治療院の集客は「競合に勝つ強み」発掘から始めよう
最終更新日:2021年01月21日
ご自身の治療院の強みはなにか、即答できますか?
整体院や整骨院、鍼灸やマッサージ院を経営しているみなさんの共通の悩み、それは新規顧客の獲得とリピート客の確保ではないでしょうか。 ポスティングでチラシを配り、街頭でクーポン券も配ってるのに、なかなか利用者は増えてこない。 せっかく来てくれても、リピーターにはなってくれない。
ネット広告にも挑戦してみたいが、知識がないので二の足を踏んでしまう。どうすれば安定的な集客ができるのか、悩ましいところですよね。
そこでここでは、さまざまな治療院の集客にプラスとなるものの考え方や集客方法について説明していきたいと思います。とくに自院の「強み」を認識しているかしていないかは、経営の成否を分けるほど重要な要素です。
もちろん、やれば魔法のようにすぐに効果が出るものではないかもしれませんが、現状からの脱却を試みるために必要なことをまとめていきたいと思います。
治療院の市場と業界動向
治療院と呼ばれる施設が、飽和状態になっているのは、当の治療院を開いているみなさんにとっては、身に染みてご承知のことと思います。
少し前のデータになりますが、2018年は「マッサージ業、接骨院等」の倒産が93件発生、前年比で36.7%も倒産が増えてしまいました。過去10年間で最多だったといいます。
接骨院などはじつはコンビニより多いとも言われており、今後もこの厳しい戦いは続くものと考えて間違いありません。
治療院の集患課題
治療院は基本的には具合の悪いところを治す場所ですが、事故やスポーツなどによるケガだけでなく、慢性的な腰痛・膝痛・頭痛など日々の生活のなかで感じる苦痛を改善したくて来院する人が多いはずです。また今後は地域人口の減少と超高齢化社会という大きな問題に直面していきますので、いまのうちにターゲットについて再考すべきかもしれません。
健康維持、未病予防のためのレクチャーを積極的に行うなど、地域住民のコミュニティ参加やイベント開催など、能動的な集客アクションも必要になってきます。チラシなどの広告を打ってただお客さんを待っているだけではなく、みずからつかまえに行くくらいの気持ちが必要です。
個々のつながりと地域コミュニティとのつながり
ネット社会はじわじわと中高年層にも広がり、とくに地元社会のコミュニティを希薄なものにしています。ただ、整体院や整骨院は「実際にその場所に行かなければ治療できない」ことに変わりはありません。したがって身体にとって良い状態を作り出すお手伝いができる、ホームドクター的な治療院を目指すことが、過当競争を勝ち抜くコツ。最終的に「あそこに行けば腰痛がラクになる」と頼られる存在にならなければ、リピート客を確保することは難しいでしょう。
さらに技術だけでなく、人と人のつながりという面では、通院されるお客さんとのコミュニケーションもとても大切です。治療目的ではありますが、「話を聞いてもらいに行く」というのも、立派な動機です。とくに高齢者や主婦などは、「聞いてあげる」姿勢を大事すべきであると考えます。
治療院が犯しがちな過ちとは
まず最初にその患者さんはなぜ病院ではなく治療院を選んだのでしょうか。「病院に行って薬を出されるのは嫌だ」「入院はしなくない」「対症療法だけで痛みが改善されないから行っても無駄だ」などなど、理由はいくつもあるでしょう。
病院を選ばなかった理由と治療院を選んだ理由は表裏一体の部分もありますが、いちばんは「こちらの要望を聞いて、とにかく少しでも痛みを改善してほしい」ということでしょう。
整形外科などであれば痛みがあっても即効性のある治療は「手術」しかありませんが、治療院であればいくつもの選択肢があると期待して患者さんは来院します。
そんな患者さんに対して、治療前に十分なヒヤリングと説明ができているかどうか、いま一度見直してみましょう。そのうえで、以下のような過ちを犯していないか、チェックすることをおすすめします。
自分の技術に頼りすぎる
専門家としてのあなたの腕がどんなに確かなものでも、その技術はチラシなどの広告ではわかりません。初診時に重要なのは施術そのものよりも、ヒヤリングといっても過言ではありません。
もしもご自身の技術に自信があるがために、ろくに治療の説明もせず、患者さんの要望も聞かずに施術内容を患者さんに押し付けているようだったら、いますぐに改善すべきと考えます。
治療内容はすべて治療家が決める
