競争が激しい接骨院・整骨院業界の生き残り戦略とは?
最終更新日:2024年04月17日
接骨院・整骨院業界の現状
街中で見かける「整骨院、マッサージ」の看板。整骨院、マッサージ店の生き残り競争は激しく2018年の倒産件数は93にものぼり、過去10年で最多を更新しました。
これらの倒産した店舗のうち半数は個人経営で従業員が5人未満が9割を占めているのが特徴です。激しい生き残り競争が原因で同業者から不正広告の横行や不正請求の増加も目立っています。
患者数が減少している
整骨院、鍼灸院、マッサージ院などの施術所は全国で13万店舗を超え、10年間で約2万8000店舗増加しています。この中で整骨院に限定すると施術所の数は約5万件です。日本の人口が1億2000万人程度ですから、これを整骨院の件数で割ると1施術所あたりの人口は約2400人という計算になります。
このうち患者となる人は何人いるでしょうか?整骨院を利用したことのある人は人口の10%以下という情報もあるくらいですから、なかなか厳しいというのが現状です。
患者が減少している理由とは
患者が減少している主な理由は店舗増加と人口減少です。1院あたりの患者数が減少するため整骨院の競争が激しくなります。特に地方では人口減少のペースが大きくなり、それだけ患者の数が減ることになります。
行きたい整骨院、行きたくない整骨院とは
整骨院を利用している人たちにとって、行きたい整骨院、行きたくない整骨院の基準はどんなものなのでしょうか。
ある男性は「最初は知り合いの紹介ですね。『あそこへ行くと、良くなった』みたいに言われて行くケースが多いですね。」のように紹介で行くケースが多いようです。はじめの1回目は紹介で行く人も多いと思いますが、2回目以降はどうでしょうか。
「最近、小さい病院なんかでもスリッパを消毒する機械がありますよね。あれがあると効果があるのかは知らないけど安心感はありますよね。」というように、来院したときの安心感が院のイメージアップになっていることもあれば、「痛みは一発で治してくれるんです。でも待合室が汚くて、埃だらけで…」など、いくら施術内容がよくても、環境が悪ければ台無しになってしまうケースもあります。
施術者の技術向上はもちろんですが、院内の清掃が行き届いているか、スタッフの身だしなみが乱れていないかなどもチェックしておくと良いでしょう。
生き残る接骨院・整骨院になるには
整骨院の件数は年々増加傾向にあり、2014年の末には45000店を超え、コンビニの57000店に匹敵するほどになりました。街を歩けばいたるところに整骨院の看板を見かけるといった具合に、実感としても競争が激しくなっていると思います。
人生100年時代で国民の健康意識が向上
昨今の高齢化が進んでいる日本社会において、すっかりと定着したのが「健康ブーム」です。高齢者で身体に慢性的な不安を抱えている人が増えているのと、若年層でもデスクワーク中心の生活環境に変化したことで運動不足になっています。医学の進歩によって、いまや人生100年時代を迎えようとしている中、できるだけ健康寿命を延ばしたいという需要が高まってきています。
したがって、この健康ブームは見方を変えると「病気になる前に予防しよう」と捉えられるでしょう。国も診療報酬の見直しや、健康寿命の延伸を基本方針とするなど、積極的に推進しています。国民の病気に対する予防意識が向上しており病気を未然に防ぐことの重要性はますます高まってきています。
これからの整骨院の課題は?
このような背景から、これからの整骨院業界では身体機能の低下を予防するという役割が期待されるのではないでしょうか。
ひざの痛みや腰痛で整骨院を訪れたお客さんに対して、運動を進めることで改善されるというアプローチを積極的に行うことで、リハビリテーションセンターなどと連携して地域の健康増進の一端を担うことが新しい整骨院の役割となるはずです。
そのためには、スタッフひとり一人がカウンセリング能力のような施術以外の技術を取得し、近年の消費者志向のコスパ意識にスポットと当てて効果的な施術を行うことで、今後激化する整骨院の店舗淘汰で生き残るには非常に重要なポイントではないかと思います。
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黒字経営のポイントは
整骨院の開業から、開業後の経営について資金が必要です。開業後にそれなりの黒字経営を続けていくためにはそれなりの知識が必要です。これから整骨院を開業したい、すでに開業しているが赤字経営で悩んでいるという人のために、黒字経営のポイントを紹介します。
開業資金の計画は綿密に立てる
整骨院を開業にするにあたって、開業資金は避けて通れない道です。もっとも大きな費用が掛かるのが物件取得費です。特に保証金は最低でも家賃6か月分以上が必要になるため、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
他にも設備投資で内装工事費や機材の購入費も必要です。機材はレンタルするという方法であれば、初期費用なしで機材を調達できるため選択肢のひとつです。他にもホームページの作成費やチラシの作成費、広告費など集客するために必須なので、手を抜かずにしっかりと行う必要があります。
損益分岐点から黒字経営の目安を
開業後に安定した店舗経営をするためにはしっかりと利益を上げることが重要です。利益にも種類がありますが、ここでは経常利益をプラスにすることで黒字経営を目指します。
経常利益とは売上高から諸経費を差し引いた金額です。諸経費には店舗経営に必要な費用で、人件費や家賃、光熱費などが含まれます。他にも開業時に金融機関からの借入金があれば、その利息も含まれます。
経常利益をプラスにするためには、黒字と赤字の境界となる損益分岐点の売上高を把握しておきましょう。損益分岐点は毎月変わる変動費も含まれますのであくまで目安と思ってください。黒字経営を続けていくためには常にこの損益分岐点を上回る売上を上げることが必要なので、最低ラインです。
今後の需要を見据えた強みづくりが必要
述べたように、これからの整骨院業界には大きな変化が控えていると考えられます。今までのやり方にこだわらず、柔軟に変化し、整骨院を利用したい方のニーズを的確にとらえて、自院の強みをPRしていくことが必要です。
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