【3分で解説】医療機器のブランディングの必要性と取り入れるべき戦略
最終更新日:2024年03月15日
医療機器のグローバル市場は今後も右肩上がりが予測されていますが、日本の医療機器メーカーが手掛ける医療機器はまだまだ輸出の面で課題が多くあるように思います。
もちろん、すでに世界市場で大きなシェア獲得に成功している事例もありますが、まだまだ伸びしろがある業界であることは間違いありません。
日本国内のみならず世界に向けて、日本の医療機器がいかに優れているか、技術が高いか、画期的なものかをアピールするには、既存の医療機器との差別化とブランドの浸透が必要です。
ここではとくに医療機器のブランディングがなぜ必要なのか、BtoB向けブランディングの重要性について解説していきたいと思います。このブランディングに有効活用いただきたい施策のひとつ「ブランディングメディア」のZenkenの取組みについてもご紹介させていただきます。
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医療機器の市場規模と今後の展望
医療機器を担当する方のなかには、ブランディングするべきか迷っている方もいるでしょう。医療機器メーカーが展開するべき戦略が決まらないケースも多いと思います。
なかなか難しいとも思える医療機器メーカーの戦略ですが、今後の日本においてはブランディングを踏まえた戦略を立てるべきです。なぜ必要なのか、そして販売戦略方法と医療機器の市場について解説も踏まえてご紹介します。
医療機器は日本において輸入が多い
日本国内において医療機器は輸出よりも輸入の金額が高い状況です。下記は経済産業省が公表する資料における医療機器輸出入のグラフです。
輸出よりも輸入の量が多く、2018年時点においては輸出額6,676億円に対し輸入額16,206億円です。日本の現状として医療機器は海外に頼っているため、日本メーカーの医療機器としてブランディングが成功すれば、国内における大きなシェアを獲得できる可能性があります。
医療機器で世界的にシェアが大きいジャンルとは
また、2018年の日本国内の市場割合を見ると、下記の通りです。なお国内生産額に輸入額を加えて、輸出額を差し引いたものが国内市場規模として計算されています。
- 治療系医療機器:59%(17,217億円)
- 診断系医療機器:20%(5,633億円)
- その他医療機器:21%(6,177億円)
カテーテルやペースメーカーなどの治療機器は国内での市場規模が大きいものの、輸入比率も高い状況です。いっぽうで日本企業が世界的にもシェアを多くもつ分野が診断系医療機器です。ふたつの世界的シェアは2015年時点で下記のようになっています。
診断系医療機器
治療系医療機器
世界で圧倒的シェアを誇る内視鏡を除くと、進出できていない分野や十分なシェアが獲得できていない分野があることがわかります。
医療機器メーカーが受けた新型コロナの影響
上記のデータはコロナ禍前の古いデータのため、今後の医療機器メーカーが必ずしも上記のシェアで展開できるとは限りません。これまで以上に先を見据えた戦略を考える必要があります。
なお新型コロナウイルスで受けた医療機器メーカーの影響で厳しくなった点、そして反対に追い風となった点を整理してみました。
厳しくなった点
大きく分けると下記2点です。
- 臨床検査薬、機器事業の減少
- 手術に関連する医療機器の導入延長
厳しくなった点は臨床検査薬や機器事業、そして手術に関連する医療機器の導入延長で受けた影響です。感染を懸念して通院を止める患者の増加、および新型コロナウイルス感染症の治療に対応するため一般的な手術の件数を減少するといった病院対応が理由として挙げられます。
この傾向は今後徐々に改善されていくはずですが、新型コロナウイルスがインフルエンザと同じように治療ができるようになるまでは、数年間は医療業界全体がコロナの影響を受けることになります。/p>
追い風になった点
追い風になったのは主に下記2点です。
- 新型コロナウイルス感染に関連する検査の増加
- オンライン医療システムの導入増加
新型コロナウイルスに関連した検査は大きな需要ですが、今後も続くとは限りません。いっぽうでなかなか進まなかったオンライン診療が感染対策として認められたのは、通信技術を使った商品を販売する医療機器メーカーにとっては大きなチャンスとなりました。
医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)や医療のサービス化がさらに進めば、医療機器メーカーにも大きなチャンスとなる可能性があります。このような社会の動きをとらえて先行投資していくことが重要です。