病院であれば医師の言うことを患者が聞く、という構図になります。このような構図が嫌で治療院に来ている患者さんも少なからずいるはずです。
その患者さんに対して、一方的に治療内容を決めてませんか?診察時間を圧縮するために、十分なカウンセリング時間を取らずに強引な治療をしていないかどうか、考えてみてください。
患者さんがすべてを決めるわけではありませんが、治療する前にしっかり説明して納得いただくことが、とても重要です。このステップをすっ飛ばしてしまっては、継続通院はしていただけません。
患者さんの紹介を頼りにしすぎる
患者さんを紹介すると、ポイントやクーポンが入手できるといった集客方法はいまでも有効です。
ただし、患者さんから紹介される数には限界があります。紹介カードなどを渡しても、紹介いただける可能性はあまり高くありません。
それより、治療院に関する口コミを投稿してくれたらポイントを付与する、治療費を割り引くといった方法のほうが有効です。
治療院の良い口コミに勝る宣伝はありません。
治療院のための鉄板集客方法
あなたの治療院の魅力を、お客さんとなるはずの近隣エリアの住民の方に、何とかして知ってもらうためには、まず、どんな広告宣伝方法があるのか改めて整理しておきましょう。
チラシ集客
チラシのポスティングはいまでもエリア集客には有効な手段です。情報過多な時代だからこそ、「1枚のチラシ」が目に留まれば、その時点で選択される可能性が高くなるからです。
ゴミ箱に直行されないように、デザインや文字の大きさを工夫して、短いキャッチコピーで治療院の特徴やキャンペーン内容を書きます。
ラクスルのように印刷とポスティングが込み込みのサービスもありますので、検討してみましょう。
facebookなどSNS集客
facebook公式アカウントを作成する、LINEのビジネスアカウントを作成するなどして、SNS経由の集客も検討します。ただし地域住民の多くが高齢者である場合は、優先度を下げてください。
近くに中学校や高校などがあれば、運動の部活でけがをした生徒など10代の患者さんを集客したいところ。このような場合は、本人だけでなく親御さんに向けて、SNSを上手に活用しましょう。
ホームページ集客
あまりにも当たり前すぎてかえってなおざりになりがちなのが、ホームページです。スマホとPCどちらからでも、あなたの治療院について必要なことがすべてわかるような構成にしてください。
- 治療家の顔写真
- 経歴・プロフィール
- 住所・電話番号
- 最寄り駅からのアクセス・バス停
- 治療院院内の写真
- 治療方法の説明
- 利用者さんの声
フリーペーパー集客
あなたの治療院のある地域でグルメ情報やお買い得情報などを載せたフリーペーパーが発行されていたら、広告を掲載してもらうのは、インターネットになじみの無い人たちに、あなたの治療院の魅力を伝えるための有効な手段です。
ただしこの数年でこうした紙媒体はすべてWebに集約されると考えられています。開院直後や閑散期など、タイミングを計って広告を出すほかは、あまり頼りすぎないほうが無難です。
ポータルサイト集客
ホットペッパービューティーやエキテンといった集客ポータルへの掲載はマストです。高齢者以外の患者さんが情報収集するデバイス(ツール)はほとんどが「スマホ」ですので、フリーペーパーよりもポータルサイト掲載を優先することをおすすめします。
またこうしたポータルサイト最大の特徴は、サイト内でエリアを絞り込む検索ができること。「整体院 恵比寿」といったキーワードでユーザーが検索すると、よりあなたの治療院がユーザーの目に触れる機会を増やすことができます。さらに大手ポータルサイトは検索結果の1ページ目に表示されることが多いという点も重要です。
このほか、具体的な集客方法を学ぶ機会を設けることも推奨します。
集客セミナーに行ってみる
治療家向け、治療院集客の有料セミナーも多数開催されています。治療院などの経営コンサルやネット集客のプロが講演、集客や経営に関するアドバイスをしてくれます。こうしたセミナーや講演はほとんどの場合、コンサル契約のフックにする営業目的のものではありますが、、初めて独立開業される場合などは、お金を払ってでもプロの話を聞いて勉強するとよいと思います。
コンスタントな集客に欠かせないマーケティング分析
広告宣伝の手段とその効果については、ある程度理解できたとしても、実際に、コンスタントに利用者が来院する状態を作るには、マーケティング分析が必要不可欠です。
- どのような人を、あなたの治療院の利用者として想定するのか?
