【歯科医院の集患】歯科広告の種類と守るべきガイドライン
最終更新日:2021年08月31日
歯科医院の集患に有効な歯科広告にはどのようなものがあるか
患者を増やすには、満足のいく治療を施して地域での評判を上げていく地道な努力しかないというのが実際のところかもしれません。ただ、コンビニよりも多いとされる歯科医院。待っているだけで患者が来るわけではありません。
ここでは従来通りのオーソドックスな歯科広告だけでなく、コロナ禍にも強いWeb広告やWeb施策について説明していきます。
また歯科の広告を出す場合に守らねばならないガイドラインについてもまとめています。
まずはどのような広告手法があるか整理しておきます。
雑誌・テレビなどのマスメディア
「新聞、雑誌、ラジオ、テレビ」を4大マスメディア(4マス媒体)といいますが、歯科医院の広告掲載にどれだけの費用が投下できるかによって、マスメディアを活用するかどうかを判断します。
歯科医院は地域に密着した医療機関なので、地元のフリーペーパーやローカルラジオ、ケーブルテレビなど商圏エリアに絞り込んだメディアを選ぶようにします。
また審美歯科やインプラント、マウスピース矯正といった治療内容に絞り込んだ特集やお悩み相談など、マスメディアに露出できる企画を持っている広告代理店がありますので、歯科広告の実績が多い広告代理店に打診すると無駄がありません。
YouTubeの動画でエリア集患対策
最近では検索結果にさまざまな動画がアップされることが増えてきていますが、歯科医院の集患にも動画は有効です。ホームページ上で動画を公開している歯科医院もありますが、いま注目されているのは配信型コンテンツとしての動画です。
配信したい「地域」や「年齢層」を選び、狙いたいターゲットに向けて配信できるというもの。エリア集患の強力な武器となるはずです。
たとえば、「アットムービー」などは歯科に特化した動画サービスを展開しています。
ポータルサイトなどでも動画で歯科医院内を紹介するサービスを展開しているものもありますので、検討してみるとよいでしょう。
ポータルサイトなどのインターネットメディア
ポータルサイトといえばEPARK歯科や矯正歯科ネット、インプラントネットなどのインターネットメディアが頭に浮かぶと思います。SEOに強いポータルサイトに自院の情報を掲載すれば、歯科医院をエリアで絞り込んで検索するユーザーの目に留まる可能性があります。
サイトによってはポータルサイトのリンクバナーを提供してくれる場合もありますので、有効に活用したいものです。
そのほかにも、ヘルスケアや美容系のサイトでも、歯の健康や審美的なコラムを掲載している場合があります。こうしたWebメディアに掲載するためには、タイアップ広告や記事広告を掲載する費用がかかりますが、被リンク効果も得られる点はSEO的に有利になります。
地域集患のオフライン広告
代表的なものには電車の駅やバス停、歯科医院近くの電信柱、商店街の看板やバスのアナウンスなどがオフライン広告の定番です。ただ現在のようなコロナ禍にあっては外出を控える人も多いので、ポスティングを活用している歯科医院も増えています。
そのほかには、コロナ感染予防のマスクを入れるマスクケースに広告を入れたり、地元の飲食店などにポスターやチラシを置いてもらう、という方法も無駄ではありません。
ただこうしたオフライン広告は反響の可視化が難しいため、あまり費用をかけずに、ラクスルのようなコスパのいい業者に依頼するのがおすすめです。
キャククル内には歯科関連のコンテンツが多数ありますが、矯正歯科やインプラント治療などに特化したページもございます。ぜひ参考になさってください。
歯科広告で守らねばならない医療広告ガイドライン
さて、歯科医院を含む医療機関の広告として取り扱うべき個々の媒体については、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」に記載されています。それによると、
- ➀患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)
- ②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
このふたつに当てはまる場合は、前述の媒体のいずれであっても医療広告と見なされるということです。
よく見かけるものでいえば、医療機関の看板、野立て看板、電柱広告、バスや電車などの交通広告、雑誌や新聞広告、電話帳、ホームページなどでしょうか。また、意外に思われるかもしれませんが新規開業時の内覧会なども広告と見なされます。
歯科医院の広告規制
医療広告ガイドラインに基づき広告として見なされた場合、掲載できることには以下のような事項があります。
- 歯科医師である旨、指定医や専門医である旨
- 診療科、医院の名称、管理者(院長)の氏名
- 住所、電話番号、診療日、診療時間、予約時間
- ホームページのURL、Eメールアドレス
- 医療スタッフに関する事項(氏名、役職、略歴など)
- 訪問診療(往診)実施の有無
- 医療相談、安全措置、個人情報の取り扱いなど管理運営に関する事項
- そのほか、厚生労働大臣が定める事項