医療機器メーカーが受けられる政府の取り組み
新型コロナウイルスの影響によってダメージを受けた医療機器メーカーも少なくありませんが、政府は開発体制を強化するため、下記の支援策を打ち出しています。
- 医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靭化事業
- 官民による若手研究者発掘支援事業
上記のような支援を活用していくのも戦略のひとつです。しかし同様にライバルである医療機器メーカーも資源を活用して新たな技術を開発する可能性があるため、勝つのは簡単ではありません。
医療機器のブランディングが今後は必要!押さえておくべきポイント
コロナ禍で売上が厳しくなっているジャンルと追い風を受けているジャンルがある医療機器ですが、1政府の支援もあり競争は今後激しくなります。ライバルに差をつけるためにはブランディングが必要ですが、一般的な商品と異なり医療機器のブランディングは容易ではないのが実情です。
押さえておくべきポイントをいくつかご紹介します。
医療機器のターゲットを明確にする
医療機器はターゲットが複数います。例えば検査に使う医療機器ならば、大きく下記3点に分けられます。
- 導入を検討する人:病院関係者
- メンテナンスや利用する人:臨床現場の医師や看護師
- エンドユーザー:治療や検査を受ける患者
他にも製品によっては下記がターゲットとなるケースもあるでしょう。
- 政府関係者
- 地方自治体
- 各種学会や看護協会、救命救急士協会などの団体
- 一般消費者
例えばAEDは今でこそ街中で設置しているのを多く見かける医療機器です。しかし従来は法律の問題によって誰でも使える製品ではなかったため、政府や業界団体への働きかけも必要でした。
一般家庭でも利用できる医療機器ならば患者ではなくターゲットは一般消費者ですし、病院で大掛かりな検査に伴う医療機器ならば、病院や医師が主なターゲットとなります。ターゲットを間違ってしまうと、ブランディング戦略の効果が薄れます。
医療機器メーカーのターゲットも変化している
医療機器メーカーが営業をかける相手として、従来であれば医師のみと密接な関係ができていれば製品を提供できていた時代もありました。しかし現在では医療機器を取り巻く状況が多様化しているため、医師だけと関係を深めていればよいという考え方は変えなければいけません。
医療機器はインナーブランディングも大切
医療機器製品のターゲットは複数存在しますが、必ずしも社外の人物だけではありません。社内関係者や従業員など、インナーブランディングも重要です。
特に医療機器においてはシェアが広がることにより、今まで治療ができなかった患者さんを助けられるなど、一般的な製造業とは異なる感動や達成感を味わえます。
医学の発展に寄与するという誇りややりがいは、製品開発にも大きく影響します。さらに人材が定着しやすく、かつ将来的に有能な人材の獲得にもつながるのです。
医療機器のブランディングはニーズを捉えて進める
ブランディングする際には、ニーズに沿ったターゲットを選定しなければ費用対効果が得られません。
特に異常種からの医療機器業界に参入したケースで多く見られる失敗が、自社がもつ技術力の高さにこだわったために価格が高くなりすぎて、一般的な医療機関からは需要が得られないという状況です。
しかしながらコストの低さよりも高い技術を重視しているニーズがある市場をターゲットとしてブランディングすれば、大きくシェアを獲得できます。
医療機器のニーズを捉える重要性
ニーズを掴むのが重要な例として上記で紹介した日本企業がグローバル市場で大きなシェアをもつ内視鏡があります。
検査における苦痛の少なさ、検査や治療の即時性という技術ニーズがある胃カメラの分野へ、高い技術をもちいた開発を行ないシェアが獲得できた事例です。
医療機器メーカーのサービス提供でブランディング
医療機器メーカーが自社のブランディングを考える際、製品の高級感やシンボルとなるロゴマークをイメージする方もいるでしょう。しかし医療機器の商品特徴だけではなく付随するサービス提供もブランディング要素になります。
下記は野村総合研究所のグローバル製造業コンサルティング部が提唱する医療機器の日本企業における可能性について提唱した資料の一文です。
独フレゼニウスは医療機器メーカーでありながら、症例を扱うヘルスケアサービスプロバイダーへと大きく事業をシフトし、新たな成長機会を獲得した。これらの事例は、ほかの医療機器の領域にも当てはめて考えることができ、日本企業にとっても新たな事業企画のヒントとなる。