- その人はどのような生活を送っているのか?
- どんなことに困っているのか?
- それを、どのように解決したいと考えているのか?
具体的な顧客像をあぶりだすことでニーズを掘り下げていきます。
その1:まずは商圏の競合治療院をリサーチ
商圏内にある競合院の売りはなにか、営業時間や休院日はいつか、施術料はいくらでどのような治療をしているか。ライバルの強みを知ったうえで、ご自分の治療院の売りを作らねばなりません。それが施術種類の多さなのか、駅からのアクセスなのか、営業時間の長さなのか、料金の安さなのか。競合相手と被らないように調整します。
その2:商圏の見込み客が求めるものをリサーチ
ライバル店の作戦はある程度把握したとしても、肝心のお客様になるべき人たちがどのようなことを望んでいるのか? それを知らないことには、ライバルに勝つための作戦を立てることはできません。 あなたの治療院があるのは多くの人が行きかう駅前地域ですか? それとも飲食店や飲み屋さんが沢山ある、繁華街でしょうか。
そこを行き交う人は中年サラリーマンが多いのか、高齢者が多いのか。それとも若い子育て世代?ターゲットの属性を知らないと、広告のキャッチコピーもキャンペーン企画も、ターゲットを引き付けることはできません。ターゲットごとにニーズも異なりますので、ニーズを詳細に分析することも大事。
その3:自分の治療院はどこが強みなのかを分析
競合をリサーチして分析した結果、ご自分の治療院が持っている強みや価値が見えてくると思います。そのうえで、「顧客が望んでいて」「競合他社は提供できず」「自社が提供できる」ものがないか、探します。これをマーケティング用語で「バリュープロポジション 」と言います。
自院にはどのような「バリュープロポジション 」があるかを認識し、それを強みとしてアピールして集客につなげます。開院してから何年もたつのに、自院の強みを知らない、わからない、というケースが意外に多いものです。この機会に「うちのバリュープロポジションはなにか」について、スタッフも交え議論してみてください。
強みを活かして地域でオンリーワンになる
ここまで、過当競争が続く治療院の集客について解説してきました。ライバルが多い治療院ですが、病院には行きたくない患者さんたちの思いをくみ、リクエストに応えることができるのは治療院しかありません。先ほどご紹介したマーケティング分析で、まず自院やあなたの強みをしっかり確認することから始めてください。
ただ日々の業務時間内でマーケティング分析までご自身で行うのは、なかなか大変です。とくにWebによる集客に関しては、専門性が必要になる手法でもあります。Zenkenではこれまでに約7000案件のメディア制作と運用の実績があり、とくにエリアマーケティングにおける成果を提供し続けています。
独立開業のタイミングや店舗拡張への移行期であるという経営者がいらしたら、ビジネスプランと戦略を練るところからお手伝いできればと思います。下記フォームよりぜひお申込みいただければと思います。エリア集客のコツだけでなく、競合調査などもサポートさせていただきます。
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