歯科クリニックのための医療広告ガイドラインのポイント
最終更新日:2021年08月31日
【歯科版】医療広告ガイドラインに違反しないホームページとは
歯科医院のホームページを制作する際は、一体どういった点に注意する必要があるのでしょうか?
まず以下では、医療広告ガイドラインの主な注意ポイントを紹介します。
- 体験談(特に治療内容や効果に関するもの)
- 著名人に関する記載
- 無痛治療という表現
- 治療、安全、効果に関する表現
- 専門外来(予防歯科専門外来など)
- 最上級表現(国内No.1、国内最高峰など)
- 新聞・雑誌に紹介や掲載されたといった内容
- 他の病院やクリニックとの比較で優良であるとの記載
- 専門医や学会の表記(厚労省が認めた学会の専門医の表記はOK)
- 価格を強調する表現(期間限定キャンペーン、早割〇円オフなど)
上記は基本的には掲載NGな内容になりますが、中には限定解除要件(後述します)を満たすことで掲載できるものもあります。
ほかにも、診療科目、ビフォーアフターの写真、「最新」という表現やデータの記載にも注意が必要です。
まずは、医療広告ガイドラインがどんなものなのか簡単に説明いたします。
医療広告ガイドラインとは
医療機関の広告に関するガイドラインのこと。元々はすべての病院とクリニックのチラシ、新聞広告、テレビCMが規制対象でしたが、2018年よりWebサイトにおける表記についても、注意しなければならなくなりました。
医療広告ガイドラインが見直された理由は、美容医療のホームページを見て治療を受けた患者さんたちの中で、だまされたなどと感じた人たちが多く、消費者トラブルが度々起こっていたためです。
医療広告ガイドラインは、
- 薬機法
- 医療法
- 景品表示法
をもとに作られ、患者さんたちを保護するために存在しています。
歯科のホームページの診療科目の記載について
診療科目の中には、掲載することが可能な診療科目、修正する必要がある診療科目、そして掲載することが禁じられている診療科目があります。
医療広告ガイドラインで掲載OKの歯科の診療科目
以下の5つのみが、歯科の診療科目として掲載が許されている診療科目です。
- 歯科
- 矯正歯科
- 小児歯科
- 歯科口腔外科
- 小児矯正歯科
よく耳にする「一般歯科」や「口腔外科」といった表記も、医療広告ガイドラインに則して修正する必要があります。
もし広告で表記している場合はすぐに修正しておきましょう。
- 一般歯科 → 歯科に修正が必要
- 口腔外科 → 歯科口腔外科に修正が必要
医療広告ガイドラインで掲載NGの歯科の診療科目
- 予防歯科
- 審美歯科
- マタニティー歯科
の3つです。ただしこちらも限定解除要件を満たすことで掲載可能になるものもあります。
インプラントとホワイトニングに関しても、診療科目としては掲載不可ですが、治療内容として掲載することはできます。
歯科で注意するべきビフォーアフター写真の掲載について
歯科や美容クリニック等のホームページに、治療前の写真と治療後の写真が掲載されている場合があります。
しかし、きちんとした説明がなく、且つ限定解除要件を満たしていない場合、写真のみを掲載するのは禁止とされています。自由診療を行っている場合は、
- 承認を受けた医療機器や医薬品を使用
- 標準的な費用の掲載
- 自由診療であることを記載
といった3つの条件を守らなければ、ビフォーアフターの写真をホームページに掲載することはできません。
また、修正された写真や撮影条件を変更して撮られた写真の掲載は不可です。それから動画も写真と同じように扱う必要があります。
最新という表現に注意する
歯科のホームページを制作する際は、「最新」という言葉がよく使用されています。
- 最新の治療を行っています
- 最新の医療機器を導入しています
といった表現が記載されていることがありますが、5年前や10年前の治療や医療機器を、最新という言葉で表現することは禁止されています。
この「最新」という言葉を使う際は、本当に最新の治療や医療機器を説明する場合でなければ、使用することができません。
何年までを最新とするかなどは基準が難しく、新たな治療や医療機器が定着してきた頃に、以前の治療や医療機器を最新と表記すると、誇大広告や虚偽広告に該当する可能性があります。
基本的には最新という表現は避けた方が無難でしょう。使用する場合は相当注意が必要です。
歯科ホームページへのデータ記載は根拠とともに
歯科のホームページには、
- 患者さまの満足度〇%!
- 成人男性の〇%が~という疾患を患います
といった表現が記載されていることがあります。しかし、根拠がなく数字のみの記載は虚偽広告に該当してしまいます。患者さんたちに疑惑や混乱をもたらさないためにも、根拠となる情報と共に、ホームページに掲載する必要があるのです。
また、根拠として「当院調べ」は、説得力に欠けますので、使用することはやめましょう。また「満足度」に関しては、捏造だと思われる可能性もあるので、ホームページに記載しない方が良いでしょう。
医療広告ガイドラインの限定解除について
限定解除要件を満たせば、歯科ホームページに記載しても良い項目が増えます。例えば以下の項目です。
- 診療科目
- 専門外来
- 体験談や患者さんの声など
- ビフォーアフターの写真の掲載
- 専門医(活動実態がない団体より認定された専門医はNG)
- 特定の病院の治癒率などのデータ(客観的に実証可能なもの)
ビフォーアフター写真については、治療内容、費用、副作用、リスクに関する十分な説明も掲載しなければなりません。
限定解除を満たすために、以下を明記する必要があります。
- 問い合わせ先(電話番号やメールアドレスなど)
- 治療内容や費用(自由診療の場合)
- 主な副作用やリスク(自由診療の場合)
表現に困る場合はプロや専門家への相談も検討
医療広告ガイドラインに従ってホームページを制作せず、違反表記を用いた場合、是正命令が下ります。
是正命令が出されているにも関わらず、ホームページの訂正を行わなければ、罰則が課されることもあります。また、虚偽広告に該当するケースにおいては、懲役6カ月または罰金30万円以下の刑事罰が適用される可能性もあるのです。
こういった罰則もありますので、歯科のホームページを制作する際は、医療広告ガイドラインに詳しいWeb制作会社等に制作やチェックをしてもらった方が、罰則のみならず世間への影響に対するリスクヘッジとして良いでしょう。
当然ですが、ホームページ以外のオウンドメディアやsnsなども医療広告ガイドラインの規制対象となります。
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