホームページに少しずつコンテンツを追加していくことくらいだと思います。
そこで多くの医療機関に導入いただいているのが、第三者であるZenkenが制作・運用する戦略的Webメディアである、「ポジショニングメディア」です。
「ポジショニングメディア」とは
詳細についてはお問い合わせください
ポジショニングメディアとは、「患者の頭の中にある悩みや要望に応える」情報を提供する独自メディアのことです。
医療系比較サイトやポータルサイトとの違いは、徹底的に患者目線でコンテンツマーケティングを実装する点。競合他院の情報が網羅されている中で自院の差別化ポイントにスポットを当て、患者自身が比較検討できる場を提供します。
患者の悩みや症状に対する対応法など、患者に役立つ情報を記事を盛り込みながら、自院の強みや特徴がそのニーズを満たす存在であることを提示します。
そして強引に誘導するのではなく、ユーザーが納得して「この先生に相談してみよう」「このクリニックを受診してみよう」と感じるようなメディアを独自に制作・運用していきます。
ポジショニングメディアには、以下のような利用価値があります。
- 自院の特徴に魅力を感じてもらい、ファンをつくりだす
- 競合他院との差別化とブランディングを同時に実現できる
- ポジショニングメディア内で納得したユーザーを獲得できる
もちろん医療のジャンルによっても違いはありますが、ポジショニングメディアの導入前と後とでは、明らかに問い合わせの質が変わってきた、というお声を非常に多くいただいています。
たとえば、ポジショニングメディアを導入された医療機関からは、
- 導入前は0件だったWebからのお客様が導入後は月間40件、施術全体の20%がWeb経由になっている
- メディアを運用し始めてから予約待ち状態となり、医師2名体制から増やして4名体制で診療を行っている
- いつも3名から4名の患者さんにお待ちいただいている状況。競合からベンチマークされるクリニックに成長できた
といったお声をいただいています。
ポジショニングメディア最大の特徴は、エリアやニーズで絞り込んで顕在性の高い患者を集めることができる点です。
ポジショニングメディア導入企業様の成功事例が多数掲載されている資料を無償で提供していますので、一度ご覧ください。
下記ボタンよりダウントードできます。
病院・クリニック集患の差別化戦略まとめ
上述のように、差別化戦略を考える上では商圏内の競合の情報や、患者さんのニーズなどを把握・分析する必要があります。
これらを調査分析することで、競合他院にはなく、患者さんに求められている自院が持つ強みについて考えることができます。
自分が患者だったらどうされたいか、自分の家族が患者だったらどんな病院に通院させたいか。あくまでも患者目線で情報を発信しつつ、病院経営を安定的に行なう収益の柱を見出していくことが重要です。
患者に求められていることで、競合他院では提供されていないもの、という視点を大切にしましょう。
そのような差別化ポイントが明確になれば、
- 患者やその家族に対してどのような広告を打つべきか
- ホームページなどの広告で一番に伝えるべきことはなにか
- 顧客として長く支持を集める施策はなにか
といった集患のための広告戦略の軸をつくることができます。
集患戦略の立案や分析はZenkenまで
この「キャククル」を運営するZenkenは、これまで120業種以上の中小企業にマーケティング支援を提供してまいりました。なかでも医療機関の集客・集患については、全国のさまざまな診療科目でポジショニングメディアをお役立ていただいています。
エリアに強く、テーマやターゲットの絞り込みで顕在性の高い患者が集まるメディア戦略として、多くの反響が寄せられています。
- 「最近広告がうまくいっていない」
- 「クリニック予約サイトに登録しているが集患できていない」
- 「競合のクリニックができて患者さんが減っている」
- 「ホームページは見られているが予約につながらない」
といったお悩みから、現状の広告戦略の課題相談までZenkenまで、下記フォームよりお寄せください。
オンラインなどでご面談いただければ、市場リサーチや競合調査させていただきながら、最適なWebマーケティング戦略をご提案させていただきます。