引用元:野村総合研究所「知的資産創造 2019年12月号「特集医療ヘルスケアビジネスによる事業成長を幻想に終わらせないために」(https://www.nri.com/jp/knowledge/publication/cc/chitekishisan/lst/2019/12/02)
医療機器メーカーのサービス提供は差別化を狙える
医療機器メーカーがサービス提供で医療機関のニーズに応えられれば、大きく差別化できます。
日本の医療機関が抱える課題は下記2点です。
- 平均の入院日数が長い
- 1床あたりの医療従事者数が限られている
つまり医療施設での負担が大きい状態です。下記につながるサービスが提供できれば、同様の医療機器を提供する他社と差別化できます。
- 病院によるスタッフの労力削減
- 院内オペレーションの効率化
- 患者の健康相談負担軽減
経営状態が厳しい医療機関も増えてきていますので、業務の効率化や人員削減にもつながる医療のサービス化を、医療機器メーカーがどうとらえ、どのようにしてビジネスに活かすのか。
これも今後取り組むべき課題のひとつなのではないかと考えます。
医療機器メーカーのサービスブランディング例
サービスを提供する事例として挙げられるのは、医療機器メーカーが医療センターなどを運営するケースです。症例データは医療施設にとっても貴重な情報のため需要が高まるだけではなく、臨床現場の情報が集まるため製品開発にも活かせます。
他にも医療機器の洗浄サービスがあります。医療機器は洗浄について厳しくガイドラインでも設定されており、医療機関内で行なうのは大きな負担です。取り扱うスタッフの感染も懸念されるため、回収と配達の物流も含めた設計が重要になります。
医療機器のブランド戦略とデジタルマーケティング
医療機器メーカーは従来通りの医師に対してのマーケティングのみでは充分ではありません。対象が多様化していることや新型コロナウイルスの影響によって求められるサービスが変化していることから、さまざまな戦略を検討する必要があります。
特に自分達から特定の対象に営業をかけなくても、集客できるインバウンドマーケティングはデジタルが当たり前になっている現代で欠かせません。
コロナ禍においても常時求めている相手にアプローチできるのも特徴です。
ブランディングメディアの立ち上げ
医療機器のブランド戦略において、デジタルマーケティングを選択するならブランディングメディアを展開するのがおすすめです。
ブランディングメディアを利用するメリットは下記があります。
- 継続的な情報の発信で見込み顧客を育てられる
- 専門性の高い情報発信によるブランドイメージの定着
- 購入や申し込みの窓口として継続的に残る
しかしながらターゲットにアプローチするためのキーワード選定がずれていると、充分な効果が得られません。ただブログを更新するだけではなく、知識をもったスタッフの設計が必要です。
ブランディングメディアのメリット
自社の広告・宣伝色をあえて弱め、あくまでユーザーの目線で有益なコンテンツを提供することが前提となるブランディングメディアは、自社のブランド力向上に役立ちます。
競合他社との差別化が図れるコンテンツマーケティングの面で優れているのがブランディングメディアの特徴で、最近では特にBtoB向けビジネスでのニーズが高まっています。
医療機器のように専門性が特に高い分野では、ネット上で正確な情報にたどり着くのが困難です。したがって動画を含むコンテンツマーケティングを実装したブランディングメディアは強力な武器となります。
まったく業界は異なりますが、Zenkenが手掛けたブランディングメディアのビジュアル事例として、下記サイトを紹介させていただきます。
ニッチで専門性の高い業界では、信ぴょう性が高く深掘りされた情報でなければユーザーニーズを満たすことができません。
医療機器の商社や医療機関が関心を寄せるキーワードでブランディングメディアを制作し、より顕在性の高いリードを獲得していただきたいと考えます。
Zenkenのブランディングメディアに関するくわしい説明は、下記ページでお読みいただけます。
社内でブランディング施策の選択肢として社内でご検討いただく材料として、簡単な資料にもまとめています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
Zenkenのブランディング
(オウンド)メディアは計算高い!?