この中で特に気をつけたいのは専門医の部分。専門性の資格は厚生労働省の認可を受けた各関係学術団体が認定するもののみが掲載を認められていますので注意が必要です。
一方では、広告に掲載することが禁止されている事項があります。同ガイドラインには基本的な考え方として以下のように定義されています。
- 比較優良広告、誇大広告
- 公序良俗に反する内容の広告
- 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
- 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等の広告
最近の週刊誌などで「日本の名医100人」「歯科医自身が勧めるクリニックランキング」といった記事を目にすることがときどきあると思います。
そのような記事に掲載されるのは名誉なことかもしれませんが、それを「掲載されました!」とホームページや広告でアピールするのはNG。歯科医自身や医院の功績を誇張する内容として、患者に対する誇大広告と見なされます。
さらに「○週間で効果が出ます」、「絶対に安全な治療法」、「最新の技術」などの医学的根拠のない内容や宣伝、「キャンペーン中は○○治療が無料!」「治療を受けた方には○○をプレゼント!」のように費用や付加価値を強調する広告も規制の対象となります。
医療広告の違反事例は美容医療に次いで歯科が多く、その中でもインプラント治療に関する違反が約50%を占めるといいます。治療費が高額になるインプラントやマウスピース矯正の患者を集めたいばかりに、医療広告ガイドラインに抵触してしまうケースは、決して少なくないのです。
この点は改めてセルフチェックをしてみることをおすすめします。
患者を誘引する目的で使用されればすべて「広告扱い」
歯科医師が学会や専門誌に発表する学術論文などには誘因性がないため、広告とは見なされません。しかし、論文を特定の人に宛てて送るなど受診を誘引する効果を狙っている場合は広告扱いとされます。
新聞や雑誌などの取材記事も同様ですが、歯科医院側が費用を負担して掲載してもらう記事風の内容ならば広告扱いです。
患者さんや家族が自ら口コミサイトなどのメディアやSNSに投稿する体験談なども、広告とは見なされません。
ただし、歯科医院側からの依頼や金銭授受などの関与がある場合は広告と見なされます。悪くすればステルスマーケティング(ステマ)、やらせ広告という判断をされかねません。したがって口コミの扱いには十分注意が必要です。
歯科に関する医療広告ガイドラインについては、下記ページで詳細を説明していますので、再確認したい場合はこちらもお読みください。
歯科広告で知っておくべき「医療広告ガイドラインの限定解除要件」とは?
医療広告ガイドラインの広告規制にはさまざまな規制とともに、「限定解除の要件」というルールが用意されています。
患者が知って役立つこと、たとえば治療法などの専門領域を正しく理解するために必要な情報を盛り込むことで、広告として扱われるホームページに明記できる事項が増える、というものです。
以下が医療広告ガイドラインが示す限定解除の要件の引用です。
広告可能事項の限定解除の具体的な要件
広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。
① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
引用元:厚労省「医療広告ガイドライン」第4 広告可能事項の限定解除の要件等(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)
要するに、安い価格やメリットだけを記載して患者に誤解を与えないようにすることが求められている、ということです。問い合わせに関しても、予約専用で自動音声が流れるだけのものでは、限定解除の要件を満たしません。
歯科医院の広告規制に悩んだら
歯科広告を含む医療広告には、多くの規制が設けられています。なかには抵触ギリギリの広告を打って集患している医療機関もありますが、医療機関ネットパトロールへの通報や、国民生活センターへの苦情などのリスクは犯したくないものです。
弊社ではこれまで多くの歯科医院の集患を支援してまいりました。特定の地域、特定の治療法(インプラントやマウスピース矯正、小児矯正など)に絞り込んだメディアも運用しています。
さらにキャククル編集部だけでなく事業部全体で医療広告や薬機法の研修を受けるなどして、関連法規に沿った戦略的コンテンツマーケティングを提供しています。
ご自身で歯科広告の見直しをしている時間がない、集患がうまくいかないなどのお悩みがある場合は、下記フォームより弊社までご相談ください。
【歯科医院の集患】歯科広告の種類と守るべきガイドラインまとめ
このページでは歯科医院の広告についてのサマリーや医療広告ガイドラインの注意点などを説明していきましたが、下記ページではGoogleマップやGoogleマイビジネスといったエリア対策や、歯科広告の戦略に役立つマーケティングの基礎知識などもくわしく解説しています。
診療の合間にお読みいただければと思います。