失敗・成功事例から学ぶ整体院の経営
最終更新日:2020年05月14日
整体院は、フランチャイズ店の進出により競争が激しい状況となっています。数年以内に廃業に追い込まれるケースが多い中、成功を収める整体院は大きな年収や多店舗展開を手にしています。
つまり、厳しい状況であっても売上を伸ばし、しっかり稼げる整体院を作ることは不可能ではないということです。整体院経営を成功させるためには何が必要なのか、現状分析とともに解説していきたいと思います。
整体院の経営で知っておきたいこと
整体院の経営を始める、あるいは改善させるためには、まずは整体業界の現状や収入の相場を知り、自分の立っている位置を理解することから始めましょう。
整体業界のいま
整体院は、いま駅前や商店街、あるいは国道沿いなど、人や車の通るところあちこちで見ることができます。大手チェーン店の店舗展開が激しく、その競争が激化しています。
デスクワークの長時間化などによるからだの不調を訴える人の数は、非常に多いのが現状。整体院・整骨院でケアすることが一般的になり、整体院のニーズが増加しているのではないでしょうか。
整体院の個人経営とフランチャイズ店
以前は、自分で開業して個人経営の整体院を持つのが一般的でした。最近ではフランチャイズグループに加盟して開業する人が増え、今の状況に至っています。
フランチャイジーであることには、いくつかのメリットがあります。そのフランチャイズグループのブランドでの集客ができることや、経営・集客、施術のノウハウを学ぶことができることは大きな強みです。
一方で、そのブランドのコンセプトや方針に従わなければならないので、オリジナリティのある経営、自分のアイディアを生かしたビジネスがしにくいという弱点もあります。
反対に、個人経営で整体院を営むということは、自分のスキルで生き残っていかなければならない反面、自院の個性やオリジナルのサービス、技術を活かして競合店と戦うことができるという強みがあります。
個人での開業を選んだ整体師は、技術・経営のスキルやノウハウを学び続けることが求められますが、非常にやりがいのある仕事ができるのです。
開業数年後の整体院の年収
ところで、整体院を開業した場合、どれくらいの収入を得るのが一般的な相場なのでしょうか。
例えば、開業後3年の目安をみてみましょう。繁盛店の場合は、年収1000万円を超えることは難しくありません。スタッフを雇って月商を伸ばしたり、他店舗展開したりするケースもあります。また、施術だけでなく物販を取り入れて、さらに年収を伸ばすことも。
そこまでの繁盛でなくても、経営が順調なら年収は800万円ほどにはなると考えていいでしょう。ただ、ここから年収1000万円を目指すには壁があります。売上の時間単価を上げたり、回転率を上げたりするために、マーケティングや技術の向上が求められます。
経営に苦労をしていても、3年を乗り切れば何とか合格点と考えていいでしょう。3年間の間に技術や経営ノウハウを学び、この頃から軌道に乗る場合もあります。
経営コンサルタントの手を借りることも視野に
現状では、70〜80%の整体師が年収400万円程度だと言われています。成功する整体師は大きく収入を伸ばし、そうでない場合は収入は低いまま、という偏ったバランスになってしまうのです。
成功する整体院は、インターネットでの集客や、客単価の向上をうまく達成しています。これは、経営やマーケティングの技術をしっかりと学び、実践しているため。
同じように大きな成功を収めるためには、そういったノウハウを整体院経営のコンサルタントから学ぶという道があります。最新の経営ノウハウを持ち、整体院を取り巻く現状を理解している専門家の分析と手法は、経営の成功にはもはや欠かせないものとなっているのです。
整体院の開業に必要な資格とは
実は、整体院の開業には資格が必要ないのです。整体に関する国家資格は存在しないので、無資格でも開業は可能です。
ただ、今後資格を求められるようになる可能性はあります。いま存在する、柔道整復師やあんまマッサージ指圧師といった国家資格を持っておくと安心です。
整体の経営セミナーは必須!
無資格で誰でも開業できる整体院ですが、だからこそ競争は激しく、ノウハウや技術のない整体院は淘汰されてしまいます。
経営コンサルタントの手を借りるほかに、整体セミナーに積極的に参加して、トレンドを知り、技術や経営術を学ぶことが、ライバル店に勝つための必須条件になりつつあります。
自費診療で単価を上げるための技術や、最新の集客ノウハウはセミナーでも学ぶことができます。そういった情報は、セミナーに参加すれば誰でも学べるもの。つまり、それを学ばないことでライバル店に遅れをとってしまう、ということでもあるのです。
整体院の経営失敗・成功事例
では最後に、整体院を開業して経営に失敗した例、成功した例をご紹介しましょう。
失敗事例
経営に失敗した事例として、以下のようなものが挙げられます。
- とりあえず開業すれば何とかなる、と思っていたが甘かった
- 保険施術に売上を依存していて、徐々に来院数が減ってしまった。
- 技術の向上や最新の機器の導入には力を入れたが、マーケティングの視点がなく集客できなかった
成功事例
逆に、成功事例にはこんなものがあります。
- ホームページのキーワード検索対策で、自費診療ながら新規の患者さんが激増した
- DMを利用して休眠患者を起こし、リピーターを増やして売上がアップした
- 小顔矯正や不妊治療など、新しい施術メニューの導入で他店との差別化に成功
技術と経営のバランスが大切
整体院の経営の失敗は、「技術さえあれば大丈夫」「経営さえうまくできれば、技術は問題ではない」といった、甘く偏った考えに原因があるケースが多いようです。差別化のための技術と、集客・安定経営のためのノウハウ。この両輪をバランスよく持てるかどうかが、稼げる整体院と廃業する整体院の決定的な違いになるのです。