戦略的ホームページによる集客
医療機器メーカーの公式サイトを戦略的ホームページとして設計し直すのもデジタルマーケティングで有効な戦略です。ブランディングメディアと異なるのは、自社の公式サイト内で展開する点で、重視するのは下記です。
- 提供製品の広告となる
- 提供するサービスや商品を求めるターゲットを集客する
ただ商品のカタログを展開する、パンフレットと同じ内容を掲載するというのみでは商品やサービスを求めているターゲットに届きません。ターゲットのペルソナを設定し、抱えている悩みの解決や他社との差別化ポイントをアピールしつつ、目的の商品に誘導する必要があります。
ブランディングメディアと同様に、専門的な知識にそって1からの構築が必要です。
Web広告の戦略見直し
すでにWeb広告を運用している医療機器メーカーがデジタルマーケティングに力を入れる場合、下記の理由で戦略を練り直す必要がでてくるのが一般的です。
- 対象ニーズの見直し
- 広告種類の再検討
- キーワードの再設定
特にニーズを捉えた対象の見直しが重要です。基本的なフレームワークを活用し営業対象や広告戦略を再検討すれば、従来よりも大きく成約率が高まるケースは多くあります。
医療機器のブランディングとDX
医療機器のブランディング戦略と、DXは大きな関係があります。医療業界にデジタルツールを投入すれば従来抱えていた悩みの解決や業務効率化につながり、大きな差別化ポイントになるのです。
サービス提供でも述べた医療機関が抱えている負担軽減に加えて、患者の健康相談も効率化できます。
医療機器のDXで実現する利便性
医療機器メーカーのDX戦略によって実現する利便性は多くあります。代表的なのはオンライン診療ですが、他にも下記があります。
- クラウドを活用した転院時のカルテ共
- 診断や検査のビッグデータ活用
- 患者のスマートフォンを活用した予防医療
- AIを活用した診断結果の判断支援
対象となるターゲットの拡大
医療機器メーカーがスマートフォンを活用したDX戦略を進めていくと、ヘルスケア分野にも進出しやすくなります。従来までは病院や医師のみがターゲットだった医療機器メーカーが一般消費者を対象としたサービスの提供が可能となるのです。
より多くの一般消費者に対しアプローチできるサービスは知名度のブランディング戦略にも大きくつながります。
医療機器のブランディングまとめ
日本における医療機器の市場は、内視鏡など世界全体で見てもシェアを大きく獲得している分野もありますが、主に輸入が中心です。海外に頼っている現状は、今後医療機器メーカーがブランディングに成功すれば国内で大きくシェアを獲得できる可能性を秘めています。
現在医療機器市場で求められているのは医療機関の負担軽減で、サービスの提供やDXがブランディングに大きくつながるポイントです。
医療機器メーカーは今後Web広告が必要となる
コロナ禍における現在ではWeb広告に力を入れていくことは差別化や集客に欠かせません。デジタルマーケティングを含むDXのムーブメントは逃さないようにしたいものです。
特にコロナ禍において訪問営業の機会が減った現在では、訪問しない営業方法が重要視されています。しかしWeb マーケティングが得意ではなく、専門的な知識をもったスタッフが少ない企業もあるはずです。
社内で人的リソースの確保が難しい場合は、弊社のような外部パートナー企業に制作から運用まで任せる、という手法があります。
Zenkenであれば、ワンストップで対応させていただくことが可能です。
- マーケティング分析と市場リサーチ
- 製品に沿ったキーワード選定とSEO施策
- ブランディングメディアの構築・制作・運用
- 戦略的ホームページの計画・設計・制作・運用
いずれか一部、または総合的な運用まで柔軟に対応致します。従来の営業方法では契約が増えない、新型コロナウイルスの影響で下がった売上を戻したいと考えている医療機器メーカーの方は、下記フォームよりお気軽にご相談ください。